「JR西日本287系電車」の版間の差分
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2011年8月に第1編成が落成して同月4日に報道公開され<ref>[http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110804-OYO1T00592.htm 新型「くろしお」公開 JR西日本]{{リンク切れ|date=2011年10月}} - [[読売新聞]] 2011年8月4日</ref>、同年9月28日から試運転が行われた<ref>[http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2011/10/jr287_6.html 〈くろしお〉用287系本格的試運転始まる] - 鉄道ホビダス [[ネコ・パブリッシング]] RMニュース 2011年10月1日</ref>。 |
2011年8月に第1編成が落成して同月4日に報道公開され<ref>[http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110804-OYO1T00592.htm 新型「くろしお」公開 JR西日本]{{リンク切れ|date=2011年10月}} - [[読売新聞]] 2011年8月4日</ref>、同年9月28日から試運転が行われた<ref>[http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2011/10/jr287_6.html 〈くろしお〉用287系本格的試運転始まる] - 鉄道ホビダス [[ネコ・パブリッシング]] RMニュース 2011年10月1日</ref>。 |
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2012年[[2月29日]]には3両編成が川崎重工業を出場し、試運転を行った<ref>[http://railf.jp/news/2012/03/01/175900.html ”くろしお”用287系3両編成が川崎重工から出場]- 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2012年3月1日</ref>。 |
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最終的に6両編成6本と3両編成5本の計51両が投入され、2012年3月17日のダイヤ改正より、以下の「くろしお」で運用を開始する予定である<ref name="jrw_20111216w" />。 |
最終的に6両編成6本と3両編成5本の計51両が投入され、2012年3月17日のダイヤ改正より、以下の「くろしお」で運用を開始する予定である<ref name="jrw_20111216w" />。 |
2012年3月1日 (木) 10:13時点における版
JR西日本287系電車 | |
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試運転を行う287系電車 (2011年1月10日 大阪駅) | |
基本情報 | |
製造所 | 川崎重工業[* 1]・近畿車輛 |
主要諸元 | |
編成 |
3・4・6両 (すべての車両が0.5M方式の電動車) |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 | 130 km/h |
設計最高速度 | 130 km/h |
起動加速度 | 1.6 km/h/s[* 2] |
減速度(常用) | 4.6 km/h/s[* 3] |
減速度(非常) | 5.2 km/h/s[* 3] |
全長 | 21,100 mm |
車体長 |
20,670 mm(先頭車両) 20,600 mm |
全幅 | 2,915 mm |
全高 | 3,970 mm(集電装置搭載車両) |
車体高 | 3,490 mm |
台車 |
軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付) 動力台車:WDT67 付随台車:WTR249・WTR249A |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機 WMT106-G1 |
主電動機出力 | 270kW |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 5.65 |
編成出力 |
6両編成:270kW×2×6=3,240kW 4両編成:270kW×2×4=2,160kW 3両編成:270kW×2×3=1,620kW |
制御装置 |
2レベルIGBT-VVVFインバータ制御 WPC15A-G2 |
制動装置 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ(応荷重・遅れ込め・直通・救援・抑速・耐雪ブレーキ付き) |
保安装置 |
ATS-SW2・ATS-P3、列車防護無線装置 EB・TE装置 |
287系電車(287けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流特急形車両である。
概要
特急「きのさき」や「こうのとり」(2011年3月11日までは「北近畿」[1])などの「北近畿ビッグXネットワーク」で運用されている183系電車の老朽化にともなう置き換え用として、4両編成7本(28両)と3両編成6本(18両)の計46両を約80億円をかけて導入することが発表された[2]。車両の製造は川崎重工業・近畿車輛などが行う。
また、南紀方面の特急「くろしお」用として、6両編成6本(36両)と、3両編成5本(15両)の計51両も製造し、2012年7月以降の運転開始を予定していることが発表された[3][4]。
北近畿方面への新型車両の投入は、2009年7月に報道されていた[5]が、この段階では形式称号や製造両数までは公表されておらず、現行の車両は順次、廃車するとしていた。しかし、2009年4月1日時点で183系は86両あるのに対して、JR西日本が同年10月2日に発表した導入車両数は46両であり、不足する残り40両は2012年7月以降に「くろしお」で使用されている381系電車で置き換えるとの報道があった[6]。
北近畿方面の車両については、2011年3月12日のダイヤ改正から25両が運転を開始している[7]。
南紀方面の車両については、2012年3月17日のダイヤ改正から運転を開始予定である[8]。
構造
車体
2009年6月1日から特急「サンダーバード」で営業運転を開始した683系4000番台の設計概念を踏襲している。全電動車編成とすることによって、車両構体の共通化によるコスト削減を図る。
