ジャングル・ポップ

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曖昧さ回避 「ジャングル (音楽)」とは異なります。
Jangle pop
リッケンバッカー・360/12は、1960年代に「jangly」なギターの音を出すためによく使われていた
語源 en:Jangle
様式的起源 ポップ・ロック
文化的起源 1950年代後期から1960年代中期、アメリカとイギリス
使用楽器 12弦ギター
派生ジャンル
サブジャンル
  • ペイズリー・アンダーグラウンド（英語版）,[1] ドールウェーブ（英語版）[2]
    • 関連項目
    カレッジ・ロック
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    ジャングル・ポップ（英語: Jangle pop）は、ギターのジャングル（jangle）な音と1960年代のポップ・ミュージック的なメロディーを強調する、ポップ・ロックやカレッジ・ロック[3]のサブジャンルである。[1][4]

    背景[編集]

    この単語はボブ・ディランの「ミスター・タンブリン・マン」の歌詞に由来し、バーズが1965年に発表したカバー・バージョンは、このジャンルの代表的な作品とみなされている。[5]1960年代以降、ジャングル・ポップはパワー・ポップ、サイキデリック・ミュージック、ニュー・ウェイヴ、ポスト・パンク、インディー・ロック、Lo-Fiといった様々なジャンルとクロスオーバーしてきた。[5]

    1980年代、初期のインディー・ロックの代表的なバンドであるR.E.M.、ザ・チルズ（英語版）、ザ・クリーン（英語版）、The dB's（英語版）[6]、the Verlaines（英語版）、 10,000マニアックス（英語版）[7]、ザ・ウェディング・プレゼント、ザ・スミス[8]らはジャングル・ポップのグループであった。1980年代の初期から中期頃、「ジャングル・ポップ」という用語は、1960年代の"jangly"な演奏の音を思い起こさせる、アメリカのポストパンクムーブメントを指すものとして登場した。1983年から1987年頃、「ジャングル・ポップ」という表現はR.E.M.やレッツ・アクティブ（英語版）といったバンドや、 サイケデリック・ミュージックの影響を取り込んだサブジャンルであるペイズリー・アンダーグラウンド（英語版）を指す用語として使われた[1]。

    語源[編集]

    映像外部リンク
    The Byrds - Mr. Tambourine Man (Audio) - ジャングル・ポップの一例
    The Smiths - This Charming Man (Official Music Video) - ジャングル・ポップの一例

    「ジャングル・ポップ」という用語は1960年代には使われておらず、 1980年代に一般的となった。ボブ・ディランの「ミスター・タンブリン・マン」の歌詞にある"In the jingle jangle morning, I'll come following you"の箇所を参照している。リッケンバッカーの12弦ギターに代表される、高音域のチャイムのような音が一つの特徴である。[5]

    歴史[編集]

    エヴァリー・ブラザーズとサーチャーズ は1950年代の後期から1960年代の中期に、「夢を見るだけ」 (1958)、 「ピンと針」 (1964)といった作品でジャングル・ポップの基礎を築いた[5] 。その後の多くのバンドはバーズから多大な影響を受けているが、それらすべてのバンドがバーズと同様にフォークロックのような音楽であるという訳ではない[9]。それから1970年代にかけて、ジャングル・ポップはパワー・ポップバンドのラズベリーズ、パワー・ポップとジャングル・ポップの境界線を曖昧にしたビッグ・スター、またサイモン&ガーファンクルのようなフォークロックのアーティストなどに見られるように、様々な他のサブジャンルとクロスオーバーした[5]。

    ニュージーランドで起こったダニーデン・サウンド（英語版）はジャングル・ポップにおける一つの重要なシーンである。ザ・チルズ（英語版）、ザ・クリーン（英語版）、the Verlaines（英語版）、the Bats（英語版）といったバンドは1970年代のオルタナティヴ・ロックとポストパンクをジャングル・ポップと融合させ[10]、このシーンはすぐにオークランドなど他のニュージーランドの都市に広まった。

