ソウルワックス

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ソウルワックス
Soulwax
出身地 ベルギーの旗 ベルギー ヘント
ジャンル エレクトロニカエレクトロニック・ダンス・ミュージックダンス・パンクオルタナティヴ・ロックビッグ・ビート
活動期間 1992年 -
レーベル ベルギーの旗 プレイ・イット・アゲイン・サム
イギリスの旗 パーロフォン
日本の旗 maximum10
日本の旗 ホステス・エンタテインメント
公式サイト soulwax.com
メンバー ステファン・ディワーラ
デイヴィッド・ディワーラ
ステファン・ヴァン・ルーヴァン
イゴール・カヴァレラ
ライマ・カヴァレラ
旧メンバー ピエト・ディエルクス
クルト・ヒューグ
イング・フリッツ
ヘルムート・ヴァン・デン・マーシャート
ステファン・ミッセゲルス
デイヴ・マーティーン
スティーヴ・スリンゲナイヤー
ベント・ヴァン・ルーイ

ソウルワックス: Soulwax)は、ベルギーロックバンド1992年結成。ヘント出身。バンドの中心メンバーであるディワーラ兄弟は、DJデュオ2manydjs(トゥー・メニー・ディージェイズ)としても活動。

概略[編集]

1996年5月14日、ベルギーのレーベル、プレイ・イット・アゲイン・サムよりアルバム『Leave The Story Untold』でデビュー[1]1998年、セカンド・アルバム『マッチ・アゲインスト・エヴリワンズ・アドヴァイス』を発売[1]。同アルバム収録曲の「トゥー・メニイDJ'S」が、後のディワーラ兄弟のDJユニット名の由来となる[1]

リミキサーとしても積極的に活動し、クラブ・シーンでの活動も行う。2000年頃からディワーラ兄弟は、2manydjsとしての活動も開始。2004年8月23日、サード・アルバム『エニイ・ミニット・ナウ』を発売[1]。翌2005年9月26日には、『エニイ・ミニット・ナウ』をクラブ向けにリアレンジしたアルバム『ナイト・バージョンズ』を発売[1]

メンバー[編集]

  • ステファン・ディワーラ (Stephen Dewaele) - ボーカル
  • デイヴィッド・ディワーラ (David Dewaele) - ギター
  • ステファン・ヴァン・ルーヴァン (Stefaan Van Leuven) - ベース
  • イゴール・カヴァレラ (Igor Cavalera) - ドラム
  • ライマ・カヴァレラ (Laima Cavalera) - キーボード

旧メンバー[編集]

  • ピエト・ディエルクス (Piet Dierickx)
  • クルト・ヒューグ (Kurt Huyghe)
  • イング・フリッツ (Inge Flipts) - キーボード
  • ヘルムート・ヴァン・デン・マーシャート (Helmut Van Den Meersschaut)
  • ステファン・ミッセゲルス (Stephane Misseghers) - ドラム
  • デイヴ・マーティーン (Dave Martijn)
  • スティーヴ・スリンゲナイヤー (Steve Slingeneyer) - ドラム
  • ベント・ヴァン・ルーイ (Bent Van Looy) - ドラム ※ロックバンド、ダス・ポップ英語版のフロントマンとしても活動

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

発売日 タイトル レーベル
ベルギーの旗1996年5月14日 Leave the Story Untold PIAS
ベルギーの旗1998年
日本の旗:2001年3月7日
Much Against Everyone's Advice
マッチ・アゲインスト・エヴリワンズ・アドヴァイス
PIAS
maximum10
ベルギーの旗2004年8月23日
日本の旗:2004年8月11日
Any Minute Now
エニイ・ミニット・ナウ
PIAS
maximum10
ベルギーの旗2005年9月26日
日本の旗:2006年2月21日
Nite Versions
ナイト・バージョンズ
PIAS
ホステス・エンタテインメント
ベルギーの旗2017年3月24日
日本の旗:2017年4月5日
From Deewee
フロム・ディーウィー
PIAS
ホステス・エンタテインメント
ベルギーの旗2018年
日本の旗:2018年6月22日
Essential
エッセンシャル
DEEWEE / PIAS
ホステス・エンタテインメント

リミックス・アルバム[編集]

ライブ・アルバム[編集]

参加作品[編集]

  • 『コントロヴァーシー: ア・トリビュート』 - Controversy: A Tribute To Prince (ドイツの旗:2008年6月23日 Rapster Records、日本の旗:2008年5月21日 ホステス・エンタテインメント) ※プリンスカバー・アルバム。10曲目の「Starfish & Coffee」のカバーで参加。

2manydjs[編集]

2manydjs
フランスロック・フェスティバル「Rock en Seine」にて(2007年)
基本情報
ジャンル マッシュアップ
活動期間 1999年 -
レーベル プレイ・イット・アゲイン・サム
Waxedsoul Recordings
Waxedhead Recordings
公式サイト www.2manydjs.com
メンバー ステファン・ディワーラ
デイヴィッド・ディワーラ

ディワーラ兄弟の父Zakiは、1960年代に地元ベルギーで有名なラジオDJであった[2][3]。そのためディワーラ兄弟は幼少時代から多数のレコードに囲まれて育つ[3]

ディワーラ兄弟はソウルワックスの活動と並行してDJ活動を開始[4]1999年にベルギー国営放送局でラジオ番組「Hang The DJ」を始め[4][5]、同番組でのDJプレイはテクノエレクトロロックヒップホップソウルファンクポップスなどの数多のジャンルの誰もが知っている大ヒット曲の美味しいところだけを解体・再構築し、それをミックスしていく独特のスタイルで話題を呼ぶ[2][4]。後に「マッシュアップ」と呼ばれるようになったそのスタイルは、数えきれないフォロワーを生み出した[4]が、マッシュアップの盛り上がりについてディワーラ兄弟は、「自分たちが始めたことではなく、ディスコやヒップホップが出始めた頃から存在していたものだと思う」と述べている[6]

