聖闘士星矢EPISODE.G アサシン

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聖闘士星矢 > 聖闘士星矢EPISODE.G アサシン
聖闘士星矢EPISODE.G アサシン
ジャンル ファンタジーアクション
漫画
原作・原案など 車田正美
作画 岡田芽武
出版社 秋田書店
掲載誌 チャンピオンRED いちごチャンピオンクロス
レーベル チャンピオンREDコミックス
発表号 2014年Vol.43 → 2014年Vol.45
(チャンピオンRED いちご)
2014年10月 - 連載中
(チャンピオンクロス)
巻数 既刊6巻(2016年3月現在)
テンプレート - ノート

聖闘士星矢 EPISODE.G アサシン』(セイントセイヤ エピソードジー アサシン)は、原作・車田正美、漫画・岡田芽武による日本漫画。車田正美の漫画『聖闘士星矢』を原作とした外伝作品。

前作EPISODE.Gの完結から約1年後、秋田書店の雑誌『チャンピオンRED いちご』での連載が開始された。いちごでは2014年Vol.43から3話まで掲載されたが、2014年10月にいちごが休刊となって以降はWEB雑誌「チャンピオンクロス」へ移行した。

主人公は山羊座カプリコーンのシュラ

あらすじ

女神の大いなる神託を受け、聖域から無断で日本へ来訪した山羊座(カプリコーン)のシュラ。シュラを討つ刺客として聖域から遣わされた獅子座(レオ)のアイオリア。彼らの前にその身に聖剣を宿した闘士達が立ち塞がる。

EPISODE.G前後[1]の話であるが、シュラやアイオリアの訪れた日本では別の時間軸[2]が流れている。これはシュラ達がブラックホールに入り時空を曲げる特異点を超え別次元(未来の日本)へ来たためである。この未来の日本はスカイツリーが建設済であることを踏まえると、2012年以後の世界であると推察される。

