直方駅

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直方駅
直方駅駅舎(2017年2月)
直方駅駅舎(2017年2月)
のおがた
Nōgata
所在地 福岡県直方市大字山部[1]226-2
所属事業者 JR logo (kyushu).svg九州旅客鉄道(JR九州)
平成筑豊鉄道
電報略号 ノウ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面4線(JR九州)[1]
1面2線(平成筑豊鉄道)
乗降人員
-統計年度-
(JR九州)6,682人/日
(平成筑豊鉄道)1,422人/日
-2015年-
開業年月日 1891年明治24年)8月30日
乗入路線 2 路線
所属路線 筑豊本線福北ゆたか線
キロ程 24.8km(若松起点)
新入 (2.0km)
(2.7km) 勝野
所属路線 伊田線*
キロ程 0.0km(直方起点)
(1.1km) 南直方御殿口
備考 共同使用駅
JR九州:直営駅
JR九州:みどりの窓口
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平成筑豊鉄道の駅施設

直方駅(のおがたえき)は、福岡県直方市大字山部にある、九州旅客鉄道(JR九州)・平成筑豊鉄道である[1]

概要[編集]

JR九州の筑豊本線と、平成筑豊鉄道の伊田線が乗り入れ、接続駅となっている[1]。伊田線は当駅が起点である。また、筑豊本線は愛称の「福北ゆたか線」の区間に含まれている。

平成筑豊鉄道の駅については、2009年4月1日北九州市に本社を置く鉄道車両部品販売・グラフィック業者の藤本興業が命名権(ネーミングライツ)を取得し、藤本興業 studiocanada 直方駅と呼称されている。

直方市の代表駅であり、新飯塚駅と並んで筑豊本線の主要駅となっている。駅に隣接して、電車・気動車の車両区である直方運輸センターおよび乗務員区である直方運輸センター[2]、それらを統括する筑豊篠栗鉄道事業部がある。

歴史[編集]

1928年(昭和3年)の直方駅
旧駅舎(2008年)
旧駅舎正面の車寄せ

直方駅は1891年(明治24年)8月30日に筑豊興業鉄道によって開設された。

1899年(明治32年)から、筑豊地区の石炭輸送の拠点駅とするために拡張工事が行われて、筑豊炭田の各地からやってくる石炭車がここで行き先別に編成しなおされて送り出されるようになった。13本の仕分け線が設けられ、2つの出発信号機が設置されて若松西八幡・上戸畑へと送り出されていた。ヤードには照明灯が設けられ、昼夜を分かたず列車を送り出す作業が行われていた。1910年(明治43年)3月には新駅舎が建設された。

しかし、第二次世界大戦後はエネルギー革命により石炭の出荷が減少するようになり、筑豊地区では1958年(昭和33年)から石炭輸送が減少に転じた。これにより直方駅の作業も縮小されていき、1984年(昭和59年)2月1日に貨物取り扱いが廃止された。

2001年には電化が完成して電車が発着するようになるなど、その後は旅客駅として機能している。

年表[編集]

駅周辺整備と旧駅舎の保存議論[編集]

2011年に解体された旧駅本屋は明治時代に建築されたものである。木造駅舎でネオ・バロック様式の駅舎としては供用停止時点で九州最古であった。正面の車寄せには古代ギリシャ建築で用いられるエンタシス風の柱が立つ構造だった。

2006年、直方市が計画している駅周辺整備事業構想の中で駅舎の建て替え計画が浮上した。のち、市が2009年に策定した「中心市街地活性化基本計画」にもとづいて駅を中心とする約105ヘクタールを2010年から整備することとなった。このうち駅舎の改築についてはJR九州が、駅前ロータリーなどを市が事業化することとなり[10][11][12]、駅舎については前記の通り、2011年4月29日に完成式典が行われ供用を開始した[13][14]

一方、旧駅舎は歴史的価値があるとされることから、建て替え計画当初より市民有志により保存が提唱されていた。2011年1月から直方文化遺産研究会が行った署名活動[15]に対して1万7千人あまりの賛同があり市に提出されたが、これに対しても市は、文化財的価値について調査ののち施設の一部を残し解体するとした既定方針を堅持している[16][17]。最終的に旧駅舎は2011年10月に解体された[18]

この駅舎は、初代の博多駅を移築したものであるという説があったが、直方市が島根大学総合理工学部の専門家に依頼して建築形式などを後世に残す目的で調査した結果では、明治期の資料に「新築」とあること、初代博多駅舎は吉塚駅に移築したという記録があること、木材の再利用の痕跡が見られなかったことなどから、博多駅舎を移築したものであるという説を否定した[19]

