マスメディア集中排除原則
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マスメディア集中排除原則(マスメディアしゅうちゅうはいじょげんそく、the principle of excluding multiple ownership of the media)とは、電波法(昭和25年法律第131号)第7条第2項第4号の規定により、総務省令で定められている『放送局に係る表現の自由享有基準』(放送をすることができる機会をできるだけ多くの者に対し確保することにより、放送による表現の自由ができるだけ多くの者によつて享有されるようにするため、申請者に関し必要な事項を定める基準)の通称である。
目次 |
[編集] 概要
放送局の開設や、これを開設する放送事業者に対する出資に関する規制であり、少数の者により複数の放送事業者が支配されることを防ぎ、多くの者が表現の自由を享受できるようにするため、複数の放送事業者に対する出資を制限している。
具体的には、放送局に係る表現の自由享有基準(平成20年総務省令第29号)に於いて定められている。但し、認定放送持株会社の子会社が開設する放送局に関しては、放送局に係る表現の自由享有基準の認定放送持株会社の子会社に関する特例を定める省令(平成20年総務省令第30号)に於いて特例が定められている。
[編集] 放送局
[編集] 原則
原則として、同一の者が複数の放送事業者に対し次に掲げる議決権を有することを「支配」とし、規制している。
- 放送対象地域が重複する場合 - 10分の1を超える議決権
- 放送対象地域が重複しない場合 - 5分の1以上の議決権
- 連続放送対象地域(当該連続放送対象地域の各放送対象地域が関東広域圏である場合を除く)で放送対象地域の数が7を超えない場合 - 3分の1以上の議決権
[編集] 特例
次のいずれかの場合は、特例が適用される。
- 放送局に係る表現の自由享有基準第3条
- 同一の放送対象地域に於ける中波放送(以下「AM」)又は超短波放送(以下「FM」)及びテレビジョン放送(以下「TV」)の放送局の開設、支配及び被支配となる場合(短波放送及びTVの組合せは不可。)。
- 第4条
- 前条の規定は、AM又はFMを開設又は支配する者、TVを開設又は支配する者が新聞社を経営し、又は支配する者となる場合は不可能。ただし、当該放送対象地域においてニュース又は情報の独占的頒布を行うこととなるおそれがないときは可能。
- 第5条
- 連続放送対象地域のうちの一の放送対象地域にTV(県域放送に限る。)を行う放送局を開設しようとする場合であって、連続放送対象地域のうちの一の放送対象地域に当該連続放送対象地域の他のすべての放送対象地域が隣接する位置関係にある場合又は当該位置関係と同程度に地域的関連性が密接であるものとして総務大臣が告示する地域に該当する場合
[編集] 委託放送業務
委託放送業務に関しては、放送法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第10号)第17条の8に規定されている。
- 国際電気通信連合憲章に規定する無線通信規則付録第30号の規定に基づき日本に割り当てられた11.7GHzから12.2GHzまでの放送衛星業務に使用される周波数(放送衛星業務用の周波数)を使用するデジタル放送を委託して行わせる委託放送業務(以下「BSデジタル」)に関しては、一の者が3分の1以上の議決権(放送局を開設する者又はこれを支配する者の場合は、2分の1を超える議決権)を有する場合が支配となる。但し、認定放送持株会社は、これを子会社とすることができる。
- 放送衛星業務用の周波数以外の周波数を使用するデジタル放送を委託して行わせる委託放送業務(以下「CSデジタル」)に関しては、一の者が3分の1以上の議決権を有する場合が支配となる。但し、使用する伝送容量のトランスポンダ換算数が2(データ放送を委託して行わせる委託放送業務の場合の使用する伝送容量のトランスポンダ換算数は1)を超えない場合は、放送局(放送衛星局を除く)を開設する者が委託放送業務の認定を受けることができる。
