「ファントム (ミュージカル)」の版間の差分

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*''My True Love'' (私の真の愛)/クリスティーヌ
*''My True Love'' (私の真の愛)/クリスティーヌ
*''The Story of Erick'' (エリックの物語)/キャリエール、ベラドーヴァ、エリック、他
*''The Story of Erick'' (エリックの物語)/キャリエール、ベラドーヴァ、エリック、他
*''Beautiful Boy'' /ベラドーヴァ
*''Christine'' (伯爵の歌)/フィリップ※
*''Christine'' (伯爵の歌)/フィリップ※
*''My Mother Bore Me'' (私を産んだ母)/ファントム
*''My Mother Bore Me'' (私を産んだ母)/ファントム

2014年9月29日 (月) 02:04時点における版

ファントム』(Phantom)は、ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』のアーサー・コピット&モーリー・イェストンによる舞台版である。1991年初演。

舞台化の経緯

当初、ブロードウェイでの上演を目指して製作中だったが、一足先にロンドンでアンドルー・ロイド=ウェバー版が大ヒットして早々とブロードウェイ上演が決定してしまったため、スポンサーのほとんどが離れ、資金面の問題で上演を断念した。

その後、TVドラマ用に修正した脚本をアメリカのテレビ局に売却した。1990年にドラマ化・放映され、青年エリックとしての人間性や出生の秘密など、原作と大きく離れ、独自に掘り下げられた内容ではあった。1991年、テキサス州ヒューストンでリチャード・ホワイト(ファントム)、グローリー・クランプトン(クリスティーヌ・ダエー)にて初演され、全米ツアーを経て、その後も世界各地で上演されている。

主な登場人物

  • ファントム(エリック):オペラ座に住む怪人と呼ばれる男
  • クリスティーヌ・ダーエ:オペラ歌手を目指す少女
  • フィリップ・シャンドン伯爵:オペラ座の有力なパトロンの一人
  • ゲラール・キャリエール:オペラ座の前支配人
  • アラン・ショレ:オペラ座の新支配人
  • カルロッタ:ショレの妻にしてオペラ座の新プリマドンナ
  • ジャン・クロード:楽屋番
  • マダム・ドリーヌ:オペラ座最古参のバレエ教師
  • ルドゥ警部:パリ警察署長
  • モーク・レール:舞台監督
  • メグ・ドリーヌ、セルジョ、リシャール、ソレリ、ラシュナル:オペラ座の団員
  • ベラドーヴァ:昔のプリマドンナ

(2008年上演版より。2004年及び2006年の宝塚歌劇団版とは一部の役名が異なる)

あらすじ

※ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』を原作としながらも、一般的によく知られているアンドルー・ロイド=ウェバー版(ALW版)ミュージカル「オペラ座の怪人」とは話の展開も結末も異なる。 19世紀後半のパリ。

通りで新曲の楽譜を売る、オペラ座に憧れる少女クリスティーヌ・ダーエの歌声を耳にしたシャンドン伯爵は、クリスティーヌに、自らがパトロンを務めているオペラ座で歌のレッスンを受けるように取り計らう。シャンドン伯爵の紹介を受けてクリスティーヌはオペラ座へと赴くが、紹介人であるオペラ座の支配人キャリエールは既に解任されていた。

オペラ座の新支配人ショレは妻カルロッタをプリマドンナとして迎え、カルロッタはオペラ座で権勢を振るおうと意気込む。衣裳係のブケーにオペラ座の探索をさせていると、キャリエールにこの劇場には幽霊がおり、地下にある池には近づかないよう忠告をうける。しかし、ショレもカルロッタもキャリエールの解任されたことへのやっかみだと取り合わない。そこに現れたクリスティーヌをカルロッタは追い返そうとしたが、有力なパトロンの紹介があるため無下にできず、クリスティーヌを衣裳係にしてしまう。

キャリエールは一人オペラ座の地下深くへと降りていく。そこには「オペラ座の怪人(ファントム)」と呼ばれる男が住んでいた。ファントムはキャリエールに、人を地下に寄こしたこと、カルロッタの歌が我慢ならないことを抗議するが、キャリエールはオペラ座の支配人を解任されたのでどうすることもできないと告げる。ファントムは驚き、ショレ・カルロッタ夫婦を追い出そうと画策することを決意。キャリエールは止めるが、ファントムは聞き入れない。以降、特にカルロッタ周辺で怪現象が起きるようになり、「ファントムの仕業」だとオペラ座ではまことしやかに噂が流れ出す。

