北近畿ビッグXネットワーク

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北近畿ビッグXネットワーク図(2011年3月12日現在)

北近畿ビッグXネットワーク(きたきんきビッグエックスネットワーク)とは、西日本旅客鉄道(JR西日本)と京都丹後鉄道による近畿地方北部の特急ネットワークの愛称である。

概要[編集]

1996年3月16日のダイヤ改正にあわせて、北近畿の主要都市や観光地を結ぶ特急の運行内容を輸送需要に合わせて整理した結果、大阪駅新大阪駅京都駅を始点、福知山駅を交点として、城崎温泉駅および天橋立駅に至る福知山線山陰本線京都丹後鉄道宮福線の経路が、Xの文字のように四方に伸びるように描かれている事からこの名前が付けられた。ネーミングはかつての同名の漫画やアニメ「ビッグX」に由来するともいわれている。

かつて主力だった183系電車の先頭車乗務員室寄りの側面には、ネットワークの構成を表したステッカーが貼られていた他、普通車のシートカバーには「北近畿ビッグXネットワーク」のロゴが入り、背面にはチケットホルダーが付いていた。但し、ステッカーは2011年のダイヤ改正より順次剥がされ、後継の381系電車287系電車には引き継がれなかった。

287系電車とKTR8000形気動車をのぞいて、「こうのとり」「きのさき」「はしだて」「まいづる」のヘッドマークは上記のステッカーに準じており、その列車の経由路線をラインカラーで強調したものとなっている。 Xの中心に当たる福知山駅では、特急同士の乗り継ぎを同一ホームで行える点や、福知山駅で特急を乗り継ぐ場合の特例により、各方面へのアクセス性を多種類の特急をもって効率良く確保している。

ネットワークの構成列車[編集]

2016年3月26日現在、ネットワークを構成している列車は次の通り。設定されているものについては方向幕部分のカラーリングも付記。

過去の構成列車[編集]

いずれも2011年3月12日のダイヤ改正により廃止された。

乗車制度の特例[編集]

特急料金特別車両(グリーン)料金(以下、グリーン料金・グリーン券とする)は列車毎にその料金を支払うのが原則で、在来線では特急列車相互間を乗り継ぐ場合であっても、それぞれの列車毎に特急券・グリーン券が必要である。だが、本項における列車群については、以下の特例が存在する。

福知山駅での特急・グリーン料金乗り継ぎ通算制度[編集]

福知山駅での乗り継ぎ風景

1999年の舞鶴線電化に伴うダイヤ改正により運転系統の変更と所要時間の短縮を図った結果、直通列車が減少することになり、福知山駅での乗り換えが必要になる列車が発生した。これにより、特急料金・グリーン料金が割高になるケースが出てきたために、区間及び乗り継ぎ駅を限定して、乗り換えが必要な場合でも1列車とみなして特急料金・グリーン料金を通算して発売している。

西日本旅客鉄道会社(JR西日本)の旅客営業規則第57条第2項第8号では、特急券の発売方法について、「京都駅 - 鳥取駅間及び新大阪駅 - 鳥取駅間の特急列車の停車駅相互間を乗車する場合で、福知山駅において改札を出ないで乗り継ぎをする場合(京都駅 - 福知山駅間の特急停車駅と新大阪駅 - 福知山駅間の特急停車駅相互間を利用する場合を除く。)」は、1つの特急列車とみなして特急券を発売できる(原文から、意味を変えず一部変更)とあり、また同様に、グリーン券についても、旅客営業規則第58条第2項第8号に同趣旨の規定があることから、福知山駅で同一方向の列車同士を乗り継ぐ場合には、特急料金・グリーン料金を通算できる。

しかし、2011年3月12日のダイヤ改正により運転形態が変更になり、北近畿タンゴ鉄道の特急列車と山陰本線・福知山線の特急列車を福知山駅で乗り継ぐ場合は、一部の列車をのぞいて改札を出る必要があるが、運賃・料金はJRの運賃・料金と北近畿タンゴ鉄道の運賃・料金を加算するものの、直通列車に乗車しても料金に差は生じない。

列車特定区間[編集]

