カワウ
| カワウ | ||||||||||||||||||||||||
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カワウ Phalacrocorax carbo
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| 分類 | ||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||
| Phalacrocorax carbo Linnaeus, 1758 |
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||
| カワウ | ||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||
| Great Cormorant | ||||||||||||||||||||||||
| 亜種 | ||||||||||||||||||||||||
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カワウ(河鵜、川鵜、学名:Phalacrocorax carbo)は、ペリカン目(Sibley分類ではコウノトリ目に属する)、ウ科に分類される鳥類の一種。名前の由来は文字通り「川」に生息する「鵜」である。ただし、河川のみならず、河口付近や浅海域でも普通に見ることができる。
目次 |
[編集] 分布
アフリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸、ニュージーランド、北アメリカ大陸東部沿岸、グリーンランドの一部など広い範囲に分布する[2]。
日本には本州、四国、九州に繁殖地があり、留鳥(または漂鳥)として生息する[1]。青森県の六ヶ所湖沼群が繁殖の北限とされ[3]、本州北部では夏鳥として繁殖する。四国には留鳥として一部繁殖し、多くは冬鳥として飛来する。対馬、伊豆諸島、小笠原諸島(聟島)、琉球諸島(沖縄島、宮古島、西表島、与那国島)、大東諸島(南大東島)では冬鳥[1]。
日本では環境悪化により一時生息数を大幅に減らし、1980年代[4]、繁殖地は下北半島(青森県)、上野公園の不忍池(東京都)、知多半島(愛知県)、伊勢市五ヶ所浦(三重県)、 沖黒島(大分県)などに限られ[5]、不忍池以外は個体群の維持が危惧されていた。しかし公害規制による河川水質の向上で餌となる魚が増え、1990年代以降[2]、その数は飛躍的に増加した。
[編集] 亜種
- P. carbo carbo (Linnaeus, 1758) 基亜種 - 北ヨーロッパ、北アメリカ北部。冬季はガルフ・コースト、アフリカ北西部まで。[6]
- P. carbo sinensis - 北・中央ヨーロッパから中国南部。冬季は東南アジア、インドネシアまで。[6]
- P. carbo hanedae (Kuroda, 1925) 亜種カワウ - 本州(日本)。[6]
- P. carbo maroccanus - アフリカ北西部沿岸(モロッコからモーリタニア)。[6]
- P. carbo lucidus - アフリカ(サハラ以南)、カーボベルデ。[6]
- P. carbo novaehollandiae - オーストラリア、タスマニア、ニュージーランド、チャタム諸島。[6]
[編集] 形態
全長約82cm[5] (80-101cm[7])、翼開長約135cm[5] (130-160cm[7])。体重1.81-2.81kg[8]。全身がほとんど黒色で大形のウ類であり、色、大きさともウミウに似るが、背や翼には褐色みがあり、くちばしの基部の黄色い口角部分には丸みがある。雌雄同色で、全体に黒い羽色だが、繁殖期には婚姻色として頭部が白くなり、腰の両側に白斑が出る。幼鳥は全体に淡褐色で、胸などの下面が淡くて白っぽい個体もいる。
日本の亜種カワウ P. c. handae は最も小形で、ウミウよりもやや小さい[2]。
[編集] 生態
主に河川部や湖沼などに生息し、近年は個体数が増加した影響からか海上でも見られる。本種の主なエサであるコイなどが、人の手による無計画な放流により上流域にも生息するようになったので、本種もまた山間部など上流域に進出している。
カワウは群れで溜まる場所をいくつか持っており、ここで休息と睡眠をとる。夜明けには採餌のために隊列を成して餌場に向かい、夕方になると再び群れでねぐらに戻る。群れでの飛翔時には、V字形に編隊を組んで高く飛ぶことが多い。
このねぐらの内からコロニーを水辺に形成し、繁殖を行う。この群れは数十羽から数千羽にまで及ぶこともある。季節を問わず冬でも繁殖できるが、営巣活動は春先と秋に特に活発である。一夫一妻で、枯れ枝などを利用して樹上や鉄塔などに皿形の巣を作る。淡青色で無斑の卵を3-4個産み、雌雄交代で抱卵する[5]。卵は約1か月程度で孵化し、雌雄で育雛する。雛は40-50日で巣立つ。
鳴き声は、「グルルルル」「グワワワ」「ゲレレレ」など、コロニーにおいて、喉を震わせて何度も鳴き、時に「グワッグワッ」「グワー」という短い声や伸ばす声も発する[3]。雛は高い声で「ピューユイ、ピューユイ、ピー」と鳴いて親鳥に給餌を求める[3]。営巣地以外ではあまり鳴かず、飛翔時に鳴き声を聞くこともほとんどない。