登場人物

メインキャラクター

山羊座(カプリコーン)のシュラ
技:聖剣抜刀&聖剣乱舞&聖剣抜刃、超絶飛翔、起死回星
山羊座の黄金聖闘士。聖域を統括する教皇の指令とは別に、女神の大いなる神託を果たすため日本へ向かう。新宿でミイラの暗殺者の撃破後、現れたランスロットから提示された聖剣戦争への参加を受諾。京都ではローランと対峙、強大な力に苦戦するも誘導剣撃を見切り[3]間合いを詰めた一瞬に放った居合による一撃で勝利するが気を失う。横浜では紫龍と出会い、自らが並行する別世界[4]から来たと推察していることを伝え、突然現れたシグルスと紫龍との戦いを見届けた。
池袋では氷河から顔の無い者の情報を得た後、ランスロットと交戦。本来なら存在していない自身をこの世界(未来の日本)が認めず自らの刻を冥府に引き寄せる[5]なか、ランスロットに一撃を与えるが反撃を受け意識を失った。止めを刺される寸前に立ち上がり、突如頭部に漆黒の角[6]を生やした冥衣の姿に変貌したが、女神の加護により青い紋章[7]を刻んだ黄金聖衣を発現させアロンダイトを破壊した。呼び寄せた紫龍と面会した日光では、治癒者であるフィリップスと出会い、彼が剣闘士ということを看破。アイオロスの圧倒的な力の前に窮地に陥ったアイオリアを救い、アイオロスと交戦した。箱根湯本では瞬と共に剣闘士同士の戦いの跡を調査し、熱海では剛力の剣闘士と対峙する。
私服姿は眼鏡を掛けており、一般の人々から芸能人と間違われるほどルックスが良い。京都へ行く際にアイオリアへSNSから連絡するなどしている。コクトーからのアテナの神託に従っているが、行く先々での余暇には観光を満喫し、コクトーの不満をスルーしており、笑顔を見せないぶっきらぼうな態度に反して砕けた天然気味の性格をしている。そのため、時に引越し蕎麦で近所へ配る蕎麦を何故かラーメンと勘違いするなど、「中途半端に物事を色々知っているため結果的に色々間違えてる」一面もある。
フィリップスの言葉によると、冥府に一度堕ちた経験を持つシュラの魂は現世のほか冥府にも繋がれていて、本来はこの世界には存在しない死者として常に冥府に引き寄せられている。女神の大いなる慈悲と黄金聖衣がシュラを死の圧力から守り現世に存在させているが、小宇宙が弱まると聖衣は冥衣に変化しやがては冥府に再び堕ちるため、死に抗うには絶えず小宇宙を燃焼し続け戦い続けなければならない。
獅子座(レオ)のアイオリア
技:雷光電撃、雷光放電
獅子座の黄金聖闘士。聖域の許可なく日本へ向かったシュラを討つため派遣される。シュラと拳を交えるが、割って入ったコクトーの忠告及び巨大な小宇宙を感じたこともあり矛を収め、シュラの後を追い剣闘士との戦いを目撃する。京都ではシュラとローランの戦闘終了後、万全の状態での再戦をローランに提示しシュラへの言伝を受ける。伏見稲荷大社でアリスに狙われた吉乃を救った際に、アリスが「二振り目」・アリスの執着する吉乃が何か特別な存在であること・吉乃と出会ったことは女神の神託によるものであることを確信し、吉乃を守るため東京へ戻った時は自分と共同生活をするよう提案した。横浜では紫龍にその場を去ったシュラからの伝言を届ける。池袋ではシュラとランスロットの戦いを見届けつつ、出会った貴鬼に自分達が過去から時空を越えて[8]未来の日本へ来たことを明らかにする。日光にてシグルスとの戦いで星矢が勝利したことで兄の到来を確信し、真実を見極めるためアイオロスの前に現れた[9]。アイオロスの強大な力の前に窮地に陥りシュラに救われた後、富士の樹海で兄を超えるための修行中にミロと出会う。
ギリシア語の他、英語を扱うが日本語は苦手である。また、店でカップラーメンを2つ入手する際、レジに1万円を置きお釣りを貰わずに戻ってきたなど日本の生活習慣や知識は疎い。シュラを追い京都へ来た際は、吉乃と共に八ツ橋シュークリーム[10]を食べていた。本作では髪を黒く染め、より少年らしい格好をしており、その理由は単行本1巻のカバー裏に記載されている。
火野吉乃
小宇宙の素養のある少女。アリス曰く「聖剣戦争の覇者にとって最高の栄誉と最大の至宝となる存在」。巴以上に強大な力を有している模様。
美術専攻クラスに在籍しているらしく、美大に進学する夢を持つが手先は不器用。箱根の陶芸工房で湯呑を制作した際、自身も驚愕するほどの残念な出来にデスマスクに爆笑された。熱海にてデロア・テフィに護衛された時は、スーパーモデル並の美貌を持つ彼女と見た目凡人である自身との余りの違いや、周囲に彼女の「追っかけ」よろしく「ストーカー」と認識されたことにより心にダメージを負った。
アイオリアと共に向かった京都において伏見稲荷大社でアリスと邂逅した際、アリスのことを(理由は不明ながら)知っていると感じる。アイオリアから東京へ戻った時共同生活をしようと伝えられ驚愕するが、引越し蕎麦用の蕎麦を買うためシュラと横浜へ向かった。治癒者に会うためシュラやナターシャと共に訪れた日光ではフィリップスと出会う。箱根では一時離脱するデスマスクの代わりに護衛となるデロア・テフィと対面し、再びデスマスクと合流するため赴いた熱海では剛力の剣闘士、名も無き剣闘士と遭遇する。
コクトー
シュラの傍らにいる人語を解す博識の。額にコクトーの言葉の語尾を繰り返す3つの顔がある。シュラに助言や忠告を与える。
自らを神の使いと自負しており、動物的な扱い(新幹線に乗車の際、籠の中へ入れられる等)を受けると不機嫌になる。横浜に聖剣保持者がいることをシュラへ教える。デスマスクの言葉から本来の姿は人間である模様。

