クレイ・バックホルツ

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クレイ・バックホルツ
Clay Buchholz
ボストン・レッドソックス #11
Clay Buchholz on May 21, 2012.jpg
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アメリカ合衆国の旗 テキサス州ネダーランド
生年月日 1984年8月14日(30歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 投手
プロ入り 2005年 MLBドラフト1巡目(全体42位)でボストン・レッドソックスから指名
初出場 2007年8月17日 エンゼルス戦(ダブルヘッダー第1試合)
年俸 $7,950,000(2014年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

クレイ・ダニエル・バックホルツ(Clay Daniel Buchholz, 1984年8月14日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ネダーランド出身の野球選手。投手、右投左打。MLBボストン・レッドソックスに所属している。

経歴[編集]

アマチュア、マイナー時代[編集]

テキサス州ランバートンのランバートン高校を卒業し、ルイジアナ州マックニーズ州立大学へ進学。2004年に仲間とともに母校ランバートン高校に侵入し、ラップトップパソコン29台を盗んで売りさばき、警察に逮捕される。この事件でバックホルツは実刑判決こそ回避できたものの、授業料免除でプレイしていた大学の野球チームから締め出され、テキサス州のアンジェリーナ・カレッジに転学する。

2005年に15先発で12勝1敗・防御率1.05・奪三振率13.6という成績を残す。同年6月のMLBドラフトで上位指名の可能性もあったが、パソコン窃盗事件の影響で各球団が指名を回避することに[2]。そんな中でボストン・レッドソックスが「過去の過ち一つで若い才能の芽を摘んでしまうのは簡単だが、チャンスを与えることも大切」[3]と、バックホルツを全体42位で指名する。

レッドソックスでも屈指の有望株なだけに、投げ過ぎによる故障を防ぐための球数制限がバックホルツに課された。このため、マイナーリーグでのバックホルツの1試合最多投球数は98球で100球に達していない[4]2006年にはレッドソックスの年間最優秀マイナー投手賞を受賞し、2007年にはマイナーリーグのオールスター "フューチャーズ・ゲーム" に選出される。

メジャー昇格後[編集]

同年8月にメジャー昇格を果たし、17日のエンゼルスとのダブルヘッダー第1試合でメジャー初登板・初先発。6回4失点(自責点は3)で勝利投手となり、この試合の主審を務めたブルース・フローミングから「笑うかもしれないが、彼は私にノーラン・ライアンを思い出させたよ」[5]と評価された。しかし試合終了後、バックホルツはマイナーに戻される。もともと昇格はこのダブルヘッダーのためだけに行われたもので、試合でどのような結果を残そうとも1試合だけでマイナーへ戻されることが決まっていたためである[6]

8月31日、故障のティム・ウェイクフィールドに代わってフリアン・タバレスが先発。もともとタバレスは9月1日に先発予定だったため、その日はバックホルツがタバレスに代わって先発することになる[7]。試合当日にメジャー再昇格を果たしたバックホルツは、オリオールズ戦に先発。カーブチェンジアップなどの変化球が冴え、相手打線を無安打に封じたまま試合が進んでいく。マイナー時代から続く球数制限のために、投球数が120球を超えたらどんな場面であっても交代することをチーム首脳は試合終盤に決めた[4]が、バックホルツは被安打0のまま9回を115球で投げきってノーヒッターを達成した。記録調査会社Elias Sports Bureauによると、メジャー初登板か2試合目でノーヒッターを達成したのは、1900年以降では史上3度目の出来事[8]だという[9]。またシーズン終了後には、ファンが選ぶ "This Year in Baseball Performance of the Year" に選出されている[10]

その後バックホルツは、9月6日のオリオールズ戦でリリーフとして3回、同19日のブルージェイズ戦で先発として4.2回を投げ、レギュラーシーズンを終えた。チームは12年ぶりの地区優勝を果たしてポストシーズンに進出したが、このシーズンにマイナーとメジャーで計148.0回を投げていたバックホルツは肩の疲労を訴えた。セオ・エプスタインGMは「現時点で故障を抱えているわけではない。しかし23歳の才能ある投手を、将来に影響が及ぶ可能性がある状態で投げさせることはできない」[5]と語り、バックホルツをポストシーズンのロースターには入れなかった。レッドソックスは3年ぶりにワールドシリーズを制覇している。

2008年は開幕ロースター入りした[11]が、5月14日に爪の負傷で15日間の故障者リスト入りした[12]。7月11日にメジャー復帰[13]。しかし8月21日にAA級ポートランド・シードッグスに降格した[14]。この年は16試合に登板し2勝9敗、防御率6.75と結果を残せなかった。オフに教育リーグのアリゾナ・フォールリーグに参加し、スコッツデール・スコーピオンズに所属。5試合に登板し1勝2敗、防御率3.86だった[15]

