胡 (姓)

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中国語
中国語 フー
繁体字
簡体字
発音記号
標準中国語
漢語拼音
国語ローマ字Hu
注音符号ㄏㄨˊ
呉語
上海語ローマ字Wu1
粤語
粤拼Wu4
閩南語
閩南語白話字Ô͘
朝鮮語
ハングル
漢字
英語Ho, Hoh, Hu
ベトナム語
ベトナム語ホー
クオック・グーHồ
チュノム

(こ)は、漢姓の一つ。

中国[編集]

(こ)は、中国の姓の一つ。『百家姓』には158番目に挙げられている。

2020年の中華人民共和国第7回全国人口調査中国語版国勢調査)に基づく姓氏統計によると中国で15番目に多い姓であり、1664.40万人がいる[1][2]。一方、台湾の2018年の統計では第38位で、128,704人がいる[3]

発音が近い名字と区別するために、「古に月の胡」と呼ぶことが多い。

起源[編集]

南宋鄭樵が著した『通志』氏族略は、胡姓の起源として、を姓としたもの、国名を姓としたもの、改姓によるものを挙げている。

嬀姓胡氏
  • の後裔とされる嬀満(本姓は嬀。胡公満とも呼ばれる)は、の建国時に武王によって公に封建され、胡公の諡を得た。胡公の末裔は諱から胡を姓としたという。嬀姓の末裔は5つの姓に分かれたといい(「嬀五姓」、すなわち・胡・)、胡姓はその一つである。
帰姓胡氏
  • 春秋時代、現在の安徽省河南省の省境付近にという国があった。帰姓の国と姫姓の国の2つがあったが、いずれも国君の末裔は国号をもって姓とした。
他姓からの改姓
  • 「胡毋」(胡母とも)という複姓があり、代に太史令胡毋敬中国語版代に胡毋生中国語版や胡毋班という人物を輩出した。代以後、胡毋氏は「胡」の一字姓に改めるようになった。
  • 末、李姓の皇裔の中で胡三公によって危機を救われ、胡に改姓した者があった。
他民族の漢化
  • 魏書』官氏志によれば、鮮卑骨氏は孝文帝とともに南下して中原に定住し、漢風の姓として「胡氏」に改めた。

分布[編集]

他にも、契丹高車満州民族ミャオ族ヤオ族プミ族イ族回族ナナイ(ホジェン族)、ダウール族リス族ペー族シベ族など、古今の民族(中国の異民族中国の少数民族)のうちに、多くの胡姓が見られる。

郡望・堂号[編集]

著名な人物[編集]

朝鮮[編集]

(ホ)は、朝鮮人の姓の一つである。2015年の韓国国勢調査による人口は1,494人[4]

著名な人物[編集]

氏族[編集]

氏族(本貫) 始祖 人数(2015年)[4] 備考
加平胡氏 206
甲平胡氏 12
江陵胡氏 10
江西胡氏 10
開平胡氏 7
九安胡氏 5
吉州胡氏 51
羅州胡氏 5
大邱胡氏 16
密陽胡氏 15
潘応胡氏 7
遂安胡氏 80
順安胡氏 32
順雲胡氏 8
崇安胡氏 227
承安胡氏 9
牙山胡氏 41
岳陽胡氏 111
安養胡氏 5
崖江胡氏 11
崖京胡氏 9
龍岡胡氏 9
隆安胡氏 9
宜寧胡氏 11
仁川胡氏 6
定陽胡氏 16
定州胡氏 12
昌州胡氏 8
巴陵胡氏 胡安国 136 파능호씨
巴陵胡氏 胡安国 84 파릉호씨
八陵胡氏 6
八寧胡氏 12 팔령호씨
八寧胡氏 20 팔영호씨
平山胡氏 138
豊川胡氏 5
漢陽胡氏 14
匈安胡氏 20

ベトナム[編集]

(ホー)は、ベトナムの姓の一つ。

著名な人物[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 中国信息报 2022年11月11日 2版 - “百家姓”规模及其占全国总人数比重” (中国語). 中国信息报 (2022年11月11日). 2023年2月11日閲覧。
  2. ^ “百家姓”人口占全国人口比重达84.55%” (中国語). 中国信息报 (2022年11月11日). 2023年2月11日閲覧。
  3. ^ 全國姓名統計分析”. 中華民国内政部. p. 280 (2018年10月). 2023年1月18日閲覧。
  4. ^ a b KOSIS”. kosis.kr. 2022年11月27日閲覧。

関連項目[編集]