これに対し、「文化的価値を考慮せずに解体したのは文化財保護法などに違反し、違法」として市民8人が市長を相手取った解体費用9000万円の返還請求を福岡地方裁判所に提訴した[18]。福岡地裁は2013年11月26日の判決で、旧駅舎が初代博多駅の移築であるという原告側の主張を退けながらも「相応の歴史的価値や一定の芸術性がある」と認定したが、市側が保存の検討など最低限の努力義務は果たしたとして、原告側の請求を棄却した[18]

駅構造[編集]

JR九州の駅の構造[編集]

島式ホーム2面4線、平成筑豊鉄道は頭端式ホーム1面2線を有する地上駅である。ホームは基本的に、1番ホームと2番ホームが新飯塚桂川博多方面、3番ホームと4番ホームが折尾黒崎若松方面の乗り場として運用されている。なお、2017年3月現在、一部列車で先述のホームの通りに発車しないこともあるので、乗車前によく確認されたい。直営駅で、みどりの窓口が設置されている。

2011年4月29日に使用を開始した現駅舎は橋上駅舎となっており、2階建てで瓦葺風の柿渋色の大きな屋根が特徴である。約900平方メートルある駅舎の1階には7店舗が、2階には改札口など駅機能がそれぞれ設置されている[13][14]

なお、駅舎のデザインはJR九州の車両デザインなどを多く手がける水戸岡鋭治によるものである[17]。旧駅舎にはなかったエレベーターエスカレーター公衆便所が設置されており、バリアフリーに対応している。

旧駅舎の時はJRと平成筑豊鉄道の駅が離れており不便であった[3]が、新駅が平成筑豊鉄道の駅寄りに作られたことにより乗り換えの便が改善されている。また、直方市は須崎町土地区画整理事業・直方駅地区交通結節点改良事業として、駅周辺の大規模な区画整理などを行っている。

駅前広場[編集]

2006年(平成18年)度から進められた駅周辺の整備事業が直方市により進められ、2011年(平成23年)4月に駅舎が改築された[20]。駅舎建て替えと同時に直方市によって整備された駅前広場も、水戸岡鋭治の監修によるものである[14][17]

2014年(平成26年)2月、駅前ロータリーにおいて路線バス(高速・特急バスを除く)の停留所とタクシー乗り場、自家用車用の乗降所の供用が開始され[20]、同年には地元直方市出身の元大関・魁皇の銅像が設置された[21]

旧駅前ロータリーにあるモニュメント「太陽と月と川と」は1997年に設置された2代目のものであるが、駅前整備事業に伴って10メートルほど離れた交差点に移転する予定がある[22]。なお、かつて設置されていたもの(炭坑夫の像)は、遠賀川河川敷に移設されている。

2015年(平城27年)4月1日に西口の「山部口広場」が完成し、タクシー乗り場と駐車場などの供用が開始された[8][9]

構内営業[編集]

駅構内には複数の店舗が入居している[23]

駅弁[編集]

東筑軒が製造販売している。主な駅弁は下記の通り[25]

利用状況[編集]

  • JR九州 - 2015年度の1日平均乗降人員は6,682人である。
  • 平成筑豊鉄道 - 2015年度の1日平均乗降人員は1,422人である。

各年度の1日平均乗降人員は下表のとおり。[26]

年度 1日平均乗降人員
九州旅客鉄道 平成筑豊鉄道
2007年 6,223 1,653
2008年 6,293 1,774
2009年 6,270 1,674
2010年 6,424 1,620
2011年 6,654 1,497
2012年 6,763 1,502
2013年 6,777 1,456
2014年 6,437 1,463
2015年 6,682 1,422

駅周辺[編集]

周辺は市の中心的な市街地となっているほか、ユメニティのおがた(市民ホール)・直方市立図書館・バスセンターなどが駅の近くに立地している。また、駅正面右手の「明治町アーケード」および、直方最大の商店街である「古町アーケード」も近い。駅正面から南へ10分ほど歩くと多賀神社、直方市石炭記念館、ギャラリーのぐち(雑貨・家具・陶磁器などの店舗が並んでいる)などが立地している。