営業上の特例として、大阪駅・尼崎駅 - 和田山駅間を途中下車しなければ播但線経由で乗車しても福知山線経由の運賃・料金が適用される列車特定区間が適用される。

1986年に「まつかぜ」が廃止され、「はまかぜ」が唯一の大阪・神戸と但馬地方鳥取県東部の直通列車となってから、1994年に智頭急行線が開業して「はくと」「スーパーはくと」が運行を開始するまではその存在理由がはっきりとしていた。

今後の課題[編集]

1990年代に入り、舞鶴若狭自動車道(当初は舞鶴自動車道)の開通や播但連絡道路の延長が行われたほか、2000年以降においても、北近畿豊岡自動車道京都縦貫自動車道山陰近畿自動車道などの高規格道路や、従来からの国道などの整備が進められている。それらの一部は既に供用を開始している。このことは道路整備が比較的遅れていた北近畿地方において自動車への移行が急速に進むことをも意味し、それによる鉄道利用者の減少への対応も迫られている。特に舞鶴若狭自動車道、京都縦貫自動車道に関しては2010年から始まった高速料金無料化社会実験の対象区間になり鉄道にとっては最大の脅威となっていたが、東日本大震災の発生によって、高速道路無料化社会実験そのものが2011年6月19日限りで打ち切りとなっている。

近年では福知山地区では社会実験として、パークアンドライドを促進するべく、駅の駐車場の利用者に特急料金を割引するなど、利用者の確保を行っている。

一方で、特急「あさしお」廃止後に直通列車がなくなった竹野駅以西と福知山駅以東の特急停車駅相互間において、城崎温泉駅もしくは和田山駅での「はまかぜ」と「きのさき」の乗り継ぎによる特急料金通算は実施されておらず、高速バスでは満たせない需要に柔軟に対処できていない課題がある。

北近畿ビッグXネットワーク優等列車沿革[編集]

