「フェラーリ・F310」の版間の差分
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2009年11月7日 (土) 01:29時点における版
フェラーリF310は、スクーデリア・フェラーリが1996年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラカーで、ジョン・バーナードとグスタフ・ブルナーが設計した。1996年の開幕戦から最終戦まで実戦投入された。フェラーリとしてのコードナンバーは648。
F310
F310とは、Ferrari 3リッターV10エンジンから取られた。
1996年からエンジンをフェラーリ伝統のV型12気筒からV型10気筒に変更した。また、ガソリンも1973年以来の付き合いであったアジップからシェルに変更された。ちなみに1972年以前はシェルを使用していた。1995年ワールドチャンピオンのミハエル・シューマッハがベネトンから移籍してきたため、1990年のアラン・プロスト以来のカーナンバー1をフェラーリがつけることになった。
1995年に出走した412T2はV型10気筒エンジン搭載にも対応していたが、V型12気筒エンジンが搭載された。しかしF310はV型10気筒エンジン専用シャーシとして製作された。
1996年から義務づけられたサイドプロテクター。フェラーリはこの部分を規定どおりに設計したため、とても大型になった。このため、リヤウイングに向かう気流がかなり乱されていた。また、サイドポンツーンは、F92Aと似たような形状となった。アンダーパネルとサイドポンツーン下端に隙間があった。
カナダGPから、ノーズ部分が従来のものとまったく違ったハイノーズ形に変更された。ハイノーズ型のマシンはF310/2とも呼称された。
1996年シーズン
開幕戦はアーバインが3位表彰台を得た。しかし、これが彼にとってのシーズン最高位となった。第2戦ではシューマッハが3位表彰台を得た。さらにフェラーリの地元、サンマリノGPではポールポジションを獲得。ティフォシ達のシューマッハに対する期待も大きくなっていった。次戦のモナコGPでもシューマッハはポールを獲得する。しかし、ウェットコンディションの中、1周目のローズヘアピン後の右カーブで縁石でマシンを滑らせ、クラッシュしてしまった。第7戦スペインGPでは、再び雨。スタートで出遅れて後方集団の中にいたシューマッハは他を圧倒するスピードで一気にトップに躍り出た。そしてフェラーリに勝利をもたらした。
この走りから、ついにフェラーリが復活したとの見方もあったが、そうは甘くなかった。マシン全体を見直した改良マシン(F310/2)を投入したカナダGPでは、ギヤボックストラブル。フランスGPではポールポジションを獲得するも、フォーメーションラップでエンジンブロー。イギリスGPでは再びギヤボックストラブルに悩まされた。アーバインに至っては第7戦スペインGPから第14戦イタリアGPまでサスペンションやギヤボックスのトラブルなどで一度も完走することができなかった。
終盤戦になると再び調子を取り戻し、シューマッハがベルギーGPとイタリアGPの2連勝、ポルトガルGPと日本GPはそれぞれ2位でフィニッシュ。アーバインもポルトガルGPで5位入賞を果たした。
スペック
シャーシ
- シャーシ名 F310(648)
- シャーシ構造 カーボンファイバー/アルミハニカム製モノコック
- 全長 4,355mm
- 全幅 1,995mm
- 全高 970mm
- ホイールベース 2,900mm
- 前トレッド 1,690mm
- 後トレッド 1,605mm
- クラッチ AP
- ブレーキキャリパー ブレンボ
- ブレーキディスク・パッド ブレンボ
- ダンパー ザックス
- ホイール BBS
- タイヤ グッドイヤー
- ギアボックス 6/7速+リバース1速横置きセミオートマチック/チタン製ケーシング
- シートベルト サベルト
- 重量 600kg
エンジン
- エンジン名 Tipo046
- 気筒数・角度 V型10気筒・75度
- 排気量 2,998.1cc
- 最大馬力 750馬力
- スパークプラグ NGK
- 燃料・潤滑油 シェル
- イグニッション マニエッティ・マレリ
- インジェクション マニエッティ・マレリ
記録
年 | マシン | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | ポイント | ランキング |
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1996 | F310 | 70 | 2位 | ||||||||||||||||||
1 | ミハエル・シューマッハ | Ret | 3 | Ret | 2 | 2 | Ret | 1 | Ret | Ret[1] | Ret | 4 | 9 | 1 | 1 | 3 | 2 | ||||
2 | エディー・アーバイン | 3 | 7 | 5 | Ret | 4 | 7 | Ret | Ret | Ret | Ret | Ret | Ret | Ret | Ret | 5 | Ret |
脚注
- ^ フォーメーションラップ中にエンジンブローしたため、リタイヤではなく出走していないという見方もある。