BBCやXfm等のイギリスのラジオ局や、ロンドンを拠点とするDJのエロル・アルカンがオーガナイザーを務めるパーティー「Trash」やアーサー・ベイカーの「Sunday Session」でもプレイすると[5]ジャービス・コッカーが熱狂的なファンであることを公言し、アメリカのDJのフェリックス・ダ・ハウスキャットのプロジェクトでのコラボのオファーを受ける[5]ザ・クラッシュミック・ジョーンズは、自身の楽曲がベースメント・ジャックスの楽曲「Romeo」とマッシュアップされていた事に衝撃を受けて絶賛した[5]

2002年には、唯一の公式CD『アズ・ハード・オン・レディオ・ソウルワックス・パート2』をプレイ・イット・アゲイン・サムより発売[2]Q誌モジョニューヨーク・タイムズなどのメディアで絶賛され、多くの音楽誌で2002年のベスト・ミックスCDに選ばれる[2]

その後、ロンドンの「Fabric」やパリの「Le Pulp」等の名門クラブや、「I Love Techno」、「Creamfields」、「Global Gathering」などの大型フェスティバルにも出演する様になる[2]日本では、2003年2004年の「エレクトラグライド」に出演[2]2005年にソウルワックスとして発表したアルバム『ナイト・ヴァージョン』は、DJミックスの様に全ての曲がつなげられており、元々母体として存在していたソウルワックスの方が2manydjsに同化していく様子を表していた[2]

2012年8月18日、サマーソニックの大阪公演初日の深夜帯に催された「MIDNIGHT SONIC」に出演[7]2013年11月29日には、「エレクトラグライド」に出演[4]。「エレクトラグライド」では、音と映像をリンクさせたオーディオ・ヴィジュアルライブセットが用いられた[8]。また、11月27日には日本公演を記念して10年前に発表した唯一の公式ミックスアルバム『アズ・ハード・オン・レディオ・ソウルワックス・パート2』の10周年記念盤を完全生産限定で発売した[4][9]

2014年8月15日、サマーソニックの前夜祭である「SONICMANIA」のHARD STAGEに出演[10]

アズ・ハード・オン・レディオ・ソウルワックス[編集]

ミックスCDシリーズ「アズ・ハード・オン・レディオ・ソウルワックス」はパート14までがプロモーション盤を装ったブートレグとして発売されており、レーベルはPIAS傘下の「Waxedsoul Recordings」[2]。ミックスされた楽曲の使用許諾がレコード会社から降りなかった為に公式盤としては発売できず、使用許諾申請について半年以上かけて交渉するも、唯一許可が下りたのがパート2のみであった[2]。パート2に至っても、ジャケット写真の使用許諾がカメラマンから下りず、ほぼ全て塗り潰されたジャケットとなった[2]

DJスタイルについて[編集]

2013年のインタビューによると、次から次へと曲を切り替えていく2manydjsのDJスタイルは時代の状況を反映していると思うと述べ、例として最長時間が6秒のショートビデオクリップサービス「Vine」の流行を挙げ、「恐らく現代の人々が集中できる時間帯ってそんなものなんだ。」と述べた。一方で、それは色々なものが消費し易くなったせいでもあるとし、人々の脳が情報で溢れている世界に適応しようとしているのであると述べた。「とにかく短く、一番いいところに集中しようとしているだけ」、「最良のパートを引っこ抜くことがDJの役割」としている[11]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e ソウルワックスの全てが分かる!ベスト楽曲を中心にした白熱のライブ音源やDVDにはそのライブ映像とツアー模様を収録した話題のドキュメンタリー収録!”. Music Lounge キャンシステム (2008年12月). 2015年6月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j 2 MANY DJ'S - トゥー・メニー・ディージェイズ -”. HigherFrequency. 2015年6月10日閲覧。
  3. ^ a b 2MANYDJS”. WOMB. 2015年6月10日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 2manydjs、エレグラ出演で10周年記念盤をリリース”. MTVジャパン (2013年11月28日). 2015年6月10日閲覧。
  5. ^ a b c d 2 many DJs”. F.E.U. inc. (2010年1月21日). 2015年6月10日閲覧。
  6. ^ 【インタビュー】2manydjs、唯一の公式ミックスCDや<エレグラ>当日のセットについて語る”. Qetic株式会社 (2013年11月27日). 2015年6月11日閲覧。
  7. ^ 大阪MIDNIGHT SONICにカルヴィン・ハリス、2manydjsら”. ナタリー (2012年6月28日). 2015年6月11日閲覧。
  8. ^ 【electraglide2013】2manydjsがオーディオ・ヴィジュアルLIVEセットで登場”. ビルボード (2013年9月5日). 2015年6月11日閲覧。
  9. ^ 2manydjs、エレグラ来日を記念して『As Heard on Radio Soulwax Pt. 2』10周年盤発売”. ロッキング・オン (2013年11月27日). 2015年6月11日閲覧。
  10. ^ サマソニ東京MIDNIGHT SONIC決定、SONICMANIAに2manydjs、DJ SNAKEら4組追加”. iFLYER.tv (2014年5月22日). 2015年6月11日閲覧。
  11. ^ 【インタビュー】2manydjs、唯一の公式ミックスCDや<エレグラ>当日のセットについて語る 2ページ目”. Qetic株式会社 (2013年11月27日). 2015年6月11日閲覧。

外部リンク[編集]