餓狼伝説スペシャル

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餓狼伝説スペシャル
Fatal Fury Special
ジャンル 対戦格闘ゲーム
対応機種 アーケード(MVS)[AC]
ネオジオ[NG]
X68000[X68K]
スーパーファミコン[SFC]
ネオジオCD[NGCD]
ゲームギア[GG]
PCエンジン[PCE]
メガCD[MCD]
FM TOWNS[FMT]
PlayStation 2[PS2]
Xbox 360
Wii
PlayStation 4[PS4]
Xbox One[XB1]
Nintendo Switch[Switch]
開発元 [AC][NG][NGCD]:SNK
[X68K]:魔法
[SFC]:モノリス
[PS2]:SNKプレイモア
[Xbox 360]:SNKプレイモア
発売元 [AC][NG][NGCD]:SNK
[X68K]:魔法
[SFC][GG]:タカラ
[PCE]:ハドソン
[MCD]:ビクターエンタテインメント
[FMT]:ジャパンホームビデオ
[PS2]:SNKプレイモア
[Xbox 360]:SNKプレイモア
[Wii]:D4エンタープライズ
[PS4][XB1][Switch]:ハムスター
人数 1~2人(対戦可)
メディア [AC][NG][SFC][GG]:ROMカセット
[PCE]:アーケードカード専用CD-ROM
[MCD]:CD-ROM
[PS2]:DVD-ROM
[Xbox 360]:Xbox Live Arcade
[Wii]:バーチャルコンソール
[PS4][XB1][Switch]:アケアカNEOGEO
発売日 [AC]:1993年9月16日
[NG]:1993年12月22日
[X68K]:1994年7月28日
[SFC]:1994年7月29日
[GG]:1994年11月25日
[PCE]:1994年12月2日
[MCD]:1995年3月31日
[FMT]:1996年9月13日
[PS2]:2006年7月20日
[Xbox 360]:2007年9月5日
[Wii]:2009年11月4日
[PS4][XB1][Switch]:2017年7月13日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)(PS2、Xbox360、PS4、XB1、Switch)
コンテンツ
アイコン
セクシャル、暴力(PS2、Xbox360)
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餓狼伝説スペシャル』(がろうでんせつスペシャル)は、SNK1993年9月に発売した2D対戦格闘ゲームである。システム基板はMVSで、容量は150メガビット。欧米でのタイトル表記は『Fatal Fury Special』。

概要[編集]

1993年9月16日に登場。1992年12月に発売された『餓狼伝説2』(以下『餓狼2』と表記)のバージョンアップ的な作品。同社の『餓狼伝説』シリーズの系譜に属する作品で、同シリーズでは1995年3月に続編である『餓狼伝説3』が発売され、1994年8月発売の『ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)』シリーズの系譜へも繋がる。ステージ背景などに様々な隠し要素が用意されており、条件を満たすことで見ることができる。各キャラクターのエンディング内容およびグラフィックも変更された。

コンシューマー機への移植は、ネオジオ(1993年12月発売)、X68000(1994年7月、発売元:魔法株式会社)、スーパーファミコン(1994年7月、タカラ)、ネオジオCD(1994年9月)、ゲームギア(1994年11月、タカラ)、PCエンジン(1994年12月、ハドソン)、メガCD(1995年3月、ビクターエンタテインメント)など。各作品においては、オリジナルと異なる点や、追加要素がある。

操作キャラクターは『餓狼2』の8人に加え、同作ではCPU専用キャラクターであった三闘士(ビリー・カーンアクセル・ホークローレンス・ブラッド)、ヴォルフガング・クラウザーが操作キャラクターとして使用可能となった。また、初代『餓狼伝説』よりダック・キングタン・フー・ルーギース・ハワードの3人のキャラクターが加わり、操作キャラクターは合計15名となる。さらに、隠しキャラクターとして、対CPU戦を全て2ラウンドストレート勝ちで進めて最終ボスのクラウザーを倒すと、『龍虎の拳』シリーズの登場のキャラクターであるリョウ・サカザキが乱入し、対戦することになる。リョウはあくまでゲストキャラクターであって、最終ボスではないが、リョウに負けるとゲームオーバーとなる。また、途中で1ラウンドでも落としてしまうとクラウザーを倒してもエンディングとなる。

キャラクターイラストは森気楼が担当した。また、本作のイラストが兵庫県警察の少年犯罪防止運動ポスターに使用された。

ゲームシステムの変更点も多い。キャラクターの性能が調整され、連続技が導入される(前作まではダメージを受けている=のけぞっている間は無敵状態だった)など、今まで以上に対人戦を意識した作品となっている。ライン移動攻撃も変更された。また、よりスムーズにゲームを進行できるようにしたいという制作側の配慮からボーナスステージは削除された[1]