黄金聖闘士

乙女座(バルゴ)の
技:星雲鎖回転防御星雲乃嵐
かつてのアンドロメダ座青銅聖闘士東京都練馬区光が丘病院に勤める医者でもある。シュラをして「神の域に達する」と言わしめる強大な小宇宙を持つ。激闘を繰り広げた直後の紫龍にラーメンを作ってほしいと連絡する等少々天然な一面もある。
病院内で吉乃を狙った暗殺者を撃破し、押上近辺にあるBarに勤める氷河と今後の対策を話し合う。横浜では一人取り残された吉乃の元へ現れ、シグルスと戦う紫龍へ友としての想いを込めた声を届けた。光が丘病院にて、氷河からワダツミを絶対零度の氷玉に完全に封印したことを聞いた後、日光でのシグルスとの戦いで勝利を収めた星矢の小宇宙を氷河と共に感じ彼の生存を知る。熱海では吉乃を守るため名も無き剣闘士の前に立ち塞がる。
天秤座(ライブラ)の紫龍
技:廬山昇龍覇、聖剣抜刃、蘇生打撃
かつての龍星座の青銅聖闘士。何か飲食店を営んでいる[11]。また、輸入業も行っているようで海外の法律に関しても知識を持つ。
龍の力を宿す暗殺者を倒した際、シュラから自身の聖剣を龍殺剣と形容された。また、聖闘士の中で選ばれた者のみの印である龍紋を持つ。過去の激戦の影響で眼に古傷があり、酷使すると一時的に視力を失う。
相手の名を知らされないまま女神から秘密裏にある人物に会うよう勅命を受けていた。横浜赤レンガ倉庫で現れた龍の力を宿す暗殺者と交戦する中、シュラと出会う。暗殺者を撃破した後、突如現れたシグルスとの戦いでは、背中に龍紋を発現させ天秤座の黄金聖衣を纏い、自らに届く想いの込められた友の声を力に変え激闘を繰り広げる。そして、かつて自らが討ち今また眼前に現れたシュラへ、自身がシュラから受け継いだ全てを見せるため聖剣を放ちシグルスを撤退させた。
治癒者を探すシュラと待ち合わせをした日光では彼と共に露天風呂に入る羽目になる。フィリップスに家人から忘れ物を受け取るよう頼まれた先の東照宮でシグルスと遭遇し再戦。断絶封印という身体や小宇宙を封じる魔法を受け危機に陥るが、突如現れた星矢に救出された。自らを庇った一瞬の隙を突いたシグルスの攻撃により星矢の心臓が停止した際は、かつて銀河戦争で星矢が自身の心臓を蘇生させるための拳を放ったように、断絶封印を破りながら拳を放ち、星矢の心臓を蘇生させた。
水瓶座(アクエリアス)の氷河
技:カリツオー極小氷晶氷結唐櫃
かつての白鳥星座の青銅聖闘士。現在は東京都墨田区押上近くにあるBar「ヴィディアムー[12]二号店」のバーテンダー兼店長。訪れた瞬にスコッチを出しつつ、以前発生した新宿での小宇宙の激突[13]や、瞬がシュラと邂逅したことを踏まえ、今後の方針を話し合う。紫龍がシグルスと戦った際は小宇宙を感じ友としての想いを込めた声を届けた。光が丘公園で蘭子へ顔の無い者の動向調査を依頼し、池袋でシュラと落ち合い[14]、顔の無い者の首領と交戦する。本来なら即座に倒せる相手であったが少女の姿をしていたことから、力を抑え正体を見極めた後撃破した。その際、少女が幾多の死体を寄せ集めて作られた人型で、少女という姿から敵の隙を突くためだけの傀儡とされていたことに気づいた。火災を凍結することで収束させ、少女を弔うため氷棺に封じる。しかし、遺体を運搬するために氷棺を溶かすと、意識を取り戻した少女の姿を目の当たりにし、少女をナターシャと名付け、以降はパパとして共に行動する。光が丘病院にて、瞬にワダツミを絶対零度の氷玉に完全に封印したことを告げた後、日光でのシグルスとの戦いで勝利を収めた星矢の小宇宙を瞬と共に感じ彼の生存を知った。日光で窮地に陥ったナターシャを救うため現れるが眼前のデスマスクに驚愕する。
牡羊座(アリエス)の貴鬼
池袋で顔の無い者の首領と交戦中の氷河(及び氷河と共に戦ったかつての青銅聖闘士4人)に、自身が憧れを抱いたことや彼らの真の強さをアイオリアに教える。ムウを通じてシュラとも面識があったらしく、師の聖衣を引き継いだことを語った。
蟹座(キャンサー)のデスマスク
技:積尸気冥界波、魂魄分離
既に死亡しているはずの聖闘士。氷河は現世に還ってきた聖闘士と推測し、彼の戦いの様を見届けた際「魂を破壊する悪鬼」「冥界の淵からも還って来る真の鬼人」と称した。
タバコを嗜む。手先は器用なようで吉乃と共に訪れた強羅の陶芸工房では完成度の高い壺を制作し吉乃を呆然とさせた。熱海では星矢達に見舞いの品として生シラス丼を購入した。
聖闘士と関わって以降の吉乃の影に潜みその身を常に護衛していた。日光にて窮地に陥った彼女の前に現れ鬼火を倒す。箱根で護衛をデロア・テフィに引き継ぎ一時離脱、熱海にて星矢や紫龍と合流する。