餌となるのはほとんど魚類で、潜水して捕食する。捕獲する際には時に1分以上、水深10m近くまで潜水することもある。魚種の選択性はない。近縁種のウミウも同様に巧みな捕食者で、鵜飼いにも利用されるのはよく知られている。大正より前にはウミウと混同されていた[2]。1羽で1日500gの魚を食べると言われ、現在6万羽以上に増えたと推測される。
長時間、同じ姿勢を保ち濡れた翼を広げ小刻みに震わせ翼を乾かす習性を持つ。
[編集] 分布拡大による問題点
カワウは営巣時、生木の枝を折り取るため、コロニーでは樹木の枯死が広範囲にわたって起こることが多い。また、多量の真っ白な糞によりコロニーや採餌場所では水質・土壌汚染、悪臭、景観の悪化など招く。日本の大コロニーとしては、不忍池や琵琶湖の竹生島が知られているが、後者は1983年の生息確認から、わずか10年近くで3万羽を数えるまでに拡大したことで注目を集めている。竹生島のコロニーからは、若い個体が日本各地へ巣立ちをしており、中には九州にまで到達した個体も確認されている。こうした生息域の広がりは、地域固有の環境を破壊したり、漁協などによって人為的に放流されたアユやアマゴなどの漁業被害を与えるなど深刻な状況となっている。
2007年3月、環境省は鳥獣保護法に基づく狩猟対象にする方針を決め[9]、2007年6月1日以降には狩猟鳥となり、狩猟可能な期間と地域であれば特別な許可なく捕獲できるようになった。新たに狩猟鳥に加えられたのには、全国で70億円を超すとされる本種による農林水産業被害に拠るところが大きいが、本種の形成するコロニーにより、その周囲の生態系がかく乱されるのを防止することも重視されたようである。
しかし江戸時代以前から本種はその肉にも羽毛にもたいした利用価値はなく、現在もその状況は変わらないので、狩猟鳥になったといってもハンターが積極的に本種を狩猟するかどうかには疑わしいものがあり、ゆえに狩猟による個体数の減少を期待するのは見当違いである、といった意見もある。ただし、狩猟鳥となったことで被害を理由とした駆除の許可を得やすくなったことは確かである。
一方、愛知県知多郡では古くに糞が農業肥料用に重用され、町の財源を潤した。その代価で小学校が建設されたこともあり、現在でもカワウは町のシンボルである。美浜町の繁殖地「鵜の山」は国の天然記念物。
[編集] Sibley分類体系での位置
| シブリー・アールキスト鳥類分類 |
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[編集] 脚注
- ^ a b c 日本鳥類目録編集委員会 『日本鳥類目録 改訂第6版』、 日本鳥学会、2000年、19頁。
- ^ a b c d 三省堂編修所・吉井正 『三省堂 世界鳥名事典』、三省堂、2005年、142-143頁。ISBN 4-385-15378-7。
- ^ a b c 蒲谷鶴彦、松田道夫 『日本野鳥大鑑 鳴き声333 (上)』、小学館、1996年、30頁。
- ^ 高野伸二編 『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』、山と溪谷社、1985年、30-31頁。ISBN 4-635-09018-3。
- ^ a b c d 高野伸二 『カラー写真による 日本産鳥類図鑑』、東海大学出版会、1981年、201-202頁。
- ^ a b c d e f Clements, James (2007). The Clements Checklist of the Birds of the World (6th ed.). Ithaca, NY: Cornell University Press. p. 16. ISBN 978-0-8014-4501-9.
- ^ a b Peter Harrison, SEABIRDS an identification guide, (Paperback, 1985) p. 295. ISBN 0-395-60291-2.
- ^ Brazil, Mark (2009). Birds of East Asia. Princeton University Press. p. 114. ISBN 978-0-691-13926-5.
- ^ 朝日新聞2007年3月24日夕刊
[編集] 参考文献
- 叶内拓哉 『山渓ハンディ図鑑7 野鳥の野鳥 増補改訂新版』、山と溪谷社、2011年、28-29頁。ISBN 978-4-635-07029-4。
- 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥 増補改訂版』、文一総合出版、2009年、頁。ISBN 978-4-8299-0142-7。
- 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、28-29頁。ISBN 978-4-931150-41-6。
- 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社、2000年、49頁。ISBN 4-582-54230-1。