太陽系外惑星の発見方法

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トランジット法から転送)
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2014年までに発見された各年の年間太陽系外惑星発見数を表したグラフ。
  直接撮影法
  重力マイクロレンズ法
  トランジット法
  位置天文学法

本項では、太陽系外惑星の発見方法について述べる。惑星は、自ら光る恒星と比べて、非常にかすかな光を反射しているに過ぎないため発見しにくい。例えば、太陽のような恒星は、惑星が反射する光の約10億倍の明るさを持つ。そのようなわずかな光を検出するという本質的な難しさに加え、恒星の光が惑星からの光をかき消してしまう場合もある。こうした理由から、2014年4月までに発見された太陽系外惑星のほとんどは、直接観測されていない。

よって、天文学者は、間接的な方法を主として観測せざるを得なかった。2016年時点で、数種類の間接的方法が成功を収めている。

発見に成功した方法[編集]

以下に、これまでに1例でも太陽系外惑星を検出できた事のある方法について記述する。

ドップラー分光法[編集]

ドップラー分光法英語: Doppler spectroscopy)、または視線速度法英語: Radial velocity)は、惑星の重力で主星がわずかに移動する様子を捉えることで惑星を発見する手法である。一見、主星は動いていないように見えるが、周囲を巡る天体があるとその重力の影響を受け、地球から見るとわずかに揺れ動いている。この振動運動を測定する事で、惑星の質量などを求めることが出来る。恒星の振動は、ドップラー効果による主星のスペクトル線の変化から観測する事が出来る。

惑星の重力で、恒星が揺れ動くアニメーション。

主星が揺れる距離は、惑星どころか、人間の身長よりも短い場合がある。しかし、秒速1メートルほどの速度で恒星が揺れているなら、分光器で捉えることが可能で、現時点で高性能な分光器にはチリラ・シヤ天文台にある口径3.6メートルの高精度視線速度系外惑星探査装置(HARPS)やW・M・ケック天文台HIRESなどがある。揺れている速度を計測する、最も簡単で安価なのは「Externally dispersed interferometry[訳語疑問点]」とよばれる方法である[1][2]

2012年までは、太陽系外惑星の発見に最も使用された発見方法であった。ドップラー分光法は恒星との距離に依存しないが、高精度の識別には高いSN比を要する。そのため、ドップラー分光法は地球から約160光年以内にある、比較的近い恒星がよく対象にされるが、しかし、1つの望遠鏡で複数の恒星を同時に観測する事は出来ない。木星質量を越える惑星の場合は、数千光年離れていても検出可能だが、それではホット・ジュピターのような、恒星に非常に近い巨大ガス惑星しか発見出来ない[注 1]。現在の分光器では、主星から約10au離れた惑星も捉えられるが、発見までには長い時間がかかる。現在の観測技術で、地球質量の惑星が検出できるのは、親星が低質量であって惑星軌道が近い場合で、例えばプロキシマ・ケンタウリbなどに限られる。

ドップラー分光法は、質量が小さい恒星の周りを公転する惑星が検出しやすい傾向がある。それには2つの理由があり、1つ目は低質量の方が相対的に、惑星の重力の影響を大きく受けやすい事と、2つ目は低質量の恒星は自転周期が遅い事にある。

ただ、ドップラー分光法では惑星系連星系のような複数の天体が存在する場合は誤った信号を観測する事もあり、磁場太陽フレアのような激しい恒星活動によっても誤った信号が生成される事もある[3]。1つの恒星が複数の惑星を持っている場合、誤った信号が正確な観測記録として残され、後にこれが誤りと判明し、発見自体が撤回される事もある。実際に2010年にドップラー分光法で発見された、グリーゼ581gは地球に非常に似た惑星として注目を集めたが、後にこれが誤った観測結果であることが判明し、発見は撤回されている[4][5]

ドップラー分光法は、他の手法では求めるのが難しい軌道離心率を正確に求める事が出来る。しかし、惑星の質量が小さい、あるいは軌道傾斜角が大きいほど検出が困難で、そのうえ恒星の揺れを使って「間接的に」惑星を発見しているため、物理的特徴は下限質量 () しか得られないという短所がある。惑星の真の質量は惑星の軌道傾斜角に依存するため、軌道傾斜角が分からない以上、それを求める事が出来ないためである[6]。惑星の真の質量を求めるには、下記のトランジット法での観測結果とを組み合わせる必要がある。

基本的に、ドップラー分光法で発見された惑星の物理的特徴は下限質量しか得られないが、惑星のスペクトル線が得られている場合は、恒星の揺れている速度と距離とを組み合わせる事に成功すると軌道傾斜角を求める事ができ、惑星の真の質量を導く事が出来る。

トランジット法[編集]

惑星が恒星の手前を通過すると、恒星の明るさがわずかに暗くなる。トランジット法はその明るさの変化を捉える手法である。
惑星ケプラー6bによって変化した主星ケプラー6の光度曲線[7]
太陽系外から見た、木星ガリレオ衛星のトランジットのイメージ。

トランジット法英語: Transit photometry)、または食検出法は、ドップラー分光法では得られない、惑星の半径を求めるのに有効な手法である。惑星が主星の手前を通過(恒星面通過、トランジット)すると、地球から見た恒星の光度はごくわずかに減少する。その減光から惑星を発見する方法である。恒星が暗くなる割合は惑星の大きさによって変わり、例えば、惑星オシリスを持つ恒星HD 209458はオシリスが通過する際、光度は約1.7%減少する。