青銅聖闘士

天馬星座(ペガサス)の星矢
技:ペガサス流星拳
リハビリを兼ねて三線を用いた沖縄民謡をかじっている。
過去幾多の死闘による肉体の損傷と自らの心臓を蝕むハーデスの剣の呪いにより、自身の体が完全に回復しないことを知った後、友の負担にならぬよう姿を消していた。紫龍とシグルスとの戦いでは、紫龍の小宇宙を感じ友として想いを込めた声を届け、日光では窮地に陥った紫龍を救出し彼に代わってシグルスと交戦。紫龍を庇った一瞬の隙をシグルスの攻撃を受け心臓が停止するが、紫龍の拳により心臓が蘇生される。立ち上がるのがやっとの状態であったが、女神の小宇宙に包まれ神聖衣を纏う。放った流星拳を打ち終えた直後、黄金神聖衣を発現させグラムを破壊し勝利した。
熱海では紫龍と共にデスマスクと合流する。

聖闘士

一輝
かつての鳳凰星座の青銅聖闘士。黒のつなぎサングラスを着用している。シグルスと戦う紫龍の小宇宙を感じ友としての想いを込めた声を届けた。

聖剣保持者

セイクリッドソード ホルダー。神話の時代から受け継がれる聖剣をその身に宿す者達。その中でも極少数の者は、火野吉乃の存在が聖剣戦争の勝者に非常に重要であることを知っている。

エクスカリバーのシュラ
エクスカリバーを宿す聖剣保持者。ランスロットからは「王」と呼ばれる。メインキャラクターの項を参照。
エクスカリバー[15]の紫龍
シュラから受け継いだエクスカリバーを宿す。黄金聖闘士の項を参照。

剣闘士

グラディエーター。聖剣保持者の中でも、その身に宿した魔剣が最も優れた一振りと自負し、神話の数ほど存在する数多の聖剣の中で、真の聖剣を決定する聖剣戦争において頂点を目指す闘士達。剣闘士は聖剣を聖剣具現(ホーリーソード エンボディメント)で実体化させ、魔剣起動(カースソード アクティベート)で己が身に纏う鎧、拳を敵を切り裂く剣とすることが可能。その一方、自身を剣闘士として存在させ、真の姿を秘匿してくれている聖剣を損傷すると舞(ダンス)が必要となるが、舞は二振りまでしか許されない。二振り目を超えると舞の力でも修復できず聖剣は消失し、剣闘士としての存在も出来なくなる。

