アサツキ

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アサツキ
Allium schoenoprasum var. foliosum 2.JPG
青森県種差海岸 2017年6月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
: ネギ属 Allium
: エゾネギ A. schoenoprasum
変種 : アサツキ A. s var. foliosum
学名
Allium schoenoprasum L. var. foliosum Regel[1]
和名
アサツキ(浅葱、浅つ葱)[2][3]
アサツキの葉

アサツキ(浅葱、学名Allium schoenoprasum var. foliosum)は、ヒガンバナ科ネギ属球根多年草[2][3][4]エゾネギを分類上の基本種とする変種[1]

ネギよりも色が薄く、食用とされるネギ類の中では最も細いを持つ。別名はイトネギ、センブキ、センボンネギ、センボンワケギ、ヒメエゾネギ。野草であり、山野で自生が見られる。葉や鱗茎を食用とするため、栽培される。

特徴[編集]

地下の鱗茎は狭卵形で、長さ15-25mmになり、淡紫色から灰褐色になる外皮に包まれる。花茎は葉叢の中央から出て、細い円柱形で直立し、高さ30-50cmになり、淡緑色であるが下部は紫色を帯び、基部は葉鞘に包まれる。基部に1-3個のがあり、細い円柱形で中は中空、長さは花茎より短く15-40cmになり、径は3-5mmになる[2][3][4]

花期は5-6月。は花茎上に散形花序に多数つき、蕾時に、その基部に膜質で初め紫色をした総苞があり、総苞は卵形となって先端は尾状にとがる。花被片は離生し、外花被片が3個、内花被片が3個の計6個があり、淡紅紫色になり、披針形または広披針形で長さ9-12mmになり先端は鋭くとがる。雄蕊は6個で、葯は淡紫色、花糸の長さはふつう花被片より短く、その半分から3分の2の長さ、ときに同長となり、変種では花被片より長くなるものがある。花糸の基部には歯牙が無い。子房は上位で3室あり、各室に数個の胚珠があって、その上に花柱1個がある。果実蒴果で胞背裂開し、種子は黒色になる[2][3][4]

分布と生育環境[編集]

本変種としては、日本では、北海道、本州、四国に分布し、海岸近くや山野の草地に生育する。世界ではシベリアに分布する[2][4]

野菜[編集]

アサツキは、野菜としては冬から春のもので、夏の花期後は地上部の葉は枯れ休眠する。この時期前後に鱗茎部分を掘り起こして植え付ける。その後分球した後に成長し発芽するが、地上部は一旦枯れ、翌シーズンの春に成長し、早ければ12月に若い葉と鱗茎を収穫する。

似たものにチャイブがあり、アサツキはチャイブを分類上の基本種とした変種である。ワケギワケネギとも異なる。

チャイブと比べると草丈が低く鱗茎があり、また味覚はチャイブのような青臭さは少ないが、やや辛味がある。数年を経過した球根からは直径が5mmを超える葉が出る事もある。

名前の由来[編集]

和名アサツキ(浅葱)という名は、ネギ(葱)に対して色が薄い(浅い)ことからきている[5]

種小名(種形容語)schoenoprasum は、「イネのようなネギの」の、変種名 foliosumは、「葉の多い」の意味[3]

混植[編集]

チャイブと同様にコンパニオンプランツ(共栄植物)として利用する事が出来る。

  • バラ:黒点病、黒斑病、黒星病の予防
  • トマト、ナス:アブラムシ回避
  • ニンジン:土壌の殺菌

食材[編集]

利用法は通常のねぎと同様である。ただし生で食べる場合アサツキのほうが苦味と辛味が強いため薬味には向かない。

薬効[編集]

かつて、アサツキはデザイナーフーズ計画のピラミッドで3群に属しており、3群の中でも、ハッカ、オレガノ、タイム、キュウリと共に3群の中位に属するが、癌予防効果のある食材であると位置づけられていた[6]

基本種、変種[編集]

  • エゾネギ(蝦夷葱) Allium schoenoprasum L. var. schoenoprasum - 分類上の基本種。花被片の長さが15mm内外と大型になる。本州北部、北海道、シベリアヨーロッパに分布する[4]
  • ヒメエゾネギ(姫蝦夷葱) Allium schoenoprasum L. var. yezomonticola H.Hara[7] - 変種。花茎の高さは10-20cmと低く、花被片の長さが6-8mmと小型になる。雄蕊は花被片より短い。北海道アポイ岳の特産[4]
  • シブツアサツキ(至仏浅葱) Allium schoenoprasum L. var. shibutuense Kitam. - 変種。葉が細く径1.5-3mmになる。花被片の長さが約6.5mmと小型。雄蕊は花被片と同じ長さかわずかに長い。至仏山谷川岳の特産[4]。準絶滅危惧(NT)(2015年、環境省)。
  • シロウマアサツキ(白馬浅葱) Allium schoenoprasum L. var. orientale Regel[8] - 変種。葉が太く径4-5mmになる。花被片の長さは6-8mmと小型。雄蕊は花被片と同じ長さかわずかに長い。北海道、本州(中部地方以北・近畿地方北部・隠岐諸島)、サハリン朝鮮半島、シベリア東部に分布する[4]
  • イズアサツキ(伊豆浅葱) Allium schoenoprasum L. var. idzuense (H.Hara) H.Hara - 変種。花茎は葉束の中央からではなく、横に離れて出ることがあり、花被片は長さ7-9mm、幅3-3.5mm、白色から淡紅紫色で、花被片の先端が短くとがる。伊豆半島の南部海岸で発見された[4]。絶滅危惧IB類(EN)(2015年、環境省)。

ギャラリー[編集]

アサツキ、種差海岸
青森県八戸市) 
シロバナアサツキ、種差海岸 
エゾネギ 
シブツアサツキ、至仏山
群馬県片品村) 
シロウマアサツキ、白馬岳
長野県白馬村) 

脚注[編集]

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Allium schoenoprasum L. var. foliosum Regel”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2015年11月27日閲覧。
  2. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花)』p.424
  3. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.854, p.1327, p.1346
  4. ^ a b c d e f g h i 『改訂新版 日本の野生植物 1』p.242
  5. ^ 本山荻舟 『飲食事典』 平凡社、1958年12月25日、p. 8。
  6. ^ がん予防と食品、大澤 俊彦、日本食生活学会誌、Vol.20 (2009) No.1
  7. ^ 清水 (2014)、49頁
  8. ^ 清水 (2014)、48頁

参考文献[編集]

関連項目[編集]