ただし、トランジット法には2つの短所がある。1つ目はトランジット法で観測できる惑星の軌道傾斜角には制限があり、さらに、トランジット法で発見された惑星はドップラー分光法とは反対に公転周期が短い惑星が発見されやすい傾向があるという事である。例えば、太陽サイズの主星から1au離れた位置にある惑星が、地球から見て主星の手前を横断する確率はわずか0.47%しかない。さらに、主星からより離れた惑星では、このような位置関係が実現する確率はより一層低くなる。また、トランジット法は長時間、恒星を観測する必要があるが、元から惑星が存在するという保証は得られない。しかし、ドップラー分光法と異なり、トランジット法では複数の恒星を同時に観測する事が可能であるため、広い範囲に渡って恒星を継続的に観測し続けることによって、ドップラー分光法よりも多数の惑星を見つける事が出来る[8]

すでに地上と宇宙空間からトランジット法を使って太陽系外惑星を探索するプロジェクトがいくつも存在している。地上からはスーパーWASPHATネットMEarthXO望遠鏡などが、宇宙空間からはCOROTケプラー宇宙望遠鏡が成果を挙げている。また、トランジット法は数千光年離れた恒星でも観測出来る利点があり、実際に2006年に行われたSagittarius Window Eclipsing Extrasolar Planet Search(SWEEPS)では、26,000光年離れた、銀河系の中心部で16個の太陽系外惑星候補を発見しており、そのうちSWEEPS-4SWEEPS-11の2つが惑星と確認されている。しかし、これらの惑星は非常に遠方にあるため、現在の技術で、これ以上の詳細な観測はほぼ不可能である。

トランジット法の2つ目の短所は、誤検出率の高さである。2012年の研究では、ケプラーミッションで得られた観測データの40%以上に誤検出がある可能性が指摘された[9]。このため、典型的に1つの惑星系に対してドップラー分光法などの他の手法で追加の観測を行う必要がある。しかし、ドップラー分光法で観測するには惑星の質量が木星質量を越えないと検出は困難で、さらに検出出来たとしてもそれが褐色矮星や小型の恒星である可能性もある。ただし、誤検出率は2つ以上の惑星がある惑星系では非常に低いので、大規模な追加観測をすることなく、検証することが出来る。その一部の惑星は後述のTTVでも確認する事が出来る[10][11][12]

主星が赤色巨星の場合、別の問題が生じる。仮に惑星がこのような恒星の恒星面を通過しても、赤色巨星の表面は常に大きく脈動しているため、恒星の光度曲線が一定ではなく、惑星による減光を見つけ出す事は困難となる。特に準巨星の場合は光度曲線の変化が著しい。また、これらの恒星は半径が大きく非常に明るいため、惑星がトランジットしている際の減光率は小さくなり、検出を難しくする。逆に小型な白色矮星中性子星は検出しやすい。しかし、これらの天体は死を迎えた恒星の残骸のため、惑星が生き残って公転し続けている可能性は低い。

トランジット法で発見された惑星の質量と半径を表したグラフ。スーパーアースは黒丸で表されている。

トランジット法の主な利点は、恒星の光度曲線における減光率から惑星の大きさを求められることにある[注 2]。また、ドップラー分光法の観測と組み合わせて惑星の真の質量がわかれば、密度を求める事ができ、惑星に関して多くの物理的特徴が得られる。双方の方法で観測された惑星は、多くの既知の系外惑星の中でもよく特徴付けられている[13][注 3]

Secondary eclipseを起こすWASP-33bと呼ばれる惑星の成層圏の有無を説明している画像[14]

また、トランジット法からは惑星の大気組成を求める事も出来る。惑星が恒星面を通過すると、恒星の光の一部は惑星の上層大気を通過する。その際の、恒星の高解像度のスペクトルを分析する事で、大気成分を特定出来る。この手法は「トランジット分光」と呼ばれている。さらに、惑星が恒星の背後を通過する「Secondary eclipse」(以下、二次食と称する)が起きると、発生のタイミングと継続時間から、軌道離心率の範囲を絞り込む事も出来る[15]。二次食が発生する前と後の恒星の光を測光し、二次食が起きている最中と比較することで、惑星に起因する信号のみを取り出すことができる。また、惑星の大気を検出出来れば、惑星の表面温度を求めることができる。2005年3月、2つの研究チームがスピッツァー宇宙望遠鏡を使って、惑星の表面温度の測定を行った。1つはハーバード・スミソニアン天体物理学センターのDavid Charbonneau率いるチームで、もう一方はゴダード宇宙飛行センターのL. D. Deming率いるチームだった。彼らはそれぞれ、TrES-1HD 209458 bを対象にして観測を行った。その結果、TrES-1は表面温度が1,060Kで、HD 209458 bは1,130Kと計測された[16][17]。また、ホット・ネプチューングリーゼ436bも二次食を起こす事が分かっている。しかし、恒星面を通過する惑星でも、地球からの相対的な位置関係で二次食を起こさない惑星もいくつかある。HD 17156 bは後者である確率が90%以上あるとされている。

フランス国立宇宙研究センターが2006年に打ち上げた探査機、COROTシンチレーション技術をさらに向上させて、観測を行った。このミッションでは「より精度良く」、そして「地球の数倍規模の小型の惑星を見つける」事を目標とした[18]。2008年初頭から2013年の間に32の惑星を発見した。そして、COROTは2012年11月に不具合のためデータ送信ができなくなり、2014年に運用を終えた[19]

2009年3月には、アメリカ航空宇宙局(NASA)が、地球サイズの惑星を発見するためにケプラー宇宙望遠鏡を打ち上げた。ケプラーミッションでは、トランジット法ではくちょう座方向の観測視野内にある10万個の恒星を通過する惑星を観測する。この主要ミッションが終了する3.5年の間に、太陽に似た恒星を公転する地球サイズの惑星をいくつも発見する事に成功した[20]

