国鉄ワフ8000形貨車

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国鉄ワフ8000形貨車
基本情報
車種 有蓋緩急車
運用者 鉄道省
所有者 鉄道省
旧形式名 ワフ2756形、ワフ3105形、他
改造年 1928年昭和3年)
改造数 1,267両
消滅 1938年(昭和13年)
主要諸元
車体色
軌間 1,067 mm
全長 6,110 mm - 6,466 mm
全幅 2,286 mm - 2,540 mm
全高 3,067 mm - 3,765 mm
荷重 6 t - 8 t
実容積 13.1 m3 - 21.5 m3
自重 5.0 t - 7.0 t
走り装置 シュー式
軸距 2,743 mm - 3,758 mm
最高速度 65 km/h
備考 *上記寸法は一例である
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国鉄ワフ8000形貨車(こくてつワフ8000がたかしゃ)は、かつて鉄道省に在籍した6 t から8 t 積みの有蓋緩急車である。

概要[編集]

1928年(昭和3年)5月の車両称号規程改正によりワフ2756形ワフ3100形ワフ3105形ワフ3130形ワフ3158形ワフ3232形ワフ3256形ワフ3276形ワフ3283形ワフ3331形ワフ3381形ワフ3451形ワフ3515形ワフ3548形ワフ3554形ワフ3573形ワフ3699形ワフ3788形ワフ3978形ワフ4205形ワフ4402形ワフ4419形ワフ4449形ワフ4457形ワフ4482形ワフ4497形ワフ4523形ワフ4543形ワフ4545形ワフ4550形ワフ4552形ワフ4559形ワフ4587形ワフ4601形ワフ4611形ワフ4613形ワフ4630形ワフ4646形ワフ4663形ワフ4943形ワフ4951形ワフ4995形ワフ5267形ワフ5275形ワフ5280形ワフ5283形ワフ5287形ワフ5295形ワフ5300形ワフ5320形ワフ5340形ワフ5400形ワフ5500形、はワフ8000形1形式にまとめられ形式名変更された。種車となった形式は実に53形式を数え大半の車両が1911年(明治44年)の称号規程制定以前の車両である。

以上合計1,267両(ワフ8000 - ワフ9334,68両欠)の車両が運用され、これは日本の有蓋緩急車の中では最も車両数の多い形式である。

従来これほど有蓋緩急車を必要としたのは、自動連結器へ交換以前のねじ式連結器は強度が弱いため長い編成が困難であったので短い編成の列車が多く列車数が多くなり緩急車の必要数が多かったためである。また当時は空気ブレーキを装備していない車両も多く緩急車の必要性が高かったためである[注 1]

本形式制定頃より前述の問題は次第に解決していったため[注 2]、緩急車の必要車両数は減少していった。このため積極的に本形式車より多くの車両が他形式へ改造された。また他社への譲渡も行われた。

本形式が制定された1928年(昭和3年)度より早くもワ1形への改造が始まり約800両が改造され本形式を離れた。

1930年(昭和5年)1月より1931年(昭和6年)9月にかけて300両がツ1400形(ツ1400 - ツ1699)へ、1930年(昭和5年)6月より同年9月にかけて10両がツ1300形(ツ1300 - ツ1309)へそれぞれ改造された。

1931年(昭和6年)3月に1両がパ1形(ワフ9043→パ11)へ改造された。

車体塗色は一色であり、寸法関係は一例として、全長は6,110 mm - 6,466 mm、全幅は2,286 mm - 2,540 mm、全高は3,067 mm - 3,765 mm、自重は5.0 t - 7.0 tである。

1938年(昭和13年)に最後まで在籍した車両が廃車となり、同時に形式消滅となった。

注釈[編集]

  1. ^ 昭和初年ごろまでは10両に1両の割合で緩急車を組み込んだ編成であった。
  2. ^ 強度の高い自動連結器への交換が行われ編成が長くなり、空気ブレーキ車も増えてきたので緩急車は編成末尾に1両が基本となった。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 「貨車略図 明治四十四年 鉄道院」1990年、復刻 鉄道史資料保存会
  • 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