  • 1996年(平成8年)3月16日:園部駅 - 福知山駅間および北近畿タンゴ鉄道福知山駅 - 大江駅 - 天橋立駅間の電化が完成。それによるダイヤ改正により、次のように変更。
    1. 特急「北近畿」のすべての定期列車が新大阪駅発着になる。
    2. 急行「みやづ」が廃止され、特急「文殊」として運転を開始(下り1本、上り2本)。
    3. 特急「エーデル丹後」が廃止され、特急「タンゴディスカバリー」として運転開始。
      1. 新大阪駅 - 久美浜駅間(1往復)。新大阪駅 - 福知山駅間は「北近畿」と併結。
      2. 天橋立駅 - 豊岡駅・久美浜駅・網野駅間(下り3本・上り5本)。
      3. 綾部駅 - 天橋立駅間(下り2本・上り1本)。舞鶴線内は快速として運転。
    4. 特急「あさしお」、急行「丹後」が廃止され、京都駅 - 城崎駅間で特急「きのさき」(下り5本・上り6本)、京都駅 - 福知山駅間で特急「たんば」(下り3本・上り2本)、京都駅 - 天橋立駅間(福知山駅経由)で「はしだて」(4往復)が運転開始。
    5. 網野駅→京都駅で運転していた特急「タンゴエクスプローラー」2号の運転経路が福知山駅経由から東舞鶴駅経由に変更。
    6. 姫路駅 - 浜坂駅間の急行「但馬」2往復のうち、1往復を大阪駅 - 城崎駅(現在の城崎温泉駅)間の特急「はまかぜ」に変更。残りの1往復は廃止。
    7. 大阪駅乗り入れの臨時「但馬」81・82号も「はまかぜ」81・82号として特急に変更。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月8日:「タンゴディスカバリー」の宮津線内の列車を下り4本・上り3本、綾部駅発着列車を下り2本・上り3本に変更。
    • 9月1日:「北近畿」「文殊」と急行「だいせん」の停車駅に尼崎駅が追加。
  • 1998年(平成10年)3月14日:「はまかぜ」の停車駅に生野駅が追加。
  • 1999年(平成11年)10月2日:舞鶴線の電化が完成したことによるダイヤ改正のため、次のように変更[1]
    1. 「エーデル鳥取」「エーデル北近畿」が廃止。
    2. 「タンゴディスカバリー」は新大阪駅発着から京都駅発着となり、次のように変更。
      1. 京都駅 - 東舞鶴駅・久美浜駅・豊岡駅間(2往復)
      2. 天橋立駅 - 久美浜駅・豊岡駅・城崎駅間(下り2本・上り3本)。一部区間は快速。
    3. タンゴエクスプローラー」が京都駅発着から新大阪駅発着に変更され、1・4号は新大阪駅 - 久美浜駅間、2・3号は新大阪駅 - 宮津駅間で運転されるようになる。
    4. 「文殊」の上り1本を廃止。
    5. 「きのさき」が下り3本・上り5本になる。
    6. 「たんば」は下り2本のみになる。
    7. 特急「まいづる」が京都駅 - 東舞鶴駅間で運転開始(3往復)。当時は全区間単独運転。
  • 2000年(平成12年)3月11日:「はまかぜ」の停車駅に神戸駅が追加。
  • 2003年(平成15年)
    • 3月15日小浜線電化開業に伴い「まいづる」のうち1往復を、多客期に臨時列車として小浜駅まで延長運転開始。
    • 10月1日:ダイヤ改正により、次のように変更[2]。このダイヤ改正から「まいづる」の全列車が京都駅 - 綾部駅間で「たんば」「はしだて」との併結運転開始。
      1. 「たんば」が3往復増発され、下り5本・上り3本の運転になる。7・9号をのぞき京都駅 - 綾部駅間では「まいづる」と併結運転。
      2. 「はしだて」の下り2本が「まいづる」との併結運転となる。
      3. 「まいづる」が下り2本・上り1本増発される。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日:「たんば」7号が「まいづる」と併結運転開始。「まいづる」が1往復増発。
    • 10月16日:ダイヤ改正により、次のように変更[3]
      1. 「たんば」が上り1本増発。
      2. 急行「だいせん」が廃止され、「北近畿」が新大阪駅 → 福知山駅間で1本増発。
  • 2005年(平成17年)
    • 4月25日 - 6月18日JR福知山線脱線事故により、「北近畿」「文殊」「タンゴエクスプローラー」の新大阪駅 - 福知山駅間が運休。
    • 5月3日 - 5月8日:福知山線特急の運休が続いているため「きのさき」の臨時列車が京都駅 - 城崎温泉駅間で運転(下り2本・上り1本)[4]
    • 6月19日:福知山線特急が運転再開。「タンゴエクスプローラー」が「タンゴディスカバリー」用のKTR8000形気動車に、「タンゴディスカバリー」のうち天橋立駅発着列車が「タンゴエクスプローラー」用のKTR001形気動車に変更[5]
  • 2007年(平成19年)3月18日:ダイヤ改正により、次のように変更。
    1. KTR001形にATS-Pが搭載され、「タンゴエクスプローラー」はKTR001形に、「タンゴディスカバリー」の天橋立駅発着列車はKTR8000形に戻る。
    2. 「タンゴエクスプローラー」1・4号の運転区間が新大阪駅 - 久美浜駅間から新大阪駅 - 豊岡駅間に変更。
    3. 「はまかぜ」をのぞいて全車禁煙になる[6]
  • 2008年(平成20年)3月15日:ダイヤ改正により、次のように変更[7]
    1. 「タンゴディスカバリー」の東舞鶴経由の列車を福知山駅経由に変更し、東舞鶴駅発着列車との増解結は綾部駅に変更。3号は東舞鶴行き・福知山行きに変更。
    2. 「タンゴディスカバリー」の宮津線内完結列車のうち、上り1本を廃止し、久美浜駅発着列車をすべて豊岡駅発着に変更(2号の延長区間は快速列車)。
  • 2009年(平成21年)6月1日:「はまかぜ」が全車禁煙になる。
  • 2010年(平成22年)
    北近畿ビッグXネットワーク図(2010年3月13日現在)
    • 3月13日:「タンゴエクスプローラー」3号を福知山行きに、「タンゴディスカバリー」3号の福知山行きの編成を宮津行きに変更。
    • 11月7日:「はまかぜ」にキハ189系が投入される[8]
  • 2011年(平成23年)
    • 2月28日:車内販売の営業が終了[9]
    • 3月12日:ダイヤ改正により、次のように変更[10]
      1. 「文殊」「タンゴエクスプローラー」「たんば」「タンゴディスカバリー」が廃止。
      2. 「北近畿」は「こうのとり」に列車名が変更される。
      3. 「こうのとり」「きのさき」「はしだて」「まいづる」に新型車両287系が、「こうのとり」に381系が投入される。
      4. 「きのさき」は「たんば」(下り5本、上り4本)を統合し、京都駅 - 城崎温泉駅間で下り2本・上り3本、京都駅 - 豊岡駅間で下り2本・上り1本、京都駅 - 福知山駅間で下り4本・上り6本になる。
      5. 「はしだて」は京都駅 - 宮津駅間下り1本、京都駅 - 天橋立駅間3往復、京都駅 - 豊岡駅間下り1本・上り2本、計5往復になる。
    • 4月2日 - 4月7日東日本大震災の影響で車両保守部品が不足したことにより、183系で運転されていた「こうのとり」「はしだて」「きのさき」の全列車が4両編成で運転[11][12]
    • 6月1日:「こうのとり」の4往復で運用されていた381系が、287系に置き換えられる[13]
  • 2013年(平成25年)
    • 3月16日:ダイヤ改正により、183系での運転を終了(以降の充当車両は電車が287系と381系、気動車がキハ189系と北近畿タンゴ鉄道8000形の計4種)[14]
  • 2015年(平成27年)
  • 2016年(平成28年)3月26日:ダイヤ改正により、下記の通り変更。
    1. 「こうのとり」14往復のうち、12往復が289系での運転に充てられる(残る2往復が287系での運転)。
    2. 京都駅発着の特急が電車では287系、気動車ではKTR8000系の2種になる。
  • 2018年(平成28年)3月17日:ダイヤ改正により、下記の通り変更。
    1. 「きのさき」「はしだて」各1往復に289系が再投入される。
    2. 「こうのとり」の289系の運用が12往復から9往復に減少、287系の運用が2往復から5往復に増加する。

