ケプラー69c
ケプラー69c Kepler-69c | ||
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ケプラー69cの想像図
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星座 | はくちょう座[1][2] | |
分類 | 太陽系外惑星 ゴルディロックス惑星 | |
軌道の種類 | 周回軌道 | |
発見 | ||
発見日 | 2013年4月18日 | |
発見者 | ケプラー宇宙望遠鏡 | |
発見方法 | トランジット法 | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 0.64+0.15 −0.11 au[3][4] (9574万4000+2244万 −1646万km) | |
近点距離 (q) | 0.55 au | |
遠点距離 (Q) | 0.73 au | |
離心率 (e) | 0.14+0.18 −0.1[3][4] | |
公転周期 (P) | 242.4613 ± 0.006 日[3][4][5] | |
軌道傾斜角 (i) | 89.85+0.03 −0.08°[3][4] | |
通過時刻 | 150.867[3][4] | |
ケプラー69の惑星 | ||
位置 元期:J2000.0 | ||
赤経 (RA, α) | 19h 33m 02.622s[3] | |
赤緯 (Dec, δ) | +44° 52′ 08.00″[3] | |
視線速度 (Rv) | −38.7 ± 0.1 km/s[5] | |
距離 | 1,040 光年[6] 2,700 光年[7] | |
物理的性質 | ||
半径 | 1.71+0.34 −0.23 R⊕[5] | |
表面積 | 1.491×109 km2 | |
体積 | 5.416×1012 km3 | |
質量 | ~6 M⊕ | |
放射束 | 1.91+0.43 −0.56 F⊕[8] | |
表面温度 | 299+19 −20 K[4] 548 K (275 °C; 527 °F)[注 1] | |
年齢 | 4億年[3] | |
他のカタログでの名称 | ||
KOI-172.02, 2MASS J19330262+4452080 c, KIC 8692861 c | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
ケプラー69c(英語: Kepler-69c[5][9][10])、またはKOI-172.02[4][6]は、地球から見て、はくちょう座の方向に約2,700光年離れた位置にある太陽に似たG型主系列星、ケプラー69を公転している2つの太陽系外惑星うちの1つである。NASAのケプラー宇宙望遠鏡の観測により発見された。ケプラー69cは岩石で構成された、地球より数倍大きな惑星、スーパーアースの可能性が高いとされている。惑星が恒星の前を通過する現象を捉える、トランジット法で発見され、最初の発見は2013年1月7日に公表された[11][12]。そして、同年4月18日にケプラー69cがハビタブルゾーンの中を公転している事が発表された[13]。しかし、現在では、金星のように分厚い大気に覆われ、暴走温室効果が発生する「スーパービーナス」であると考えられており、生命や液体の水が存在する可能性は低くなっている[14]。
特性
[編集]質量・半径・温度
[編集]海王星 | ケプラー69c |
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ケプラー69cは、質量、及び半径が地球よりも大きく、天王星や海王星よりは小さなスーパーアースだとされている。質量は推定で地球の6倍、半径は1.71倍である。表面温度は299K(26℃)と、生命が存在するには快適な温度である。しかし、半径の割に推定質量が大きいため、金星のように大量の大気を保持して、過剰な温室効果が発生している可能性がある。その場合、表面温度は548K(275℃)まで上昇してしまう。このような惑星は「スーパービーナス(Super Venus)」と呼ばれる。
主星
[編集]主星のケプラー69は太陽に似た恒星で、ケプラー69cを含めて2つの惑星を持っている。質量は太陽の0.81倍で、半径は太陽の0.93倍。表面温度は5638Kで、これは太陽の5778K[15]よりもやや冷たい。年齢は約4億年で、太陽の約46億年[16]よりもかなり若い。
視等級は13.7等しかなく[5]、肉眼で観測する事は出来ない。
軌道要素
[編集]ケプラー69cは、主星から0.64auの距離を242日周期で公転している。太陽系に当てはめると、金星の軌道要素とよく似ている[2]。
居住の可能性
[編集]ケプラー69cは、ケプラー62eとケプラー62fと共に、ハビタブルゾーン内を公転している惑星として発表された。そのため、表面に液体の水を有する可能性がある。地球型惑星の可能性が高い事も観点に入れて、天文学者は「地球外生命が存在出来る、最有力候補の惑星」としている[12]。
主星のパラメータの不確実性により、放射束は地球の1.91+0.43
−0.56倍と、非常に大きくなっている。それは、たとえケプラー69cがハビタブルゾーンの中を公転していたとしても、主星に近い為に、生命が存在するには主星に近すぎる可能性がある事を示す[17]。放射束は、最低でも地球に1.35倍になる。これは、表面にある海が蒸発してしまうのには十分な数値である。より最近の分析では、ケプラー69cは、太陽系で最も過酷な環境を持つ天体の一つである、金星と類似した環境になっている事が示されている[14]。
惑星の質量が大きいと、表面で暴走温室効果が発生してしまう。すると、表面上の海は、すぐに蒸発してしまい、表面温度は約322K(49℃)に上昇する。また、海が蒸発する事によって生じた水蒸気が、温室効果ガスとなり、さらに温室効果を激化させ、表面温度は約500K(227℃)まで上昇する可能性もある[18]。
発見
[編集]ケプラー69cを発見したケプラー宇宙望遠鏡は2009年に観測を開始した。ケプラーは、惑星が主星の手前を通過する、「トランジット」によって減光される恒星の視等級を観測する事によって、惑星を発見する。ケプラーは主星ケプラー69に約242日毎に、惑星候補によって減光している事を観測し、そのデータはケプラーのミッションチームに送信した。ミッションチームは、これが実在する惑星であると結論付け、ケプラー62系を含む、他の惑星と共に、2013年4月18日に発表された[5]。
2013年5月9日にアメリカ合衆国下院で行われた議会の公聴会で"Exoplanet Discoveries: Have We Found Other Earths?"という議題で、太陽系外惑星ケプラー62eとf、ケプラー69cに関して議論が行われた。発見は、雑誌サイエンスの特集号で公開されていたが、改めて惑星についての説明が行われた[19]。
ケプラー69cと、ケプラーが発見した惑星 | ||
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地球との大きさの比較。左から順にケプラー69c、ケプラー62e、ケプラー62f、地球。 地球以外の惑星は想像図である。 |
銀河系における、ケプラー宇宙望遠鏡の捜索範囲。(黄色部分) | ケプラー69b、cと水星、金星、地球、火星との大きさと軌道、そして各惑星系のハビタブルゾーンの位置の比較を表した図。 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ Based on improved models of Kepler-69c after it was found to be uninhabitable.