ヒットストップ時間や相手を倒して勝利ポーズに入るまでの時間が短縮されたり、中間デモのボタンスキップが前作以上に素早くできたりと、全体的なテンポが向上している。

発売より長期経過後も、全国規模の大会やファンの集いなどが開催されるなど、長く親しまれる作品である。また、2008年1月にSNKプレイモアが販売した5号機パチスロ機の題材でもある。同社が2006年に発売した『餓狼伝説』の第2弾として登場した。

登場キャラクター[編集]

テリー・ボガード (Terry Bogard)
橋本さとし
ギースに暗殺されたジェフ・ボガードの息子(血はつながっていない)。マーシャルアーツと父譲りの喧嘩拳法を使う。
アンディ・ボガード (Andy Bogard)
声:橋本潤
テリーの弟で骨法の達人。師は舞の祖父・不知火半蔵。
ジョー・ヒガシ (Joe Higashi)
声:生瀬勝久
「嵐を呼ぶ男」の異名を持つムエタイチャンプ。名前を日本式に書くと「東丈」。
ビッグ・ベア (Big Bear)
声:竹田団吾
2メートルを越す巨体のプロレスラー。初代『餓狼伝説』に登場した悪役レスラーである「ライデン」と同一人物だが、改心してマスクを脱ぎ、正統派レスラーとなった。
チン・シンザン (Cheng Sinzan)
声:橋本潤
香港でトップクラスの財力を持つ大金持ちの太極拳使い。
不知火舞 (Mai Shiranui)
声:曽木康代
不知火流忍術を駆使して戦う巨乳くの一。アンディに惚れている。
細かい変更点は装束の色が桃黄から赤白になり、体力ゲージの隣の顔が描き直された。
キム・カッファン (Kim Kaphwan)
声:橋本さとし
正義を重んじ、決して悪を許さないテコンドーの師範。『餓狼2』よりもさらに性能が強化された。特定の条件を満たすと、一部の背景で空を飛ぶ姿を見ることができる。
ホームステージやエンディングには家族(妻のミョンサク、息子のドンファンジェイフン)が登場する。
山田十平衛 (Jubei Yamada)
声:竹田団吾
若いころは「鬼」と怖れられたほどの柔道の達人だが、相当なスケベ老人。煎餅を投げて飛び道具にする。エンディング画面では女子高生に囲まれている。
ダック・キング (Duck King)
声:マイケル・ビアード
テリーのライバルを自称するモヒカン青年。Pちゃんという名のヒヨコ(本人は「ジュリエッタ」と呼んでいる)を飼っている。本作で追加された超必殺技「ブレイクスパイラル」は、発動時のボイス「You an angel baby!」(意味は「死んじまえ!」、声優のアドリブだという)と広い投げ間合いが特徴。
タン・フー・ルー (Tung Fu Rue)
声:逆木圭一郎
ジェフとギースとチンの師匠で中国拳法「八極聖拳」の達人。超必殺技「旋風剛拳」で自身の筋肉を巨大化させるが、これは気の力が見せる幻影である。
ビリー・カーン (Billy Kane)
声:生瀬勝久
三闘士の1人。ギースの側近で三節棍棒術の達人。前作では(実は)生きていたギースの命令を受け、クラウザーの部下に成りすましたスパイであった。パーフェクト勝ちすると4万点のボーナスが貰える。
アクセル・ホーク (Axel Hawk)
声:マイケル・ビアード
三闘士の1人。ボクシングの元ヘビー級チャンピオン。大切なものに「お母さん」を挙げるなど、母親想いでもある。
本作ではマイケル・マックスから飛び道具の「トルネードアッパー」を伝授され、飛び道具が変更された。パーフェクト勝ちすると6万点のボーナスが貰える。
ローレンス・ブラッド (Laurence Blood)
声:生瀬勝久
三闘士の1人。素手で闘牛を殺せる凄腕の闘牛士。パーフェクト勝ちすると8万点のボーナスが貰える。
ギース・ハワード (Geese Howard)
声:生瀬勝久
サウスタウンの支配者。『餓狼伝説』でテリー、アンディ、ジョーのいずれかに倒され、死亡したと思われていたが、本作で復活を果たす(ただし、本作は公式ストーリーが存在しないため、正式な生存が確認されるのは『餓狼3』)。当て身投げなどを装備し、さらに強化されての登場。クラウザーの異母兄に当たる。パーフェクト勝ちすると10万点のボーナスが貰える。
ヴォルフガング・クラウザー (Wolfgang Krauser)
声:マイケル・ビアード
シュトロハイム城の城主。裏世界では「暗黒の帝王」と呼ばれ、畏怖されている。ギースの異母弟でもあるが、彼もクラウザーもお互いの存在を認めず、反目し合っている。パーフェクト勝ちすると18万点のボーナスが貰える。