2011年2月の時点で1,235個の惑星候補を発見し、その内の54個はハビタブルゾーン内を公転しているとされた。同年12月5日には、探査チームは2,326個の惑星候補を発見したと発表した。内訳は地球サイズが207個、スーパーアースサイズが680個、海王星サイズが1,181個、木星サイズが203個、それより大きなものが55個となっている。同年2月と比べると、地球サイズの惑星の数は約2倍、スーパーアースサイズは約1.4倍に増加した。また、ハビタブルゾーンを公転している惑星も48個発見された。これらは、以前よりも厳格な基準で選ばれたものである。2013年6月には、惑星候補の数は3,278個に増加した。また、地球より小さい惑星も発見され、火星サイズのケプラー62c(0.54±0.03R[21])や水星よりも小さなケプラー37b(0.303+0.053
−0.073
R[22])などが知られている[23]

反射光の変動による検出[編集]

主星に非常に近い軌道を公転している惑星は月の満ち欠けように見かけの形状が変化するものもある。さらに、このような惑星は主星からの強烈な放射によって加熱され、それに起因する惑星の熱放射は検出可能な強度となるものの、望遠鏡では惑星からの光と恒星の像とを分離する事は極めて難しい。惑星の光は軌道上の位置に応じて周期的に変化するが、その変化は非常に小さく、必要とされる測光精度は、太陽のような恒星の前を通過する地球サイズの惑星を検出するのと、ほぼ同じである。しかし、主星に非常に近い距離を公転しているホット・ジュピターの場合は、ケプラーのような宇宙望遠鏡で検出できる。惑星が高いアルベドを持っている場合は、可視光で検出するのがより容易になる。また、主星の表面温度が低温の場合、赤外線での検出が容易になる。この方法なら、惑星の軌道傾斜角にほぼ依存しないので、恒星面通過を起こさなくても惑星を発見出来る。しかし、地球から見て、正面の円形軌道である場合は、反射光の強さが変動しないため、検出は出来ない。


2015年に、ある国際研究チームが、初めて太陽系外惑星の反射光によるスペクトルを得る事に成功した。対象となったのは、主系列星を公転している惑星として初めて発見された、ペガスス座51番星bであった。ぺガスス座51番星bは1995年にドップラー分光法を用いて発見された惑星であり、チリにあるラ・シヤ天文台高精度視線速度系外惑星探査装置(HARPS)を用いて観測することで、惑星からの反射スペクトルを取得することに成功している[24][25]

ケプラー70系の想像図。

探査機COROT[26]やケプラー宇宙望遠鏡[27]も惑星からの反射光を観測したが、これらの惑星は、観測以前からすでに存在が知られていた。この手法で初めて発見された惑星は、ケプラー70と呼ばれるB型準矮星を公転しているケプラー70bケプラー70cである[28]

相対論的ビーミング効果による検出[編集]

恒星が惑星の重力を受けると、わずかに揺れ動く。ドップラー分光法では、この揺れを発見して、その速度から惑星の軌道要素などを求めるが、この方法では、揺れによる恒星の「光度」の変化を捉える。光源が観測者の方向に向かってくる場合、相対論的な効果によって光源の見かけの明るさが増大し、遠ざかる場合は逆に減少する。この効果は相対論的ビーミング効果英語: Relativistic beaming)と呼ばれている。恒星の揺れ動く速度は相対論的な速度に比べると遥かに遅いものの、相対論的ビーミングによる変動は検出可能であり、2003年に、アメリカ天文学者Abraham Loeb英語版とScott Gaudiによって初めて惑星の発見方法として提案された[29]。この手法ならば、ドップラー分光法と同様に、惑星の軌道離心率と下限質量を求める事が出来る。この手法は、トランジット法と同様に、ホット・ジュピターのような公転周期の短い木星クラスの惑星が発見されやすい。ドップラー分光法とは異なり、高精度のスペクトルを必要とせず、また、トランジット法のように地球から見て惑星が恒星面を通過する必要もないので、他の方法では検出できない惑星を発見できる利点がある[30]

この方法の最大の短所は、光度の変化がとても小さいという事である。この方法では、恒星から0.025au(374万km)離れた木星クラスの惑星でさえ、ほとんど検出する事が出来ない。

2013年に、この手法で初めて太陽系外惑星が発見され、その惑星はケプラー76bと名付けられた[30][31][32]

恒星の変形による検出[編集]

質量が大きな惑星は、その重力による潮汐力で、主星を楕円体に変形させる事がある。主星が楕円体の場合、惑星の公転によって楕円体の向きが変化するため、わずかに光度が変動する。地球から見て惑星が恒星の手前もしくは反対側にいる場合、恒星は楕円体の長軸を地球の方向に向けているため見かけの面積が小さくなり、減光する。一方で惑星が90度の角度に位置する場合は長軸が横を向いており、恒星面の見かけの面積が大きくなるため増光する。この手法は相対論的ビーミング効果と同様に、惑星の下限質量を求めるのに役立ち、感度は惑星の軌道傾斜角に依存する。光度への影響は、相対論的ビーミング効果よりもはるかに大きくなる可能性があるが、変化周期は約2倍速い。主星の密度が低いと、より楕円形になりやすい。この方法は、主星がすでに主系列段階を終えた場合に適している[33]

なお、相対論的ビーミング(BEaming)による変動、恒星の変形の効果(Ellipsoidal variation)、反射光の変動(Reflection)を合わせて解析して惑星の特性を調査する手法は、BEERアルゴリズムと呼ばれることがある[34]

パルサー・タイミング法[編集]