    1980年代の初め、ポストパンクとニュー・ウェイヴは1960年代から1970年代の先駆的なジャングル・ポップグループから影響を受けた。1979年、ジョージア州のアセンズでPylon（英語版）がデビューし、アセンズの音楽シーンに影響を与えた[11]。オールミュージックは現代のジャングル・ポップを「ポップに基づく形式である」が、メインストリームではなく、歌詞はしばしば「故意に難解」で、その音はDIYで製作された「生で素人っぽい」ものである、としている。[1]

    1983年から1987年頃、"R.E.M. やレッツ・アクティブ（英語版）といった南部のポップバンド"やカリフォルニアで始まったペイズリー・アンダーグラウンド（英語版）と呼ばれるサブジャンルはサイケデリック・ミュージックの影響を取り込んだ[1]。Blogcritics（英語版）の記事[信頼性要検証]では、R.E.M.を除けば、「アメリカで大きなセールスを獲得した、それ以外で唯一のジャングル・ポップのバンドはロサンゼルスのバングルスである。『マニック・マンデー』などのヒットソングがよく知られているが、最初のアルバムとEPはオーガニックで、バーズやビッグ・スターのようなジャングル・ポップに、サイケデリアの味付けがされている」と指摘されている[12]。

    ジャングル・ポップは、1980年代初めのカレッジ・ロックに影響を与えた[13]。 テキサス州のオースティンでは、「新しい誠実さ（New Sincerity（英語版））」という用語がThe Reivers（英語版）、Wild Seeds（英語版）、True Believers（英語版）といったバンドに対して使われた[14]。

    1990年代に入ると、グランジの登場とともに、ジャングル・ポップの人気は衰退し始めた。R.E.M.が「モンスター」(1994)でジャングル・ポップからグランジに向かったことからも、そのことは見て取れる[15] [self-published source][16][出典無効][17] 。しかしグランジバンドの中でも、アリス・イン・チェインズの『アナザー・サイド・オブ・アリス』 (1994)[18]  （特に「ノー・エクスキューズ」[19]）やストーン・テンプル・パイロッツの「Tiny Music... Songs from the Vatican Gift Shop」(1996)[20]といったジャングル・ポップの要素を取り込んだ作品も存在する。

    主なジャングル・ポップ・バンド[編集]

    関連項目[編集]

    脚注[編集]