名勝・旧跡

官公庁・公共施設

  • 直方市役所
  • 福岡県直方総合庁舎・土木事務所
  • 直方警察署駅前交番
  • ユメニティのおがた(市民ホール)
  • 須崎公園

文教施設

  • 直方市立図書館
  • 直方市石炭記念館(南へ徒歩15分ほど)[1]
  • 直方歳時館(旧堀三太郎邸)
  • 直方谷尾美術館
  • 大和青藍高等学校(徒歩10分ほど、西鉄バス日の出橋バス停下車徒歩3分ほど)
  • 福岡県立鞍手高等学校(徒歩10分ほど、JR九州バス鞍手高校下バス停下車)
  • 福岡県立直方高等学校 (徒歩15分ほど、西鉄バス筑豊直方高校前バス停下車)
  • 福岡県立筑豊高等学校(徒歩20分ほど、西鉄バス筑豊高校前バス停下車)
  • 直方市立直方第二中学校(徒歩15分ほど、西鉄バス筑豊直方二中バス停下車)
  • 直方市立直方北小学校(徒歩10分ほど、西鉄バス筑豊筑鉄直方バス停下車徒歩4分)
  • 中小企業大学校直方校(車で約15分ほど)

郵便局・金融機関

交通・道路

医療機関

  • 社会保険直方病院(2012年(平成24年)8月[20]
  • 一寿会西尾病院

路線バス[編集]

西鉄直方バスセンター

2014年2月、駅前ロータリーにバス乗り場が設置され[20]JR九州バス直方線)、西鉄バス西鉄バス筑豊)、直方市コミュニティバスの各路線の発着場所を集約した。2017年2月現在、西鉄の急行バス(黒崎行き)も駅前ロータリーより出発している。 ただし、西鉄の高速・特急バスは従来通り、西鉄直方バスセンター(駅舎の正面にある)から発車するので注意が必要である。

JR九州バス[編集]

かつては直方市東部の内ヶ磯や市南部の武谷、赤池町(現 福智町)の赤池・上野峡への路線もあった(西鉄バス筑豊に譲渡された内ヶ磯への路線以外は廃止)。2014年2月より、駅前ロータリーに乗り場が設置されている。

直方線も参照。

西鉄バス筑豊[編集]

JR九州バスと同様、駅前ロータリーに乗り場が設置されている。ただし、高速・特急バスは西鉄直方バスセンターで乗車を扱う。西鉄直方バスセンター終点の高速・特急バスは、県道直方停車場線上の降車用バス停で降車を扱う。

2015年の年末に同バスセンターの窓口やコインロッカーが閉鎖されたが、2017年2月現在、待合スペースの椅子は引き続き利用可能である。かつて、西日本鉄道(西鉄)が設置したのち、西鉄およびその地域子会社である西鉄バス遠賀のバスが発着していたが、2003年のグループ再編で西鉄バス遠賀が西鉄バス筑豊に吸収合併したことに伴い、西鉄バス筑豊が同バスセンターの運営を継承している。

福岡市北九州市とを結ぶ都市間路線と直方市内と近隣を結ぶ路線の基点として、西日本鉄道系列のバスが乗り入れていたが、筑豊地区の人口減少およびモータリゼーションの進行、平成筑豊鉄道の開業などにより利用者の減少が進んだため、直方市内各方面や小竹町飯塚市・北九州市折尾・旧赤池町(現福智町)・田川市方面への路線の多くが廃止となった。現在残る路線も末端区間が廃止されるなど全体的に減量化が進んでいるが、イオンモール直方に乗り入れを開始するなど新規路線の開設も行っている。

  • 駅前ロータリーより発着する便
    • 1(頓野ループ線) : 直方 - 西鉄直方営業所 - 筑豊高校 - 近津神社 - 頓野団地 - 直方高校 - 西鉄直方 - 直方
    • 2(中原循環線) : 直方 - 西鉄直方営業所 - 筑豊高校 - 中原 - 道目木 - 出口 - 西鉄直方 - 日の出橋 - 直方
    • 3(出口循環線) : 直方 - 西鉄直方営業所 - 筑豊高校 - 出口 - 道目木 - 中原 - 西鉄直方 - 日の出橋 - 直方
    • 7 : 直方 - 市役所 - 溝堀三丁目 - 筑前上境 - 永満寺 - 内ヶ磯 ※JR九州バスより移管。
    • 10 : 直方 - 百合野団地 - 磯光 - 西菅牟田 - 宮若市役所
    • 13 : 直方 - 感田電停 - 福岡ゆたか中央病院 - 王子宮(びっくり市前) - 浄福寺 - イオンモール直方
    • 66 : 直方 - 新入本村 - 鞍手車庫 - JR遠賀川駅
    • 68 : 直方 - 直方PA口 - 鞍手車庫 - JR遠賀川駅
    • 75 : 直方 - 植木 - 高六 - グローバルアリーナ - 赤間営業所
    • イオンシャトルA便 : 直方 - 感田電停 - 福岡ゆたか中央病院 - 王子宮 - イオンモール直方
    • イオンシャトルB便 : 直方 - 感田電停 - 王子宮 - イオンモール直方
    • 急行 : 直方 - 馬場山 - 小嶺台 - 下上津役 - 引野口 - 黒崎

