VB 10

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VB 10
VB10 mov2.gif
ヘール望遠鏡で撮影したVB 10の1999年から2008年までの固有運動
仮符号・別名 グリーゼ752B
ファン・ビースブルック星
星座 わし座
視等級 (V) 17.30[1]
変光星型 くじら座UV型変光星
分類 M型主系列星[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 19h 16m 57.622s[1]
赤緯 (Dec, δ) +05° 09′ 02.18″[1]
視線速度 (Rv) 35.88 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: -614 ミリ秒/年[1]
赤緯: -1368 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 164.3 ± 3.5 ミリ秒/年[1]
距離 19.0 ± 0.2 光年
(5.83 ± 0.05 pc)[3]
絶対等級 (MV) 18.47 ± 0.02
軌道要素と性質
元期:J2000.0
グリーゼ754Aからの平均距離 74 ミリ秒
(約434 AU)
物理的性質
半径 約0.102 R[4]
(0.497 RJ)
質量 0.0779 M[3]
(81.6 MJ)
スペクトル分類 M8.0V
表面温度 約2600 K[4]
色指数 (B-R) 3.82[1]
色指数 (B-V) 2.12[1]
色指数 (V-R) 1.70[1]
色指数 (V-J) 7.392 ± 0.025[1]
色指数 (V-H) 8.074 ± 0.026[1]
色指数 (R-J) 5.692 ± 0.025[1]
色指数 (J-H) 0.682 ± 0.051[1]
色指数 (H-K) 0.461 ± 0.048[1]
金属量 約0 [Fe/H][5]
年齢 約10億年[5]
発見
発見年 1944年
発見者 ジョージ・ファン・ビースブルック
発見方法 天体写真
別名称
別名称
グリーゼ752B、
GJ 752B、
わし座V1298星、
2MASS J19165762+0509021、
LDS 6334B、
LFT 1467、
BD+04 4048 B、
LHS 474、
WDS J19169+0510B、
UBV 16317、
USNO 885、
ファン・ビースブルック星
■Project ■Template

VB 10グリーゼ752B、ファン・ビースブルック星)は、わし座の方向に、地球から約19光年離れた位置にある赤色矮星である。

物理的性質[編集]

VB 10は、スペクトルタイプがM型に属する小さな赤色矮星である[1]。質量は太陽の0.0779倍しかなく、木星と比べても81.6倍しかない。これは恒星褐色矮星の境界部に相当する。これは発見当時、ウォルフ359の0.09Mを下回る、最も軽い恒星であった[4]。地球から19光年という近い距離にあるにも関わらず、視等級は17.3しかない非常に暗い恒星である[1]

VB 10は、赤経-614ミリ秒/年、赤緯-1368ミリ秒/年という、非常に大きな固有運動を持つ[1]。この大きな固有運動のため、発見以前の乾板写真で撮影されていたにも関わらず、VB 10自身の暗さもあって存在が見逃されていた。

変光星[編集]

VB 10はくじら座UV型変光星であり、大規模なフレアを放出する。ハッブル宇宙望遠鏡は1990年代半ばに、普段は表面温度が2300℃しかない冷たい恒星から、最大で10万℃に達する高温のフレアを観測した[4]

連星[編集]

VB 10は、グリーゼ752Aと重力的に結合した連星である。グリーゼ752Aも変光星であり、りゅう座BY型変光星であるが、グリーゼ752AはVB 10の6倍重い恒星である。VB 10とは約434AU離れている。

グリーゼ752とVB 10の大きさの比較と、内部のダイナモの図。

発見[編集]

VB 10は、マクドナルド天文台オット・シュトルーベ反射望遠鏡を利用して、ジョージ・ファン・ビースブルックによって1944年に発見された。VB 10は、連星であるグリーゼ752Aの大きな固有運動の観測中に発見された。グリーゼ752Aは、マックス・ヴォルフによって25年前に同様の方法で「ウォルフ1055」としてカタログされていた[6]

名前[編集]

惑星?[編集]

2009年5月28日NASAジェット推進研究所は、ヘール望遠鏡を使用して、VB 10に太陽系外惑星VB 10b[3]を発見したと発表した[7]。ヘール望遠鏡は、大気によるゆらぎを補正する補償光学装置を備えており、高い精度で恒星の位置を観測する事が出来る。その結果、VB 10に非常に小さなずれが観測された。この揺らぎは、3km離れた髪の毛1本分という非常に小さな揺らぎである。この揺らぎは、質量が木星の6.4倍、公転周期が271.6日である惑星によるものとされた[3]。VB 10bが実在するならば、位置天文学法によって発見された最初の太陽系外惑星である[7][8]。しかし、その後ドップラー分光法による観測では、予測される程度のドップラー効果を検出する事は出来なかった[9][10]。これは、この惑星の真の質量が、最初の観測値の半分以下、木星の3倍程度である可能性がある。いずれにしても、VB 10bの存在はまだ確定していない[3]

VB 10とVB 10bの質量差は、最初の観測が正しければ12.8倍もの差がある。しかし、直径はほぼ同じと考えられている[7][8]

VB 10の惑星
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 半径
b(未確定) 6.4+2.6-3.1 MJ 0.36+0.016-0.006 271.56+6.9-3 < 0.98 約0.5 RJ

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u V1298 Aql - SIMBAD
  2. ^ Object and Aliases WDS J19169+0510B - NASA Exoplanet Artchive
  3. ^ a b c d e VB 10 - Extrasolar Planets Encyclopaedia
  4. ^ a b c d Abstract - Astronomy Abstract Service
  5. ^ a b An Ultracool Star's Candidate Planet - arXiv
  6. ^ a b The star of lowest known luminosity - Astronomy Abstract Service
  7. ^ a b c Planet-Hunting Method Succeeds at Last - NASA
  8. ^ a b 古典的な系外惑星検出法がついに成功 - AstroArts
  9. ^ THE PROPOSED GIANT PLANET ORBITING VB 10 DOES NOT EXIST - The Astrophysical Journal
  10. ^ STRONG CONSTRAINTS TO THE PUTATIVE PLANET CANDIDATE AROUND VB 10 USING DOPPLER SPECTROSCOPY - The Astrophysical Journal

座標: 星図 19h 16m 57.622s, +05º 09' 02.18''