[編集] 放送法以外の法律に基づくもの
[編集] 電気通信役務利用放送
- 衛星役務利用放送の場合 - 電気通信役務利用放送法施行規則第7条に規定されており、一定の中継器(トランスポンダ)相当の伝送容量を超える保有を規制している。
- 有線役務利用放送の場合 - 電気通信役務利用放送法施行規則第7条に規定されており、放送対象地域が重複する地上放送事業者による参入を禁じている。
[編集] 有線テレビジョン放送
有線テレビジョン放送に関しては、法令上の規定はないが、審査基準で一般放送事業者による有線テレビジョン放送事業者の支配を規制している。
[編集] 制度改正とその動き
- 竹中平蔵総務大臣のもとで2006年1月20日から開催されている「通信・放送の在り方に関する懇談会」では、通信と放送の融合時代におけるマスメディア集中排除原則のあるべき姿について、議論が行われている。特に民放BSデジタル放送は各局共に赤字経営が続いている事や、地方では厳しい経済環境から地上民放テレビ局の新規開局が困難な状況であり、情報格差の縮小も狙って、次のようなことの解禁が検討されている。
- テレビ局が1社で複数の放送区域の放送免許を持つことを認める。
- テレビ局が1社で複数の放送波の放送免許を持つことを認める(例として、琉球朝日放送(QAB)(テレビ朝日系列)の場合、一部を除く放送業務をQABと社屋を併設している琉球放送(RBC)(TBS系列)に委託していることから、現在事実上の1局2波体制である)。
- 1局2波の場合、既存の社屋・送信所をそのまま使用するため、設備投資は放送設備の設置程度で済む。また、放送業務に必要な社員も大半は既存局の社員を出向扱いさせることで大幅なコスト削減にもつながる。
[編集] 行政指導等
2004年11月、読売新聞の第三者名義による日本テレビ株の保有問題を受けて、他社も調査した結果、第三者名義によりマスメディア集中排除の制限を超えて出資を行なう行為は広く行なわれていた事が発覚した。2005年2月、総務省は調査結果を公表、71社に対して厳重に注意する旨の行政指導を行い、放送局に株主の報告を強化させるなど対策を行なった。
括弧内、左側が出資上限(過去も含む)、右側の数字が超過分
- 読売新聞→
- 朝日新聞→
- テレビ岩手(10+5.38%)
- TBS→テレビユー福島(20+4.35%)
- 山形新聞社→
- 青森テレビ→エフエム青森(10+5.95%)
- 河北新報→エフエム仙台→(10+0.5%)
- 秋田テレビ→エフエム秋田(10+7.0%)
- ラジオ福島→エフエム福島(10+12.5%)
- 中日新聞→
- 北海道新聞→
- 信濃毎日新聞→長野朝日放送(10+7.5%)
- 北國新聞→エフエム石川(10+7.0%)
- 名古屋鉄道→(10+0.15%)
- 岐阜新聞→岐阜エフエム放送(10+9.25%)
- 東海テレビ放送→
- 前田富夫→エフエム大阪(10+10%)
- 山陰中央テレビジョン放送→エフエム山陰(10+3.62%)
- 日本海テレビジョン放送→エフエム山陰(10+3.06%)
- 中国新聞→中国放送(10+22.37%)
- 高知新聞→
- サガテレビ→エフエム佐賀(10+0.7%)
- 熊本日日新聞→エフエム中九州(当時の社名)(10+30.32%)
- 大分放送→エフエム大分(10+5%)
- テレビ大分→エフエム大分(10+1%)
- テレビ宮崎→エフエム宮崎(10+6.4%)
- 鹿児島放送→エフエム鹿児島(10+0.2%)
- 鹿児島テレビ放送→エフエム鹿児島(10+8.4%)
- 静岡放送→山梨放送(20+3.3%)
- テレビ山梨→エフエム富士(10+7.25%)
- 日本経済新聞社→テレビ大阪(20+0.4%)
- 熊本日日新聞→熊本放送(10+2.5%)
- 琉球放送→琉球朝日放送(10+8%)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- マスメディア集中排除原則について(総務省)