直方市コミュニティバス[編集]

2014年2月より、JRバス・西鉄バス同様に駅前ロータリーより発着している。

  • 鴨生田団地線:直方駅 - 鴨生田団地 - グァーグァー市場
  • 上頓野線:直方駅 - 中央橋 - 内ヶ磯口 - 上頓野 - 竜王峡
  • 武谷線:直方駅 - 市役所前 - 須賀神社前 - 武谷 - ゴルフ場前
  • 感田線:直方駅 - 王子団地北 - 湯野原
  • 植木線:直方駅 - 天神団地 - 本横公民館 - 下町公民館

隣の駅[編集]

JR九州
福北ゆたか線(筑豊本線)
直方駅 - 新飯塚駅
快速
新入駅 - 直方駅 - 小竹駅
普通
新入駅 - 直方駅 - 勝野駅
平成筑豊鉄道
伊田線
直方駅 - 南直方御殿口駅

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i 『週刊JR全駅・全車両基地』第7号、朝日新聞出版、2012年9月23日、 22頁。
  2. ^ 以前は直方車掌区もあったが、のちに門司車掌区へ統合された。
  3. ^ a b c 弓削信夫 『福岡県JR全駅』 葦書房1993年10月15日、148-149頁。ISBN 4751205293
  4. ^ 『週刊JR全駅・全車両基地』第7号、朝日新聞出版、2012年9月23日、 30-31頁。
  5. ^ 廣岡治哉 『近代日本交通史 明治維新から第二次大戦まで』 法政大学出版局、1987年4月15日。ISBN 978-4588600173
  6. ^ a b 1996年8月31日毎日新聞西部朝刊
  7. ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日) 
  8. ^ a b “駅前広場の利用始まる”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2015年4月2日)
  9. ^ a b 梅山崇(2015年4月2日). “JR直方駅周辺整備:すっきり 事業終わる”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  10. ^ 中心市街地活性化基本計画 (PDF) (p.16) - 直方市(2009年6月付、2010年9月14日閲覧)[リンク切れ]
  11. ^ 直方市中心市街地活性化基本計画 - 直方市(2011年4月29日閲覧)
  12. ^ JR直方新駅舎や自由通路、直方駅前広場はいつ完成しますか。(よくある質問) - 直方市(2010年9月28日付、2011年4月29日閲覧)
  13. ^ a b
    JR直方駅に新駅舎完成(NHK福岡のニュース) - NHKオンライン(2011年4月29日付、同日閲覧)[リンク切れ]
  14. ^ a b c 魁皇関が29日に一日駅長 直方駅新駅舎の開業祝う - 西日本新聞(2011年4月23日付、同月29日閲覧)[リンク切れ]
  15. ^ 築101年目直方駅 保存求め署名へ - 47NEWS(ソース元は西日本新聞、2011年1月14日付、同年4月29日閲覧)
  16. ^ 直方駅の保存等を目指し1万7282人分の署名提出 - 直方市(2011年4月1日付、同月29日閲覧)
  17. ^ a b c JR直方駅:新駅あす開業 /福岡 - 毎日jp(毎日新聞社、2011年4月28日付、同月29日閲覧)
  18. ^ a b c JR直方駅旧駅舎:解体費用返還訴訟 原告の請求を棄却 市は努力果たす−−地裁 - 毎日新聞福岡版2013年11月27日
  19. ^ “JR直方駅旧駅舎: 建築形式など後世に 市が記録保存調査報告書を作成”. 毎日新聞福岡版. (2012年8月1日) 
  20. ^ a b c d 梅山崇(2014年2月27日). “JR直方駅周辺整備:来月9日、駅東地区完成イベント 山部口広場は14年度に”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  21. ^ 元大関魁皇の銅像 JR直方駅前に完成 - 読売新聞西部本社、2014年10月27日
  22. ^ モニュメント残った JR直方駅前 「太陽と月と川と」 設置15年…新交差点に移転へ - 西日本新聞(2011年6月24日付、同月28日閲覧)[リンク切れ]
  23. ^ 直方駅(駅情報) - 九州旅客鉄道(2012年12月25日閲覧)
  24. ^ 直方駅の売店・直方うどん店 - 東筑軒(2012年12月25日閲覧)
  25. ^ 『JR時刻表』2017年3月号、交通新聞社2017年、 424頁。
  26. ^ 『統計直方』(運輸・通信)各号による。

参考文献[編集]

  • 九州鉄道百年祭実行委員会・百年史編纂部会 九州の鉄道100年記念誌『鉄輪の轟き』九州旅客鉄道 1988年

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • 直方駅(駅情報) - 九州旅客鉄道