DRINK IT DOWN

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DRINK IT DOWN
L'Arc〜en〜Cielシングル
初出アルバム『BUTTERFLY
B面 Dune 2008
リリース
規格 マキシシングル
デジタル・ダウンロード
ジャンル ロック
時間
レーベル Ki/oon Records
作詞・作曲 hyde (作詞)
yukihiro (作曲)
プロデュース L'Arc〜en〜Ciel
岡野ハジメ
ゴールドディスク
※ いずれも日本レコード協会認定
チャート最高順位
L'Arc〜en〜Ciel シングル 年表
Hurry Xmas
2007年
DRINK IT DOWN
(2008年)
NEXUS 4/SHINE
(2008年)
BUTTERFLY 収録曲
shade of season
(6)
DRINK IT DOWN
(7)
wild flower
(8)
ミュージックビデオ
L'Arc~en~Ciel「DRINK IT DOWN」-Music Clip- - YouTube
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DRINK IT DOWN」(ドリンク・イット・ダウン)は、日本のロックバンドL'Arc〜en〜Cielの34作目のシングル2008年4月2日発売。発売元はKi/oon Records

解説

11thアルバム『KISS』および前作「Hurry Xmas」の発表から約4ヶ月後ぶりとなるシングルリリース。また、本作はライヴビデオ『Are you ready? 2007 またハートに火をつけろ! in OKINAWA』と同時発売された。

本作の表題曲は、本作発売の約2ヶ月前となる2008年1月31日に発売されたゲームデビルメイクライ4』のテーマソングに起用された[3]。表題曲の作曲yukihiroが担当しており、yukihiro作曲によるL'Arc〜en〜Cielの楽曲がシングル表題曲に選ばれたのは2005年4月発表の「New World」以来約3年ぶり2作目のこととなった。ただし、「New World」はhydeとの合作としてクレジットされているため、yukihiro単独で作曲クレジットが付いた曲が表題曲となるのは本作が初ということとなる。また、表題曲は2010年3月に発表したベストアルバムQUADRINITY 〜MEMBER'S BEST SELECTIONS〜』にテッド・ジェンセンによるリマスタリングを施したうえでアルバム初収録されているが、2012年には12thアルバム『BUTTERFLY』にエディ・シュレイヤーによるマスタリングで再び収録されている。ベストアルバムに初収録された楽曲が、その後オリジナルアルバムに再び収録されるのはL'Arc〜en〜Cielとして初めてのこととなった。

ちなみに、前述のゲームシリーズの始まりとなる2001年発売のゲーム『デビルメイクライ』に、yukihiroはソロ名義で発表した楽曲「ring the noise」をイメージソングとして提供していたことがあり、本作の表題曲で約7年ぶりに再び『デビルメイクライシリーズ』とタッグを組むこととなった。今回ゲームへの楽曲提供の依頼を受けた経緯について、yukihiroは「テーマソングをやりませんか?というお話を持ってきていただいたので。僕はそのゲームが大好きだから是非やりたいなぁと思った[4]」「やりたいといったのが僕なので。それが採用される/されないは別としても、そのゲームをイメージした曲を自分で作らなくちゃなぁと思った[4]」と語っており、表題曲は詞・曲ともにゲームに向けて書き下ろされている。ちなみに、hydeとkenもこのゲームシリーズが好きでプレイしていたことがあったという。表題曲の歌詞を手掛けたhydeは「僕もそれなりにゲームをやり込んだので、世界観はほぼ全部わかってるんですよ[5]」とこのゲームについて語っている。余談だが、2015年に開催したライヴ「L'Arc〜en〜Ciel LIVE 2015 L'ArCASINO」において披露した「trick」「REVELATION」のライヴ用音源のプログラミングを前述のゲームシリーズでサウンドクリエイターを務める柴田徹也が担当している他[6]2019年に発売されたゲーム『デビルメイクライ5』では、hydeがソロ名義で発表した楽曲「MAD QUALIA」がイメージソングとして起用されており、前述のゲームシリーズはL'Arc〜en〜Cielのメンバーと長きに渡り縁のある作品となっている。