PSR B1257+12系の想像図。

パルサーは、太陽質量の8倍から30倍の質量を持つ恒星が超新星爆発を起こして残った、残骸のような天体で、電磁波を放出しながら高速で自転している。パルサーのパルスは非常に規則的で、それを観測する事で、パルサーの動きを追跡する事が出来る。普通の恒星のように、惑星を持っていれば、パルサーも揺れ動き、規則的であるはずのパルスにズレが生じる。このズレから惑星を間接的に観測する方法がパルサー・タイミング法英語: Pulsar timing)である。パルサー・タイミング法の観測では、惑星の軌道要素を求める事が出来る[35]

この方法は元々、惑星を検出するために考案された方法ではなかったが、地球質量の10分の1以下という、他の方法では検出出来ないような小さな惑星でも検出出来るという利点がある。また、惑星間の重力による相互作用も検出する事ができ、惑星のさらに詳細な軌道要素を求めれる。さらに、パルサーから離れた惑星でも、比較的簡単に検出が出来る。

パルサー・タイミング法の主な短所は、パルサー自体が非常に稀であり、また、パルサーの周りで惑星が誕生するのにも特殊な状況が必要になるという事である。したがって、このような惑星が多数発見される事はないとされる[36]

1992年、アレクサンデル・ヴォルシュチャンDale Frail英語版は、この手法でおとめ座にあるパルサー、PSR B1257+12を公転している惑星を発見した[37]。彼らの発見はすぐに確認され、太陽系外で初めて発見された惑星となった。

Variable Star Timing[編集]

パルサーと同様に、規則的に変光する天体として、回転変光星がある。分光器を使わなくとも、ドップラー効果の測光が出来る[38][39]が、この方法は、周期的に起こる活動が長いために時間分解能が低下し、また、パルサーよりは規則的ではない。惑星の検出感度は、恒星の脈動周期、脈動の規則性、惑星の質量、および主星からの距離に依存する。

この方法で初めて発見されたのは、2007年に発見された、ペガスス座V391星bである[40]

Transit Timing Variation[編集]

惑星が1つの場合と2つの場合とでの、惑星が、恒星面を通過するタイミングの変動を表したアニメーション。
提供: NASA/Kepler Mission

惑星が恒星面を通過するタイミングは、通常は常に一定だが、複数の惑星が公転している場合、恒星面通過を起こす惑星の公転周期が、別の惑星の重力の影響を受けて変動する場合があり、その変動で未知の惑星を確認する事が出来る。このような方法はTransit Timing Variation(TTV)と呼ばれる。TTVは、太陽から遠く離れた惑星系に有効である。ドップラー分光法の場合、遠距離ではSN比が小さい為、検出する事が出来ない。最低でも1つ、トランジット法で発見された惑星が公転している場合、恒星面通過を起こさない別の惑星が、地球質量ほどの質量を持っていれば、鮮明に検出する事が出来る。惑星の軌道が主星に比較的近い場合、あるいは少なくとも1つの惑星が大きな質量を持っていれば、より質量が小さい惑星の公転周期を変動させる。このような場合はTTVでの検出が適している[41][42][43]

TTVの主な短所は、ドップラー分光法やパルサー・タイミング法と同様に、「間接的に」惑星を発見している手法のため、惑星の物理的特徴がほとんど求められない事である。ドップラー分光法とは対照的に、TTVは惑星の上限質量を求める事が出来る。ほとんどの事例では、その惑星の質量を求められるが、誤差範囲に狭い制約を課す事は出来ない。ただし、惑星同士が非常に接近しているため、質量を詳細に求められるケプラー36系やケプラー88系などの例外もある。

TTVを使って発見された最初の惑星は、ケプラー宇宙望遠鏡によって発見された。2011年、恒星面通過がすでに確認されていたケプラー19bの公転周期が約5分ほど変動している事が判明した。それによって、ケプラー19bの他に、公転周期が160日未満の別の惑星、ケプラー19cが存在している事が確認された[44][45][46]

Transit Duration Variation[編集]

上記のTransit Timing Variationと比較的、似た発見方法である。「Duration Variation」は直訳すると「期間の変動」となり、期間は恒星面通過の継続時間を表す。恒星面通過の継続時間の変動は、太陽系外衛星、楕円軌道を公転している他の惑星からの摂動による近点移動、あるいは一般相対性理論的効果によって引き起こされる可能性がある[47][48]

恒星面通過を起こす事が確認された周連星惑星がある場合、この方法で、簡単に存在を確認する事が出来る[49]近接連星では、恒星は、周囲を巡る天体の通過の継続時間に大きな変化をもたらす。この手法で初めて発見された惑星は、周連星惑星として初めて明確に確認されたケプラー16bである[49][注 4]

Eclipsing Binary Minima Timing[編集]

地球から見て、連星系の恒星が互いの前を通過するように整列しているものを、「Eclipsing binary」(食連星)と呼ぶ。一番明るい恒星が、他の恒星、あるいは塵円盤によって部分的に覆われている時、これを「Primary eclipse」という。また、Primary eclipseの半周期後、他の恒星が一番明るい恒星によって覆われた状態となる。これを、上記と同様に「Secondary eclipse」と呼ぶ。この時、パルサーのパルスと同様に周期的な、減光が認められる[注 5]。恒星は、常に互いの共通重心を中心に公転しているが、周囲に惑星がある場合、共通重心にズレが生じ、恒星の軌道が移動して、Primary eclipseとSecondary eclipseの周期にもズレが生じる。この方法は、連星系の周りを公転する惑星を発見する最も有力な方法である可能性がある。この方法では、大質量の惑星で、連星系からの距離が比較的短い場合や、恒星が低質量の場合に有効である[50][51][52]

重力マイクロレンズ法[編集]

