ノビル

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ノビル
Allium macrostemon
Allium macrostemon
(2005年4月3日、兵庫県川西市
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ヒガンバナ科 Amaryllidaceae
亜科 : ネギ亜科 Allioideae
: Allieae
: ネギ属 Allium
: ノビル A. macrostemon
学名
Allium macrostemon
Bunge (1833)[1][2]
シノニム

ノビル(野蒜、学名: Allium macrostemon)は、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属多年草。一部地域では、ねんびろ、のびろ、ネビルとも呼称される。生のネギのようにひりひりと辛いところから、「ひる」の名が付いた。

形態・生態[編集]

地下に球根(鱗茎)を持ち、地上に細いを伸ばす。

葉は線形で20 - 30cmのものを数本出す。雑草にまぎれて花茎が伸びてきてはじめて気がつくことが多いが、葉の表面に白く粉を噴くので慣れると見つけやすい。タバコ位の太さにしかならず、小さなタマネギのようである。

まっすぐ立ち上がる花茎は60cmに達し、先端に一個だけ花序(散形花序)をつける。花は長さ数mmの楕円形の花弁が6枚、小さいチューリップのように集まったもので、白または薄紫を帯びる。花柄はやや長い。花は開花するが、種子ができる系統はごくまれである。代わりに花序には開花後ないしは開花前から小さな球根のような珠芽(むかご)を着生し、それを散布体とする。珠芽は紫褐色で固く密生する。たくさん集まると表面に突起の出たボールのようになる。むかごの着生が遅れれば通常の花序となるが、開花前からむかごの肥大が始まり、開花がほとんど認められないことがある。これは小型個体より大型個体ではげしい傾向がある。

むかごの散布以外にも分球でも繁殖する。

分布と生育環境[編集]

東アジアに広く分布する。日本では北海道から沖縄までの畦道堤防上など、丈の低い草が生えているところによく自生する。主として人里近く、畑地周辺や土手でよく見かける。一説によれば、古い時代に作物と共に日本へ入ってきた、いわゆる史前帰化植物ではないかとも言われるが、はっきりしたことはわからない。

人間との関わり[編集]

Allium macrostemon - LNDDYL.jpg

葉とともに、地下にできる鱗茎が食用となる。鱗茎は地下5 - 10cmにできるため、スコップなどで掘り起こさなければならない。積極的に栽培されることは少ないが、タマネギに似た香りと辛味があり、野草として食用にされる。生食の他、味噌汁の具にすると美味。収穫後、時間が経つとストレスで辛味が強くなり、香りも悪くなる。休耕地など土壌養分が十分な場所で育つと、鱗茎がピンポン玉程の大きさになることがある。アサツキ等よりも鮮烈な香味を持ち、生食も可だが、軽く茹で酢味噌等の味付けで食される。薬味としても用いる。

文化[編集]

古くは『古事記』にその名が見える。応神天皇の歌として、

いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに

また、『万葉集』の長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)の歌に、

醤酢(ひしほす)に
蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて
鯛(たひ)願ふ 吾にな見えそ
水葱(なぎ)の羹(あつもの)

がある。

記紀の東征神話においては、白鹿に化けた地の神をヤマトタケルが蒜で打ち殺すエピソードがあるが、これもノビルである可能性が高い。

近縁種[編集]

アメリカ大陸にも近縁種 Allium vineale(英名: Wild Garlic(野生のニンニク)または Field Garlic(野原のニンニク))が存在する。どこにでも成育し駆除が困難なため、芝生牧草地の厄介な雑草として扱われる。これもまた食用が可能である。

注と出典[編集]

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  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Allium macrostemon Bunge”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2014年7月3日閲覧。
  2. ^ Missouri Botanical Garden. “Allium macrostemon Bunge”. Tropicos. 2012年7月9日閲覧。

参考文献[編集]

  • 平野隆久写真 『野に咲く花 : 写真検索』 林弥栄監修、門田裕一改訂版監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年、増補改訂新版、76頁。ISBN 978-4-635-07019-5

関連項目[編集]

外部リンク[編集]