敷島製パン

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敷島製パン株式会社
Pasco Shikishima Corporation
Pasco logo.svg
Shikishima Baking Company Limted 20121121.JPG
敷島製パン本社(テクノコア)
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 シキシマ、パスコ
本社所在地 日本の旗 日本
461-8721
愛知県名古屋市東区白壁5-3[1]
設立 1919年大正8年)
1920年(大正9年)6月創業)[1][2]
業種 食料品
法人番号 1180001016877 ウィキデータを編集
事業内容 パン、和洋菓子の製造、販売[1]
代表者 代表取締役社長 盛田淳夫[1]
代表取締役副社長 田中正樹 盛田宏
代表取締役専務 坪田正明 盛田兼由
資本金 17億9900万円
売上高 1557億1400万円(2019年08月31日時点)[3]
営業利益 2億0500万円(2019年08月31日時点)[3]
経常利益 8億9500万円(2019年08月31日時点)[3]
純利益 ▲1億1500万円(2019年08月31日時点)[3]
純資産 353億3700万円(2019年08月31日時点)[3]
総資産 1096億8600万円(2019年08月31日時点)[3]
従業員数 4,106名(2017年8月末時点)[1]
決算期 8月
主要子会社 株式会社四国シキシマパン
株式会社信州シキシマ
株式会社レアールパスコベーカリーズ
関係する人物 盛田善平(創業者)
外部リンク http://www.pasconet.co.jp/
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敷島製パン株式会社(しきしませいパン、: Pasco Shikishima Corporation[注 1])は、愛知県名古屋市東区白壁に本社を置く製パン会社。1920年大正9年)創業と製パン企業としては老舗である。山崎製パンに次ぎ日本国内製パン業界第2位のシェアを占める。「Pasco」(パスコ、Pan Shikishima Company)のブランド名で知られる。航空測量大手のパスコとは無関係。

概要[編集]

かつては「Pasco」ブランドの使用は関東地方東北地方の一部のみで、中部地方静岡県長野県)以西では旧来の「シキシマ」ブランド(ロゴマークの総称として「桜のマークのシキシマパン」と呼ばれていたことがある。後に「Pasco シキシマ」と併記されるようになった)を使用していたが、2003年平成15年)に「Pasco」へ統一し、これを第二の創業と位置付けている。

コーポレートカラーは、「Pasco」ブランドを使用していた当時の関東地方では青、それ以外の地域では赤(過渡期で「Pasco シキシマ」を併記していた時期も)であったが、「Pasco」へのブランド統一に合わせてグリーンに統一した。

発祥は製粉所で、第一次世界大戦中のドイツ捕虜収容所(名古屋俘虜収容所)のドイツ兵捕虜の指導をきっかけにパンづくりに取り組み、第一次世界大戦終結後、敷島製パンが発足する際に元捕虜のハインリヒ・フロインドリーブを技師長として招聘するなど、ドイツ流製法から発展している[4][5]

1918年米騒動を受けて、創業者の盛田善平は「パンが米の代用食になる」と考え、1920年に会社を興した。「敷島」は日本の古称の一つで、善平が国学者本居宣長を尊敬していたことから社名とした[6](「社名・ブランド名」参照)。

創業にはミツカンも出資したが、盛田家の同族企業である。ソニー創業者盛田昭夫造り酒屋盛田株式会社で有名な盛田家の分家筋の盛田善平が創業家にあたる。現在の代表取締役社長である盛田淳夫は、創業者・盛田善平の曾孫であり、また、安倍晋三首相とは成蹊大学アーチェリー部の同窓である[7]

中京地域からの全国展開は高速道路網の発達を契機とし、名神高速道路の開通によって関西地方への進出を試みて成功。その後、他の地域への展開も徐々になされ現在に至った。

食パンで大きなシェアを持ち、1998年(平成10年)に関西地方限定で発売した「超熟」食パンがヒット商品となり、全国発売してからは食パンのトップブランドとなった。これは従来から効果が知られていたが量産化が難しく使用されていなかった湯種製法を用いており、この量産化製法特許取得により他社に先駆け製品化が可能となった(2000年(平成12年)に奥本製粉が奥本式湯種の特許を取得したことで独占は崩れた)。「超熟」の開発から販売までを綴った書籍『超熟ヒットの理由 「食パン」から学ぶブランドNo.1物語』(品川雅彦著、幻冬舎)が発刊されている。

売上構成は、パン類(菓子パン含む)76%、菓子類13%、その他11%となっている(2005年(平成17年)8月時点)。菓子製品には名古屋銘菓として知られる「なごやん」などがあり、中京地域以外でも販売されている。