重力マイクロレンズのメカニズム。

ある天体の重力がレンズのようになって、背後にある別の天体が歪んているように観測される現象を重力レンズ効果という。この効果は、2つの天体が整列している場合にのみ発生する。2つの天体と地球は、全て相対的に動いているため、この効果は数日から数週間というわずかな期間しか継続されない。過去10年間に約1,000件の重力レンズ効果が観測されている。

2つの天体のうち、地球に近い方にある天体が惑星を持っている場合、その惑星自身の重力によって、重力レンズ効果にわずかな影響を及ぼす。このわずかな影響から、惑星を検出するのが重力マイクロレンズ法英語: Gravitational microlensing)である。しかし、その影響は非常に不安定なので、常に手前側の天体を観測する必要がある。この方法は銀河系の中心にある恒星が、よく奥側の天体とされるため、他の方法では検出が困難な、銀河面に位置する惑星も発見出来る。

1991年、天文学者のShude Maoとボフダン・パチンスキはこの方法で、連星系の伴星を発見する事に成功し、翌年の1992年に、Andy GouldとAbraham Loebによって、太陽系外惑星を発見出来る方法として改良された。この方法で初めて惑星が発見されたのは2002年で、ポーランドワルシャワ大学アンジェイ・ウダルスキが中心となって行っているOGLEプロジェクトによってなされた。1か月の間に、彼らはいくつかの惑星候補を発見していたが、観測精度に限界があり、はっきりとした確証を得る事は出来ていなかった。それ以来、いくつかの惑星が重力マイクロレンズ法で発見されている。重力マイクロレンズ法は、太陽のような主系列星を公転している地球質量程度の惑星を検出出来る、最初の発見方法であった[53]

他のほとんどの発見方法では、主星に非常に近い距離を公転している惑星が発見されやすいが、重力マイクロレンズ法では、主星から1~10au離れた惑星を検出するのに適している。

重力マイクロレンズ法の主な短所は、重力マイクロレンズ効果が1度しか起こらない事にある。また、たとえ検出出来たとしても、惑星までの距離は数千パーセク離れている事が多いため、他の発見方法による追加観測は不可能である場合が多い。さらに、判明する物理的特徴は質量のみであり、これは不確定性が大きい。また、直接判明する軌道要素は現在の主星からの距離のみである。この距離は、惑星が楕円軌道を描いている場合は軌道長半径を反映していない可能性が高く、軌道要素が不明瞭になる事もある。この方法で惑星が検出出来るのは、惑星が軌道上において、主星から特に離れている、わずかな領域に限られるので、公転周期を正確に測定するのは難しい。重力マイクロレンズ効果は、主星と惑星の質量比が近いほど大きくなるため、低質量の恒星の方が検出が容易である。

一方、重力マイクロレンズ法の長所は、低質量の惑星でも検出出来る事である。将来、重力マイクロレンズ法を使って探査を行う予定のWFIRSTなどのプロジェクトでは、火星質量ほどの惑星も検出出来ると期待されている。また、ドップラー分光法やトランジット法では検出が困難な、土星から天王星に匹敵するほどの長い公転周期を持つ惑星を発見する事ができ、また、非常に遠方にある惑星でも検出する事が出来る。十分な精度で、背景の天体を観測していれば、地球のような惑星が銀河系にどのように存在しているかも明らかに出来るとされている。

このような観測は通常、リモートテレスコープ(ロボット望遠鏡)によって行われている。OGLEプロジェクトの他にもMOAプロジェクトが成果を挙げている。

PLANETプロジェクトは、さらに積極的に観測に取り組んでいる。これは、地球に匹敵する低質量の惑星の検出を目指しており、世界を網羅している望遠鏡ネットワークを通じて、24時間体制で観測を行っている。この計画によって、大きな軌道長半径を持ち、小さな質量を持つOGLE-2005-BLG-390Lbと呼ばれる惑星が、初めてこの手法によって発見された[53]

直接観測法[編集]

コロナグラフを用いて、口径1.5メートルのヘール望遠鏡で観測したHR 8799の惑星。
ヨーロッパ南天天文台(ESO)によって観測されたがか座β星の塵円盤の画像。

惑星の主星からの反射光は、主星自体の光と比べると、とても弱いため、基本的に惑星を直接捉える事は非常に困難である。ただし、惑星が主星から比較的遠くに位置しており、その熱放射を観測する事が出来る場合がある。こうした発見方法は、直接観測法英語: Direct imaging)または直接撮影法と呼ばれる。熱放射による観測では、惑星系までの距離が地球に近く、サイズが木星よりも大きく、主星から離れていて、表面温度が高く強い赤外線を放射している惑星が検出されやすい。観測には赤外線が用いられるため、観測された惑星は可視光線よりも明るく見える。恒星の光を隠すコロナグラフを用いれば、可視光線での観測も可能になるが、地球のような惑星を直接観測するにはとても高い光熱安定性が必要となる[54]。惑星系が形成されたばかりの場合、主星と惑星のコントラストの面では赤外線よりもH-アルファ線の方が有効とされており、現在それを使用した観測が進んでいる[55]

直接観測法では、主星の年齢と惑星の表面温度から算出される、不確定性の大きな惑星質量しか物理的特徴は判明しない。主星が誕生して数百万年後には、惑星が形成される可能性があるため、質量は、算出された値と異なる可能性もある。惑星の温度が低いと、質量は小さくなる傾向がある。場合によっては、惑星の温度、見かけの明るさ、および地球からの距離に基づいて、惑星の半径の値を絞る事もでき、また、惑星から放出されるスペクトルは、主星と分離する必要がなく、惑星の大気の組成を容易に調べる事が出来る。

