通風車
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通風車(つうふうしゃ)とは、貨車の一種である。日本国有鉄道における記号は「ツ」[1]。
有蓋車の一種であるが、車体側面や床面に多数の通風用スリットを設け、屋根上にも多数の通風器を設置して車内の風通しをよくしており、走行中常に換気しながら走行できるのが特徴である[2]。車両によっては側面に設けられたシャッターを閉じることで普通の有蓋車として使用できる車両もあった[2](ツ2500形・ツ4000形など。この場合、車体には「ツワ」と標記[3])。荷室内に折り畳み式の棚を設けたものもあった。
主に野菜や果物などの生鮮食料品の輸送に用いられた[1]。青果物はアセトアルデヒドやエチレンなどのガスを発生するものや、高温に弱いものが多く、輸送中も呼吸を行うことで車内温度が上がるため[4]、通常の有蓋車を使い密閉した状態で輸送すると傷みやすいため、通風車を用いた。しかしトラックや鉄道ではコンテナ輸送への移行が進み、1985年にツム1000形が形式消滅したことにより、国鉄から種別が消滅した。
なお、鉄道用通風コンテナの記号は「V」(Ventilation)。こちらはスリットが開閉式になっている。
脚注[編集]
- ^ a b 『貨物列車 機関車と貨車の分類と歴史がわかる本』、20頁
- ^ a b 『貨物列車 機関車と貨車の分類と歴史がわかる本』、21頁
- ^ 『貨物列車 機関車と貨車の分類と歴史がわかる本』、27頁
- ^ 『貨物列車 機関車と貨車の分類と歴史がわかる本』、20-21頁
参考文献[編集]
- 高橋政士・松本正司『貨物列車 機関車と貨車の分類と歴史がわかる本』秀和システム、2011年。ISBN 978-4-7980-2814-9。
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