エリダヌス座イプシロン星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
エリダヌス座 ε星[1]
Epsilon Eridani
星座 エリダヌス座
視等級 (V) 3.73[1]
変光星型 BY Dra
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 03h 32m 55.84496s[1]
赤緯 (Dec, δ) -09° 27′ 29.7312″[1]
赤方偏移 0.000055[1]
視線速度 (Rv) 16.43 ± 0.09 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: -975.17 ± 0.21 ミリ秒/年[1]
赤緯: 19.49 ± 0.20 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 310.94 ± 0.16 ミリ秒[1]
距離 10.49 ± 0.01光年[注 1]
(3.22 ± 0.01パーセク)[注 1]
絶対等級 (MV) 6.193[注 2]
物理的性質
半径 0.84R
質量 0.85M
自転周期 11.1 日
スペクトル分類 K2Vk[1]
光度 0.28L
表面温度 5 100K
色指数 (B-V) 0.88[2]
色指数 (U-B) 0.58[2]
金属量 49 - 65%(太陽比)
年齢 5 ×108
別名称
別名称
エリダヌス座18番星,
BD -09 697[1], FK5 127[1]
HD 22049[1], HIP 16537[1]
HR 1084[1], SAO 130564[1]
LTT 1675[1]
■Project ■Template

エリダヌス座ε星(エリダヌスざイプシロンせい、Epsilon Eridani, ε Eri)は、エリダヌス座恒星である。

概要[編集]

太陽と比べて質量は85%、明るさは28%である。りゅう座BY型変光星であるが、変光範囲がごくわずかなため眼視観測では変光を確認できない。

エリダヌス座ε星のスペクトルは非常に変化に富んでおり、多くの輝線を持つ。また強い磁場を持ち、自転周期は11日である。これらの特徴は、この星が5億歳程度と非常に若いためだと考えられている。そのため、地球のような惑星を持っているとしても知的生命は発生していないだろうと考えられる。また、鉄などの重い元素は少ない。

少なくとも1個の惑星を持つことが確認されている。これは、存在が確実視されている中で、ケンタウルス座α星Bに次いで太陽系に近い惑星系である。太陽に比較的似ているため、かつては知的生命体がいるかもしれないと考えられ、オズマ計画のターゲットにもなったが、文明の存在を示唆する証拠は得られなかった。このような特徴から、SF作品、特にスペースオペラで頻繁に扱われる。

惑星系[編集]

地球からみた角度でのエリダヌス座ε星をとりまくダスト円盤と惑星bの軌道

エリダヌス座ε星には、1個の惑星が確認されており、もう1個の仮説上の惑星の存在が提唱されている。このほかに、塵円盤の存在が確認されている。これは、存在が確実視されている中で、2番目に太陽系に近い惑星系である。

1988年、エリダヌス座ε星の周囲に塵からなる円盤が観測された。この円盤は内径35AU、外径75AUであり、太陽系で言うとエッジワース・カイパーベルトの位置に相当する。塵円盤の中には複数のかたまりが観測され、それらは惑星によるものではないかと考えられた。

2000年には、ドップラーシフトにより軌道長半径3.3AUのエキセントリック・プラネットである惑星bが発見された。2006年には、ハッブル宇宙望遠鏡によるアストロメトリー観測が成功した。この惑星bは質量が木星の1.55 (±0.24) 倍と推定されており、近日点2.4AU、遠日点5.3AUの長い楕円軌道を約2,500日(約6.9年)かけて公転していると考えられている。

2008年10月27日スピッツァー宇宙望遠鏡による観測で、内外2つの小惑星帯が発見された[3]

塵円盤の形状から、軌道長半径約40AUで公転周期が約290年、質量が木星の10%程度の惑星が存在するかもしれないという仮説が立てられているが、2005年3月現在、それを裏付ける観測結果は得られていない。恒星に近い位置には塵円盤が観測されていないため、現在の太陽系の形成と進化のモデルに照らし合わせると地球型惑星が存在する可能性がある。およそ0.53AUの軌道に地球に似た惑星があれば、居住に適しているだろうと考えられる。

エリダヌス座ε星の惑星
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 半径
小惑星帯 3 AU
b 1.55 ± 0.24 MJ 3.39 ± 0.36 2,502 ± 10 0.702 ± 0.039?
小惑星帯 20 AU
c (未確認) 0.1 MJ 40? 102,200? 0.3
塵円盤 35—100 AU

エリダヌス座ε星を扱った作品[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算(誤差も同様)、光年はパーセク×3.26より計算。各有効桁小数第2位
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。有効桁小数第3位

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r SIMBAD Astronomical Database”. Results for Epsilon Eridani. 2014年12月31日閲覧。
  2. ^ a b イェール輝星目録第5版
  3. ^ 恒星のまわりに、二重の小惑星帯”. AstroArts (2008年10月31日). 2014年12月31日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]