個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律

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個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 個別労働紛争解決促進法
法令番号 平成13年7月11日法律第112号
効力 現行法
種類 労働法
主な内容 個別労働関係紛争のあっせん等
関連法令 労働関係調整法など
条文リンク 個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律
施行規則
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個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(こべつろうどうかんけいふんそうのかいけつのそくしんにかんするほうりつ、平成13年法律第112号は、日本の法律。個別労働関係紛争の解決を図るための手続等を定める。

構成[編集]

本則第1条~第22条及び附則からなる。

目的[編集]

この法律は、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働者の募集及び採用に関する事項についての個々の求職者と事業主との間の紛争を含む。以下「個別労働関係紛争」という。)について、あっせんの制度を設けること等により、その実情に即した迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする(第1条)。個別労働関係紛争が生じたときは、当該個別労働関係紛争の当事者は、早期に、かつ、誠意をもって、自主的な解決を図るように努めなければならない(紛争の自主的解決の原則、第2条)。

本法制定の背景には、個別紛争の増加がある。日本では集団紛争(使用者と労働組合との間の紛争)については、労働関係調整法等により労働委員会による解決手続が終戦直後から整備されていたが、個別紛争については、法律上特別な解決手続は長らく存在しなかった。しかし、非正規雇用等の増加による雇用形態の多様化、成果主義の広がりによる労働条件の個別化、それらに伴う労働組合の機能低下、長期不況による紛争自体の増加などを背景に、集団紛争が減少する一方で個別紛争が急増していることから、本法が制定された。

紛争調整委員会[編集]

都道府県労働局長は、個別労働関係紛争を未然に防止し、及び個別労働関係紛争の自主的な解決を促進するため、労働者、求職者又は事業主に対し、労働関係に関する事項並びに労働者の募集及び採用に関する事項についての情報の提供、相談その他の援助を行うものとする(第3条)。都道府県労働局長は、個別労働関係紛争(労働関係調整法第6条に規定する労働争議に当たる紛争及び行政執行法人の労働関係に関する法律第26条1項に規定する紛争を除く。)に関し、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該個別労働関係紛争の当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができる。都道府県労働局長は、この助言又は指導をするため必要があると認めるときは、広く産業社会の実情に通じ、かつ、労働問題に関し専門的知識を有する者の意見を聴くものとする(第4条)。紛争解決のために、まずは都道府県労働局の相談窓口にて相談・情報提供を行い、紛争解決のための助言・指導(例えば、明らかな法違反が認められる事案については労働基準監督署への通報等)を行う。

都道府県労働局長は、第4条に規定する個別労働関係紛争(労働者の募集及び採用に関する事項についての紛争を除く。)について、当該個別労働関係紛争の当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において当該個別労働関係紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとする(第5条)。紛争調整委員会はこのあっせんを行う機関として都道府県労働局に置かれ(第6条)、委員会は、3人以上政令で定める人数以内の、学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣が任命した委員をもって組織する(第7条)。委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする(第8条)。

次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない(欠格条項、第9条)。委員が各号のいずれかに該当するに至ったときは、当然失職する。

  1. 破産者で復権を得ないもの
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

厚生労働大臣は、委員が次の各号のいずれかに該当するときは、その委員を解任することができる(第10条)。

  1. 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
  2. 職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められるとき。

適用除外・特例[編集]

この法律は、国家公務員及び地方公務員については、適用しない。ただし、行政執行法人の労働関係に関する法律第2条第2号の職員(行政執行法人に勤務する一般職)、地方公営企業法第15条第1項の企業職員(事業管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員)、地方独立行政法人法第47条の職員(特定地方独立行政法人の職員)及び地方公務員法第57条に規定する単純な労務に雇用される一般職に属する地方公務員であって地方公営企業等の労働関係に関する法律第3条第4号の職員以外のものの勤務条件に関する事項についての紛争については、この限りでない(第22条)。

船員職業安定法第6条1項に規定する船員及び同項に規定する船員になろうとする者に関しては、第3条~第5条中「都道府県労働局長」とあるのは「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と、同項中「紛争調整委員会」とあるのは「あっせん員候補者名簿に記載されている者のうちから指名するあっせん員」[1]とする(第21条)。

脚注[編集]

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  1. ^ 地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)は、あっせん員にあっせんを行わせるため、2年ごとに、学識経験を有する者のうちからあっせん員候補者3人以上を委嘱し、あっせん員候補者名簿を作成しておかなければならない(第21条3項)。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]