タルト・フランベ

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タルト・フランベ
発祥地 フランスの旗 フランス
ドイツの旗 ドイツ
地域 アルザス
提供時温度 温かい
主な材料 パン生地フロマージュ・ブランもしくはクレームフレーシュ玉ねぎラードン英語版
派生料理 マンステール、グラティニ、フォレスティエール、甘いタルト・フランベ
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リーキと玉ねぎを使ったタルト・フランベ
オーブンから出したばかりのタルト・フランベ

タルト・フランベフランス語: tarte flambée)は、フランスアルザスドイツ南部で作られている、長方形(伝統様式)もしくは円形をした非常に薄いパン生地フロマージュ・ブランなどのチーズもしくはクレームフレーシュサワークリームの一種)で覆い、薄くスライスした玉ねぎラードン英語版をのせて焼いた、薄焼きピザに似た料理である。タルト・フランベはアルザス地方の名物料理の一つとなっている[1]

概要[編集]

アルザス地域圏では、この料理はアルザス語で「フラムクーヘ(Flammekueche)」や「フラムキューヘ(Flàmmeküeche)」[2]、フラムキュアハ(Flàmmaküacha)」[3]、「フラムクーヘル(Flammekuechle)」、ドイツ語で「フラムクーヘン(Flammkuchen、焼きケーキの意)」、フランス語で「タルト・フランベ(tarte flambée、フランベしたタルトの意)と呼ばれている。

タルト・フランベという名称にもかかわらず、この料理にはフランベの工程はなく、オーブンを使用して調理する。この料理には加えるトッピングにより様々なバリエーションのオリジナルレシピがある[4]

バリエーション[編集]

よく見ることのできるタルト・フランベとして以下の様なものがある。

発祥[編集]

伝説によれば、この料理を作ったのは、1~2週間に1回パンを焼いているアルザスやバーデン=バーデンプファルツ地方出身のアレマン語話者の農夫であるとされる。事実、タルト・フランベは1960年代に「ピザの熱狂的な流行(pizza craze)」が起きるまでは、アルザス地方以外では知られることのない家庭の味であった。この頃は、タルト・フランベは薪のオーブンの温度を知るために利用されていた。オーブン温度が一番高い時期こそがタルト・フランベを焼く際の最適な温度であったためである。オーブンの中央部にタルトを置くスペースを作るため、燃えさしは側部にずらし、1~2分でタルト・フランベが焼きあがる。この際、タルト・フランベの端の部分は火により焼け焦げに近い状態となる[5]。焼き上がりの様子は薄焼きピザに似ている。

脚注[編集]

  1. ^ Villegas, Maria (2005). “Tarte flambée”. The food of France: a journey for food lovers. Murdoch Books. pp. 56. ISBN 978-1-74045-471-1. https://books.google.co.jp/books?id=Rs6rNIeXbqwC&pg=PA56&dq=tarte+flambee&client=firefox-a&cd=8&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=tarte%20flambee&f=false 2010年2月26日閲覧。 
  2. ^ http://www.olcalsace.org/sites/default/files/lexique_courses.pdf
  3. ^ http://culture.alsace.pagesperso-orange.fr/page_f.htm
  4. ^ Helga Rosemann, Flammkuchen: Ein Streifzug durch das Land der Flammkuchen mit vielen Rezepten und Anregungen [Flammkuchen: A foray into the land of the tartes flambées with many recipes and suggestions] (Offenbach: Höma-Verlag, 2009).
  5. ^ Rosemann 4-5.

外部リンク[編集]