TRAPPIST-1e

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TRAPPIST-1e[1]
TRAPPIST-1eの想像図
TRAPPIST-1eの想像図
星座 みずがめ座
分類 太陽系外惑星
岩石惑星
軌道の種類 周回軌道
発見
発見年 2017年[1]
発見者 TRAPPIST望遠鏡英語版
発見方法 トランジット法
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.02817+0.00083
−0.00087
au[2]
(421万4230+12万4170
−13万150
km)
離心率 (e) 0.007 ± 0.003[3]
公転周期 (P) 6.099570 ± 0.000091 [3]
軌道傾斜角 (i) 89.86+0.10
−0.12
°[2]
通過時刻 7574.9829 ± 0.0025 BJD[3]
TRAPPIST-1の惑星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 23h 06m 29.283s[4]
赤緯 (Dec, δ) -05° 02′ 28.59″[4]
赤方偏移 -0.000188[4]
視線速度 (Rv) -56.3 km/s[4]
固有運動 (μ) 赤経: 922.1 ミリ秒/[4]
赤緯: -471.9 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 82.58 ± 2.58ミリ秒[4]
(誤差3.1%)
距離 39 ± 1 光年[注 1]
(12.1 ± 0.4 パーセク[注 1]
物理的性質
直径 11,710 km
半径 0.918 ± 0.039 R[2]
表面積 4.298×108 km2
体積 8.380×1011 km3
質量 0.24+0.56
−0.24
M[3]
平均密度 1.71+4.0
−1.71
g/cm3[3]
表面温度 251.3 ± 4.9 K[2]
年齢 30 - 80億年[5]
別名称
別名称
2MASS J23062928-0502285 e[6]
Template (ノート 解説) ■Project

TRAPPIST-1e地球から見てみずがめ座の方向に39.4光年離れた位置にある赤色矮星TRAPPIST-1ハビタブルゾーンの内側付近を公転している岩石質太陽系外惑星である。

発見[編集]

ベルギーリエージュ大学の天文物理地質研究所のマイケル・ギロンを始めとする天文学者チームはチリアタカマ砂漠ラ・シヤ天文台にあるTRAPPIST望遠鏡 (Transiting Planets and Planetesimals Small Telescope)[7]を用いて恒星TRAPPIST-1を観測し、周回する惑星を探した。トランジット法を用いることにより発見した。

2016年9月19日から9月20日にかけて、スピッツァー宇宙望遠鏡がTRAPPIST-1を観測した際に発見された[8]。発見時には、すでにTRAPPIST-1系には、TRAPPIST-1bTRAPPIST-1cTRAPPIST-1dの3つの惑星の存在が知られていた[7][9]が、この時のTRAPPIST-1dの公転周期などの軌道要素が確定されていなかった。しかし、次の観測で、dの確定しなかった軌道要素がTRAPPIST-1d、TRAPPIST-1e、TRAPPIST-1fTRAPPIST-1gの4つの惑星によるものだった事が判明した[2]

特徴[編集]

大きさの比較
地球 TRAPPIST-1e
地球 Exoplanet

TRAPPIST-1eは地球の0.918倍の半径を持つ地球型惑星である[2]質量は2月の発表では、地球の0.62倍と推測されていた[2]が、4月の発表では0.24倍となっている[3]。また、半径と予想される密度から、重力は地球の0.74倍になると推定されている[2]。主星のTRAPPIST-1からは約0.02817au(約421万km)離れておらず、これは太陽系で最も太陽に近い惑星水星までの距離(0.387au[10])の約13分の1しかない。しかし、主星のTRAPPIST-1が「超低温矮星」と呼ばれる、恒星の中でも最小級の分類に属されるため、主星から受ける熱やエネルギーはそれほど大きくないであろう。公転周期は約6日で、e:d=3:2、e:f=2:3という軌道共鳴の関係が見られる[2]

TRAPPIST-1eはTRAPPIST-1のハビタブルゾーン内に位置している可能性があるとされ[8]、表面温度は251K(-22℃)[2]で、地球より低いことになり、水が氷に凍ってしまう温度になるが、これは温室効果を全く考慮に入れない場合の値である。仮に、地球の様な温室効果、もしくはアルベドの値による大気中の雲の量によっては表面に液体のが存在する可能性もある。また自転と公転の同期が発生しているとすると、惑星の片面は常に恒星にさらされるため、氷が解けてを形成しているかもしれない。この条件が整っている場合、生命が誕生している可能性も考えられる。しかし、自転と公転が同期していれば、惑星全体で昼側から夜側への強風が吹き、地球とは環境が大きく異っている可能性もある[8]。地球にどれだけ組成が似ているかを示すESIの値は0.86である[11]

画像[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典[編集]

  1. ^ a b Planet TRAPPIST-1 e”. The Extrasolar Planet Encycloapedia. 2017年5月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Gillon, Michaël; Triaud, Amaury H. M. J.; Demory, Brice-Olivier; Jehin, Emmanuël; Agol, Eric; Deck, Katherine M.; Lederer, Susan M.; de Wit, Julien et al. (2017). “Seven temperate terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf star TRAPPIST-1”. Nature 542 (7642): 456-460. doi:10.1038/nature21360. ISSN 0028-0836. http://www.eso.org/public/archives/releases/sciencepapers/eso1706/eso1706a.pdf. 
  3. ^ a b c d e f Wang, Songu; Wu, Dong-Hong; Barclay, Thomas; Laughlin, Gregory P. (2017年4月13日). “Updated Masses for the TRAPPIST-1 Planets”. arXiv:1704.04290 [astro-ph.EP]. 
  4. ^ a b c d e f g 2MASS J23062928-0502285 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. 2017年5月8日閲覧。
  5. ^ Luger, Rodrigo; Sestovic, Marko; Kruse, Ethan; Grimm, Simon L.; Demory, Brice-Oliver (2017年3月12日). “A terrestrial-sized exoplanet at the snow line of TRAPPIST-1”. arXiv:1703.04166 [astro-ph.EP]. 
  6. ^ TRAPPIST-1”. Open Exoplanet Catalogue. 2017年5月8日閲覧。
  7. ^ a b Could these newly-discovered planets orbiting an ultracool dwarf host life?”. ガーディアン (2016年5月2日). 2017年5月8日閲覧。
  8. ^ a b c 超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見”. AstroArts (2016年5月9日). 2017年5月8日閲覧。
  9. ^ Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star”. ヨーロッパ南天天文台 (2016年5月2日). 2017年5月8日閲覧。
  10. ^ Mercury fact sheet”. NASA. 2017年5月8日閲覧。
  11. ^ Habitable Exoplanets Catalog”. Planetary Habitability Laboratory. プエルトリコ大学アレシボ校. 2017年5月8日閲覧。
  12. ^ This Weird Planetary System Seems Like Something From Science Fiction”. NBC News (2017年2月22日). 2017年5月8日閲覧。

関連項目[編集]