うしかい座タウ星b

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うしかい座タウ星b
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
HD 209458 b Artwork.jpg
惑星うしかい座タウ星bと恒星Aの想像図
主星
恒星 うしかい座タウ星A
星座 うしかい座
赤経 (α) 13h 47m 15.743s[1]
赤緯 (δ) +17° 27′ 24.82″[1]
視等級 (mV) 4.54 ± 0.01[1]
距離 50.9 ± 0.02 ly
(15.6 ± 0.05[2] pc)
スペクトル分類 F7IV-V[3]
質量 (m) 1.34 ± 0.05[4] M
半径 (r) 1.331 ± 0.027[2] R
温度 (T) 6309[2] K
金属量 [Fe/H] 0.28[2]
年齢 1.3 ± 0.4[3] Gyr
軌道要素
軌道長半径 (a) 0.0481[3] AU
(7.20 Gm)
近点距離 (q) 0.0470 AU
遠点距離 (Q) 0.0492 AU
離心率 (e) 0.023 ± 0.015[4][3]
周期 (P) 3.312458 ± 0.00002[3] d
    (79.49899 ± 0.0005 h)
軌道傾斜角 (i) 44.5 ± 1.5[4]°
47+7-6[3]°
時刻 (Tc) 2454267.497 ± 0.0122[3] JD
準振幅 (K) 461.1 ± 7.6[3] m/s
物理的性質
質量 (m) 5.95 ± 0.28[4] MJ
5.6 ± 0.7[3] MJ
表面温度 (T) 1650[4] K
発見
発見日 1996年
発見者 ジェフリー・マーシーらの研究チーム
発見方法 ドップラー分光法
観測場所 カリフォルニア大学バークレー校
現況 公表
他の名称
うしかい座τ星b
うしかい座τ星Ab
うしかい座タウ星Ab
tau Boo b[1]
tau Boo Ab
4 Boo b[5]
CCDM J13473+1727Ab
BD +18 2782b
GJ 527 b
GSC 01460-00132b
HD 120136 b
HIP 67275 b
HR 5185 b
2MASS J13471581+1727249 b
RX J1347.2+1726 b
SAO 100706 b
参照データベース
Extrasolar Planets
Encyclopaedia
data
SIMBAD data
うしかい座タウ星系の画像。この光の1万分の1程度がうしかい座タウ星bの反射光である[6]

うしかい座タウ星b(Tau Boötis b、Tau Boo b)とは、F型主系列星うしかい座タウ星Aの周りを公転する太陽系外惑星である[2][4][3]

概要[編集]

うしかい座タウ星bは、1996年に発見された、太陽系外惑星の中でも最初期に見つかった惑星である[7]。また、地球からの距離は50.9光年とかなり近い距離にある[8][6]

惑星のデータ[編集]

軌道[編集]

うしかい座タウ星bは、うしかい座タウ星Aの周りを3日7時間29分56秒かけて公転している[3]。誤差は±2秒であり、極めて正確に求まっている[3]。うしかい座タウ星Aの自転周期もほぼ同じ数値である3.31日と測定されており、惑星の公転周期と恒星の自転周期が一致している[4][3]。このような関係はうしかい座タウ星系が唯一知られている例である。

軌道長半径は720万km(0.0481AU[3])と、うしかい座タウ星Aからかなり近い距離を公転している。これは太陽水星の距離の12%程しかない。また、軌道傾斜角は44.5度[4]または47度[3]離心率は0.023である[4][3]

物理的性質[編集]

うしかい座タウ星bは、質量が木星の5.95倍[4]または5.7倍[3]であると推定され、このことから木星型惑星であると推定されている。うしかい座タウ星bはドップラー分光法で観測されたため、当初は下限質量が木星の3.9倍としかわかっていなかった[2]。また、先述した通りうしかい座タウ星Aからかなり近い距離を公転しているため、表面温度が1377℃(1650K)のホット・ジュピターである[4]

うしかい座タウ星bは、地球から見て恒星の手前を通過しないため、惑星の大気を通過した光を直接観測することができない[4][3]。しかし、後述するVLTがうしかい座タウ星bの反射光を測定したことによって、大気中の一酸化炭素を測定することができた。その結果、うしかい座タウ星では、高度が上昇するほど大気の温度が下がっている事がわかった。普通のホット・ジュピターは、高度が上昇するほど温度が高くなる温度逆転と呼ばれる性質があるが、うしかい座タウ星bはそれとは逆であることが分かった[4][3]

観測の歴史[編集]

うしかい座タウ星bは、1996年ジェフリー・マーシーらの研究チームによって発見された。

1999年、うしかい座タウ星bを太陽系外惑星としては初めて直接観測したと発表された[9]。しかし、この発見は後に撤回されている。真に直接観測されたのは、2008年HR 8799系の3つの惑星(HR 8799 bcd)[10]と、フォーマルハウトb[11](ただし存在に疑問がもたれている[12])である。この発表が1999年12月という世紀末の時期のため、うしかい座タウ星bはミレニアム惑星(Millennium Planet)とあだ名で呼ばれた[9]

2012年VLTがうしかい座タウ星Aの光の中から、うしかい座タウ星bが反射した光だけを抜き出して測定したことによって、正確な質量や軌道傾斜角、大気の性質などが判明した[6]。うしかい座タウ星Aの光の中で、うしかい座タウ星bからの反射光は0.01%しか含まれていない[6]。2つのチームがそれぞれ発表した値には差異がある(例えば質量が5.95倍[4]と5.7倍[3]など)。

名前[編集]

うしかい座タウ星bの中心星であるうしかい座タウ星Aには、伴星であるうしかい座タウ星Bが存在する。大文字と小文字の違いしかなく紛らわしいため、区別を強調する場合にはうしかい座タウ星bはうしかい座タウ星Aを公転している事を示すためうしかい座タウ星Abと書かれる場合がある。混同する恐れがない場合には、Aを外して単にうしかい座タウ星bと書かれる。

出典[編集]

  1. ^ a b c d tau Boo A SIMBAD
  2. ^ a b c d e f Planet : tau Boo b Extrasolar Planets Encyclopaedia
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t WEIGHING THE NON-TRANSITING HOT JUPITER τ Boo b The Astrophysical Journal Letters 753 (2012) L25
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n The radial velocity trail from the giant planet orbiting τ Boötis ESO
  5. ^ tau Boo b SIMBAD
  6. ^ a b c d New Way of Probing Exoplanet Atmospheres ESO
  7. ^ 太陽系外惑星の一覧 発見順 The Extrasolar Planets Encyclopaedia
  8. ^ 太陽系外惑星の一覧 距離順 The Extrasolar Planets Encyclopaedia
  9. ^ a b Scientists catch the `millennium' planet's glow the Independent
  10. ^ Direct Imaging of Multiple Planets Orbiting the Star HR 8799 Science
  11. ^ Astronomy Picture of the Day NASA
  12. ^ アルマ望遠鏡が明らかにした、太陽系外惑星のはたらき アルマ天文台

外部リンク[編集]

座標: 星図 13h 47m 15.743s, +17º 27' 24.82''