遠賀川駅

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遠賀川駅
新駅舎(2021年7月)
おんががわ
Ongagawa
JA18 水巻 (2.1 km)
(5.1 km) 海老津 JA16
地図
所在地 福岡県遠賀郡遠賀町遠賀川一丁目1-1
北緯33度50分49.01秒 東経130度40分24.42秒 / 北緯33.8469472度 東経130.6734500度 / 33.8469472; 130.6734500座標: 北緯33度50分49.01秒 東経130度40分24.42秒 / 北緯33.8469472度 東経130.6734500度 / 33.8469472; 130.6734500
駅番号 JA  17 
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
所属路線 JA 鹿児島本線
キロ程 34.3 km(門司港起点)
電報略号 オン
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線
乗車人員
-統計年度-
2,020人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1890年明治23年)11月15日[1]
備考 直営駅
みどりの窓口
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遠賀川駅
おんががわ
Ongagawa
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
乗入路線
所属路線 室木線
キロ程 0.0 km(遠賀川起点)
(3.8 km) 古月
所属路線 芦屋線
キロ程 0.0 km(遠賀川起点)
(6.2 km) 筑前芦屋
備考 室木線は1985年(昭和60年)4月1日[2]
芦屋線は1961年(昭和36年)6月1日廃止[3]
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遠賀川駅(おんががわえき)は、福岡県遠賀郡遠賀町遠賀川一丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線である。駅番号はJA17

遠賀町唯一の駅であるだけでなく、鉄道路線の無い隣の芦屋町のうち町役場を含む遠賀川西岸地域の最寄駅でもある。また、遠賀町と南部で隣接する鞍手町北部の住民の利用客も見られる。

歴史[編集]

年表[編集]

2017年の火災で焼ける前の駅舎

駅名の由来[編集]

開業時は遠賀郡島門村浅木村の境目に駅が設けられ、それぞれが遠賀川の流域に築かれた村であった事から「遠賀川駅」と命名された。

「遠賀川」の「遠賀」は「」を示し、「日本書紀」や「万葉集」では「遠賀・岡(おか)の水門(芦屋湾に注がれる川)」としての記述があり、この「遠賀(おか)」が「おんが」と読まれ、今日の「遠賀川(おんががわ)」になったと言う。

しかし、この「遠賀川」は古い文献では「直方川」や「嘉麻川」と読まれていて「遠賀川」の記載は一切無いため、いつから「遠賀川」と読まれるようになったかは一切不明で、その名が定着したのは明治時代に遠賀郡が発足してからと言われる。

駅構造[編集]

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線に、ホームのない待避線2線を合わせた計2面5線の設備を有する橋上駅舎を有する地上駅。のりばは単式ホームの1番、島式ホームの2番、3番からなる。2番線は下り貨物列車待避用、5番線は下り着発線・レールセンターの出入り用で、5番線とその外側には廃止されたレールセンターのヤードが広がる。互いのホームは跨線橋で連絡している。また、駅の外側には実物大のトンネルや駅ホームを備えた実習線が設置されている。なお2021年7月31日に新駅舎が開業する迄は、北側の単式ホームに面した駅舎を使用していた。

直営駅であるが、上述の通り、2023年9月まではJR九州サービスサポートが管理する業務委託駅であった。自動改札機およびみどりの窓口が設置されている。駅舎内(改札外)にキヨスクが設置されていたが、2009年に廃止、撤去された。

前述の火災により、1964年に建設された約400平方メートルの駅舎は焼失した[13]。以降、駅舎西側(博多駅)側に設置された仮駅舎・仮改札口(自動改札機はないがSUGOCA等については無人駅仕様のものを設置し対応)での営業をしていたが[18]、2017年12月9日から軽量鉄骨造(プレハブ)の約66平方メートルの臨時駅舎が開設され、新駅舎開業前の2021年7月30日まで使用されていた[注釈 1]

かつては駅舎と反対側の駅南側から駅に出入りすることは不可能であったが、旧駅舎焼失前の2015年4月1日に駅北側と南側を結ぶ自由通路を開設し、駅南側の自由通路前にロータリーや道路を設け、駅南側からの出入りも可能になった。その後、現行の橋上駅舎建設に伴い、新駅舎と自由通路が接続され、自由通路から直接入場できるようになった。

のりば[編集]

のりば 路線 方向 行先
1 JA 鹿児島本線 上り 小倉下関方面
2・3 下り 赤間博多方面

遠賀川レール技術センター(廃止)[編集]

5番線の外側には、JR九州の子会社である「九鉄工業」が運営していた「九鉄工業・遠賀川レール技術センター」があり[19]黒崎駅から送られてきたレールをロングレールに改造する工事などを実施していた。当センターには「遠賀川駅常備」表記のチキ5500形16両(小倉総合車両センター所属)が留置されていた[20]ほか、レール吊り上げのクレーンも設置されていた。