アロンダイトランスロット
技:聖剣屹立、深淵成ル湖、湖乃乙女、狂毒煤煙、毒刃、数多乃剣、捕縛乃湖
かつてアーサー王の元に集った円卓の騎士の一人であり、王の友でもあった男。ヴィヴィアンという、自身の守護精霊でもある水の妖精に育てられたため「湖乃騎士」を異名とする。円卓の騎士の中でも最強と謳われ筆頭の地位にあったが、王と戦うために王妃をかどわかし仲間を殺害、騎士達の対立を促し円卓の騎士を崩壊させた裏切りの騎士。同胞を殺めたことにより血塗られた魔剣と化した「アロンダイト(裏切リ乃剣)」を操る。既に「二振り」である。
シュラと干戈を交え聖剣戦争への参加表明を受けた後撤退した。池袋で少女の姿をした暗殺者に依頼の迅速な遂行を催促しつつ聖闘士達の前に現れシュラと交戦。激闘の末、青い紋章が刻まれた黄金聖衣を纏ったシュラにアロンダイトを破壊され敗北する。巴に聖剣の復活を請うも拒否され、以後は剣闘士ではなく「真の自分であれ」と命ぜられる。
ヴィヴィアン
技:数多乃剣、聖剣屹立
ランスロットを護る守護精霊。ランスロットを養育し戦い方を教授した。また、エクスカリバーをアーサーに引き渡している。ランスロットに召喚されシュラを攻撃する。
デュランダルローラン
技:聖剣屹立、誘導剣撃、予見剣撃
イタリアフランスの歴史における英雄。フランク王国シャルルマーニュの血筋にして、黄金の柄の中に4つの聖遺物聖ペテロの歯、聖バジルの血、聖ドニの遺髪、聖母マリアの衣服)を納めた「デュランダル(不滅乃剣)」を持つ聖騎士の筆頭格。戦闘を心から楽しみ愛している。
右腕(狂エル剣)を召喚した自身の真の姿は、シュラを超える程の恐懼すべき力と鋭さを誇り、剣の軌道を捉えることは不可能である。狂エル剣は、膂力は魔物を素手で屠るほどで全身はダイヤモンド並の強度を持つとされる彼の叙事詩ともなった狂えるオルランドそのものである。また、相手の斬撃軌道予測の確率が9割を超えるため[16]、自らの速さを上回る光速拳での攻撃であっても、事前に予測し防ぐことが可能。
清水寺金閣寺を経てシュラと交戦[17]。その力に驚嘆し自身の真の姿を披露し、圧倒的な力でシュラを追いつめるが、誘導剣撃を見切られ間合いに入られ光速を超えた居合の一撃を受け敗北する。左眼は見えず、体に相当のダメージを受けた自らの敗北を認めるものの「最後まで立っていた者が勝者である」と、気を失っているシュラへ止めを刺そうとするも、割って入ったアイオリアの忠告を受け入れシュラへの伝言を託し撤退する。
ヴォーパルソードアリス
イギリスロンドンから不思議な国や鏡の中のチェスの国等様々な国を旅してきた金髪の少女。吉乃が聖剣戦争の覇者にとって最高の栄誉と最大の至宝となることを知っている極僅かな聖剣保持者の一人。喋るウサギを連れており、自身は「ヴォーパルソード(ケシニグ乃剣)」を纏う。
刻や次元を超えて、稲荷大社にいる吉乃の元へ来た際、上述の理由から事前に彼女を捕捉しようとするが、アイオリアの登場を受け撤退する。既に「二振り」である。
グラムシグルス
技:刃乃豪雨、聖剣屹立、龍剣(ドラゴンブレード)、龍の爪、十字防御(クロスアームブロック)、憤怒之雨、断絶封印
神の血を継ぐ赤髪の男。北欧神話の英雄シグムンドの息子にして主神オーディンの孫。オーディンの槍グングニルに砕かれてなお蘇り、ファヴニールを葬った事で龍殺し(ドラゴンスレイヤー)となった聖剣グラムを操る。紫龍をして「神の小宇宙」を持つ。
自身は「グラム(怒リ乃剣[18])」を纏い、グラムを破壊した祖父の力であるグングニル(剣戟乃槍)の聖槍具現も可能で、聖槍で砕いた聖剣から出でた無限の刃を雨のように降らせる事ができる。また、対象の身体の自由や小宇宙をも封じる神龍の呪いを込めた封印魔法も使用できるが代償として自らの命を削る。
女神の神託を実行せねば宇宙の割れることを示唆しつつ紫龍と会戦。龍の如き強大な力を振るうが、想いのこもった友からの声を力に変えた紫龍の放つ渾身の聖剣を受け敗北、グラムは刃毀れをし自身も多量の出血のため撤退した。全テ乃狭間でアイオロスに舞を依頼する。日光では二荒山神社神橋にて謎の男との面会後、東照宮にて紫龍と遭遇し再戦する。神龍の神息(ファブニール・ブレス)で圧倒的優位に立つが、紫龍を救出した星矢と交戦。星矢の紫龍を庇う一瞬を狙っての攻撃で彼の心臓の鼓動を止めるが、紫龍の蘇生打撃で立ち上がり女神の小宇宙を受け神聖衣を纏った星矢と再び対峙。彼の放つ流星拳は永遠には続かないもので拳が止まれば星矢は倒れると判断し全て受けきるが、直後、黄金神聖衣を発現させた彼の拳でグラムを破壊され敗北、剣闘士としての刻は終わりを迎える。
アゾットパラケルスス
髭を生やした壮年の男。「アゾット(始まりであり終わりの剣)」を持つ。周囲全ての小宇宙を消すだけの巨大な小宇宙を有し、錬金術を使用することで、自身の巨大な小宇宙を無とすることもできる。
医者としては人を助けるのは当然の事とし聖域の依頼を受諾した。同時に研究対象としてハーデスの剣に貫かれた星矢に興味を抱いている。剣闘士としては、他の剣闘士の共倒れを狙いシグルスに紫龍をぶつける。
事前に、日光という大地から発される全ての小宇宙を封じ、かつ、その小宇宙の痕跡でさえ外部に漏らさない程に封印を施した上で、自身の正体に気付いたシュラと対峙する。
フィリップス
パラケルススが治癒者として日光にて吉乃やナターシャに声を掛けた際に名乗った。聖域に頼まれた医者としてナターシャ、次いで遅れて現れたシュラを診察する。紫龍には自身の忘れ物を東照宮で家族から受け取ってくるよう依頼した。吉乃らと共に顔の無い者やデスマスクと遭遇、彼らの戦いを見届ける。
謎の剣闘士
褐色の肌に筋骨隆々とした巨躯、精悍な容貌をした男。金色の羽衣を纏う剣闘士。女性を殴る拳を持たないとの自身の考えから吉乃の前に現れた際、自分と共に同行して欲しいと懇願する。
箱根にて他の剣闘士と交戦した際、その剛力で引き裂き、相手の身元が判別不能なほどの損傷を与えた。熱海では立ち塞がったシュラと対峙する。
名も無き剣闘士
名も無き剣を持つ末席の剣闘士の一人。英雄ではなく強力な聖剣を持つ剣闘士の糧となる存在。箱根で剛力の剣闘士に敗北した後、熱海で吉乃と遭遇したことで、道端の石の如くである自らに千載一遇の好機が訪れたと捉えるも、吉乃を守るべく現れた瞬と対峙する。