ゲストキャラクター[編集]

リョウ・サカザキ (Ryo Sakazaki)
声:臼井雅基
SNKの別作品『龍虎の拳』の主人公。業務用ではCPU専用の隠しボスキャラクターとしてゲスト登場。『龍虎の拳』と『餓狼伝説』では時代設定が異なるため、このリョウは「プレイヤーが見た幻」ということになっている。名目上では「隠しキャラクター」だが、アーケード版の初披露の際に展示会のPVに登場していた。
高い攻撃力に加え、隙が皆無で飛び道具の撃ち合いでも負けない連射力を持つ「虎煌拳」、突進速度が速くガード不能の超必殺技「龍虎乱舞」を持つなど、無類の強さを誇る。なお、「龍虎乱舞」は初代『龍虎の拳』のそれよりも攻撃回数が増えている。パーフェクト勝ちすると20万点のボーナスが貰える。
企画段階では隠しボスに『ワールドヒーローズ』のハンゾウが考えられていたが、当時は子会社とはいえ他社のキャラクターだった上、「やっぱりリョウの方が面白いんじゃないか」ということで、リョウに落ち着いた。リョウのデザインに関しては、初代『龍虎』でリョウを担当した人物に頼んだという。また、ジャッキー・チェンやSNKの社長を出すという案まで挙がっていたが、「誰も分らないからボツにしました(笑)」という[1]

CPU戦[編集]

使用キャラクターを選んだ後、三闘士とギースとクラウザーを除いた10人の中から最初の対戦相手を選ぶ。

序盤の10人を倒すとビリー→アクセル→ローレンス→ギース→クラウザーと続いていき、この時点で1ラウンドも落としていない場合はリョウが出現する。

登場順が後に登場するキャラクターほどCPUのアルゴリズムが強くなり、技の威力も跳ね上がっていく。ギースとクラウザー以外のキャラクターが対戦で使用されて負けた場合はCPU戦でも倒された扱いとなり、前述の順番の次のキャラクターへと対戦順が進められる。

1ラウンド落とした場合でも「そのまま負けてコンティニューする」「その試合中に乱入対戦され、ストレート勝ちする」「負けてメモリーカードにデータをセーブし、再開する」といった方法で、その負けを無効化することができる。

移植作品[編集]

