三菱・GTO

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GTO(ジーティーオー)は、三菱自動車工業が生産していた自動車スタリオンの後継車として1990年10月に登場したフラグシップスポーツクーペである。

概要[編集]

三菱・GTO
Z15A/Z16A型
前期型
Mitsu-3000GTVR4.jpg
中期型(輸出仕様)
3000gtlev.jpg
後期型(輸出仕様)
Pre-CarShowpictures001.jpg
販売期間 1990年2000年
乗車定員 4人
ボディタイプ 3ドア フラグシップスポーツクーペ
エンジン 3.0L V6 6G72型
最高出力 225PS(NA)
280PS(ツインターボ)
最大トルク 28.0 kgf·m(NA)
43.5 kgf·m(ツインターボ)
変速機 4速AT / 5速・6速MT
駆動方式 4WD
サスペンション 前:マクファーソン式ストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,555mm(前期型)
4,575mm/4,590mm(中期型)
4,600mm(後期型)
全幅 1,840mm
全高 1,285mm
ホイールベース 2,470mm
車両重量 1,600 - 1,730kg
先代 三菱・スタリオン
-自動車のスペック表-

キャッチコピーは『スポーツは、ライバルがいるから、面白い。』、『あなたのスポーツは、面白いですか。

1989年に第28回東京モーターショーで三菱HSXという名で参考出品され、その後1990年10月から市販された。全グレードにおいて、駆動方式は4WDのみとなっている。

元々北米市場を意識したグランドツアラーとして企画されており、直線道路を余裕を持って走れるトルクを備えた性格付けがなされている。

エンジンのベースはディアマンテと同一の物が使われており、それをGTO用にアレンジして搭載している。

スタイリングは三菱らしい個性の強いもので、コークボトルラインのボディに絞り込まれたサイドへ描かれる美しいZラインの綾線はデザイン上のハイライトとなっている。全幅は1,840mmと当時のライバル達の中で随一の全幅を持つ。 デザイン上の特徴として良く取り上げられるサイドエアダムのエアインテークは、モーターショー出展時のHSXではブレーキ冷却ダクトだったが、HSXは2シーターであったため、市販化にあたり後部座席を設置しなければならなくなり、後部座席周りの設計上の都合により市販車ではダミーとなってしまったという経緯がある。マイナーチェンジにより、ダミーであったエアインテークにはタイヤハウスに空気が抜ける孔が設けられているが、積極的なブレーキ冷却機能は与えられていない。

また、GTOは時流を反映して意欲的な装備が多数盛り込まれていたのも特徴である。

下記に示す装備が日本車としては初採用されたものである。

日本国外へは「3000GT」という名称で輸出され、こちらにはSL,RTという自然吸気エンジンのFFモデルもあった。トップグレードであるVR-4は4WDで320PSの出力を発生させていた。北米では電動格納式ハードトップオープンモデルである「3000GTスパイダー・リトラクタブルハードトップ」と呼ばれるモデルも設定された。これは1959年フォードスカイライナーがカタログから消えて以来の電動ハードトップの復活であり、現在に続くリトラクタブルハードトップ流行の先鞭をつけたものだった。 なお、3000GTの前輪駆動モデルのブレーキキャリパーはディアマンテと同様のスライド式2ピストンキャリパーであり、日本国内仕様のような4ピストン対向キャリパーはターボモデルだけで、6ピストン対向キャリパーは採用されなかった。

ダッジ・ステルス[編集]

ダッジ・ステルス
前期型
Dodge Stealth Rt.jpg
後期型
'94-'96 Dodge Stealth (Hudson).JPG
製造国 日本の旗 日本
販売期間 1991年–1996年
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアクーペ
エンジン 3.0L V6 6G72型 DOHC
最高出力 325PS/6,000rpm
最大トルク 43.5kgf·m/2,500rpm
変速機 6速MT/5速MT/4速AT
駆動方式 FF/4WD
サスペンション 前:ストラット
後:ダブルウィッシュボーン
全長 4,559mm
全幅 1,840mm
全高 1,247mm
ホイールベース 2,470mm
車両重量 1,680kg
-自動車のスペック表-