2009年3月10日にメジャー昇格した[16]が、4月4日にAAA級ポータケット・レッドソックスへ降格し[17]、AAA級で開幕を迎えた。7月17日に再昇格した[18]ティム・ウェイクフィールド松坂大輔ら前半戦のローテを守っていた先発陣が相次いで故障者リスト入りし、バックホルツはローテに定着。16試合に登板し7勝4敗だった。

2010年は開幕からロースター入りし[19]、ローテに定着。前半戦だけで10勝(4敗)を挙げ、オールスターゲームに選出された[20]。しかし6月26日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で左ハムストリングを痛め、7月5日に故障者リスト入りした[21]ため、オールスターで登板することはなかった。7月21日に復帰[22]。この年は28試合に登板し17勝7敗、防御率2.33だった。同年のサイ・ヤング賞にノミネートされた[23]が、フェリックス・ヘルナンデスが受賞した。

2011年も開幕ロースター入りし[24]、先発3番手として開幕を迎えた。4月10日にレッドソックスとの4年契約に合意した[25]。6月19日に腰の疲労骨折で故障者リスト入りし[26]、残りのシーズンを全て欠場した。

2012年は故障から復帰し、開幕ロースター入りした[27]。6月24日に胃の病気のため故障者リスト入りし[28]、7月14日に復帰した[29]。復帰後はローテに定着し、2年ぶりの二桁勝利となる11勝(8敗)を挙げた。

2013年も開幕ロースター入りした[30]。4月14日のタンパベイ・レイズ戦では8回無死まで無安打に抑えていたが、先頭打者のケリー・ジョンソンに安打を打たれ、2007年以来のノーヒッターを逃した[31]。6月18日に首の張りのため故障者リスト入りした[32]。9月10日に復帰[33]。2年連続の二桁勝利となる12勝(1敗)を挙げた。ポストシーズンもロースター入りし、自身初出場となるワールドシリーズでは第4戦に登板。4回を投げ3安打1失点だった。

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2007 BOS 4 3 1 1 0 3 1 0 0 .750 88 22.2 14 0 10 0 1 22 0 0 6 4 1.59 1.06
2008 16 15 1 0 0 2 9 0 0 .182 357 76.0 93 11 41 1 2 72 2 1 63 57 6.75 1.76
2009 16 16 0 0 0 7 4 0 0 .636 399 92.0 91 13 36 1 2 68 1 0 44 43 4.21 1.38
2010 28 28 1 1 0 17 7 0 0 .708 711 173.2 142 9 67 1 5 120 7 1 55 45 2.33 1.20
2011 14 14 0 0 0 6 3 0 0 .667 353 82.2 76 10 31 1 2 60 3 0 34 32 3.48 1.29
2012 29 29 2 1 1 11 8 0 0 .579 802 189.1 187 25 64 2 12 129 2 2 104 96 4.56 1.33
2013 16 16 1 1 0 12 1 0 0 .923 416 108.1 75 4 36 0 1 96 1 0 23 21 1.74 1.03
通算:6年 123 121 6 4 1 58 33 0 0 .637 3126 744.2 678 72 285 6 25 567 16 4 329 298 3.60 1.29
  • 2013年度シーズン終了時

脚注[編集]

