愛知電気鉄道電6形電車
愛知電気鉄道電6形電車(あいちでんきてつどうでん6がたでんしゃ)は、愛知電気鉄道(愛電)が新製した通勤形電車。デハ1060形とも称する。後年愛電と名岐鉄道が合併し名古屋鉄道(名鉄)が設立されたことに伴い、モ1060形およびモ1070形と改称された。
沿革
1924年(大正13年)から1925年(大正14年)にかけて日本車輌製造で新製された電6形で、デハ1060 - 1064、1066 - 1074[1]がの14両が製造された。全長16m級の木造車である。
愛知電気鉄道は、開業当初の路線(常滑線など)架線電圧600Vであったが、1925年(大正14年)に岡崎線(現名古屋本線神宮前 - 東岡崎の架線電圧1500Vに昇圧が計画されていた。そのため、将来1500V区間でも対応できるように、1924年に製造された5両(1060 - 1064)は600Vと1500Vの複電圧車として製造されている。対して1925年に製造された9両は1500V専用である。
外観は電5形と同様であるが、寸法や窓配置が異なる(窓配置は1D33D33D1)。性能面では電7形(後のモ3200形→ク2320形)と同じであった。
1935年(昭和10年)、名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併すると、デハ1060形のうち複電圧車(1060 - 1064)はモ1060形に、1500V専用車(1066 - 1074)はモ1070形[2] に改称する。西部線昇圧で1500Vとなると、モ1060形の複電圧装置は撤去されている。
1957年から1959年にかけて、電装品を3700系に譲り、廃車となった。
性能諸元
モ1060形、モ1070形の基本性能は同じ
- 全長:16,028mm
- 全幅:2,642mm
- 全高:4,159mm
- 台車:ブリルMCB-2X
- 自重:31.16t
- 定員(座席):100(48)人
参考文献
- 鉄道ピクトリアル2月号別冊「鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション30「名古屋鉄道1960~1970」 2015年発行