ステルスSTEALTH )はクライスラーの一部門「ダッジ」ブランドにおいて、GTOの姉妹車として販売された自動車である。

GTOは開発当初からクライスラー向けにOEM供給することが決定しており、1991年、GTOの北米展開から遅れて販売が開始された。

ステルスはGTOと比べダッジ向けに外装が大きく変更されており、前後バンパーは別デザインで、またテールランプはハイグレードのR/T、Twin-TurboではGTOと全く異なるウインカー兼用の一体型となり、Cピラーの位置も異なっているためリアサイドガラス形状も異なっている。なお、廉価モデルのベースグレードおよびESについてはGTOと同形状のテールデザインとなっている。フロントグリルは一連のダッジシリーズに準ずる十字のクロスヘアデザインが採用されていた。

グレード展開は現地のGTO(3000GT)に準じており、SOHCを搭載したFFの廉価グレードであるES(1994年からはベースモデルに名称変更)、DOHCを搭載したR/T、DOHCターボを搭載したR/T Twin-Turboが設定されていた。

ただ、ターボモデルは6ピストン対向キャリパーが採用されていないなど、日本国内向けのGTOとは細かい点で仕様が異なっている。

発売当初は3000GTを上回る販売台数(1991年度:3000GT/9,927台、STEALTH/17,280台)であったが、1994年のマイナーチェンジを境に急激に売り上げが落ち込んでいったため、1996年に生産を終了している。

最終年の販売台数はわずか360台であった。

年表[編集]

2000年8月の生産終了まで、大きなもので4度ものマイナーチェンジが施された。詳細内容は下記の通り。

  • 1992年1月のマイナーチェンジ (Z16A)
    • グラストップ(メーカーオプション)追加
    • ホイールの17インチ化。それに伴いスペアタイヤも17インチ/アルミホイール化
    • 50%扁平タイヤ(225/50R17)採用
    • 電動格納式ドアミラー採用
    • 運転席シートに電動スライド機能追加
    • エアコン冷房を代替フロン(R134a)に変更
  • 同年10月のマイナーチェンジ
    • ブレーキディスクを17インチ化
    • リアブレーキに対向2ポットキャリパ採用
    • キーレスエントリー採用(NA車はメーカーオプション)
  • 1993年8月のビッグマイナーチェンジ(中期型へ進化) (Z15A)
    • ヘッドライトを4灯固定式プロジェクタータイプへ変更
    • シリンダーヘッドガスケットのメタル化によりターボチャージャーの過給圧変更、これによりエンジン出力向上(280PS/42.5kgf·mから280PS/43.5kgf·mへ)
    • ミッションを5速MT→6速MT(ツインターボ)へ変更。
    • 助手席エアバッグ追加
  • 1994年8月のマイナーチェンジ
    • 軽量化したモデル「MR」を追加(BBS製17インチホイール、4WS、オートクルーズ、フォグランプレス、ABSメーカーオプション)
    •  ブレーキ冷却導風板の採用(MRのみ) 
    • APロッキード製6ポットブレーキのオプション採用
    • フロントグラスシェードカラー変更(グレー → ブラック)
    • リアハイブリッドLSDオプション(ツインターボ、MRにメーカーオプション)
    • 電動チルト&アウターサンルーフ(メーカーオプション)
  • 1995年8月のマイナーチェンジ
    • ノンターボモデルを価格を抑えた「SR」へと変更(4WS、オートクルーズ、フォグランプレス、助手席エアバッグオプション、フロント16インチブレーキ)
    • 内装カラー変更(ダークグレー → ブラック)
    • ヘッドライトレンズ材質変更(ガラス → 樹脂)
  • 1996年8月のマイナーチェンジ
    • ターボモデルの18インチクロムメッキホイールの採用(この変更に伴い、MRの標準装備も18インチクロムメッキホイールとなる)
    • フロントバンパー、リアスポイラー意匠変更(これに伴いアクティブエアロ廃止)
    • プロジェクターフォグランプ装備(SR)
    • ブレーキキャリパカラー変更(ツインターボ、及びMR ブラック → レッド)
    • キーレスエントリーをキー一体型に変更(ツインターボ)
    • オーディオ変更
  • 1997年8月のマイナーチェンジ
    • ABSを標準装備化(MR、SR)
    • 助手席エアバッグ追加(SR)
    • オートエアコン操作パネル変更(調整がダイアル式、単色液晶に変更)
  • 1998年8月のマイナーチェンジ(後期型へ進化、最終マイナーチェンジ) (Z15AM)
    • 大型リアスポイラーの採用
    • フロントウインカーをコンビネーションランプ化

