ケプラー413b

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ケプラー413b
Kepler-413b
星座 はくちょう座
分類 太陽系外惑星
発見
発見日 2014年1月28日(公表)[1]
発見者 Veselin B. Kostovら[1]
発見方法 トランジット法[1]
現況 公表
軌道要素と性質
元期:BJD 2455000
軌道長半径 (a) 0.3553+0.0020
−0.0018
au[1]
離心率 (e) 0.1181+0.0018
−0.0017
[1]
公転周期 (P) 66.262+0.024
−0.021
[1]
軌道傾斜角 (i) 89.929+0.024
−0.016
°[1]
近点引数 (ω) 94.6+2.2
−2.3
°[1]
通過時刻 BJD 2455096.64+0.16
−0.17
[1]
準振幅 (K) A:43.42+0.19
−0.16
m/s[1]
ケプラー413(AB)の惑星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  19h 14m 02.55s[2]
赤緯 (Dec, δ) +51° 09′ 44.9″[2]
距離 2300光年
(705.5 pc)
物理的性質
半径 4.347 ± 0.099 R[1]
質量 67+22
−21
M[1]
平均密度 3.2 ± 1.0 g/cm3[1]
他のカタログでの名称
Kepler-413(AB)b, KIC 12351927b, 2MASS J19140254+5109448b[2]
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ケプラー413b(英語:Kepler-413b)またはケプラー413(AB)b(英語:Kepler-413(AB)b)とは地球からはくちょう座の方向に2300光年離れた位置にある太陽より小さい恒星同士による連星ケプラー413公転している太陽系外惑星である。

概要[編集]

ケプラー413bは2013年ケプラー宇宙望遠鏡によって発見された。ケプラー413bはケプラー413連星系、全体を公転する周連星惑星である。周連星惑星は2015年6月の地点で十数個しか発見されていない、特殊な分類である。ちなみにケプラー宇宙望遠鏡が発見した周連星惑星ではケプラー413bは8例目となる。

物理的特徴[編集]

大きさの比較
海王星 ケプラー413b
海王星 Exoplanet

ケプラー413bは木星の0.211倍の質量(地球の67倍)、0.388倍(地球の4.347倍)の半径を持つガス惑星とされている。密度は3.2 g/cm3とされている[1]

軌道[編集]

ケプラー413bは連星系から0.3553AU(約5016万km)の距離を62.262日で公転している。ケプラー413bは大部分の他の惑星(太陽系の惑星も含む)と異なり、歳差運動が大きく、観測から11年間に最大で約30°自転軸の傾きが変化する結果が出ている。地球の歳差運動は2万6000年で23.5°である事を考えるとこれはとても大きな歳差運動である[3]。さらにケプラー413bの軌道傾斜角は平均89.929°だが、連星系の軌道が2.5°傾いている為、ケプラー413bの軌道面はわずかに傾いており、ケプラー413bは地球から見ると自転や公転も不安定なカオス的な惑星に見える[3][注 1]

ケプラー413bの軌道面はやや傾いている為、ケプラー413bはトランジット(惑星が主星の前を横切る現象)を毎回、起こさない事になる。ケプラー413bはケプラーのデータ1500日分の中で、冒頭の半年間に3回のトランジットを起こしたが、後の2年間はトランジットをおこしておらず、その後再び5回のトランジットを起こした事が記録されている[3]。軌道面が傾いている理由は分かっていないが、未知の恒星や惑星の可能性がある[3]

ケプラー413bのトランジットは2015年7月現在、発生しておらず、次のトランジットは2020年まで発生しないとされている[1][3]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 不安定な自転や公転している天体は太陽系内にもほとんどない。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Kostov, Veselin B. et al. (2014). “Kepler-413b: A Slightly Misaligned, Neptune-size Transiting Circumbinary Planet”. The Astrophysical Journal 784 (1): 18. arXiv:1401.7275. Bibcode2014ApJ...784...14K. doi:10.1088/0004-637X/784/1/14. 
  2. ^ a b c Kepler-413 b”. NASA Exoplanet Archive. NASA Exoplanet Science Institute. 2020年6月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e 軌道も自転軸もふらふらの系外惑星”. AstroArts (2014年2月5日). 2015年7月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 星図 19h 14m 02.55s, +51° 09′ 44.9″