納税者番号制度

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納税者番号制度(のうぜいしゃばんごうせいど)とは納税者の管理制度の一つ。納税する年齢に達した国民に番号を割当、所得資産、納税の状況を一元的に把握するシステム。

各国の状況[編集]

アメリカ[編集]

アメリカ合衆国では1936年にSSN[1]制度を導入。これは社会保障制度のための番号制度であったが、1961年以降は納税管理においても使用することとなった。2000年代の現在では銀行口座の管理など多目的に使われており、納税者番号制度というよりも国民総背番号制度に近い。

イギリス[編集]

国民保険番号[2]が一部利用されている[3]

イタリア[編集]

コーディチェ・フィスカーレが導入されている。また、法人(税制上のみなし法人を含む)にはパルティータIVA[4]がある。両者の違いは、領収書の発行者はパルティータIVAが必要で、領収書には、領収者のパルティータIVA、支払者のコディーチェ・フィスカーレまたはパルティータIVAの記載がなければ、税務上の正規の領収書として使用できない。また、各種の契約書(不動産賃貸契約、固定電話契約、電力契約、不動産譲渡契約自動車などの動産の譲渡契約など)には、双方のコディーチェ・フィスカーレまたはパルティータIVAの記載が必要となっており、国民番号的な要素もある。

ドイツ[編集]

2009年から導入が開始された。

日本[編集]

日本では各税務署単位で運用の便宜上のために管内の個別の納税者に対応した整理番号が設定されているが、他の税務署管外に引っ越しをすれば新たに別の整理番号が設定されるようになっている。そのため、各税務署の枠を超えた全国統一の納税者番号は存在しなかった。

大蔵官僚の内海孚を中心に、付加価値税の導入を見越して税の執行体制の整備、不公平税制の是正を行おうとしていたが、日本ではアイデンティフィケーション(身元確認)の手段がないため、利子配当課税の徴収における最大の問題点となっていた[5]。そのため、「昭和五十四年度の税制改正に関する答申」には「利子・配当所得の適正な把握のため納税者番号制度の導入を検討すべきである」との導入検討意見が盛り込まれ[5]、1983年(昭和58年)には、全国統一の納税者番号制度としてグリーンカードの導入が決まったが、パチンコ屋などの中小企業主や政治家から「収入がガラス張りになる」との反対論が噴出し、彼らから資産を預かる金融機関も同様に反対したため、最終的には撤回された[6]

日本の納税者番号制度についてはコンピュータネットワークプライバシー管理など技術の進歩や社会的な問題意識の深まりの変化に合わせて、さまざまな機関や学識経験者などによって国民総背番号制を視野にいれた制度について検討され続けてきた。

政府税制調査会は過去何度も納税者番号制度を提唱してきたが、所得に対してではなく金融資産の把握を目的とした内容になっていた(事業所得や給与所得への課税目的ではなく銀行預金の利子所得や株式譲渡益などに対して総合課税をする金融所得課税一元化[7]が政府税制調査会の答申に盛り込まれていた。所得のための納税者番号制ではなく、個人金融資産の元本把握が目的である)。

自由民主党憲法改正草案では日本国憲法第29条財産権)規定について「侵害してはならない」から「法律で認めたものを保証する」と改正する案になっていることなども理由の一つに挙げられる[8]。個人資産である預金にも番号を振るべきだと時の内閣総理大臣安倍晋三が国会質疑で答弁した事実もある。政府税制調査会は2014年(平成26年)秋に同様の方針をまとめた。

民主党は結党以来の「基本政策」として納税者番号制の導入を掲げてきた[9]

行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の改正(マイナンバー法)に基づき、2016年(平成28年)に税と社会保障などの手続に使用するマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)が開始された[10]

フランス[編集]

導入されていない。

各国の類似の制度[編集]

類似の制度
アイスランド Kennitala
アイルランド Personal Public Service Number
アメリカ合衆国 社会保障番号
イギリス National Insurance number
イタリア コーディチェ・フィスカーレ
インド Unique Identification Number
インドネシア Citizen's identity number
オランダ National identification number
カナダ Social Insurance Number
クロアチア Personal identification number
オーストラリア Tax File Number
スウェーデン Personal identity number
スペイン NIE Number
スロベニア Unique Master Citizen Number
セルビア Unique Master Citizen Number
大韓民国 住民登録番号
中華人民共和国 Identity card number
デンマーク Personal identification number
トルコ Turkish Identification Number
日本 個人番号
ニュージーランド NHI Number
ブラジル Cadastro de Pessoas Físicas
フランス INSEE code
ブルガリア Uniform civil number
ポーランド PESEL
ボスニア・ヘルツェゴビナ Unique Master Citizen Number
マケドニア Unique Master Citizen Number
マレーシア National Registration Identity Card Number
メキシコ Unique Population Registry Code
モンテネグロ Unique Master Citizen Number

脚注[編集]

  1. ^ : Social Security Number
  2. ^ : National Insurance Number
  3. ^ 鳥毛拓馬 (2009年6月16日). “金融所得一体課税と納税者番号制度の実現時期”. コラム. 大和総研ホールディングス. 2009年12月5日閲覧。
  4. ^ : Partita IVA
  5. ^ a b 大下英治 『財務省秘録―大物次官、大臣らの証言で綴る』 徳間書店 p.32〜33
  6. ^ 大下英治 『財務省秘録―大物次官、大臣らの証言で綴る』 徳間書店 p.35
  7. ^ 「金融所得課税の一体化についての基本的考え方」の概要 財務省
  8. ^ 日本国憲法改正草案 自由民主党
  9. ^ [1]
  10. ^ 内閣官房 マイナンバー 社会保障・税番号制度 概要資料 平成26年10月版 25ページ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]