子会社のレアールパスコベーカリーズが、フランスの有名高級ベーカリーカフェ「PAUL」ブランドで日本国内20店舗(2014年(平成26年)1月時点)、「FAUCHON」ブランドでも国内24店舗を展開している(2014年(平成26年)1月時点)。

本社ビルは「テクノコア」という名称である。2006年(平成18年)、愛知県から「愛知ブランド認定企業」とされた。2008年(平成20年)、17年ぶりに価格改定を実施した。

社名・ブランド名[編集]

社名の「敷島」は、善平が尊敬していた本居宣長の和歌「敷島の大和心を人とはば朝日に匂う山桜花」から採られた[8]

「Pasco」は前述の通り「Pan Shikishima Company」の頭文字を取ったものだが、これは東京進出に際して当時の社長が懇意にしていた女優・ミヤコ蝶々から「東京でモノを売るには名前次第」というアドバイスを受けて考案したものであった[9]。また理由の一つとして、江戸弁では「し」と「ひ」の発音が曖昧で「シキシマ」が発音しにくいため、東京進出に際して洒落た横文字の「Pasco」を考案したということも挙げられている[6]

販売地域[編集]

北海道(一部店舗を除く)では原則として販売されていない。九州南部の宮崎県鹿児島県では販売拠点が無かったため販売されていなかったが、2020年4月1日から取り扱いを開始した[10]。全国ネットのテレビ番組ではそれらの地域でもCMが放送されることがあるが、「一部の地域では発売されておりません」「商品はPascoの直販サイトでも買えます」のお断りテロップが表示される。ただし、子会社のレアールパスコベーカリーズは北海道・九州地方にも展開している。

北海道ではその後、2013年(平成25年)に札幌市手稲区に「Pasco夢パン工房」手稲店をオープン。2018年(平成30年)には江別市に「Pasco夢パン工房」野幌店と「Pasco札幌セントラルキッチン」をオープンした。併設される「Pasco札幌セントラルキッチン」は「Pasco夢パン工房」各店舗への商品供給のほか、札幌近郊の一部スーパーに商品を供給して北海道でも販売を開始している。[11][12]

この他、自社の生産拠点がない東北地方沖縄県では広義のエリアフランチャイズとして、Pasco(シキシマ)ブランドの商品を委託製造している会社がある。東北地方では白石食品工業に生産・販売を委託している。沖縄県では、オキコにライセンス生産・販売を委託しており、オキコの公式サイトにもPascoの通販サイトへのリンクが組まれている。

また、敷島製パンが個人商店に販売を委託し、「ニュージョイス」という名称でごく一部地域に店舗展開している。コンビニエンスストアのようにパン以外に菓子、雑貨、新聞雑誌などを販売している店もあるが、24時間営業の店舗は存在しない。

パスコイーストカンパニーがある東京都目黒区内のイオンスタイル碑文谷では、目黒工場で生産される限定商品「碑文谷パン・ド・ミ」が販売されている[13]

2019年(令和元年)7月1日、九州北部エリア(福岡県佐賀県長崎県大分県熊本県)への商品供給が開始され、これまで未展開だった九州地区へ進出した。福岡県に関しては、山口県に本拠地を持つ食品スーパー「アルク」の北九州市内の2店舗、県内のサンクスで一部商品が販売されていた。なお供給開始に先立ち、同年5月30日に福岡県糟屋郡に営業拠点となる「パスコウエストカンパニー 西日本支社 福岡営業所」が開所されている。当面はセンター共同配送にて店舗輸送が可能な流通チェーンに限定し、一部店舗にて「超熟」シリーズ・バラエティブレッド・国産小麦シリーズを中心に販売される[14]。また、九州地区では専用のTVCMが制作・放映[15]され、製品には円形の緑色で「はじめましてパスコです。」のシールが貼られている[注 2]

主な事業所・工場[編集]

出典:敷島製パン公式サイト「営業所・ネットワーク」(2018年3月11日閲覧)

本社・カンパニー[編集]

工場[編集]

関連会社・団体[編集]

  • 株式会社四国シキシマパン
  • 株式会社信州シキシマ
  • 株式会社レアールパスコベーカリーズ
  • 株式会社ジャパンフレッシュ - 2011年3月、カッパ・クリエイトに株式の80%を譲渡[16]。残りの20%は引き続き保有している[16]
  • 株式会社クチーナ
  • 愛知ミタカ運輸株式会社
  • パスコ・ロジスティクス株式会社
  • Nippon Indosari Corpindo(インドネシア
  • Panash Limited(香港
  • シキシマ学術・文化振興財団
  • 株式会社パスコ・エクスプレス
  • 岩島成專業烘焙公司(台湾
  • 上海頂盛食品工業公司(中華人民共和国

