山田太郎ものがたり

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山田太郎ものがたり』(やまだたろうものがたり)は、森永あいによる日本漫画作品。『月刊Asuka』(角川書店)にて連載された。2000年に完結し、単行本は全14巻+番外編1巻(山田一家ものがたりゴージャス)が発売されているが、同誌で2007年9月号から連載が復活。また、周りの人々のサイドストーリーを描いた9作品をまとめた第15巻が2007年9月に発売された。また、ノベライズも4巻出版されている。

2007年7月からTBSにてドラマ化。台湾では『貧窮貴公子〜山田太郎ものがたり〜』というタイトルで2001年にドラマ化された。

あらすじ

容姿端麗、学力優秀、運動神経抜群の完璧人間だが、家が貧しいため貧乏生活に悩まされている山田太郎が、一癖も二癖もある周囲の人物に振り回されながらも愉快に人生を謳歌していく物語。

登場人物


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


山田太郎(やまだ たろう)
主人公。名門・私立一ノ宮高校に通う男子高校生。極貧の中幼い弟妹を養うため、アルバイトに精を出す苦労人。気品にあふれているその姿から、周りからは裕福だと勘違いされている。女から非常にモテる(自覚なし)。最終的には城南大学の農学部生に。隆子の母親を尊敬している。
御村託也(みむら たくや)
太郎の親友。常にポーカーフェイス。家が茶道(ドラマでは華道)の家元で裕福。おもしろいからと色々と山田家の世話をする。山田家の実態を知る数少ない人物で、太郎の家族とも仲が良い。最終的には城南大学の理工学部生に。
池上隆子(いけがみ たかこ)
太郎のクラスメイト。恥を知らない両親に絶望、玉の輿に乗ることに猛烈な憧れを持つ。太郎を金持ちと勘違いしてアタックするが、あるきっかけから貧乏だと知り、夢と恋との板ばさみに悩む。後に城南大学へ補欠合格する。
杉浦圭一(すぎうら けいいち)
太郎の1年先輩(ドラマでは同級生)。非常にナルシスト。色々と太郎をつけまわすうちに好きになる。彼も最終的には城南大学の農学部院生に。
杉浦ミカ(すぎうら ミカ)
太郎の後輩で、圭一の妹。
中井正美(なかい まさみ)
杉浦圭一の同級生(ドラマでは太郎の同級生&隆子の友人)。杉浦がゲイだと知ってからは応援してきた。太郎と御村の仲が良い姿を見ると、応援を止めた。
鳥居京子(とりい きょうこ)
太郎の担任教師。金銭面で大学進学を諦めようとする太郎に進学させようと力を尽くす。思い込みが激しく、よくトリップする。生徒たちからは親しまれている。後に高校時代の先輩・永原教授と結婚、彼に瓜二つな子供を儲ける。実は面食い。

山田家

山田家は、両親と10人兄弟の大家族である。外見は太郎にそっくりの美形揃い。非常に兄思いで互いに仲が良い。

山田綾子(やまだ あやこ)
10児の母親。お嬢様育ちのため世間知らずで、金銭感覚が麻痺している。太郎が稼いだお金をつまらないことに浪費する(本人に悪気は一切ない)。実家は結婚前に没落、両親共に既に他界(事実上天涯孤独の身)。泥棒に入られたこともあるが、持ち前の天真爛漫さが幸をなし、上手く防げた。20歳のときに太郎を産んだ。
山田和夫(やまだ かずお)
10児の父親。放浪癖のある画家。もともとは医者の息子であるが、とあるきっかけで頭のネジが外れた。放浪の先々で女性にもてる、愛妻家。実は妻より6歳下。
山田次郎(やまだ じろう)
次男。太郎が大学に進学してからは、太郎に代わり山田家の柱となり、後に文系の国立大学に合格する。外見も性格も長兄とそっくり。
山田三郎(やまだ さぶろう)
三男。次郎とは年子。7年後(17歳の時)、12歳上のキャリアウーマンを妊娠させ、後に結婚する。
山田よし子(やまだ よしこ)
長女にしてヒロイン。託也とは許婚関係。中学卒業後、託也の祖父の希望で御村家へ行儀見習いに上がる。高校に進学し、スタイル抜群の美少女へと成長したのに託也に手を出されないことに不満を持ち始めた。
山田五子(やまだ いつこ)
次女。横に2つに結んだ髪が特徴。気が強く、積極的に玉の輿を狙いに行動するなど、計算高い性格。アラブの某国の王子・アリーに惚れられる。
山田六生、山田七生(やまだ むつみ、やまだ ななみ)
二卵性双生児の兄妹。六生は四男、七生は三女。お互いのことは呼び捨てにしあう。
山田やすみ、山田丸太、山田十子(やまだ やすみ、やまだ きゅうた、やまだ とおこ)
三つ子の兄弟。やすみは四女、九太は五男、十子は五女。河原で陣痛に苦しむ綾子を杉浦が発見、そのまま取り上げられた。
矢島敦士(やじま あつし)
山田家の飼い犬兼非常食。捨てられていたところを太郎に拾われる。赤犬

