TRAPPIST-1g
TRAPPIST-1g[1] | ||
---|---|---|
TRAPPIST-1gの想像図
| ||
星座 | みずがめ座 | |
分類 | 太陽系外惑星 岩石惑星 | |
軌道の種類 | 周回軌道 | |
発見 | ||
発見年 | 2017年 | |
発見方法 | トランジット法 | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 0.0451 ± 0.0014 au[2] (674万6960 ± 20万9440 km) | |
離心率 (e) | 0.003 ± 0.002[3] | |
公転周期 (P) | 12.35281 ± 0.00044 日[3] | |
軌道傾斜角 (i) | 89.710 ± 0.025°[2] | |
通過時刻 | 7529.4724 ± 0.0058 BJD[3] | |
TRAPPIST-1の惑星 | ||
位置 元期:J2000.0[4] | ||
赤経 (RA, α) | 23h 06m 29.36s[4] | |
赤緯 (Dec, δ) | −05° 02′ 29.2″[4] | |
赤方偏移 | -0.000188[4] | |
視線速度 (Rv) | -56.3 km/s[4] | |
固有運動 (μ) | 赤緯: 922.1 ミリ秒/年[4] 赤緯: -471.9 ミリ秒/年[4] | |
年周視差 (π) | 82.58 ± 2.58ミリ秒[4] (誤差3.1%) | |
距離 | 39 ± 1 光年[注 1] (12.1 ± 0.4 パーセク[注 1]) | |
物理的性質 | ||
直径 | 13,330 km | |
半径 | 1.127 ± 0.041 R⊕[2] | |
表面積 | 6.48×108 km2 | |
体積 | 1.55×1012 km3 | |
質量 | 0.566 ± 0.038 M⊕[3] | |
平均密度 | 2.18 ± 0.28 g/cm3[3] | |
表面温度 | 198.6 ± 3.8 K[2] | |
年齢 | 30 - 80億年[5] | |
他のカタログでの名称 | ||
2MASS J23062928-0502285 g | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
TRAPPIST-1gは、地球から見てみずがめ座の方向に39.4光年離れた位置にある赤色矮星TRAPPIST-1を公転している太陽系外惑星である。
発見
[編集]2016年9月19日から9月20日にかけて、スピッツァー宇宙望遠鏡がTRAPPIST-1を観測した際に発見された[6]。発見時には、すでにTRAPPIST-1系には、TRAPPIST-1b、TRAPPIST-1c、TRAPPIST-1dの3つの惑星の存在が知られていた[7][8]が、この時のTRAPPIST-1dの公転周期などの軌道要素が確定されていなかった。しかし、今回の観測で、dの確定しなかった軌道要素がTRAPPIST-1d、TRAPPIST-1e、TRAPPIST-1f、TRAPPIST-1gの4つの惑星によるものだった事が判明した[2]。
特徴
[編集]地球 | TRAPPIST-1g |
---|---|
TRAPPIST-1gは、半径が地球の1.127倍、質量は2月の発表では地球の1.34倍となっていた[2]が、4月の発表では、0.566倍となった[3]。また、半径と予想される密度から、重力は地球の1.06倍になると推定されている。TRAPPIST-1系の惑星の中では、最も大きい。その大きさから、TRAPPIST-1gは地球のような岩石惑星であると推測されている。主星のTRAPPIST-1からは0.0451au(約674万km)しか離れておらず、これは太陽から水星までの距離(0.387au[9])の約8分の1しかない。しかし、主星のTRAPPIST-1が「超低温矮星」と呼ばれる、恒星の中でも最小級の分類に属されるため、主星から受ける熱やエネルギーはそれほど大きくないであろう。公転周期は約12日で、g:f=4:3という軌道共鳴の関係が見られる[2]。
TRAPPIST-1gはTRAPPIST-1のハビタブルゾーン内を公転しているとされ、表面温度は199K(-74℃)である。仮に水が存在するとしても、これは水が氷に凍ってしまう温度になる。しかし、仮に自転と公転の同期が発生しているとすると、惑星の片面は常に恒星にさらされるため、氷が解けて海を形成しているかもしれない。この条件が整っている場合、生命が誕生している可能性も考えられる。しかし、自転と公転が同期していれば、惑星全体で昼側から夜側への強風が吹き、地球とは環境が大きく異っている可能性もある[6]。地球にどれだけ組成が似ているかを示すESIの値は、0.58である[10]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Planet TRAPPIST-1 g”. The Extrasolar Planet Encycloapedia. 2017年5月8日閲覧。
- ^ a b c d e f g Gillon, Michaël; Triaud, Amaury H. M. J.; Demory, Brice-Olivier; Jehin, Emmanuël; Agol, Eric; Deck, Katherine M.; Lederer, Susan M.; de Wit, Julien et al. (2017). “Seven temperate terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf star TRAPPIST-1”. Nature 542 (7642): 456-460. doi:10.1038/nature21360. ISSN 0028-0836 .
- ^ a b c d e f Wang, Songu; Wu, Dong-Hong; Barclay, Thomas; Laughlin, Gregory P. (13 April 2017). "Updated Masses for the TRAPPIST-1 Planets". arXiv:1704.04290 [astro-ph.EP]。
- ^ a b c d e f g h “2MASS J23062928-0502285 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. 2017年5月8日閲覧。
- ^ Luger, Rodrigo; Sestovic, Marko; Kruse, Ethan; Grimm, Simon L.; Demory, Brice-Oliver; et al. (12 March 2017). "A terrestrial-sized exoplanet at the snow line of TRAPPIST-1". arXiv:1703.04166 [astro-ph.EP]。
- ^ a b “超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見”. AstroArts (2016年5月9日). 2017年5月8日閲覧。
- ^ “Could these newly-discovered planets orbiting an ultracool dwarf host life?”. ガーディアン (2016年5月2日). 2017年5月9日閲覧。
- ^ “Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star”. ヨーロッパ南天天文台 (2016年5月2日). 2017年5月8日閲覧。
- ^ “Mercury fact sheet”. NASA. 2017年5月8日閲覧。
- ^ “Habitable Exoplanets Catalog”. Planetary Habitability Laboratory. プエルトリコ大学アレシボ校. 2017年5月8日閲覧。
関連項目
[編集]