ダンス・パンク
ダンス・パンク Dance-punk | |
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様式的起源 |
ダンス ディスコ ポスト・ディスコ パンク ポスト・パンク ニュー・ウェイヴ ノー・ウェイヴ ポスト・ハードコア ファンク 実験音楽 |
文化的起源 |
1970年代後半![]() ![]() |
使用楽器 |
ギター ベース ドラム パーカッション シンセサイザー ドラムマシン サンプラー |
派生ジャンル | ニューレイブ |
融合ジャンル | |
ポストパンク・リバイバル エレクトロクラッシュ | |
関連項目 | |
シンセポップ エレクトロ・ポップ ハウス |
ダンス・パンク(Dance-punk)は、1970年代後半に誕生した音楽ジャンルである。2000年代に、ポストパンク・リバイバルやエレクトロクラッシュの流れに伴い知られるようになり、全盛期を迎える。同義語としてディスコ・パンク(Disco-punk)も広く使われている。
概要[編集]
起源[編集]
ダンス・パンクの黎明期とされる1970年代後半、ロンドンやニューヨークを中心に一大ムーブメントを巻き起こしたパンク・ロックの人気が落ち着き、その流れを受け継いだポストパンクやニュー・ウェイヴが登場しはじめた。その中には、当時のディスコやファンクなどの流行のダンスミュージックや、デヴィッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、イギー・ポップ、ドイツのクラウトロックなどから影響を受けた、リズミカルなテンポの踊れる曲を採用するミュージシャンがいた。さらに1980年代にはパブリック・イメージ・リミテッド、キャバレー・ヴォルテール、ギャング・オブ・フォー、ニュー・オーダー、キリング・ジョーク、ザ・キュアー、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、トムトム・クラブ、トーキング・ヘッズ、ディーヴォなど、本格的なムーブメントとなったポストパンク、ニュー・ウェイヴ、ノー・ウェイヴのバンドからも影響を受けるようになり、ダンス・パンクの原型ともいえるマテリアル、ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ[1]、クリスティーナ、ESG、リキッド・リキッド[2]といったミュージシャンが登場する[3]。
詳細[編集]
2000年代に入りガレージロック・リバイバル/ポストパンク・リバイバルがおこり、さらにエレクトロクラッシュのムーブメントと共に注目を集め、ダンス・パンクに光が当たるようになる。特にニューヨークのDFAレコーズ周辺のバンドが活躍し、LCDサウンドシステムが「Losing My Edge」、ザ・ラプチャーが「House of Jealous Lovers」、レディオ4が「Dance to the Underground」といったヒット曲を連発、ダンスパンクの人気を確固たるものにしていった。またイギリスではフランツ・フェルディナンドがヒット、グラミー賞ノミネートを始め音楽賞を総なめにした。そういった00年代のダンス・パンクは前述の80年代のミュージシャンだけではなく、90年代以降のインディー・ロック、ポスト・ハードコア、ダンスミュージックなどからも影響を受けており、ダンスとパンクにとどまらない幅広い音楽性を持っているのが特徴である[4]。ダンス・パンク、ポストパンク・リバイバルのブームによってそのルーツであるポストパンク、ニュー・ウェイヴ、ノー・ウェイヴなど80年代の再評価が進み、当時のポストパンクバンドがダンス・パンクとして改めて紹介されたり、再結成や音源の再発売も積極的に行われた。
音楽的特徴・差異[編集]
またダンス・パンクの同義語として『ディスコパンク』が使用される場合があるが、人によっては「ニューレイブのバンド」や「シンセサイザーを用いたポップ・パンク」「打ち込みを用いたスクリーモ」など、より広い意味や異なる音楽性を指す事がある。
2010年代に入り、2000年代前半のような王道のダンス・パンクサウンドを鳴らすミュージシャンは珍しくなっている。前述のニューレイブの影響や昨今のインディーシーンの盛況により、より複雑なクロスオーバーが進んでおり、もはやダンス・パンクと言い切れるバンドはほとんどいない。しかしダンス・パンクの影響はいたるところに広まっており、切り口は様々だがインディーシーン全般でその欠片を聴くことができる。
音楽的特徴としては、4つ打ちのビートと切れのいいハイハットが特徴のドラムに、ダンサブルなベースとパーカッション、ポスト・パンク期のギターサウンド、それにシンセサイザーとボーカルが乗っていることが多い。サウンドは上記の通りでも、バンドやDJなど演奏スタイルは様々である。スタジオ録音の音源はダンスミュージック寄りでパンクの要素を感じ取れないものもあるが、その反面ライブでは勢いを全面に出す演奏を行うことが多い。
ダンス・パンクに分類されるアーティスト[編集]
1970年代~
- クリスティーナ / Cristina
- ESG
- ギャング・オブ・フォー / Gang of Four
- ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ / James Chance and the Contortions
- リキッド・リキッド / Liquid Liquid
- ラブ・オブ・ライフ・オーケストラ / Love of Life Orchestra
- マテリアル / Material
- トーキング・ヘッズ / Talking Heads
2000年代~
- !!!
- ザ・ブレイヴリー / The Bravery
- クリニック / Clinic
- カット・コピー / Cut Copy
- CSS
- データロック / Datarock
- エレクトリック・シックス / Electric Six
- ザ・フェイント / The Faint
- フォワード・ロシア / ¡Forward, Russia!
- フランツ・フェルディナンド / Franz Ferdinand
- フレンドリー・ファイアーズ / Friendly Fires
- フレンズ / Friends
- ヘラクレス・アンド・ラヴ・アフェア / Hercules and Love Affair
- ホーリー・ゴースト! / Holy Ghost!
- ホット・ホット・ヒート / Hot Hot Heat
- ザ・フアン・マクリーン / The Juan MacLean
- LCDサウンドシステム / LCD Soundsystem
- ライアーズ / Liars
- ムービング・ユニッツ / Moving Units
- アウト・ハッド / Out Hud
- レディオ4 / Radio 4
- ザ・ラプチャー / The Rapture
- ロイヤル・バングス / Royal Bangs
- ソウルワックス / Soulwax
- サンシャイン・アンダーグラウンド / The Sunshine Underground
- ザ・ティン・ティンズ / The Ting Tings
- ヨット / Yacht
- ヤー・ヤー・ヤーズ / Yeah Yeah Yeahs
- Avengers in sci-fi
- the telephones
ダンス・パンクの影響があるとされるアーティスト
- アーケイド・ファイア / Arcade Fire
- バトルス / Battles
- デス・フロム・アバヴ 1979 / Death From Above 1979
- フォールズ / Foals
- フォスター・ザ・ピープル / Foster the People
- ホット・チップ / Hot Chip
- クラクソンズ / Klaxons
- パッション・ピット / Passion Pit
- キュー・アンド・ノット・ユー / Q And Not U
脚注[編集]
- ^ http://flavorwire.com/.../too-weird-for-punk-new-york-no-wave-leg...
- ^ [1] "Stephen Thomas Erlewine, Talking Heads bio, Allmusic."
- ^ [2] "James Murphy Interview."
- ^ [3] "Behind the scenes at DFA."
関連項目[編集]
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