ある日、クリスティーヌの歌を偶然耳にしたファントムは、彼女の歌声に亡き母の面影を見出し、彼女を一流の歌い手へと導くことを決める。ファントムは彼女の前にその姿を見せないまま、夜な夜なクリスティーヌに歌のレッスンを施す。クリスティーヌはファントムの導きのまま、その歌の才能を開花させていった。

歌い手としてクリスティーヌはもう遜色はないと判断したファントムは、クリスティーヌにオペラ座の前にあるビストロで行われるコンテストに出場するよう勧める。クリスティーヌはそのコンテストにて、キャリエールやシャンドン伯爵、ショレ、カルロッタ他の劇団員の前で見事歌い上げる。シャンドン伯爵とショレはクリスティーヌの歌を絶賛、彼女を歌手として改めてオペラ座に迎え入れることにする。嫉妬に駆られたカルロッタは、クリスティーヌを「フェアリー・クィーン」のタイターニア役にと、ショレに進言する。

日本での上演

宝塚歌劇団での上演

2004年 - 宙組公演(初演)
2006年 - 花組公演
  • 宝塚大劇場・東京宝塚劇場で公演。
  • 桜乃彩音の大劇場トップ娘役お披露目公演。
  • 初演に引き続き、出雲綾がカルロッタ役を務めた。
2011年 - 花組公演
  • 宝塚大劇場・東京宝塚劇場で公演予定。
  • 蘭寿とむの大劇場トップお披露目公演。
  • シャンドン伯爵を愛音羽麗朝夏まなとが役替わり、アラン・ショレを愛音と華形ひかるが役替わり、セルジョと若き日のキャリエールを華形と朝夏が役替わりで務める。
  • 日本初演よりさらに新曲が2曲追加された。[1]
  • 2011年8月23日の13:30公演で、通算上演回数300回を迎えた。[2]
本公演キャスト
  2004年宙組 2006年花組 2011年花組
ファントム 和央ようか 春野寿美礼 蘭寿とむ
クリスティーヌ 花總まり 桜乃彩音 蘭乃はな
キャリエール 樹里咲穂専科 彩吹真央 壮一帆
シャンドン伯爵 安蘭けい星組 真飛聖 愛音羽麗
朝夏まなと[* 1]
アラン・ショレ 鈴鹿照専科 夏美よう 愛音羽麗
華形ひかる[* 1]
カルロッタ 出雲綾[* 2] 桜一花
ジャン・クロード 美郷真也 高翔みず希 夏美よう
ルドゥ警部 寿つかさ 大伴れいか 悠真倫
セルジョ
/若かりし頃のキャリエール
初嶺麿代 愛音羽麗 華形ひかる
朝夏まなと[* 1]
リシャール 遼河はるひ 未涼亜希 望海風斗
ラシュナル 悠未ひろ 桐生園加 瀬戸かずや
ソレリ 彩乃かなみ 華城季帆 華耀きらり[* 3]
ベラドーヴァ 音乃いづみ 花咲りりか 芽吹幸奈
メグ・ドリーヌ 花影アリス 華耀きらり 仙名彩世
幼いエリック 和音美桜 野々すみ花 実咲凜音
  1. ^ a b c 役替わりで公演
  2. ^ 宙組公演時は宙組生として出演。花組公演時は専科よりの特別出演。
  3. ^ 2011年6月24日〜6月25日まで体調不良で休演したため、月野姫花が代役を務めた。月野の演じるフルール役はその期間は桜咲彩花が務めた。
新人公演キャスト
  2004年宙組 2006年花組  2011年花組
ファントム 七帆ひかる 望月理世 鳳真由
クリスティーヌ 花影アリス 華城季帆 実咲凜音
キャリエール 和涼華 紫峰七海 真瀬はるか
シャンドン伯爵 十輝いりす 朝夏まなと 大河凜
アラン・ショレ 風莉じん 日向燦 輝良まさと
カルロッタ 芽映はるか 初姫さあや 仙名彩世
ジャン・クロード 聖野花珠 夕霧らい 天真みちる
ルドゥ警部 暁郷 祐澄しゅん 真輝いづみ
若かりし頃のキャリエール 美牧冴京 望海風斗 優波慧
セルジョ 不在 柚香光
リシャール 早霧せいな 扇めぐむ 水美舞斗
ラシュナル 凪七瑠海 冴月瑠那 和海しょう
ソレリ 美羽あさひ 華耀きらり 月野姫花
ベラドーヴァ 和音美桜 芽吹幸奈 菜那くらら
メグ・ドリーヌ 不在  野々すみ花 美蘭レンナ
幼いエリック 咲花杏 彩城レア 朝月希和