アルミダブルスキン構造を採用し、オフセット衝突対策や衝撃吸収構造によって構造が強化される。これは、2010年5月に落成した近郊形電車である225系電車に続き2例目となる。車体配色も683系に準じているが、客室側窓下部のラインカラー帯については北近畿ビッグXネットワークで運用される編成は、「北近畿」で馴染みがあり沿線の緑豊かな地域に映えるダークレッドを採用し、「くろしお」用編成は「オーシャンアロー」用283系電車で既に採用されているオーシャングリーンを採用する予定である。
681系と同じ旋律のミュージックホーンが引き続き採用されている。
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運転台周辺部。窓下のダークレッドの帯が見える。
主要機器
125系電車や321系電車、225系で採用された、0.5Mシステムと呼ばれる、運転に必要な機器類を1両にまとめて搭載する考え方を基本とし、すべての車両が電動車である。そのため、全車両に車両制御装置[9]を搭載するが、集電装置の有無によって287形と286形の区別を行っている。
集電装置はシングルアーム型パンタグラフ (WPS28C) が採用され、287形に搭載されている[10]。北近畿方面の特急列車用として落成した3両編成の一部と4両編成では、各車あたり2基搭載されるが、それ以外の編成では各車あたり1基搭載されている[11]。中間車両(モハ287形)では、集電装置の関節を車端側に向けているが、先頭車両(クモハ287形)の場合は、城崎温泉側に向けている。
主電動機は、1時間定格出力270kWのかご形三相誘導電動機 (WMT106-G1) が1両当たり2基搭載されている。
電動空気圧縮機は、スクリュー式のもの (WMH3098-WRC1600) がモハ287・クモハ287形に1基搭載されている。
台車
台車は、225系をベースとした軸はり式ボルスタレス台車を採用し、1両あたり電動台車 (WDT67) と付随台車 (WTR249) を1台ずつとしている。ただし、先頭車両(クモロハ286形・クモハ287形・クモハ286形)に関しては、駐車ブレーキを備えたWTR249Aを装着する。基本的に、電動台車を後位(城崎温泉寄り)に、付随台車を前位(新大阪・京都寄り)に装着するが、雨天時の車輪粘着を考慮し、クモハ286形・クモロハ286形のみ台車配置が逆[12]となっている。
低重心設計により曲線通過性能の向上が図られている681系・683系をベースとしていることと、製造コスト削減の目的から、381系と異なり振り子機能は搭載されていない。
車内
客室内にLED式の車内案内表示装置が設置され、グリーン車の全席と普通車の車端部座席にモバイル機器などの使用に対応したコンセントが設置されている。
3両に2両の割合で便所(小便器1か所と洋式大便器1か所)が設置されている。そのうち、編成中に1か所、女性専用トイレが設けられている。さらに、バリアフリー設備として多目的室や車いすスペースを編成中に1か所設置されている。
座席は683系4000番台に準じており、グリーン車は茶色表地の1+2列配置で1,160mmピッチ、普通車は青色表地の2+2列配置で970mmピッチで展開する。
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普通車車内
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グリーン車車内
形式・編成
「こうのとり」や「きのさき」など、北近畿ビッグXネットワークで運用される車両は3両編成と4両編成であり、「くろしお」で運用される車両は3両編成と6両編成である。
- クモロハ286形 (M'sc)
- グリーン席と普通席を備える貫通構造(準備工事のみ)の制御電動車。運転台・トイレ・洗面所を備え、車両制御装置・蓄電池などを搭載する。定員15名(グリーン席)+23名(普通席)、計38名。形式記号は日本国有鉄道(国鉄)時代を含めて初の「クモロハ」となった[13]。
- クモハ287形 (Mc)
- 普通席を備える貫通構造の制御電動車。運転台が設置され、車両制御装置・蓄電池・空気圧縮機・集電装置などが搭載されている。定員64名。
- クモハ286形 (M'c)
- 普通席を備える貫通構造の制御電動車。運転台・トイレ(女性専用含む)・洗面所が設置され、車両制御装置・蓄電池などが搭載されている。定員56名。
- モハ287形
- 普通席を備える中間電動車。車両制御装置・蓄電池・空気圧縮機・集電装置などが搭載されている。
- 100番台 (M1)
- 多機能トイレ・洗面所・多目的室・車椅子スペースが設置されている。定員50名。
- 200番台 (M2)
- 車販準備室が設置されている。定員72名。
- モハ286形
- 普通席を備える中間電動車。車両制御装置・蓄電池などを搭載する。
- 0番台 (M')
- トイレ(含む女性専用)・洗面所が設置されてる。定員68名。
- 100番台 (M'1)
- 多機能トイレ・洗面所・車椅子スペースが設置されている。定員58名。
- 200番台 (M'2)
- 多機能トイレ・洗面所・多目的室・車椅子スペース・業務用室・車掌室が設置されている。定員50名。
← 城崎温泉・福知山・和歌山・紀伊田辺・白浜 東舞鶴・新大阪・京都 →
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クモロハ286 - 0 (M'sc) |
モハ286 - 0 (M') |
モハ287 - 200 (M2) |
モハ286 - 200 (M'2) |
モハ286 - 0 (M') |
クモハ287 - 0 (Mc) |
クモロハ286 - 0 (M'sc) |
モハ287 - 100 (M1) |
モハ286 - 0 (M') |
クモハ287 - 0 (Mc) |
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クモハ286 - 0 (M'c) |
モハ286 - 100 (M'1) |
クモハ287 - 0 (Mc) |
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クモロハ286形(クモロハ286-2)
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クモハ287形(クモハ287-3)
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クモハ286形(クモハ286-6)
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モハ287形100番台(モハ287-101)
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モハ286形0番台(モハ286-2)