小さな変更(シートの柄等)を入れると毎年の様に改良されており、特にターボモデルの方がマイナーチェンジでの進化の度合いが大きかった。尚、最初期型と最終型では17インチアルミホイールのスペアタイヤは採用されていない。

パトカーへの採用[編集]

広島県警のGTOパトカー

GTOは高速隊パトカーとして国費で前期型、中期型、中期型MR(1996年モデル)が導入されており、基本的にフェンダーミラー仕様で導入されたがMRのみドアミラー仕様で導入されている(ちなみにこのモデルが国費導入の白黒パトカーでは初めてのドアミラーとなった)。現在は減価償却でほとんどの車両が廃車になっているが、新潟県警と奈良県警にはフェンダーミラー仕様の中期型が、愛知県警と滋賀県警には中期型MRが現存し、このうちの愛知県警のものは主にイベント展示用として使用されている[1]。ちなみにGTO製造中止後はギャランVR-4が国費導入されている。また、前期型の覆面パトカー仕様車が静岡県警交通機動隊に配備されていた。

生産拠点[編集]

  • 三菱自動車工業名古屋製作所大江工場

カスタマイズ[編集]

日本国外、とりわけアメリカでは、日本車離れしたボディスタイルのため、エアロパーツによるチューンが盛んであったり、3,000cc(V型6気筒)ツインターボと言う強力なエンジンと、四輪駆動車であるという点から、ドラッグレースのベース車両に使われることも多い。日本国内でも少ないながら数社よりエアロパーツ、エンジン内部、ドライブ系強化パーツが発売されている。なかにはドライブシャフトを抜き、センターデファレンシャル機構を溶接ロックして完全にFRにしているオーナーもいる。ボディ剛性の高さ、トルクが豊かなV6ツインターボ、強度十分のゲトラグ製のミッション、大容量ブレーキシステムなどの確かな素性に目を向けたオーナーも少なくないことが確認できる。

逆に母国日本ではいわゆるマイナー車に分類されるため、前述の通りアフターパーツが少ないという一種の逆転現象も発生している。

レース活動[編集]

前述の通りサーキットの舞台には縁遠い存在に思われがちなGTOだが、1998年頃まではN1耐久選手権(クラス1)に参戦していた。マシンメンテナンスをTest&Serviceが担当し、レースでは最高峰クラスであるクラス1で当時最強を誇っていた日産・スカイラインGT-Rの対抗馬的存在として活躍している。しかし、重い車重が祟ってか、スカイラインGT-Rといい勝負を演じるものの勝つには至らず、結局参戦した期間では2位がベストリザルトであった。

車名の由来[編集]

イタリア語の「Gran Turisumo Omologata」、即ちモータースポーツにおけるGTカテゴリとして公認された車という意味。モータースポーツへの熱い想いを込めて命名。 一時は「スタリオンGTO」と言う車名も検討されていた。

その後のGTO[編集]

2008年10月22日、ロシアに本拠を置くコーチビルダーのE-GO社から、新型スポーツカー「revolt」(レボルト)の写真が公表された。 プレスリリースによると、「revolt」はGTO(3000GT)のプラットフォームをベースに開発され、エンジンは550馬力を発揮する3,000cc V6ツインターボ、6速MT、4輪アクティブエアサスペンション。前6ピストン、後ろ4ピストンのブレーキキャリパー、タイヤサイズはフロント245/40、リア325/30で、ワーク製の19インチアルミホイールを組み合わせたものになるという[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “愛知県警の三菱 GTO パトカー見参”. レスポンス (MSN). (2012年5月28日). http://car.jp.msn.com/news/%e6%84%9b%e7%9f%a5%e7%9c%8c%e8%ad%a6%e3%81%ae%e4%b8%89%e8%8f%b1-gto-%e3%83%91%e3%83%88%e3%82%ab%e3%83%bc%e8%a6%8b%e5%8f%82-1 2012年5月28日閲覧。 
  2. ^ ロシア初のスーパーカー出現か!?

外部リンク[編集]