その他日本公演

2008年
上演台本演出:鈴木勝秀、翻訳:伊藤美代子、企画制作:梅田芸術劇場
梅田芸術劇場愛知厚生年金会館青山劇場で上演された。
ベラドーヴァ役の姿月あさとは映像にて出演。
2010年
上演台本演出:鈴木勝秀、企画制作:梅田芸術劇場
赤坂ACTシアター梅田芸術劇場で上演。
ベラドーヴァ役は不在で、キャリエールがベラドーヴァの思い出を語るという演出に変更された。
2014年
演出:ダニエル・カトナー、翻訳:伊藤美代子、訳詞:荻田浩一、企画制作:梅田劇術劇場
赤坂ACTシアター・梅田芸術劇場にて上演。
ヴェラドーマのナンバー『Beautiful Boy』が新たに追加された[3]
主要キャスト
  2008年 2010年 2014年
ファントム 大沢たかお 城田優
クリスティーヌ・ダーエ 徳永えり 山下リオ
ゲラール・キャリエール 伊藤ヨタロウ 篠井英介 吉田栄作
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵 ルカス・ペルマン[# 1]
パク・トンハ[# 1]
海宝直人[# 1]
古川雄大[# 1]
日野真一郎
アラン・ショレ HISATO 石橋祐 三上市朗
カルロッタ 大西ユカリ 樹里咲穂 マルシア
ジャン・クロード 永島克 大山真志
ルドゥ警部 中村まこと 池下重大
ベラドーヴァ 姿月あさと[# 2] 不在 山下リオ[# 3]
幼いエリック   松井月杜[# 1]
ラヴェヌル知輝[# 1]
  1. ^ a b c d e f ダブルキャストでの公演
  2. ^ 映像のみの出演
  3. ^ チームワークは万全!開幕直前レポ♪(2014年9月11日、ミュージカル『ファントム』公式ページ)内で2役とのクレジット。

主なミュージカルナンバー

ALW版とは作曲者が異なるため、一般的にミュージカル「オペラ座の怪人」として知られている各ナンバーとは、全く別のものである。

第1幕

  • Hear My Tragic Tale (僕の悲劇を聴いてくれ)/ファントム※
  • Melodie De Paris (パリのメロディー)/クリスティーヌ、他
  • Paris Is A Tomb (パリは墓場)/ファントム、従者
  • Dressing For The Night (夜のために着替え)/ソレリ、ガブリエル、ミレイユ、他
  • Where In The World (世界のどこに)/ファントム
  • This Place Is Mine (この場所は私のもの)/カルロッタ
  • Home (私の夢が叶う場所)/クリスティーヌ、ファントム
  • You Are Music (君は音楽)/ファントム、クリスティーヌ
  • Who Could Ever Have Dreamed Up You (思いもよらぬ君)/フィリップ、クリスティーヌ

第2幕

  • Without Your Music (君の音楽なしに)/ファントム
  • My True Love (私の真の愛)/クリスティーヌ
  • The Story of Erick (エリックの物語)/キャリエール、ベラドーヴァ、エリック、他
  • Beautiful Boy /ベラドーヴァ
  • Christine (伯爵の歌)/フィリップ※
  • My Mother Bore Me (私を産んだ母)/ファントム
  • You Are My Own (お前は私のもの)/ファントム、キャリエール

※は宝塚版のみのオリジナル楽曲になる。

脚注

  1. ^ 【花組】「ファントム」制作発表 (2/2ページ)サンスポ、2011年4月27日)
  2. ^ 東京宝塚劇場花組公演『ファントム』特製フォトカードプレゼントについて-通算上演回数300回記念-(宝塚歌劇団公式ページ、2011年7月21日)
  3. ^ ミュージカル『ファントム~「オペラ座の怪人」の真実~』初日開幕!(2014年9月13日、演劇キック)