孫氏
孫氏(そんし)は、漢姓の一つ。中国、韓国、北朝鮮、ベトナム、日本に見られる。
中国の姓[編集]
孫 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 孫 |
簡体字: | 孙 |
拼音: | Sūn |
注音符号: | ㄙㄨㄣ |
ラテン字: | Sun |
広東語発音: | Syun1 |
上海語発音: | Sen1 |
台湾語白話字: | Sun |
まずは、春秋時代の楚の公族である孫叔敖(蔿艾猟)がおり、彼の子孫は孫氏と称したという。
さらに兵法家である著名な孫武の一族がいる。孫武は斉の宗族の出身とされ、孫子と尊称され、後に彼の業績は『孫子の兵法』として伝えられた。孫武の子孫には中国戦国時代の兵法家で自らも孫子と尊称され斉に仕えて活躍した孫臏がいる。
また、後漢の孫堅及び孫策親子もまた孫武の子孫とされるが、孫堅以前の父系の記録が不明であるため、その信憑性に欠けるという指摘もある[1]。
ちなみに、孫堅の家系は孫堅の次男・孫権が、兄・孫策の死後その家督を継承し、三国時代において呉を建国した。その後、呉は晋により滅亡させられるが、孫氏の末裔は現在の中華人民共和国杭州の富陽市南部の龍門古鎮という村に住んでいるとされ、この村では9割の人間の姓が「孫」である。
また、同じ富陽市の場口鎮の外れにある集落にも孫氏の末裔がいるとされ、「孫氏宗祠」を守っている。
著名な人物[編集]
- 孫武 - 春秋時代の武将・軍事思想家。兵法書『孫子』の作者。
- 孫臏 - 戦国時代の斉の軍人・思想家。兵家の代表的人物の一人。孫武の子孫。
- 孫堅 - 後漢末期の武将。呉を建国した孫権の父。
- 孫策 - 後漢末期の武将。孫堅の子。
- 孫権 - 呉の初代皇帝。孫策の弟。
- 孫綝 - 呉の武将・政治家。
- 孫晧 - 呉の末帝。
- 孫文 - 政治家・革命家。初代中華民国臨時大総統。「中国革命の父」・「国父」。
- 孫伝芳 - 清末民初の軍人。
韓国、北朝鮮の姓[編集]
詳細は「孫 (朝鮮人の姓)」を参照
孫(そん、ソン)は、韓国、北朝鮮の姓の一つ。
ベトナムの姓[編集]
トン | |
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各種表記 | |
クォック・グー: | Tôn |
北部発音: | トン |
中国語表記: | 孫 |
孫(そん、トン)は、ベトナムの姓の一つ。
著名な人物[編集]
- トン・ドゥック・タン(孫徳勝) - ベトナムの政治家。
琉球の姓[編集]
孫(そん)は、琉球王国の士族が持った唐名(からなー)の姓の一つ(沖縄県の名字参照)。
氏族[編集]
脚注[編集]
- ^ 宋代に書かれた『異苑』という書物に、瓜売りをしていたのが孫堅の父「孫鍾」という人物で、同じく南朝宋の文献と見られ、『幽明録』(現在は散逸)にも、東晋の裴啓が著した『裴子語林』にも「孫鍾」の名が記されており、それによると孫堅は「孫武の子孫」とは一切記されていない。
参考文献[編集]
- 山口直樹 『三国志を行く-群雄決起編』 世界文化社、2006年。ISBN 4-418-06115-0。
関連項目[編集]
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