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鳩槃荼

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鳩槃荼(胎蔵界曼荼羅)。

鳩槃荼(くばんだ)は、インド神話の魔神で、仏教では護法神(鬼神)の一族である。弓槃荼倶満拏とも書く。サンスクリットではクンバーンダ (Kumbhāṇḍa)、パーリ語でクンバンダ (Kumbhaṇḍa)。

陰嚢のような形をしていることから陰嚢・甕形鬼・冬瓜鬼と漢訳される。また、人の睡眠を妨げて災難を引き起こすことから厭魅鬼・厭眉鬼とも呼ばれる。

地位

鳩槃荼は、天部八大竜王)などと同じく鳩槃荼衆とも呼ばれる集団の名であり、大黒天弁才天のような一人の神を指すものではない。

紀元前10世紀頃に作られたヴェーダ神話では、暴風神ルドラに従っていた。

仏典では、四天王の一尊で南方を守護する増長天に従う。

形象

興福寺八部衆像より、右が鳩槃荼像

鳩槃荼の形象について説く経典がないことから、鳩槃荼の形象については不明である。

胎蔵界曼荼羅最外院の南方に首から上がで体が人間の形をした二神がそれぞれ鼓と鈸(ばつ)を持つ姿に描かれるが、これは緊那羅とする説もある。なお、奈良興福寺では八部衆の一人として一面二臂で武人形の像があり、八部衆の夜叉に当てられる。

カバ(クンバ)は「」を意味し、瓶のような性器をもつとされ、男性を誑かしては精気を吸い取るといわれている。瓶そのものに変身することもできる。

元来は女性しかいないとされていたが、密教では男女の区別があるとされており、身長3mで、黒い肌をした頭の人間の姿をした怪物とされた。

関連項目