本作のリリースプロモーションとして、本作発売の約1ヶ月前となる2008年3月7日日本テレビ系列で放送された特別番組『日本のロックBOX 〜奇跡のライヴ〜』において表題曲のフルサイズを公開している。この番組では、バンドがスタジオで楽曲を披露するかたちではなく、ライヴツアー「TOUR 2007-2008 THEATER OF KISS」でこの曲を先行披露した際の模様が放送されている。

表題曲のミュージック・ビデオ2009年2月25日に発表したクリップ集『CHRONICLE 4』に初収録されている。また、2019年12月11日公式YouTubeアーティストチャンネルにおいて映像の無料公開を開始している。この映像のディレクターはムラカミタツヤが務めており、映像はメンバー4人が吸血鬼の住む館に迷い込んだ設定で撮影されている。ちなみに、映像の最後のシーンに登場する牙を剥いた吸血鬼は、yukihiroが演じている。

フィジカルの初回限定仕様は、スペシャルジャケット、ピクチャーレーベル仕様となっている。また、初回限定特典としてぺたぺたスケジュールシール(全4種のうち1種封入)が付属している。

発売初週の2008年4月14日付のオリコン週間シングルチャートでは、前々作「DAYBREAK'S BELL」以来2作ぶり通算20作目の首位を獲得している。

収録曲

  1. DRINK IT DOWN / L'Arc〜en〜Ciel
    PlayStation 3Xbox 360PC用ゲーム『デビルメイクライ4』テーマソング。
    作曲を担当したyukihiroは、前述のゲームの映像を見たうえで楽曲を制作しており、打ち込みブレイクビーツサンプリングされたノイズが楽曲に導入されている。この曲の制作志向について、yukihiroは「インダストリアルっぽいというか、ダンス・ミュージック的なビートにディストーション・ギターのリフを乗せて、イントロメロトロン系の音のフレーズを入れてゴスっぽい雰囲気を出した[7]」と述べている。
    制作当初、yukihiroが前述のタイアップの候補曲として挙げたデモ音源は3曲あったが[8]hydeのアイディアによりデモ音源のうちの2曲を組み合わせ制作することとなった[9]。複数のデモ音源を組み合わせた影響により、Aメロ・Bメロのイ短調からサビニ短調への転調が起こっている。
    また、この曲のアレンジ作業ではメンバーの意見が多く取り入れられている。例えば、メロトロンのフレーズはkenの案を基にyukihiroがエミュレーションソフト、GFORCE M-Tronで鳴らしており[7]、サビ後半のメロディはtetsuyaの案が採用されている[10]。このことに関して、yukihiroは「音楽的に認めているメンバーなのでアレンジされるのは光栄なこと」、hydeは「今回、こんなにみんなで一生懸命アレンジするのは久しぶりだから、作ってよかったなぁと思う。最近はそれぞれデモ作って、それが基になってレコーディングしてたからね。もちろん、みんなで肉付けすることはあるけど、ここまでリフから何からみんなでアイディア出し合ってやるのは本当に久しぶりだったんですよね。話し合う期間が長かったから、バンドらしくていいなぁと思いながらアレンジしてました[10]」と本作発売当時のインタビューで語っている。
    歌詞も曲と同様に、前述のゲームを意識したうえでhydeが書き下ろしている。hyde曰く、前述のゲームの主人公であるダンテネロの関係を踏まえて作詞したといい、「ダンテの視点から見たネロというか、ダンテの気持ちで詞を書くみたいな感じで書きつつ、それを何となく自分に置き換えて、完全に空想では書かないで自分のポジションでその世界観をイメージし、自分だったらこういう言い方をしたいなとか考えながら書いていった[5]」と語っている。また、hydeは、2007年6月から開催されたホールツアー「Are you ready? 2007 またハートに火をつけろ!」で全国を廻ってる際に訪れた富士急ハイランドお化け屋敷で歌詞の着想を得たとも述べている[5]。hydeは「お化け屋敷って五感を恐怖に曝け出しながら、それでも"自分はフラットです"みたいな感じで次の部屋に入っていくのが楽しいなと思って。で、その感覚を信じたいなって思ったの。ダンテのイメージもありながらも、恐怖というものを味わう...ある種、そこにはエロスを感じるんですよ。そういう部分もちゃんとミックスした詞を書きたいなと思ってたんです[5]」と語っている。
  2. Dune 2008 / P'UNK〜EN〜CIEL
    1stアルバム『DUNE』の収録曲「Dune」のカバー。
    前々作「夏の憂鬱 [SEA IN BLOOD 2007]」(シングル「DAYBREAK'S BELL」のカップリングとして収録)がスレイヤーを意識したスラッシュメタルに寄せたアレンジをしたことから、今回アレンジを担当したkenは「メタルやってもいいんだなと思った[11]」といい、このセルフカバーではヘヴィメタル・バンドのアイアン・メイデン風のアレンジが施されている。アイアン・メイデンを意識したアレンジにすることを前提としていたことから、カバーする曲を選ぶにあたりkenは「アイアン・メイデンをやるにはギターにハモリがないとダメだよなと思って、そうなると「Blurry Eyes」か「Dune」かなと[11]」と考えていたという。
    kenが意図したように、このカバーではツインギターのハーモニーが特徴的なアレンジとなっており、ギターを担当したhydeは「ギターはもうびっくりですね。転調しながらもツインギターで被さって行くという…もう泣きそうになりました。でも悔しいから、頑張ってkenのデモをコピーした[12]」とレコーディングで苦労した旨を語っている。
    余談だが、前々作「夏の憂鬱 [SEA IN BLOOD 2007]」ではhydeの意向により、ドラムを担当したkenが速いツーバスを演奏している。前々作のレコーディングを振り返り、kenは「(前々回に)あれだけツーバスはダメだ、俺は無理だって言ってるのに、デモにはツーバス入ってたから(笑)。じゃあ今回はギターソロを長めにして、ギターソロで間をもたせるというのを味わってもらおう…とは思いましたけどね(笑)[12]」と述べており、今回のセルフカバーのアレンジにはhydeへの「お返し」の意味も込めていたという。hydeも「俺が前々作でツーバスという凄いドラムをやらせちゃったから、今回は仕方ない…その応酬ですよ(笑)[12]」と語っている。
  3. DRINK IT DOWN (hydeless version)
  4. Dune 2008 (TETSU P'UNKless version)

