デジタルロック

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デジタルロック(Digital Rock)とは、ロック音楽のジャンルの1つで、テクノの細分類でもある。略称で「デジロック」とも言う。90年代に日本の音楽誌上で流行した用語であり、世界的な一般呼称であるビッグ・ビートの同義語である。

概要[編集]

ロックとテクノを融合させた音楽を呼ぶために用いられた造語。世界的にはビッグ・ビートの呼称で定着しており、ネーミングそのものは雑誌『LOUD』が提唱したと言われている。

この用語の本来の意味や音楽性はビッグ・ビートと同義であるが、日本でのみ通用・呼称された「デジロック」は、しばしばテクノ的なアプローチが強いロックも、逆にロック的なアプローチが強いテクノも全てくくれる「音楽業界的に」便利な言葉として使用されたため、同時期に流行したトリップホップドラムンベースインダストリアルにカテゴライズされるべきアーティストさえも安易に「デジロック」と一括りにされることが多々あった。

さらに、「デジタルロック」という用語は、字面が表す「わかりやすさ」の反面で、本来かつ純粋なロックを全て一方的に「アナログ・ロック」と相対化してしまう矛盾を抱えていることもあって、現在、音楽用語としての「デジロック」は本来定義すべき音楽スタイルの実態を的確に言い表すことが出来ないために形骸化し、音楽評論の世界では死語扱いとなっている。

現在、英国人DJスペース・カウボーイのアルバムタイトルにて採用されている他は、ビッグ・ビート隆盛当時の形容とは全く接点を持たない形で、すなわち、日本のロックバンドFENCE OF DEFENSEなどの音楽性を彩る「キャッチコピー」としての使用や、ビッグ・ビートエレクトロの線引きも定かにならないごくごく一部の同人音楽の世界などで誤認解釈のままその使用をかすかに認められている程度である。

アンダーワールドケミカル・ブラザーズプロディジーオービタルがその最先端として「テクノ四天王」などと安易に呼ばれたのも、「デジタルロック」が頻繁に、かつハイプ的に日本の音楽誌面に踊ったのも同じ時期である。