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モハ286形100番台(モハ286-106)
車両配置と運用線区
2011年10月1日現在の配置区所と運用線区は以下の通り[14]。
福知山電車区
福知山電車区には、4両編成(FA編成)7本、3両編成(FC編成)6本の合計46両が所属している。
2010年11月29日に最初の編成(4両編成+3両編成)が近畿車輛を出場し、試運転を行った[15]。その後、東海道・山陽本線向日町操車場 - 網干駅間[16]や、山陰本線京都駅 - 城崎温泉駅間[17]、北近畿タンゴ鉄道などで試運転が行われた[18]。
2011年2月15日には4両編成が[19]、同年2月22日には2編成(4両編成+3両編成)が近畿車輛を出場し、試運転を行った[20]。
2011年3月12日のダイヤ改正で、25両(FA編成4本、FC編成3本)が以下の列車で営業運転を開始し(「こうのとり」は3往復のみ)[7]、同年6月1日に21両(FA編成3本、FC編成3本)が追加投入された[21][22]。
- 運用
-
福知山所属車(4両編成)
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福知山所属車(3両編成)
日根野電車区
日根野電車区には、6両編成(HC編成)2本の合計12両が所属している。
2011年8月に第1編成が落成して同月4日に報道公開され[23]、同年9月28日から試運転が行われた[24]。
2012年2月29日には3両編成が川崎重工業を出場し、試運転を行った[25]。
最終的に6両編成6本と3両編成5本の計51両が投入され、2012年3月17日のダイヤ改正より、以下の「くろしお」で運用を開始する予定である[8]。
- 運用
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- 特急「くろしお」(7往復):上り4・10・14・18・22・24・30号、下り5・7・11・15・19・23・29号
- ただし、3往復(7・15・19号、14・18・30号)は2012年7月までに順次運用を開始する予定。
脚注
- ^ 2010年10月定例社長会見(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年10月20日
- ^ 特急「きのさき」「北近畿」などへの新型特急形電車の投入について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年10月2日
- ^ 2010年11月定例社長会見(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年11月17日
- ^ 特急〈くろしお〉に287系投入 - ネコ・パブリッシング『鉄道ホビダス』 2010年11月17日
- ^ 特急北近畿など新型車両に 2011年 JR西[リンク切れ] - 神戸新聞 2009年7月24日
- ^ 新型の特急車両を公開 JR西 - 神戸新聞 2010年11月26日
- ^ a b 平成23年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース 2010年12月17日
- ^ a b 平成24年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道和歌山支社プレスリリース 2011年12月16日
- ^ 主回路用インバータ(VVVF制御装置)と補助電源用静止形インバータ(CVCF装置)を一体化したもの
- ^ 286形は集電装置搭載準備工事にとどめている。
- ^ JR西日本が設計した特急形車両としては初めて2基搭載とした。
- ^ 運転台寄りが付随台車
- ^ 在来線電車のグリーン車は静粛性・揺れ防止等の観点から付随車が多い。JR九州787系電車のクモロ787形、国鉄151系電車のモロ151形・モロ150形、一部のジョイフルトレインなどで採用されているのみである。
- ^ ジェー・アール・アール『JR電車編成表 2012冬』交通新聞社、2011年。ISBN 978-4-330-25611-5。
- ^ 287系が試運転を実施 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年11月30日
- ^ 287系,東海道・山陽本線で試運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年1月13日
- ^ 287系 試運転で城崎温泉駅まで入線 - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース 2011年1月14日
- ^ 287系がKTR線内で試運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年2月18日
- ^ 287系4両編成が近畿車輛から出場 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年2月16日
- ^ 287系7両が近畿車輛から出場 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年2月22日
- ^ 新型車両(287系)の追加投入について (PDF) - 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース 2011年4月27日
- ^ 「こうのとり」は車両増備の都合上、6月まで4往復(上り2・4・16・20号、下り5・9・13・19号)を381系で運用していた。
- ^ 新型「くろしお」公開 JR西日本[リンク切れ] - 読売新聞 2011年8月4日
- ^ 〈くろしお〉用287系本格的試運転始まる - 鉄道ホビダス ネコ・パブリッシング RMニュース 2011年10月1日
- ^ ”くろしお”用287系3両編成が川崎重工から出場- 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2012年3月1日
参考文献
- 鍋谷武司(西日本旅客鉄道株式会社車両部車両設計室)「287系特急形直流電車」『鉄道ファン』2010年2月号、交友社、2010年、pp.58 - 62
外部リンク
- 新型特急電車「287系」の概要について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年8月4日
- New Product 287系特急形電車 (PDF) - 近畿車輛
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