参加ミュージシャン

  • DRINK IT DOWN / L'Arc〜en〜Ciel
  • Dune 2008 / P'UNK〜EN〜CIEL
    • TETSU P'UNK:Vocal
    • HYDE P'UNK:Guitar
    • YUKI P'UNK:Bass, Backing Vocal
    • KEN P'UNK:Drum

収録アルバム

オリジナルアルバム
ベストアルバム
セルフカバーアルバム

脚注

  1. ^ ゴールドディスク認定 2008年4月 - 日本レコード協会
  2. ^ ダウンロード認定 2010年6月 - 日本レコード協会
  3. ^ L'Arc~en~Ciel、ニュー・シングル“DRINK IT DOWN”とライヴDVDを4月2日に同時発売。初のフランス公演を含むツアーも決定 - TOWER RECORDS ONLINE
  4. ^ a b 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、p.179、2010年
  5. ^ a b c d 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、p.182、2010年
  6. ^ 『サウンド&レコーディング・マガジン』、p.82、リットーミュージック、2015年12月号
  7. ^ a b 『サウンド&レコーディングマガジン』、リットーミュージック、p.82、2015年12月号
  8. ^ 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、p.180、2010年
  9. ^ 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、p.181、2010年
  10. ^ a b 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』、角川マガジンズ、p.185、2010年
  11. ^ a b 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』p.186、角川マガジンズ、2010年
  12. ^ a b c 『WORDSⅡ L'Arc〜en〜Ciel』p.187、角川マガジンズ、2010年