主な製品[編集]

  • なごやん
  • 「超熟」シリーズ
  • 「スナックパン」シリーズ
  • 「十勝バタースティック」シリーズ
  • 「イングリッシュマフィン」シリーズ
  • 「窯焼きパスコ」シリーズ
  • 「PASCO SPECIAL SELECTION」シリーズ
  • 「My Bagle」シリーズ
  • 「バラエティブレッド」シリーズ
  • 「低糖質」シリーズ
  • 「ゆめちから」シリーズ
  • 「ゆめちから入り塩バターパン」
  • 「あらびきソーセージ」
  • 「厚ぎりフレンチ」
  • 「銀チョコロール」
  • 「フレンチアップルパイ」

この他、バンダイから発売される食玩としてのパン(「たまごっち」「SDウルトラシリーズ」)も手がけている。

CM[編集]

イメージキャラクター[編集]

提供[編集]

一社提供[編集]

複数社提供[編集]

協賛するイベント[編集]

  • 東京箱根間往復大学駅伝競走 - 通称「箱根駅伝」。
    • 暮れ頃に製造販売される食パン等の製品には必ず広告ステッカーが貼り付けられている。また、中継番組の提供もしている。
  • 犬山国際友好シティマラソン - 愛知県犬山市で行われるマラソン大会。
    • 当社が協賛企業であるのは、犬山工場があることが関係している。また、参加者への景品として、パンを提供している。
  • 名古屋ウィメンズマラソン - 2011年より協賛している。
    • こちらも同マラソン中継の提供スポンサーでもある。かつての箱根駅伝中継同様、販売地域外の局ではACジャパンに差し替えられている。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ 公式サイト下部のコピーライト表記より。
  2. ^ 南部九州(宮崎・鹿児島)への進出時にはシールの貼り付けは行われなかった
  3. ^ 現在は降板、その後終了
  4. ^ 一部地域ではノンスポンサー

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 会社概要”. 敷島製パン株式会社. 2015年8月14日閲覧。
  2. ^ Pascoの歩み”. 敷島製パン株式会社. 2015年8月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 敷島製パン株式会社 第148期決算公告
  4. ^ 「チンタオ・ドイツ兵俘虜研究会」メール会報 - 0370号「桜パンの話」を参照。
  5. ^ ヒストリー” (日本語). フロインドリーブ (2018年1月18日). 2019年6月20日閲覧。
  6. ^ a b もとをたどれば:Pasco(敷島製パン)米騒動でパンに着目毎日新聞』朝刊2019年6月9日(6面)2019年6月12日閲覧。
  7. ^ 成蹊人 vol.91”. 成蹊学園WEBマガジン. 2015年8月14日閲覧。
  8. ^ Pascoの歩み(社名・ブランドについて)
  9. ^ 2013年9月6日付『中日新聞』11面「時流の先へ 〜中部財界ものがたり〜」
  10. ^ 九州地区全県進出へ Pascoは、九州地区の販売エリアを拡大し 宮崎県、鹿児島県への商品供給を開始しました”. 敷島製パン株式会社. 2020年4月5日閲覧。
  11. ^ 札幌での商品供給を拡充 『Pasco夢パン工房野幌店』、『Pasco札幌セントラルキッチン』 2018年5月25日(金)グランドオープン | Pasco | 超熟のPasco | 敷島製パン株式会社” (日本語). www.pasconet.co.jp. 2018年9月13日閲覧。
  12. ^ 【スタッフのつぶやき】パスコ北海道の旅に行ってきました♪ ‹ パスコ・サポーターズ・クラブ Pascoとおいしい時間」『パスコ・サポーターズ・クラブ Pascoとおいしい時間』。2018年9月13日閲覧。
  13. ^ “【かつてのダイエー旗艦店】イオンスタイル碑文谷店に生まれ変わった!”. J-CASTニュース (ジェイ・キャスト). (2016年12月19日). https://www.j-cast.com/trend/2016/12/19286428.html 2020年5月28日閲覧。 
  14. ^ “九州地区へ初進出 Pascoは、北九州エリア(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本)への商品供給を2019年7月1日(月)より開始します” (プレスリリース), 敷島製パン株式会社, (2019年6月27日), https://www.pasconet.co.jp/release/695/ 2019年7月2日閲覧。 
  15. ^ CM・動画ページに九州限定CMを追加しました”. 敷島製パン株式会社 (2019年7月1日). 2019年7月2日閲覧。
  16. ^ a b カッパ・クリエ、コンビニ総菜拡大 敷島製パン子会社買収”. 日本経済新聞. 株式会社日本経済新聞社 (2011年1月17日). 2019年11月16日閲覧。


関連項目[編集]

外部リンク[編集]