失われし聖闘士

ロストセイント。本来の次元では存在しないはずの聖闘士。全テ乃狭間に堕ち存在を抹消された存在。混沌女神(カオスアテナ)を奉じ地上の守護を目的とする。厳密にいえば巴は失われし聖闘士ではないが便宜上含める。

蟹座(キャンサー)のランスロット
剣闘士として敗北を喫したランスロットに蟹座の黄金聖衣[19]が装着された姿。巴と共に撤退する。
アイオロス
技:雷光放電、全路破壊(フラッシュオーバー)、電弧放電(アークプラズマ)、厳霊乃焔(ライトニングフレイム)、雷光電撃、雷光爆縮(ライトニングインプロージョン)、厳霊乃極(ライトニングテリオス)
逆賊としてシュラに討伐されておらず、闘士として全てが完成した姿になるまで時を経た、別世界のアイオロス。全聖闘士を統括し女神を守護する聖座を有す教皇に上り詰めている。列抜キ乃翼と形容される黄金の翼を持つ。
アイオリアでさえ知らない雷光電撃や雷光放電の最終形態「技を超越する業(ワザ)」を会得している。放電現象におけるそれはアーク放電を操り、彼の放つ電弧放電は超高電の炎を発生させる。
回想では血塗れで大地に斃れているアイオリアを前に呆然と立ち竦んでいる描写がある。
舞の力を欲するシグルスに舞への依頼を了承すると同時に協定内容の順守を警告、シグルスでさえ彼の言葉にはたじろぐ。星矢に敗れたシグルスの前に現れ、今度は「失われし聖闘士」として自分達の目的のために生きるよう告げた。直後、星矢の勝利を知ったことでアイオロスの到来を確信し、真実を見極めようとするアイオリアと対峙、雷光放電の上位技やその最終形態を披露しアイオリアを圧倒する。続いて現れたシュラとも拳を交えるが、シグルスを伴い撤退する。
アイオロスが教皇となった世界での女神。混沌女神(カオスアテナ)。貴鬼をして「恐ろしく巨大、それ以上に気高い小宇宙」を持つ。剣闘士の聖剣を修復できる「舞草」を行使するダンサーでもある。
アイオロスの言葉によると、全ての失われし聖闘士が現れた時、失った刻を取り戻して現世に還り、真の女神としてもう一人の女神である沙織を滅ぼす模様。
ランスロットに、敗北を喫した剣闘士ではなく真の自分で在れと命じ、蟹座の黄金聖衣を纏わせる。