脚注[編集]

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  1. ^ 平成11年秋 ダイヤ改正について(別紙詳細)(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1999年7月30日
  2. ^ 平成15年秋 ダイヤ改正(福知山エリア)(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年7月30日
  3. ^ 平成16年秋のダイヤ改正(別紙詳細)I.在来線特急・急行 (PDF) (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年7月23日
  4. ^ 列車運行ならびにきっぷの取り扱いに関するお知らせインターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道
  5. ^ JR福知山線脱線事故を受けて福知山線に ATS-P が設置されたが、KTR001形は当時 ATS-P を搭載していなかったため福知山線内で走行できなくなり、当初から ATS-P に対応していたKTR8000形を「タンゴエクスプローラー」に運用させるため。
  6. ^ 平成19年春ダイヤ改正(詳細別紙) (PDF) (インターネット・アーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2006年12月22日
  7. ^ 平成20年春のダイヤ改正について(インターネット・アーカイブ)- 北近畿タンゴ鉄道 2008年2月18日
  8. ^ 2010年7月定例社長会見 Archived 2010年12月5日, at the Wayback Machine. - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年7月21日
  9. ^ さよなら車内販売 兵庫県内の在来線で終了 - 神戸新聞 2011年3月1日
  10. ^ 平成23年春ダイヤ改正について (PDF) - 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース 2010年12月17日
  11. ^ 東北地方太平洋沖地震に伴う車両保守部品の不足による運転計画の見直しについて (PDF) - 西日本旅客鉄道福知山支社プレスリリース 2011年3月25日
  12. ^ 車両保守部品の不足に伴う列車運転計画の見直しについて Archived 2011年12月16日, at the Wayback Machine. - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年4月6日
  13. ^ 新型車両(287系)の追加投入について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2011年4月27日
  14. ^ 平成25年春ダイヤ改正について (PDF)  - 2012年12月21日 西日本旅客鉄道(福知山支社)プレスリリース
  15. ^ 「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」へ289系(683系)車両を投入します-西日本旅客鉄道プレスリリース 2015年4月28日
  16. ^ 塗装変更された289系が本線で試運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2015年5月28日
  17. ^ 289系車両が10月31日(土曜日)から運転を開始します! - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2015年8月21日