TRAPPIST-1d

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TRAPPIST-1d
TRAPPIST-1dの想像図
TRAPPIST-1dの想像図
星座 みずがめ座
分類 太陽系外惑星
岩石惑星
軌道の種類 周回軌道
発見
発見年 2016年[1]
発見者 TRAPPIST望遠鏡英語版
発見方法 トランジット法
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 0.02144+0.00066
−0.00063
au[2]
離心率 (e) 0.003+0.004
−0.003
[3]
公転周期 (P) 4.04982 ± 0.00017 [3]
軌道傾斜角 (i) 89.75 ± 0.16°[2]
通過時刻 7682.2921 ± 0.0023 BJD[3]
TRAPPIST-1の惑星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 23h 06m 29.283s[4]
赤緯 (Dec, δ) -05° 02′ 28.59″[4]
赤方偏移 -0.000188[4]
視線速度 (Rv) -56.3 km/s[4]
固有運動 (μ) 赤経: 922.1 ミリ秒/[4]
赤緯: -471.9 ± 1.8 ミリ秒/年[4]
年周視差 (π) 82.58 ± 2.58ミリ秒[4]
(誤差3.1%)
距離 39 ± 1 光年[注 1]
(12.1 ± 0.4 パーセク[注 1]
物理的性質
直径 9,850 km
半径 0.772 ± 0.030 R[2]
表面積 3.040×108 km2
体積 4.984×1011 km3
質量 0.33 ± 0.15 M[3]
平均密度 3.95 ± 1.86 g/cm3[3]
表面温度 288.0 ± 5.6 K[2]
年齢 30 - 80億年[5]
別名称
別名称
2MASS J23062928-0502285 d[6]
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TRAPPIST-1d地球から見てみずがめ座の方向に39.4光年離れた位置にある赤色矮星TRAPPIST-1ハビタブルゾーンの内側付近を公転している岩石質太陽系外惑星である。

2016年TRAPPIST望遠鏡英語版によってトランジット法で発見された[7][8]

発見[編集]

ベルギーリエージュ大学の天文物理地質研究所のマイケル・ギロンを始めとする天文学者チームはチリアタカマ砂漠ラ・シヤ天文台にあるTRAPPIST望遠鏡(Transiting Planets and Planetesimals Small Telescope)[9]を用いて恒星TRAPPIST-1を観測し、周回する惑星を探した。トランジット法を用いることにより、3つの地球型惑星を発見した。チームは2015年12月から観測を初め、ネイチャー誌2016年5月号に、その調査結果を発表した[2][9]

しかし、当時のTRAPPIST-1dの軌道要素がはっきりしていなかった。公転周期も4.551日、5.200日、8.090日、9.101日、10.401日、12.135日、14.561日、18.202日(最適値)、24.270日、36.408日、72.820日の11通りが考えられていた[7]。しかし、その後の観測で、TRAPPIST-1dの公転周期は約4.05日である事が分かり、複数のパターンがあった公転周期のいくつかは新たに発見されたTRAPPIST-1efgによるものである事も判明した[2]

特徴[編集]

TRAPPIST-1dの地表の想像図。
大きさの比較
地球 TRAPPIST-1d
地球 Exoplanet

TRAPPIST-1dは地球の0.772倍の半径を持つ小さな地球型惑星である[2]。これは地球と火星の中間ほどの大きさであり、TRAPPIST-1系の中では、TRAPPIST-1hに次いで2番目に小さい。質量は地球の1.60倍と推測されていた[10]が、2017年2月の発表では地球の0.41倍と発表された[2]。しかし、同年4月には地球の0.33倍であるという報告もなされている[3]

軌道要素と居住可能性[編集]

TRAPPIST-1dは約4.05日の周期で、主星から約0.02144au(約320万km)離れた軌道を公転している。これは太陽系で最も太陽に近い惑星水星までの距離(0.387au[11])の約18分の1しかない。しかし、主星TRAPPIST-1が木星クラスという非常に小型な恒星のため、この軌道はTRAPPIST-1のハビタブルゾーン内に位置している可能性がある[8]。表面温度は288K(15℃)[2][6]で、地球とほぼ同じとされており、表面に液体のが存在する可能性もある。地球にどれだけ組成が似ているかを示すESIの値は、2017年3月現在で最も高い0.90である[12]

画像[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年はパーセク×3.2615638より計算。

出典[編集]

  1. ^ Planet TRAPPIST-1 d”. The Extrasolar Planet Encycloapedia. 2017年7月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i Gillon, Michaël; Triaud, Amaury H. M. J.; Demory, Brice-Olivier; Jehin, Emmanuël; Agol, Eric; Deck, Katherine M.; Lederer, Susan M.; de Wit, Julien et al. (2017). “Seven temperate terrestrial planets around the nearby ultracool dwarf star TRAPPIST-1”. Nature 542 (7642): 456-460. doi:10.1038/nature21360. ISSN 0028-0836. http://www.eso.org/public/archives/releases/sciencepapers/eso1706/eso1706a.pdf. 
  3. ^ a b c d e f Wang, Songu; Wu, Dong-Hong; Barclay, Thomas; Laughlin, Gregory P. (2017年4月13日). “Updated Masses for the TRAPPIST-1 Planets”. arXiv:1704.04290 [astro-ph.EP]. 
  4. ^ a b c d e f g 2MASS J23062928-0502285 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. 2017年7月13日閲覧。
  5. ^ Luger, Rodrigo; Sestovic, Marko; Kruse, Ethan; Grimm, Simon L.; Demory, Brice-Oliver (2017年3月12日). “A terrestrial-sized exoplanet at the snow line of TRAPPIST-1”. arXiv:1703.04166 [astro-ph.EP]. 
  6. ^ a b TRAPPIST-1”. Open Exoplanet Catalogue. 2017年7月13日閲覧。
  7. ^ a b Temperate Earth-sized planets transiting a nearby ultracool dwarf star”. ヨーロッパ南天天文台 (2016年5月2日). 2017年7月13日閲覧。
  8. ^ a b 超低温の矮星の周りに、生命が存在しうる地球サイズの惑星3つを発見”. AstroArts (2016年5月9日). 2017年7月13日閲覧。
  9. ^ a b Could these newly-discovered planets orbiting an ultracool dwarf host life?”. The Guardian (2016年5月2日). 2017年7月13日閲覧。
  10. ^ Janna K. Barstow; Patrick G. J. Irwin (2016年6月7日). “Habitable worlds with JWST: transit spectroscopy of the TRAPPIST-1 system?”. arXiv:1605.07352v2 [astro-ph.EP]. Bibcode 2016MNRAS.461L..92B. doi:10.1093/mnrasl/slw109. 
  11. ^ Mercury fact sheet NASA
  12. ^ Habitable Exoplanets Catalog Planetary Habitability Laboratory
  13. ^ This Weird Planetary System Seems Like Something From Science Fiction”. NBC News (2017年2月22日). 2017年5月8日閲覧。

関連項目[編集]