顔の無い者

暗殺者達で構成されるギルド。依頼を受け標的を暗殺するほか、社会からその存在を隠し常に歴史の闇に潜んできたため、ギルドの存在を知った者を抹殺する集団。日本の裏社会と結託し勢力を拡大し、シュラの推測では剣闘士とも何らかの協定を結んでいる模様。ギルドへ所属するためには自分の顔を消さなければならない。組織名の由来は、自らの顔を削ぎ落とし、誰でもない一人の暗殺者となることから。

ワダツミ
技:海神乃暴怒(ワダツミノボウド)、海神乃荒魂(ワダツミノアラタマ)、祟リ有レ、天変地異、火災旋風(ファイヤーストーム)、超臨界水、水蒸気爆発、大熱石流
顔の無い者の首領の一人。本性を見せると、言葉遣いが汚くなり氷河をして「醜悪な小宇宙」を放つ。聖剣を欲しており、ランスロットから入手法を聞いて英雄になろうとしていた。強力な保護が精神に掛けられている。
体が水で構成されており、空気中の水分を集約し竜巻を作り出すことができる。また、ランスロットの攻撃で発生した火災を自らの風で集め火災旋風としたり、その炎で体の温度を超臨界流体という高エネルギー状態に上昇させて水蒸気爆発を起こすなど、水や風から生み出される多彩な現象で標的を狙う。
人型で作り出した少女の姿に化けていたが氷河と交戦し敗北。逃走中に市に拘束されるが市の毒を受けてなお動けたため、氷河の作り出した絶対零度の氷玉に完全に封じ込まれ聖域で精神感応による尋問をされた。
ナターシャ[20]
ツインテールの少女。幾多の死体を寄せ集めて作られた人型で、その姿から周囲を欺き敵の隙を突くためだけに、ワダツミに憑依され操られていた。一端は弔うために氷棺に封じられるが、氷河が遺体を運搬するため氷棺を溶かすと意識を取り戻した。記憶喪失のようで氷河に自分の名を尋ねナターシャと名付けられた。シュラや吉乃の共に訪れた日光でフィリップスと邂逅し、自身の状態の診察を受ける。
フィリップスの診察によると、ナターシャの精神は意識が体の各部位と混ざり一つの人格を形成しており、肉体も体と魂がアルケウスでしっかりと結びついている。
木乃伊の暗殺者(仮称)
3千年前、炎を操る術を身に付けた人間の魂。生前、その力を恐れられ殺されたが、人を焼き殺す快感を忘れられず魂のままとなっても暗殺者として存在し、依頼を受け標的を焼殺してきた。自身を目撃した吉乃を新宿駅西口駐車場で焼き殺そうとするが現れたシュラに倒される。生み出した一千度超の炎球を音速以上の速さで対象に打ち込むことができる。
冥府の神の力を宿す刀を持つ者(仮称)
技:邪視(イーブルアイ)
人間の命を繋いでいる銀の糸(シルバーコード)を斬ることのできる、冥府の神(プルートン)の力を宿す刀を持つ。ギルドの存在を知った吉乃を狙い光が丘病院内で瞬と対峙するも星雲乃嵐を受け消滅する。
龍の力を持つ者(仮称)
技:毒息、毒悪ナル尾、腐食セシ龍息、切断セシメル光輪
位の高い龍と違わず再生能力や魔力を持つ。中華街門外でシグルスから依頼を受け、エクスカリバーを宿す紫龍を襲撃するも倒される。
鬼火(仮称)
技:激情憤怒、狂呼乃炎
顔の無い者を裏切った形となったナターシャを粛清するため日光にて出現した。独立した3つの頭部がそれぞれ共鳴することで人間を呪い殺す炎を発生させる。デスマスクと対峙するが、3つの魂を冥界に落とされ敗れる。

