国電同時多発ゲリラ事件

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国電同時多発ゲリラ事件(こくでんどうじたはつゲリラじけん)は、1985年11月29日に、首都圏大阪府日本国有鉄道(国鉄)の鉄道施設に対してほぼ同時多発的に起きたゲリラ事件である。

日本の新左翼中核派が起こした事件である。

事件内容[編集]

1985年11月29日午前3時頃、首都圏大阪府内の計8都府県内各地にある、国鉄及び西武鉄道の計22線区の線路の通信・信号用ケーブルが合計33カ所に渡って切断された。なお、駅間主幹ケーブルなど太いケーブルは切断されず釘を打ち込まれた(導体が短絡しケーブルとしての用をなさない)個所もあった(被害防止のため後日ケーブルトラフをステンレスバンドで固縛したことにより保守性が著しく低下した)。被害を受けた路線は当日の夕方までにすべて復旧したが、首都圏で2896本、大阪地区で378本の列車が運休した。これにより通勤通学客など600万人以上に影響が出た。

また犯人グループ約120人が同日午前6時45分ごろ総武本線浅草橋駅東京都台東区)に押しかけ、シャッターを強引にこじ開け構内に侵入、駅施設を破壊し、火炎瓶を投げつけて放火した。これによって同駅は駅舎を破損・焼損し、当日は終日客扱い不能となった(なお同駅には都営地下鉄浅草線も乗り入れているが、こちらには被害はなかった)。

ケーブルが切断され、運転不能となった路線[編集]

首都圏
大阪地区

事件の背景・犯人グループ[編集]

当時、中曽根康弘内閣の下で進められていた国鉄分割民営化に強く反対していた国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)を支持する革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)の犯行と断定された。浅草橋駅放火事件の実行犯には、現役の国鉄職員2名も含まれていた。のちに杉並区議会議員を務める北島邦彦もこの事件に関わっていて、実刑判決を受けた。

当時は国鉄分割民営化に対して国鉄労働組合(国労)や動労千葉による激しい反対運動が起こっており、度重なるストライキのために鉄道利用客にしばしば混乱や不満を招いていた。このため、分割民営化に反対して引き起こされたこの事件によって、世論はますます分割民営化支持に傾き、国鉄分割民営化に反対の立場の国労や日本共産党も、この事件を非難した。

中核派の幹部の木下治人や古川康三も関与したとして逮捕状が出され指名手配されていた。共犯者による時効停止などで延長もあったが、2009年1月に公訴時効が成立した。

参考文献[編集]

関連項目[編集]