    1. ^ a b c d e “Jangle Pop”. AllMusic. 2017年3月8日閲覧。
    2. ^ Everett True (2014年3月28日). “How dolewave put Australia's music writers to work”. The Guardian. 2024年3月10日閲覧。
    3. ^ Steve Peake. “The Most Influential '80s Rock Music Genres”. ThoughtCo. 2019年1月11日閲覧。
    4. ^ Jeff Wilkin (2015年8月19日). “British band Life in Film sounds off on 'Jangle Pop'”. The Daily Gazette. 2016年7月24日閲覧。
    5. ^ a b c d e f LaBate (2009年12月18日). “Jangle Bell Rock: A Chronological (Non-Holiday) Anthology… from The Beatles and Byrds to R.E.M. and Beyond”. Paste. 2011年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月24日閲覧。
    6. ^ “Chris Stamey: The Great Escape” (英語). Spectrum Culture (2023年7月13日). 2023年11月2日閲覧。
    7. ^ a b Erlewine, Stephen Thomas (2023年). “10,000 Maniacs”. AllMusic. 2023年12月15日閲覧。
    8. ^ Matthew Bannister (2013). White Boys, White Noise: Masculinities and 1980s Indie Guitar Rock. Ashgate Publishing, Ltd.. pp. 71–72, 87, 124–125. ISBN 978-1-4094-9374-7. https://books.google.com/books?id=Lt2hAgAAQBAJ 
    9. ^ Unterberger, Richie (2003). Eight Miles High: Folk-rock's Flight from Haight-Ashbury to Woodstock. Backbeat Books. pp. 293–. ISBN 978-0-87930-743-1. https://books.google.com/books?id=aw6kSkR3eXgC&pg=PA293 
    10. ^ “Dunedin Sound - the sound of honesty? - Article | AudioCulture” (英語). www.audioculture.co.nz. 2023年9月24日閲覧。
    11. ^ Ankeny. “Pylon Biography, Songs, & Albums”. AllMusic. Template:Cite webの呼び出しエラー：引数 accessdate は必須です。
    12. ^ “Sunday Morning Playlist: Jangle Pop - Blogcritics Music”. Blogcritics.org. 2008年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月10日閲覧。
    13. ^ Sullivan. “Jangle-Pop”. AllMusic. 2011年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月28日閲覧。
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    15. ^ Bracy (2012年7月20日). “R.E.M. Albums From Worst to Best”. Stereogum. 2016年11月13日閲覧。
    16. ^ Larkin, Colin (2011-05-27). The Encyclopedia of Popular Music. p. 2266. ISBN 9780857125958. https://books.google.com/books?id=_NNmFiUnSmUC&q=What%27s+the+Frequency,+Kenneth&pg=RA1-PA2266 2016年11月13日閲覧。 
    17. ^ Smith (2014年10月8日). “Sex & Trash Aesthetics: REM's Monster Revisited”. The Quietus. 2017年11月26日閲覧。
    18. ^ Weiss (2016年10月6日). “The 10 Best Alice in Chains Songs”. Stereogum. Template:Cite webの呼び出しエラー：引数 accessdate は必須です。
    19. ^ James, Rotundi (1994年3月). “Lord of the Flies: Jerry Cantrell Unchains Alice”. Guitar Player. Guitar Player 28 (3) 
    20. ^ Erlewine. “Stone Temple Pilots - Tiny Music...Songs from the Vatican Gift Shop Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. Template:Cite webの呼び出しエラー：引数 accessdate は必須です。
    21. ^ Duffy, John. “54-40 - Since When Album Reviews, Songs & More | AllMusic” (英語). Allmusic. https://www.allmusic.com/album/since-when-mw0000754159#review 2024年2月3日閲覧。 
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    24. ^ Russell Leadbetter (2020年6月11日). “From the Cocteaus to Blue Nile and Aztec Camera: Part one of our look back at the 1980s”. The Herald. 2023年5月5日閲覧。
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    44. ^ McCarthy - The Way of the World (1987)-tendingthepalebloom on YouTube
    45. ^ “It's a new day for '80s 'jangle' courtesy of Pylon, 'Strum and Thrum' box sets”. Chicago Sun-Times (2021年3月26日). 2022年1月13日閲覧。
    46. ^ “15 Acts Defining the Jangle Pop Renaissance” (2022年5月9日). 2023年5月5日閲覧。
    47. ^ Bannister, Matthew (2013). White Boys, White Noise: Masculinities and 1980s Indie Guitar Rock. Ashgate Publishing, Ltd.. pp. 71–72, 85, 87, 124–125. ISBN 978-1-4094-9374-7. https://books.google.com/books?id=Lt2hAgAAQBAJ 
    48. ^ “Rolling Blackouts Coastal Fever trace son sillon indie-pop”. Les Inrockuptibles (2020年6月11日). 2022年5月15日閲覧。
    49. ^ “Recordings: The Refreshments, Fizzy, Fuzzy, Big & Buzzy (Mercury)”. Phoenix New Times (1996年2月29日). 2016年7月24日閲覧。
    50. ^ Bannister, Matthew (2013). White Boys, White Noise: Masculinities and 1980s Indie Guitar Rock. Ashgate Publishing, Ltd.. pp. 71–72, 85, 87, 124–125. ISBN 978-1-4094-9374-7. https://books.google.com/books?id=Lt2hAgAAQBAJ 
    51. ^ Lockett, Mac (2021年3月4日). “Teenage Fanclub Sticks to Its Melancholic Jangle-Pop on 'Endless Arcade' (ALBUM REVIEW)”. Glide Magazine. 2023年5月8日閲覧。
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