その他

蘭子
化粧をしオネエ言葉を使うヴィディアムーのオーナーと思しき男性。以前は教員警察官をしていた。丘路(たけみち)が本名であるが、本人は本名で呼ばれるのを嫌い周囲には「蘭子」か「ママ」と呼ばせる。一方で何かしらの裏社会での仕事もしており、ヤクザマフィア等の動きにも通じていて、裏社会が池袋で活発に蠢いていることを氷河へ教え、顔の無い者の動向調査の依頼を受ける。人を見る目はあるようで、氷河が強い人間であると同時に力を正しく行使できることも察しており、彼を「正義の味方」と表現している。
技:芳醇
一般人を避難させ池袋を封鎖、その上で氷河に敗北し逃走するワダツミを拘束したことを貴鬼に報告する。
春麗
紫龍の回想に登場。銀河戦争で心臓の止まった紫龍を救うため、意識を失った星矢に必死に呼びかけた。
アテナ
シグルスとの戦いで一度は心臓が停止するも紫龍の蘇生打撃で立ち上がった星矢を自身の小宇宙で包み、彼に神聖衣を纏わせる。
デロア・テフィ
ハイヒールを履いたスーパーモデル風の女性。箱根にてデスマスクの代わりに吉乃の護衛に付く。熱海で吉乃と共に剛力の剣闘士、名も無き剣闘士と遭遇する。
ミロ
富士の樹海で修行をするアイオリアの前に現れる。

用語解説

聖闘士星矢の用語解説も参照。

聖剣戦争
数多の神話の中にある数多の聖剣。その聖剣を受け継いだ剣闘士同士で戦い合い、その中で最後に残る一振りである真の聖剣を決める戦い。
ダンス。剣闘士の聖剣を修復できる力であり、それを行使する存在はダンサーと呼ばれる。剣闘士が舞の力を受ける際はアイオロスの許可が必要である。
舞草
吉乃が持つとされる力。死にかけた剣闘士とその聖剣を一度だけ蘇らすことが出来る。また、剣闘士を更なる境地に到達させる力(=聖剣を合わせる力)をも有すとされる。
治癒者
ヒーラー。肉体的・精神的に疲弊した者を回復させる存在。ヒーラーの中でも日光にいる者は能力が非常に高いとされる。

単行本

脚注

  1. ^ EPISODE.Gの時系列は1巻の冒頭で1979年と判明している。
  2. ^ 都庁第一本庁舎が建設済でスマートフォンを使用している人間がいるため。
  3. ^ この際、五輪書水之巻の言葉を引用している。
  4. ^ 星矢達が十二宮で出会った時よりも若いことを、瞬は氷河に伝えている。また、紫龍から飲酒を止められた時の会話から16歳以上18歳未満である事が語られている。
  5. ^ 小宇宙が不安定になり聖衣は重くなる。アイオリアは世界がボク等を暗殺する、フィリップスは「生きている亡霊」と表現する。
  6. ^ 瞳孔が赤く、ランスロットは鬼、あるいはバフォメットと形容する。
  7. ^ ランスロットは霊血と解釈した。
  8. ^ 45話にて時空を超えた理由は逆賊を討つためと語り、兄アイオロスの真実を見極め、それによっては兄の討伐を決心している。
  9. ^ その際、髪は元の黄金色に変化している。
  10. ^ 作者、2014年11月18日付のツイッターより。
  11. ^ シュラがラーメンを欲していることを知った瞬が、自身が知っている美味しいラーメンということで紫龍に予約の連絡を入れたことから。
  12. ^ ロシア語で乾杯の意。
  13. ^ 一般には有毒ガス事件と報じられている。
  14. ^ その際、他の黄金聖闘士の所在も問うものの、答えは得られずにシュラの要請でサンシャイン60通りの某喫茶店へ案内し、自身の星座である山羊座の星座パフェを食すシュラに唖然としていた。
  15. ^ 龍の力を持つ者を倒したことで、シュラからは龍殺剣(ドラゴンスレイヤー)とも呼ばれる。
  16. ^ ローラン曰く、修練した剣士でも確率は3割以下である。
  17. ^ 当初は右腕を隠し左腕のみ使っていた。
  18. ^ 17話では「怒リ狂ウ剣」表記。
  19. ^ 背に蟹の脚が展開する神聖衣を纏っている
  20. ^ 少女が自分の名を尋ねた際に氷河が答えた。