時折、惑星が褐色矮星である可能性を除外するために、複数の波長で観測するのが必要な場合がある。直接観測法は、惑星の軌道を正確に測定できるという利点がある。また、他の大部分の手法とは異なり、フェースオン軌道軌道傾斜角が0°)が、軌道全体で観測可能のため、エッジオン軌道(軌道傾斜角が90°)に近い惑星よりも検出が容易になるという利点もある。

直接観測法によって検出された惑星には大きく2つのパターンがあり、1つは、原始惑星系円盤を持つほど若い、太陽よりも大きな恒星を公転しているパターンで、もう1つは、非常に暗い天体を公転している準褐色矮星、または主星から100au以上離れた位置にある褐色矮星のパターンである。また、恒星と重力的に結合されていない惑星質量天体(自由浮遊惑星)も直接観測法によって発見される事がある。

発見の歴史[編集]

超大型望遠鏡VLTのNACO計測器とSINFONI計測器の観測データを基に作成されたCVSO 30を公転するCVSO 30 c(中央左上)の画像[56]

2004年、ある研究グループが、褐色矮星の2M1207を公転している伴星2M1207bの画像を得るために、チリに建てられているヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTを使って観測を行い[57]、翌年にその画像の撮影に成功した[58]。観測の結果により、2M1207bは木星の4倍の質量を持ち、2M1207からは46au離れていると考えられている[59]

直接観測法で初めて発見された惑星系は、2007年ケック望遠鏡ジェミニ望遠鏡の両方の望遠鏡を使って、3つの惑星が観測されたHR 8799系だった[60][61]。2008年11月13日には、ハッブル宇宙望遠鏡によって、1等星のフォーマルハウトに質量が最大で木星の約3倍のフォーマルハウトbの直接観測に成功した[62]。この2つの恒星の周りには塵円盤も確認されている。

2008年9月には、約500光年離れた位置にあるK型主系列星1RXS J160929.1-210524から330au離れた位置に、直接観測法によって新たな天体が発見され、2010年にそれが惑星である事が確認された[63]

2009年には、がか座β星を取り巻く塵円盤の中に惑星がか座β星bが2003年までに行われた直接観測の分析から発見された[64]

また、2009年11月には、すばる望遠鏡のHiCIAOと呼ばれる観測機器を使って、恒星グリーゼ758に惑星とおぼしき天体が発見されたが、後にこれは褐色矮星である可能性が高い事が判明した[65]

2012年には、ハワイすばる望遠鏡によって、アンドロメダ座κ星を公転している木星の約12.8倍の質量を持つ巨大ガス惑星を直接観測したと発表された[66][67]。この惑星は、主星から55au離れており、これは太陽-海王星間の約2倍にあたる。

すばる望遠鏡で観測されたおとめ座59番星bの画像。

2013年11月には日本の研究チームが、すばる望遠鏡を使って、おとめ座59番星(GJ 504)を公転している惑星おとめ座59番星bが直接観測によって発見された。この惑星は、木星の4倍の質量を持ち、主星から43.5au離れている[68]。存在が疑問視されているフォーマルハウトbを除くと、直接観測法で発見された惑星の中では、今のところ最も質量が小さい惑星である[69]

2016年には、約340光年離れた位置にある三重連星HD 131399のうち、A型主系列星である主星HD 131399 Aを公転している惑星HD 131399 Abが直接観測によって発見された[70]。三重連星系内を公転する惑星が直接観測で発見されたのはこれが初めてであった。

VLTで撮影されたHD 131399系の画像。中央左上にはHD 131399 Abが見える。

この他にも、おおかみ座GQ星bがか座AB星bSCR 1845-6357 bが直接観測で観測されている[71]が、現時点でこれらの天体は惑星とは断定されておらず、褐色矮星に分類される可能性もある[72][73]

観測装置[編集]

VLTで撮影された惑星HD 95086 bの画像[74]

直接観測法で惑星を発見出来る装置には、Gemini Planet Imager(ジェミニ望遠鏡)、SPHERE(VLT)、HiCIAO(すばる望遠鏡)などがあり、宇宙望遠鏡ではWFIRSTによる観測が予定されている。New Worlds Missionでは、対象の恒星を観測するために、近くにある無関係の恒星の光を遮る大型のオクルターの設計が提案されている。これは、すでに計画されている新たな専用の望遠鏡と一緒に使用する事が出来る。

2010年、ジェット推進研究所の研究チームが、コロナグラフを用いて惑星を直接観測出来る事を、以前撮影されたパロマー天文台の口径1.5mのヘール望遠鏡HR 8799系の画像から実証した[75]

別の有望な方法としてNulling interferometry[訳語疑問点]がある[76]

鏡の代わりにゾーンプレートを使用して光を集める宇宙望遠鏡は、よりコントラストの高い観測が可能にさせる。また、プレートは折りたためるので、安価で宇宙に打ち上げる事も提案されている[77]

恒星の偏光による検出[編集]

恒星から放たれた光は、電磁波としての振動方向はランダムであり、偏光していない。しかし、光が惑星の大気で反射すると、大気中の分子と相互作用し、偏光が生じる[78]

この偏光を分析する事により、これらの測定は原則、非常に高感度で行う事が出来る。他の長所として、偏光の測定から大気成分を求める事が出来るが、大気が無い惑星は検出出来ないという短所がある。高いアルベドを持つ惑星は、光をよく反射するため、この手法での検出が容易になる。

偏光計測に用いられる装置を、「偏光子」と呼び、偏光されていない光を除外して、偏光のみを捉える事が出来る。ZIMPOL/CHEOPS[79]PlanetPol[80]などのグループは、この手法での惑星発見を試みている。この手法で惑星が初めて検出されたのは2008年で、すでにその3年前に発見されていたHD 189733 bだった[81]。しかし、この手法を使用して初めて発見された惑星は、2017年時点ではまだ存在しない。