書籍情報

漫画

  • 山田太郎ものがたり (全15巻)

小説

角川ティーンズルビー文庫より、全4巻が刊行された。著者は塚本裕美子。

  1. 山田太郎ものがたり たのしいびんぼう
  2. 山田太郎ものがたり でりしゃすアルバイト
  3. 山田太郎ものがたり たたかう青少年
  4. 山田太郎ものがたり すぺしゃる

ラジオドラマ

概要

2001年4月からTOKYO-FMFM大阪他、全34局ネットで放送された。ほとんど原作に沿った内容となっている。CD化もされており、全4巻。

キャスト

主題歌

スタッフ

テレビドラマ 台湾版

貧窮貴公子 (原題)
各種表記
繁体字 貧窮貴公子
簡体字 贫穷贵公子
拼音 Pínqióng Guìgōngzi
発音: ピンチョン グイゴンズ
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2001年8月から11月にかけて『貧窮貴公子』(ひんきゅうきこうし)というタイトルで、台湾で放映された。全46話(森永あいセレクションバージョンでは全13話)。中華電視公司制作。

主人公の太郎役は台湾の人気俳優、周渝民(ヴィック・チョウ)。その後、『貧窮貴公子〜山田太郎ものがたり〜』の邦題で日本にも逆輸入された。

なお、原作とは違い舞台は、高校ではなく大学(城南大学経済学部)になっているが、原作のエピソードは可能な限り再現されている。

また、日本人として唯一、吉本新喜劇島木譲二が大熊という役でゲスト出演している。

キャスト

  • 山田太郎 - 周渝民(ヴィック・チョウ)
  • 御村託也 - 高浩鈞(ショーン・ガウ)
  • 杉浦圭一 - 劉畊宏(ウィール・リュウ)
  • 池上隆子 - 柳瀚雅(アヤ・リウ)
  • 山田綾子(太郎の母) - 伊能静(いのう・しずか)
  • 山田和夫(太郎の父) - 朱孝天(ケン・チュウ)
  • 山田次郎(山田家次男) - 歐定興(エドワード・オウ)
  • 山田三郎(山田家三男) - 劉亭軒(リウ・ティンシュェン)
  • 四妹(山田家長女) - 張榕容(チャン・ロンロン)
  • 五妹(山田家次女) - 楊雅筑(ヤン・ヤーツー)
  • 六妹(山田家三女) - 彭歆(ヨーヨー)
  • 七郎(山田家四男) - 陳界宇(チェン・ジエユー)
  • 鳥居老師(城南大学講師) - 張清芳(チャン・チンファン)
  • 中井(杉浦の同級生) - 張碩芬(チャン・シュオフェン)
  • 美加(杉浦の妹) - 呉怡妮(ウー・イーニー)

エピソード・サブタイトル

全13話(森永あいセレクションバージョン)

各話 サブタイトル
第1話 だって女の子だもん
第2話 ライバルはどいつ
第3話 おいしいバイト
第4話 父帰る・隆子の誤算
第5話 ときめき太郎
第6話 お嫁においで
第7話 ビンボー仮面・マイ・フェア・タロー
第8話 和夫と綾子の青春
第9話 山田兄弟増殖中
第10話 がんばれ兄ちゃん
第11話 わたしの王子様
第12話 愛をください
第13話 前より貧乏

スタッフ

  • 総合プロデューサー - 柴智屏 
  • プロデューサー - 馮家瑞 呉志強
  • 監督 - 陳東漢
  • 製作著作 - Comic Ritz Productions Co. Ltd.
  • 配給 - コミックリズ株式会社

主題歌

オープニングテーマ
  • 周渝民(ヴィック・チョウ) 「求救専線 Hotline for help」
エンディングテーマ
  • 朱孝天(ケン・チュウ) 「晴天 One Fine Day」

ソフトウェア

書籍

写真集

DVD

販売元はエスピーオー

  • 「山田太郎ものがたり 〜貧窮貴公子〜 DVD-BOX」(2006年1月27日)

テレビドラマ 日本版

概要

2007年7月6日から同年9月14日までTBS系列の金曜ドラマ枠で22:00-22:54(JST)で放送された。また、アメリカ合衆国カナダプエルトリコなどを放送地域とするNHKの国際放送テレビジャパンが、2008年4月16日から6月18日まで放送した。

主演は二宮和也櫻井翔。両者とものメンバーで連続ドラマでレギュラー共演するのは初である。[1]ヒロインの多部未華子はこのドラマが連続ドラマ初出演となる。なお、同年8月31日世界陸上2007中継の為休止。また櫻井にとって民放での連続ドラマ出演は「よい子の味方 〜新米保育士物語〜」(日本テレビ)以来、4年振りである。

キャスト

山田家

御村家

池上家

一ノ宮高校の生徒

一ノ宮高校の教師

ゲスト出演

第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
第6話
第7話
第8話
第9話
  • ウメおばさんの屋敷の運転手 - 小林隆
第10話(最終話)

