HD 131399 Ab

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HD 131399 Ab
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
Eso1624d.jpg
HD 131399系の画像。左上にあるのが恒星Aで、その右下にある点がHD 131399 Ab。右下には恒星Bと恒星Cの連星系が見える。
主星
恒星 HD 131399A
星座 ケンタウルス座
赤経 (α) 14h 54m 25.30919s[1]
赤緯 (δ) -34° 08′ 34.0412″[1]
視等級 (mV) 6.772 ± 0.018[2]
距離340[3] ly
(98[4] pc)
スペクトル分類 A1V[1]
質量 (m) 1.82[2] M
温度 (T) 9300[2] K
年齢 >0.016[3] Gyr
軌道要素
軌道長半径(a) 55 - 105[2] AU
離心率 (e) 0.35 ± 0.25[2]
周期(P) ~550[3] y
400 - 700[2] y
軌道傾斜角 (i) 40+80
−20
[2]°
物理的性質
質量(m)4 ± 1[2] MJ
表面温度 (T) 850 ± 50[2] K
発見
発見日 2016年[4]
発見者 ケビン・ワグナー[3][5]
発見方法 直接撮影法
観測場所 VLT
(Very Large Telescope)[5]
現況 公表
他の名称
HD 131399 b, HIP 72640 b, 2MASS J14542529-3408342 b, TYC 7306-2615-1 b, SAO 206071 b

HD 131399 Ab地球から見てケンタウルス座の方向に約340光年離れた位置にある3重連星系、HD 131399の主星であるHD 131399 Aを公転している太陽系外惑星である[6]2016年に存在が公表された。これまでで発見された太陽系外惑星の中でも数少ない、直接撮影で発見された太陽系外惑星である。

特徴[編集]

物理的特徴と軌道要素[編集]

HD 131399 Abの想像図。中心の青い恒星が主星のA。遠くに小さくBとCの連星系も描かれている。

主星HD 131399系は3つの恒星から成る連星系である。HD 131399 Abはその内の一番明るい、HD 131399 Aだけを公転している。そのため、名称にはAだけを公転している事を指す「Ab」が用いられる。見かけの明るさは20等級で、主星からは0.84°離れて見える[2]質量木星の4 ± 1倍、表面温度は850 ± 50 Kとされている[2]。直接撮影で発見されたため、軌道要素については詳しい事が分かっておらず、主星からの距離は55auから105auと差があり、公転周期は400年から700年と推定されている[2]。しかし、この距離は、残り2つの恒星(恒星Bと恒星C)から成る連星系から比較的近く、軌道を変えられやすい不安定な位置にある[3]。今のところ、Abは現在よりも主星に近い領域で形成され、その後、何らかの原因で軌道が一気に外側まで弾き飛ばされたという説が有力である[3]

また、連星系全体の位置関係や運動が複雑なため、軌道上の位置によってはいずれかの恒星が空に見え続ける期間、すなわち昼間が100年から140年も続く事になる[6]

組成と想定される気候[編集]

直接撮影に成功しているため、大気の組成物質が明らかになっている。Abの大気からは水素ヘリウム、微量のメタンが検出されている[4][3]。観測では、Abの表面は木星や土星のように水素やヘリウムから成る雲に覆われてはおらず、雲はあまり無いとされている[3]。発見者であるケビン・ワグナーは大気下層ではあまりの高温でが凝結して、雨として降り注いでいる可能性があると述べている[3]

形成と将来[編集]

HD 131399系のような多重連星系では、惑星の材料となる塵円盤が安定出来ず、すぐに恒星に落下していくとされている。しかし、HD 131399系では一時的に安定しており、そこから惑星Abが形成されたとされている[3]。しかし、誕生からまだ1600万年しか経過していないため、今後、上記のBとCの連星系の影響で軌道が変化したり、あるいは連星系を飛び出して自由浮遊惑星になる可能性も考えられる。しかし、たとえ連星系から弾き飛ばされなかったとしても、主星のHD 131399 Aはスペクトル型がA1V[1][4]A型主系列星なので、核融合反応が速く終わってしまうため、わずか数億年で寿命を迎えるとされている。

連星系[編集]

HD 131399系は惑星Aが公転しているHD 131399 Aとお互い、連星系となって恒星Aを公転しているHD 131399 BとHD 131399 Cから成る。Aは太陽の1.82倍の質量を持つA型主系列星で、Bは0.96太陽質量のG型主系列星、Cは0.6太陽質量のK型主系列星である[2]。観測で、BとCの連星系はAから349au離れた位置にあるとされている[2]

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]