その後、レールセンターは廃止され、その跡地を利用してJR九州と九鉄工業の合同研修施設「遠賀川施設実習センター」を設置した[9]。ここでは中堅社員やグループ企業の土木・施設関係職員の検査・作業技術の向上を目的に、実物大のトンネルや駅ホームを備えている。また、センター建物では、施設関係の事故などの展示を行っているという[9]

利用状況[編集]

2020年(令和2年)度の1日平均乗車人員1,896人である[21]

JR九州によると、近年の1日平均乗車人員の推移は下記の通り。

年度別1日平均乗車人員
年度 1日平均
乗車人員
2016年(平成28年) 2,647
2017年(平成29年) 2,588
2018年(平成30年) 2,557
2019年(令和元年) 2,522
2020年(令和02年) 1,896

駅周辺[編集]

バス路線[編集]

駅前のバス停(遠賀川駅前バス停)に鞍手町直方市へ向かう西鉄バス西鉄バス筑豊)、芦屋町へ向かう芦屋タウンバス、町内各地へ向かうおんがコミュニティバスが発着する。このほか、芦屋競艇場サンライズレース開催日に、競艇場発着の無料バス(折尾駅発着の経由便)および無料タクシーが運行されている[22]

  • 西鉄バス筑豊
  • おんがコミュニティバス
    • 町内各方面
  • 芦屋タウンバス
    • 10・20:港湾緑地前
    • 21:芦屋中央病院
    • 22:夏井ヶ浜・はまゆう団地

隣の駅[編集]

九州旅客鉄道(JR九州)
JA 鹿児島本線
快速
通過
区間快速(一部列車のみ停車)・普通
水巻駅 (JA18) - 遠賀川駅 (JA17) - 海老津駅 (JA16)

かつて存在した路線[編集]

日本国有鉄道
室木線
遠賀川駅 - 古月駅
芦屋線
遠賀川駅 - 筑前芦屋駅

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 本稿では混乱防止のため、非公式ながら2017年の駅舎火災の直後に応急的に設置された駅舎を「仮駅舎」、同年12月9日から2021年7月31日まで使用された駅舎を「臨時駅舎」、現行の橋上駅舎を「新駅舎」と呼称する。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 停車場変遷大事典、676頁
  2. ^ a b c 停車場変遷大事典、693頁
  3. ^ a b c 停車場変遷大事典、694頁
  4. ^ 町のあゆみ”. 遠賀町. 2015年6月9日閲覧。
  5. ^ 「門司鉄道局渉外情報短信抜粋」(中村光司『知られざる連合軍専用客車の全貌』JTBパブリッシング、2015年4月、234-236頁所収)昭和22年12月16日付け記事。
  6. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第7号、鉄道ジャーナル社、1987年6月、105頁。 
  7. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '01年版』ジェー・アール・アール、2001年7月1日、190頁。ISBN 4-88283-122-8 
  8. ^ 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (2009年3月3日) 
  9. ^ a b c d "実習設備の活用(安全報告書2017 P13 4-1『安全を支える人材の育成』)" (PDF). 九州旅客鉄道. 2017. 2018年6月15日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年9月26日閲覧
  10. ^ 遠賀川駅で火災、1時間運転見合わせ 毎日新聞、2017年8月30日[リンク切れ]
  11. ^ 「JR遠賀川駅で朝火事 約1時間ストップ 2.5万人に影響」『毎日新聞毎日新聞社、2017年8月30日、西部夕刊、7面。
  12. ^ a b JR遠賀川駅の駅舎が全焼”. 福岡 NEWS WEB. NHK (2017年8月30日). 2017年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月19日閲覧。
  13. ^ a b “新遠賀川駅舎9日供用へ「どう見ても仮設」の声も”. 西日本新聞 (西日本新聞社). (2017年12月4日). オリジナルの2017年12月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171203225826/https://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/377676/ 2017年12月4日閲覧。 
  14. ^ 火災で焼失のJR遠賀川駅 建て替えの新駅舎が完成”. 北九州 NEWS WEB. NHK (2021年7月26日). 2021年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月26日閲覧。
  15. ^ 駅北周辺整備事業『駅前が変わる、町が進化する』”. 遠賀町. 2021年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月1日閲覧。
  16. ^ 北九州事業所”. JR九州サービスサポート. 2021年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月25日閲覧。
  17. ^ 鉄道駅業務”. JR九州サービスサポート. 2023年10月2日閲覧。
  18. ^ お知らせ - 九州旅客鉄道(2017年8月30日) (PDF)
  19. ^ a b 『週刊 JR全駅・全車両基地』 08号 博多駅・伊万里駅・西戸崎駅ほか81駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月30日、19頁。 
  20. ^ 交友社鉄道ファン』2017年7月号 「JR旅客会社の車両配置表」
  21. ^ 駅別乗車人員上位300駅(2020年度)” (PDF). 九州旅客鉄道. 2021年9月2日閲覧。
  22. ^ アクセス”. ボートレース芦屋. 2022年6月19日閲覧。

参考文献[編集]

  • 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日。ISBN 978-4-533-02980-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]