主題歌

スタッフ

サブタイトル

各話 放送日 サブタイトル 視聴率 備考
第1話 2007年7月6日 麗しの王子様は…ケタはずれのド貧乏 17.4% 15分拡大
第2話 2007年7月13日 潜入メイド大作戦 15.9% -
第3話 2007年7月20日 告白VS夢の松阪牛 16.5% -
第4話 2007年7月27日 出現!! 嵐を呼ぶ男 13.7% -
第5話 2007年8月3日 灼熱!! 浴衣デート 15.4% 10分繰り下げ
第6話 2007年8月10日 兄ちゃん一目ボレ 11.1% -
第7話 2007年8月17日 大波乱!! の夏合宿 13.6% -
第8話 2007年8月24日 ド貧乏がバレた!? 14.6% -
第9話 2007年9月7日 号泣!! 最大の決断 16.3% -
最終話 2007年9月14日 サヨナラ貧乏王子最後の挑戦そして… 17.9% 10分拡大
平均視聴率 15.2%ビデオリサーチ調べ・関東地区)

その他

  • 第6話で小谷カンヌが映画の撮影終了後のシーンで山田太郎(二宮)に「私、いつか有名になってハリウッドで戦争映画を撮るの。そのときは、日本兵士役、よろしく。」と言う『硫黄島からの手紙』(西郷昇陸軍一等兵を演じる二宮のハリウッドデビュー作)へのオマージュがある。
  • 第8話では、放送日の翌日から世界陸上2007が始まるということで、それを示唆する台詞や、世界陸上のPRポスターが映るシーンがあった。
  • 第9話で山田太郎(二宮)が学校に登校してきた車のナンバーが二宮の誕生日である「617」(ひらがなは山田の「や」)になっていた。数秒後に御村託也(櫻井)の車が到着するが、この車のナンバー「1111」(ひらがなは御村の「み」)は櫻井の誕生日ではない。(櫻井の誕生日は1月25日)
原作とドラマの相違点
  • 原作では高校1年生の途中から始まり卒業まで時間が進行していく(番外編では卒業後の時期の話もある)が、ドラマでは3年生の進級時から始まる。
  • 太郎と御村は、原作では開始時から既に友人だがドラマ版では開始時の3年進級時に初めて面識ができる(原作での初対面シーンは後から回想の話として登場)。
  • 太郎の隆子の呼び方が、原作では呼び捨てだが、ドラマでは「さん」付け。同様に、御村への呼び方もドラマでは「くん」付けされている。
  • 御村家は、原作では茶道家元だが、ドラマでは華道家元。
  • 杉浦と中井は原作では太郎より1年先輩である。また、小谷カンヌも原作の映画撮影エピソード時には在校生の先輩。
  • 中井は原作では出番はそれ程なく、全14巻の内数話しか出ていない。また、ドラマでは隆子の恋を応援する友人となっているが、原作では杉浦と同級生で隆子との接点は一切ない。
  • ヒロインは、原作ではよし子だがドラマでは隆子(原作版の隆子は太郎の魅力に振り回されつつもヒロインとするほど太郎への影響力はなく、杉浦とほぼ同じか、それより登場頻度の少ないレギュラーキャラクターの扱い)。
  • 原作では、和夫が14歳の中学生の時に綾子と出会って太郎が生まれているが、ドラマでは高校生の時に変更されている。
  • 和夫の両親(医師)は、ドラマでは和夫のできちゃった婚により勘当しているが、原作では綾子を妊娠させてしまった和夫を放置してアフリカの無医村地域に出かけており、山田家と縁は続いている。また、ドラマ版の和夫は生来の放浪者気質だが原作では元々真面目少年で、この両親の無軌道ぶりのせいで頭のネジが外れた事となっている。
  • 原作ではウメは死亡して和夫がその遺産を相続するのだが、ドラマではドバイの別荘に移住となっている。
  • 小谷カンヌの映画出演条件がホテルニューコタニのホットケーキ1年分だが、ドラマでは1箱。
  • 原作とドラマではよし子と五子の髪型が逆になっており、原作ではよし子がおかっぱのようなボブで、五子が二つ結わきだが、ドラマではよし子が二つ結わきで、五子がおかっぱのようなボブ。
  • 映画撮影のエピソードは、原作では太郎が貧乏な大家族の長男でお金持ちになるお話で、隆子は関係ないが、ドラマでは太郎と隆子の恋愛ものになっている。

DVD

  • DVD-BOX(枚数未定+映像特典ディスク)2008年1月9日発売
TBS iShopで購入するとオリジナル特典の特製「クラウンストラップ」が付いた。

脚注

  1. ^ 5人で映画やスペシャルドラマなどでの共演経験はあり

外部リンク

TBS 金曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
特急田中3号
(2007年4月13日 - 6月22日)
山田太郎ものがたり
(2007年7月6日 - 9月14日)
歌姫
(2007年10月12日 - 12月21日)
KBS京都 水曜22時枠の華流ドラマ
流星花園~花より男子~
(2005年4月6日 - 9月14日)
山田太郎ものがたり~貧窮貴公子~
(2005年9月21日 - 12月14日)
ラベンダー
(2005年12月21日 - 2006年3月29日)