ネオジオ
SNK 1993年12月22日発売
アーケードの基板と仕様は同一だが、リョウ・サカザキが対戦で使用できる、サウンドテストモードがある等といった違いがある。また、対CPU戦で1ラウンドも負けずにクリアすると、通常のエンディングの後にキャラクター総出演の短いデモがいくつか入り、これは設定した難易度によっても内容が大きく変化する。
X68000
魔法 1994年7月28日発売
内容はネオジオ版に近い出来だが、ゲーム自体の容量が大きいためハードディスクで起動しないとディスクの入れ替えが多く手間が掛かる。システムディスク以外のデータディスクは全て「9セクターフォーマット」という物でX68000では特殊なフォーマットを利用し、フロッピーディスクに少しでも多くのデータを入れる努力をしている。前作同様ロード時間は大きい。容量は109メガビット。
スーパーファミコン
タカラ 1994年7月29日発売
発売元は一緒だが開発を担当したのは別の開発会社である。前作の『餓狼2』に比べてグラフィック面の移植度が向上しており、奥ラインに移動するとキャラクターが縮小されるようになっている。連続技は使用可能だが、一部の技のモーションおよび性質が、ネオジオ版とは異なる[2]
タメ技が出しにくい(タメ→一定時間ニュートラルにしてから方向キー+ボタン)ので、他機種と比べ操作性に難がある。
サウンド面では「ドルビーサラウンド」に対応しており、オプションの設定によりサラウンド効果を得ることができる。BGMには大胆なデジタルロック要素を含むアレンジがなされている。
裏技でリョウが使えるのはネオジオ版と同じだが、本作品では対CPU戦でも使用可能。タイトルデモは容量の関係で省略。いわゆる「次世代機」の影が見え始めてきた頃でもあり、SFCではハードの性質上スペックが足りなくなったことなどから、SFCでリリースされる『餓狼伝説』シリーズは今作で最後となった。容量は32メガビット。
またSFCオリジナルとしてライセンスモードがある。このモードは3分以内に全員を倒すのが目的であり、いつでも超必殺技が出せるようになっている。試合は1ラウンド制で、相手を60秒以内に倒すとボーナス点を得られる。相手の攻撃を食らったり、時間が経つごとに点数は減っていく。戦う順番はランダムであるため、いきなり三闘士やギースやクラウザーが出る時があり、リョウが使用できるようになっている場合も同様である。
ネオジオCD
SNK 1994年9月9日発売
BGMが生音源である以外はネオジオ版とほぼ同じ。ロードが異常に長い。
ゲームギア
タカラ 1994年11月25日発売
携帯機への移植ながら、キャラクターはデフォルメされておらず等身大である。登場キャラクターはテリー、アンディ、ジョー、舞、タン、ダック、ビリー、ギース、リョウの9人のみ。動きなどはメガドライブ版『餓狼伝説2』のものに近く、技の性能は本家と違うが独自の連続技が可能。容量は4メガビット。
PCエンジン
ハドソン 1994年12月2日発売
アーケードカード専用CD-ROM2ソフト。前作の移植と同様にSNKからのデータ供与を受け、ネオジオ版のキャラクターのサイズやパターン、アルゴリズムを再現している。ロード時間もソフト制作技術の向上によって大幅に短縮されており、CD-ROMで発売された各機種版の中では最もロード時間が短い。サウンド面ではRSS(Roland Sound Space)による立体音響を採用している。BGMはCD-DAによるアレンジバージョンだが、前作よりもオリジナルを尊重したものとなっている。ADPCMが1音のため同時発音できないボイスも、音声を分割して交互に発音することで全て聞こえるようになった。コマンド入力によりリョウが使えるようになるが、ネオジオ版同様、対人戦のみとなっている。容量は79メガビット(CD-DAデータを除く)。
メガCD
ビクターエンタテインメント 1995年3月31日発売
家庭用マシン移植の中では最後発。ネオジオ版を基準にして制作されたが、キャラクターのパターン、ボイス、SE等がかなりカットされている。特に背景画は各ステージの象徴的なオブジェクトや観客、アニメーションが大幅にカットされ、また本機特有の発色数の問題もあり色使いが大胆に簡略化されている。BGMは業務用そのままのものを収録してCD-DAで再生しているが、対戦終了後の次のチャレンジャーが紹介されるシーン等は無音になるなど、BGM自体がカットされている部分もある。説明書などには触れられていないが、リョウは対戦・CPU戦ともに使用可能で、隠しコマンド等の入力なども必要ない。容量は88メガビット(CD-DAデータを除く)。
FM TOWNS
ジャパンホームビデオ 1996年9月13日発売
CD-ROMと起動用FDDを用いているため、X68000版とは異なりFDDの入れ替えの必要はなく再現度は初期の移植作品(ネオジオ・ネオジオCD以外)の中ではX68000版に次いで高い(ただし山田十平衛ステージの衝立はカットされた)。当作品がFM TOWNSゲームソフトの最後のソフトとなった。
PlayStation 2
SNKプレイモア 2006年7月20日発売
NEOGEO オンラインコレクションの第5弾『餓狼伝説 バトルアーカイブズ 1』の収録タイトルの1つとして移植され販売された。PS2版追加要素を除き、アーケード版のほぼ完全な移植となっている。「DVD-ROM」というディスクメディアではあるが、一度タイトルを選択するとBGM以外のデータを全て一括で読み込むため、ゲーム開始後にロード時間で待たされる事はない(BGMはDVD-ROM内から再生)。
Xbox 360
マイクロソフト・SNKプレイモア 2007年9月5日配信
Xbox Live Arcade用タイトルとしての移植作。Xbox Liveによる通信対戦が行うことができるほか、他人の対戦を観戦できるモードが実装された。Xbox360自体スペックが非常に高いため、ごく一部を除きアーケード(ネオジオ)版が完全再現されている(ネオジオ起動画面は表示されない)。また、ロード時間も起動時の数秒のみであり、ゲーム中のロードはない。
Wiiバーチャルコンソール
D4エンタープライズ 2009年11月4日配信
ネオジオ版の移植。バーチャルコンソールは基本的にオリジナル版をほぼ忠実に移植するため、内容にネオジオ版との違いはない。
PlayStation 4Xbox OneNintendo SwitchアケアカNEOGEO
ハムスター 2017年7月13日配信
MVS版の移植。アケアカNEOGEOの1作品として各プラットフォームで配信開始。

オリジナル サウンドトラック[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『ALL ABOUT 餓狼伝説スペシャル』 195-196頁。SNKインタビュー。
  2. ^ テリー、アクセル、ギースの一部の通常技のモーションおよび性質の変更、アンディやジョーの突進技のコマンドがタメ技になっている点など。ビリーのライン移動攻撃は、弱強とも同じ攻撃「旋風飛翔棍」(キックのライン攻撃)になっている。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]