  1. ^ Clay Buchholz Contracts, Salaries, Cap Hits, & Transactions” (英語). Spotrac.com. 2014年1月7日閲覧。
  2. ^ Gordon Edes, Globe Staff, "Up in arms / System stocked with talent many project will pitch in (Page 3 of 3)," The Boston Globe, March 31, 2006. 2008年4月19日閲覧。
  3. ^ 月刊メジャー・リーグ4月号増刊 '08リコーMLB開幕戦オフィシャルプログラム』、ベースボール・マガジン社、2008年、雑誌08626-4、17頁。
  4. ^ a b 李啓充新人のノーヒット・ノーランを潰そうとした「投球数警察」」 『NumberWeb』、2007年9月5日。2008年4月19日閲覧。
  5. ^ a b 杉浦大介 「クレイ・バックホルツ[レッドソックス]新人のノーヒッターは不吉な兆候?」 『月刊スラッガー』2008年1月号、日本スポーツ企画出版社、2007年、雑誌15509-1、52-53頁。
  6. ^ SLUGGER 「プレーオフ秘密兵器は2人のルーキー!?」 『月刊スラッガー』2007年11月号、日本スポーツ企画出版社、2007年、雑誌15509-11、35頁。
  7. ^ 出野哲也 「MLB30球団最新レポート&全選手個人成績 ボストン・レッドソックス/BOS デビュー2戦目でノーヒッター バックホルツが全米に名乗り」 『月刊スラッガー』2007年11月号、日本スポーツ企画出版社、2007年、雑誌15509-11、74頁。
  8. ^ 1953年5月6日にセントルイス・ブラウンズ(現ボルチモア・オリオールズ)のボボ・ホロマンフィラデルフィア・アスレチックス(現オークランド・アスレチックス)を相手にデビュー戦で、1991年8月11日にはシカゴ・ホワイトソックスウィルソン・アルバレスがオリオールズを相手にデビュー2戦目で、それぞれノーヒッターを達成している。
  9. ^ Alex McPhillips / MLB.com, "Rookie Buchholz no-hits Orioles / Historic effort comes in Sox righty's second big league start," The Official Site of The Boston Red Sox, September 2, 2007. 2008年4月19日閲覧。
  10. ^ "2007 This Year in Baseball Awards," The Official Site of Major League Baseball. 2008年4月19日閲覧。
  11. ^ Boston Red Sox set 2008 Opening Day roster”. MLB.com Red Sox Press Release (2008年3月25日). 2014年1月12日閲覧。
  12. ^ OF Jonathan Van Every recalled from Triple-A Pawtucket”. MLB.com Red Sox Press Release (2008年5月14日). 2014年1月12日閲覧。
  13. ^ Righthanded pitcher Clay Buchholz recalled from Triple-A Pawtucket”. MLB.com Red Sox Press Release (2008年7月11日). 2014年1月12日閲覧。
  14. ^ Red Sox recall righthanded pitcher Chris Smith from Pawtucket”. MLB.com Red Sox Press Release (2008年8月22日). 2014年1月12日閲覧。
  15. ^ Scottsdale Scorpions Statistics 2008”. MiLB.com. 2014年1月12日閲覧。
  16. ^ Red Sox agree to terms with 19 players on 2009 contracts”. MLB.com Red Sox Press Release (2009年3月10日). 2014年1月12日閲覧。
  17. ^ Red Sox roster moves for April 4”. MLB.com Red Sox Press Release (2009年4月4日). 2014年1月12日閲覧。
  18. ^ Red Sox recall right-hander pitcher Clay Buchholz from Triple-A Pawtucket; Activate third baseman Mike Lowell from 15-day disabled list”. MLB.com Red Sox Press Release (2009年7月17日). 2014年1月12日閲覧。
  19. ^ Boston Red Sox set 2010 Opening day roster”. MLB.com Red Sox Press Release (2010年4月4日). 2014年1月12日閲覧。
  20. ^ All Star Game 2010 Rosters”. MLB.com. 2014年1月12日閲覧。
  21. ^ Red Sox place right-handed pitcher Clay Buchholz on 15-day disabled list”. MLB.com Red Sox Press Release (2010年7月5日). 2014年1月12日閲覧。
  22. ^ Red Sox Activate Right-Handed Pitcher Clay Buchholz and Infielder Jed Lowrie from Disabled List”. MLB.com Red Sox Press Release (2010年7月21日). 2014年1月12日閲覧。
  23. ^ MLB Cy Young Predictor - 2010”. ESPN MLB. 2014年1月12日閲覧。
  24. ^ Boston Red Sox Set 2011 Opening Day Roster”. MLB.com Red Sox Press Release (2011年3月31日). 2014年1月12日閲覧。
  25. ^ Red Sox sign right-handed pitcher Clay Buchholz to four-year contract extension”. MLB.com Red Sox Press Release (2011年4月10日). 2014年1月12日閲覧。
  26. ^ Red Sox select left-handed pitcher Andrew Miller to active roster; place right-handed pitcher Clay Buchholz on 15-day disabled list”. MLB.com Red Sox Press Release (2011年6月19日). 2014年1月12日閲覧。
  27. ^ Boston Red Sox Set 2012 Opening Day Roster”. MLB.com Red Sox Press Release (2012年4月4日). 2014年1月12日閲覧。
  28. ^ Red Sox place right-handed pitcher Clay Buchholz on 15-day disabled list; Activate right-handed pitcher Aaron Cook from 15-day disabled list”. MLB.com Red Sox Press Release (2012年6月24日). 2014年1月12日閲覧。
  29. ^ Red Sox activate Buchholz from DL; option Gomez to Triple-A”. MLB.com Red Sox Press Release (2012年7月14日). 2014年1月12日閲覧。
  30. ^ Boston Red Sox Set 2013 Opening Day Roster”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年3月31日). 2014年1月12日閲覧。
  31. ^ Jason Mastrodonato (2013年4月14日). “Buchholz flirts with history as Sox blank Rays”. MLB.com. 2014年1月12日閲覧。
  32. ^ Red Sox announce roster moves”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年6月18日). 2014年1月12日閲覧。
  33. ^ Red Sox activate Clay Buchholz from 60-day disabled list”. MLB.com Red Sox Press Release (2013年9月10日). 2014年1月12日閲覧。

外部リンク[編集]