出典
[編集]- ^ Walker, John (2003年4月4日). “Your Sky - The Virtual Telescope”. fourmilab.ch. 2016年11月7日閲覧。
- ^ a b “ハビタブルゾーンに地球の1.4倍の惑星”. AstroArts (2013年4月19日). 2016年11月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h Staff (2013年1月7日). “Kepler KOI Search Results for KOI-172.02”. Space Telescope Science Institute. 2016年11月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g Staff. “CONFIRMED PLANET OVERVIEW PAGE”. NASA Exoplanet Archive. 2016年11月7日閲覧。
- ^ a b c d e f Barclay, Thomas (2013). “A super-Earth-sized planet orbiting in or near the habitable zone around Sun-like star”. The Astrophysical Journal 768 (2): 101. arXiv:1304.4941. Bibcode: 2013ApJ...768..101B. doi:10.1088/0004-637X/768/2/101.
- ^ a b Johnston, Wm. Robert (2011年10月2日). “List of Extrasolar Planets”. JohnstonArchive.com. 2016年11月7日閲覧。
- ^ Batalha, Natalie (2013年1月7日). “Astronomer, Kepler Space Observatory - Message Post”. Facebook. 2016年11月7日閲覧。
- ^ Kaltenegger, L. “Water-Planets in the Habitable Zone: Atmospheric Chemistry, Observable Features, and the case of Kepler-62e and -62f”. The Astrophysical Journal Letters 775 (2): L47. arXiv:1304.5058. Bibcode: 2013ApJ...775L..47K. doi:10.1088/2041-8205/775/2/L47.
- ^ “NASA's Kepler Discovers Its Smallest 'Habitable Zone' Planets to Date”. NASA (18 April 2013). 2016年11月7日閲覧。
- ^ Overbye, Dennis (18 April 2013). “2 Good Places to Live, 1,200 Light-Years Away”. ニューヨーク・タイムズ 2016年11月7日閲覧。
- ^ Harrington, J. D. (January 7, 2013). “NASA'S Kepler Mission Discovers 461 New Planet Candidates”. NASA. 2016年11月7日閲覧。
- ^ a b Moskowitz, Clara (January 9, 2013). “Most Earth-Like Alien Planet Possibly Found”. Space.com. 2016年11月7日閲覧。
- ^ 3 Potentially Habitable 'Super-Earths' Explained (Infographic) Space.com
- ^ a b Kane, Stephen. “A Potential Super-Venus in the Kepler-69 System”. The Astrophysical Journal Letters 770 (2): L20. arXiv:1305.2933. Bibcode: 2013ApJ...770L..20K. doi:10.1088/2041-8205/770/2/L20.
- ^ Fraser Cain (September 15, 2008). “Temperature of the Sun”. Universe Today. 2016年11月7日閲覧。
- ^ Fraser Cain (16 September 2008). “How Old is the Sun?”. Universe Today. 2016年11月7日閲覧。
- ^ L. Kaltenegger; D. Sasselov; S. Rugheimer (2013). "Water Planets in the Habitable Zone: Atmospheric Chemistry, Observable Features, and the case of Kepler-62e and -62f". arXiv:1304.5058v1 [astro-ph.EP]。
- ^ http://csep10.phys.utk.edu/astr161/lect/venus/greenhouse.html
- ^ “Special Issue: Exoplanets”. Science (3 May 2013). 2016年11月8日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Planet Kepler-69 c 太陽系外惑星エンサイクロペディア
- Kepler Discoveries Table NASA
- The Habitable Zone Gallery
- Discovery of New Planetary Systems (2013)NASA
- Kepler – Tally of Planets/interactive (2013) ニューヨーク・タイムズ
- Video (02:27) – NASA Finds Three New Planets in "Habitable Zone" YouTube
- ケプラー69cがKepler object of interestに登録されていた時のNASA Exoplanet Archiveのページ
- KOI-172 Star on Star Finder KPGraham