アストロメトリ法[編集]

アストロメトリ法で発見された初めての太陽系外惑星候補VB 10 bの想像図。
太陽に対する太陽系の重心の動き。

アストロメトリ法英語: Astrometry)または位置天文学は、恒星の周りの天体との相対的な位置などを正確に測定し、その位置が時間と共にどう変化するのかを追うものである。元々、眼視観測の時代から行われ、記録も全て手作業で行っていた。19世紀末までは、この方法は写真乾板を使って行われた。写真乾板は、測定の精度を飛躍的に向上させ、それを基にデータアーカイブが作成されるようになった。上記のドップラー分光法で述べた通り、恒星が惑星を持っている場合、惑星の重力によって恒星もわずかに揺れ動く。ドップラー分光法では、この揺れによって生じるスペクトルのドップラー効果から惑星を検出するが、アストロメトリ法では、恒星の位置のずれを観測する事で検出する[82]。ほとんどの場合、共通重心は大きな方の天体の内部に位置してしまうため、質量差が小さく、共通重心が外側寄りの低質量星や褐色矮星を公転する惑星の検出に有効である[83]

アストロメトリ法は、太陽系外惑星を探索する最古の方法であり、また、位置天文的連星の特徴付けに成功していたため、天文学者達の注目を集めた。アストロメトリ法に関する記述は、18世紀後半の天文学者ウィリアム・ハーシェルの記述にまで遡る。彼は、地球から16.6光年離れた位置にあるへびつかい座70番星を観測した際、未知の伴星が、恒星の位置に影響を及ぼしている事を主張した。1855年ウィリアム・ステフェン・ジェイコブ英語版は、この恒星に惑星が存在する可能性があると強く主張し、この惑星の為だけの正式な天文計算を行った[84]。同様の計算は、その半世紀後まで続き[85]、最終的に20世紀初頭に否定されるまで行われた[86][87]。この2世紀に渡って、近隣の恒星を巡る「見えない天体」を確認するために、何度もアストロメトリ法による観測が行われた[85]。1996年、George Gatewoodの発表で、近隣にある恒星の1つ、ラランド21185に存在する複数の惑星が、アストロメトリ法で発見されたと報告された[88][89]。これらの主張のどれも、観測結果が曖昧で、はっきりとした確証が無かったため、他の天文学者による賛同は得られなかった[90]。恒星の位置の変化はとても小さく、大気の揺らぎなどの影響で、最高性能の地上望遠鏡でも、正確な測定値を得る事は出来ない。1996年までに、この手法によって発見されたとされた、太陽質量の0.1倍未満の天体はすべて存在しないとされている。2002年、ハッブル宇宙望遠鏡は、以前からその存在が知られていた、グリーゼ876を公転している惑星を、アストロメトリ法で観測する事に成功した[91]

2013年に打ち上げられた探査機ガイアは、アストロメトリ法を使用して数千個の惑星が発見する事が期待されているが、ガイア打ち上げ以前で、アストロメトリ法を使用して初めて発見された惑星は無かった。アメリカのSIM PlanetQuest(2010年中止)は、ガイアと同じような手法で、太陽系外惑星の探索を行った。

アストロメトリ法の利点は、軌道長半径が大きい惑星が検出しやすい事にある。そのため、軌道長半径が短い惑星が検出されやすい、他の大部分の発見方法の補完として用いる事も出来る。しかし、軌道長半径が長いと、公転周期も長くなるため、トランジット法と同様に長期間の観測が必要になる。また、連星の伴星をアストロメトリ法で観測する場合は、互いの恒星に生じる摂動によって、容易に観測出来るが、そこに存在する惑星を観測するには、他の発見方法による追加観測が必要となる。

2009年、アストロメトリ法によって、赤色矮星VB 10を公転している惑星候補が報告され、VB 10 bと名付けられた[82][92][93]。観測から、VB 10 bは木星の約7倍の質量を持つとされ、確認されれば、アストロメトリ法によって確認された初めての太陽系外惑星となるが、近年のドップラー分光法による観測で、その存在に懐疑的な意見が出されている[94][95]

2010年には、6つの恒星に、伴星が存在する事が判明し、そのうちの1つHD 176051系には、惑星が存在する可能性が高いとされた[96]

他に検出可能と思われる方法[編集]

トランジットイメージング[編集]

地球から観測した金星のトランジット。

光学/赤外線干渉計アレイでは、複数のアンテナを設置し、その間の距離の口径を持ったアンテナと同程度の解像度の画像を得る事が出来る。恒星が明るい場合、この解像度と惑星の角半径、そして年周視差から、恒星の手前を通過する惑星の影を直接観測出来る可能性がある。この手法は、恒星の揺れに依存するドップラー分光法よりも正確だとされており、測光を用いれば、軌道傾斜角も正確に求めれるであろう[97]

磁気圏の電波放射[編集]

将来の宇宙望遠鏡による観測で、惑星の磁気圏からの電波放射を捉える事が出来る可能性がある。この手法では、他の手法では求める事が出来ない、惑星の自転速度も導く事が出来る[98]

オーロラ放射[編集]

木星衛星イオのように、プラズマの供給源を持つ巨大ガス惑星は、LOFARのような電波望遠鏡で検出出来たであろう[99][100]

系外小惑星と塵円盤の検出[編集]

別の星系の塵円盤[編集]

一等星ベガの周辺の塵円盤で、2つの冥王星サイズの天体が衝突する想像図。
一等星フォーマルハウトを取り巻く塵円盤の画像。

これまでの観測で、いくつもの恒星の周りに塵円盤英語版星周円盤)が確認されている。恒星が発する光を吸収して、赤外線を放出する性質(赤外超過)があるため、それを利用して塵円盤の検出が行われている。塵の粒子の総質量より小さい場合であっても、充分な赤外線を放出する総表面積を有する事が出来るとされている[101]

ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されているNear Infrared Camera and Multi-Object Spectrometer英語版(NICMOS)や、スピッツァー宇宙望遠鏡、ヨーロッパ宇宙機関ハーシェル宇宙望遠鏡などによって、塵円盤の様子が高精度に観測されている。現在では、太陽の近隣にある恒星のうち、約15%が塵円盤を持っていると推定されている[102]

塵は彗星小惑星の衝突によって発生するとされている。恒星からの放射圧はこの塵を比較的短い時間スケールで、星間空間へと拡散させてしまう。そのため、塵円盤の検出は、持続的な天体衝突による塵の補給を示しており、彗星や小惑星のような小天体の有力な間接的証拠となる[102]。例えば、くじら座τ星の周囲には、太陽系のエッジワース・カイパーベルトに似た塵円盤が確認されているが、総質量は少なくともエッジワース・カイパーベルトの10倍はあると推定されている[101]

塵円盤を持つ恒星HD 163296の画像。円盤内にリング状の空洞が確認でき、その中に惑星が存在している可能性がある。

さらに、塵円盤の存在は惑星の存在を示唆している場合もある。塵円盤の中に、塵がほとんど無い空洞がリング状に広がっている事があり、その空洞内を公転している惑星の重力によって塵が一掃されて生じたものである可能性がある。このような事例として、エリダヌス座ε星の塵円盤が挙げられる。エリダヌス座ε星は、すでにドップラー分光法で発見されているエリダヌス座ε星bに加え、約40au離れた位置に別の惑星の存在が示唆されている[103]。このような惑星と塵円盤の間の相互作用はcollisional groomingによって数値的にモデル化する事が出来る[104]

恒星大気の汚染[編集]

白色矮星を公転する惑星の想像図。

白色矮星大気スペクトル分析すると、マグネシウムカルシウムといった元素が検出される事がある。こうした元素は、白色矮星を最期に迎える低質量星の核融合反応では生成されないため、大きな惑星が白色矮星のロッシュ限界よりも接近した事によって粉砕され、落下し、白色矮星の大気を「汚染した」可能性がある。形成されたばかりの白色矮星の約50%が、こうした大気汚染の状態になっているという研究結果も報告されている[105]

大気汚染を引き起こす要因となる塵は、主系列星の塵円盤と同様に、充分な量が存在している場合、赤外線で検出する事も可能である。スピッツァー宇宙望遠鏡による観測で、全ての白色矮星のうち、1~3%は検出可能な塵円盤を持っている事が示唆された[106]

2015年、おとめ座の方向にある白色矮星WD 1145+017に、半径が地球の約15%(冥王星の約80%)しかない小型の惑星がトランジット法によって発見された[107]。この惑星の公転周期はわずか4.5時間で、光度曲線の形状は、さらに大きな天体が崩壊している事を示唆しており、白色矮星の大気汚染に大きく関与しているとされている。

宇宙望遠鏡による観測[編集]

2017年現在、ほとんどの太陽系外惑星は、や大気の影響を受けずに効率良く観測出来る宇宙望遠鏡によって発見されている[108]。トランジット法で観測を行ったCOROT(2007~2012年)は新たな太陽系外惑星を約30個発見した。ケプラーミッション(2009~2013年)と延長ミッション「K2ミッション(2013年~)」では約2,000もの太陽系外惑星を発見し[109]ハッブル宇宙望遠鏡MOSTもいくつかの太陽系外惑星を発見している。赤外線望遠鏡のスピッツァー宇宙望遠鏡は、トランジットやSEを検出する際に使用された[16][17][110]

2013年12月に打ち上げられた探査機ガイア[111]によって、ドップラー分光法によってすでに発見されている1,000個近くの太陽系外惑星の真の質量を求めれると期待されている[112][113]。また、トランジット法を使用する太陽系外惑星プロジェクトとして、2018年の打ち上げが予定されているCHEOPSTESS[114][115]や、2024年打ち上げ予定のPLATO[116]などがある。

一次及び二次検出[編集]

検出方法 一次検出 二次検出
トランジット法 トランジットまたはPrimary eclipse。惑星が恒星の前を通過する。 Secondary eclipse。恒星が惑星の前を通過する。
ドップラー分光法 恒星の視線速度 惑星の視線速度[117]うしかい座τ星bが例として挙げられる。
アストロメトリ法 恒星のアストロメトリ。恒星の位置は、大きい軌道と質量を持つ惑星ほど大きく揺れる。 惑星のアストロメトリ。色差天体測量[118]。惑星の位置は、軌道が小さいほどより速く揺れる。天文衛星SPICAによる観測が予定されている。

検証と反証方法[編集]

特徴付ける方法[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ ドップラー分光法で発見された最遠の惑星はNGC 4349 No 127 bで、約7100光年離れているが、下限質量が木星の19.8倍もあるため、褐色矮星に分類される可能性が高い。これに次いで遠いのは、ケプラー432cの約2836光年である。
  2. ^ より正確には、トランジットによる減光率は恒星と惑星の半径比によって決まる。別の観測によって恒星の大きさが得られている場合、惑星半径も決定することが出来る。
  3. ^ 代表的なものとしてGJ 1214 bGJ 3470 bがある。
  4. ^ ケプラー16b以前にも、周連星惑星としてPSR B1620-26 bしし座DP星bなどが発見されていたが、主系列星同士の連星を公転している周連星惑星が発見されたのは、ケプラー16bが初めてである。
  5. ^ パルサーは素早く点滅しているが、こちらは明るさが周期的に変化する。

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]