渥美電鉄デテハ1000形電車

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渥美電鉄デテハ1000形電車
名鉄モ1050形電車
豊橋鉄道モ1400形電車
デテハ1000形1001
基本情報
運用者 渥美電鉄名古屋鉄道豊橋鉄道
製造所 日本車両製造
製造年 1926年大正15年)
製造数 1両
主要諸元
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流600 V架空電車線方式
車両定員 100人(座席36人)
車両重量 23.5 t
全長 14,240 mm
全幅 2,717 mm
全高 3,829 mm
車体 全鋼
台車 ブリル MCB-1
主電動機 川崎造船 K6-653-B
主電動機出力 65 PS
搭載数 4基 / 両
歯車比 76 : 15
制御装置 直接制御 川崎造船 L
制動装置 WH SM-3直通空気ブレーキ
備考 1944年の諸元表より[1]
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渥美電鉄デテハ1000形電車(あつみでんきてつどうデテハ1000がたでんしゃ)は、渥美電鉄が新製した同社初の全鋼製四軸ボギー車。後年渥美電鉄が名古屋鉄道(名鉄)へ吸収合併されたことに伴い、モ1050形と改称された。

沿革[編集]

1926年(大正15年)に日本車輌製造で製造された渥美電鉄デテハ1001である。当時としては画期的な全鋼製車体を採用している。試作車的な存在であり、製造数は1両のみである。

1940年(昭和15年)、名古屋鉄道が渥美電鉄を合併すると、モ1050形1051へ改称・改番。渥美線で運用される。

全鋼製車体であったが、試作車であったことが災いし、各部の腐食が激しくなる。そのため1952年(昭和27年)に半鋼製化改造を受ける。

1954年(昭和29年)、名古屋鉄道が渥美線新豊橋 - 三河田原間を豊橋鉄道へ譲渡すると、モ1050形も豊橋鉄道に譲渡される。

豊橋鉄道では単車で運用されていたが、2両編成を組むために1964年(昭和39年)に連結面貫通路と乗務員扉を新設。1966年(昭和41年)にはHL制御化とパンタグラフ化などが行われる。1968年(昭和43年)に車長に基づいてモ1400形(1401)に改称する。1971年(昭和46年)にはAB制御化され他車と連結運転が可能となる。

1980年代半ばには実質休車となり、1986年(昭和61年)に廃車となる。

脚注[編集]

  1. ^ 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』アルファベータブックス、2019年、161頁。ISBN 978-4865988475