個人番号カード

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個人番号カード(表)

個人番号カード(こじんばんごうカード、: Individual Number Card)とは、日本において「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づき発行される身分証明書の一つで、持ち主の氏名、住所、生年月日、性別個人番号(マイナンバー)、証明写真などを券面に表示し、これらをICチップに記録するICカードである。市町村特別区(市区町村)が、住民のうち希望者に当面の間無料で交付する[1]。2016年(平成28年)1月に交付が開始され[2]住民基本台帳カードを置き替える。通称マイナンバーカード[3]

形態[編集]

個人番号カードは、日本の運転免許証キャッシュカードと同じ寸法のプラスチック製ICカードである(ISO/IEC 7810 ID-1規格)[4]。カードには集積回路が埋め込まれていて、裏面には、ICチップと通信するための端子が設けられるほか、非接触カードリーダーに対応の ISO/IEC 14443 Type B のRFID近距離無線通信)が搭載されている。

おもて面には、持ち主の氏名、住所、生年月日、性別、証明写真、有効期間が和暦ではなく西暦で印刷される[1]。裏面には、持ち主の個人番号、氏名、生年月日が印刷される。日本国民の生年月日は戸籍・住民票同様に元号表記、いっぽう在日外国人は西暦表記になっている。また、表面にはサインパネルがあり、運転免許証同様に、住所を変更した場合等、記載事項が変更になった場合に使用する(住民基本台帳カードでは裏面にあったが、後述の通り裏面の提示、コピーが禁止されているため)。

個人番号は法律で決められた場合以外、他人に知らせてはならないことになっているので[5]、個人番号カードを身分証明書として使用する際には、おもて面のみを相手に見せたり、コピーさせたりすることになる。法律で決められた業務を行うために必要な場合以外、個人番号カードの裏面(個人番号)をコピーしたり、そのコピーを保管したりしてはならない[6]

発行[編集]

個人番号カードを持つことが出来るのは、2015年平成27年)10月5日の時点で日本の市区町村に住民票がある個人(日本国籍在日外国人)である。年齢制限はない。日本に住民票がない在外日本人は持つことが出来ず、日本へ帰国後に住民票を作成すると取得可能である。

2015年(平成27年)10月23日以後11月下旬までの間に、順次市区町村から全住民に個人番号の通知書(通知カード)が簡易書留で郵送された。この通知書に付属している申請書で申し込むと、2016年(平成28年)1月以降、個人番号カードの交付を受けることができる。交付を受けるためには、運転免許証日本国旅券などの身分証明書を市区町村の窓口に持参し、窓口で本人確認を受ける必要がある。なお交付の際、個人番号通知カードと住民基本台帳カードは返納しなければならない。

個人番号カードを取得するか否かは本人の自由であり、外出の際に個人番号カードを携帯する義務はない。この点は、自動車運転者にとっての運転免許証日本の外国人在日米軍関係者を除く)にとってのパスポート在留カード中華民国における中華民國國民身分證、中華人民共和国における居民身分証大韓民国における住民登録証とは異なっている。

発行された個人番号カードを受け取る時、利用者証明用電子証明書、および署名用の電子証明書(申請時に「利用しない」にチェックを入れた場合や15歳未満の方については、原則として発行されない)の暗証番号をそれぞれ受け取り場所にて登録しなければならない。[7]

普及[編集]

普及[編集]

  • 2020年3月1日現在、交付枚数は日本全国で19,730,752枚、人口に対する交付枚率は15.5%となかなか普及が進んでいない。[8]
  • 普及がなかなか進まない理由として、個人番号カードを使う機会がほとんどないことやセキュリティに関する不安などが挙げられている。
  • 2022年度にはほとんどの住民が保有していると想定されている。

政府による公務員への取得推進[編集]

政府は国家公務員らによるマイナンバーカードの一斉取得を進めるため、各省庁が全職員に対し、取得の有無や申請しない理由を家族も含めて尋ねる調査を行った。調査を受けた職員からは、法律上の義務でないカード取得を事実上強要されたと感じるとの批判の声が出ている。

セキュリティ[編集]

個人番号カードのセキュリティ対策[編集]

  • 個人番号カードには、最低限の情報のみの記録。税や年金情報などのプライバシー性の高い情報は記録されない。[7]
  • カード内のアプリケーション(「個人認証AP」「証券情報確認AP」「券面入力補助AP」等)毎への条件や暗証番号等のアクセス権情報の設定。[7]
  • アプリケーションファイアウォールによるカード内のアプリケーション(「個人認証AP」「証券情報確認AP」「券面入力補助AP」等)の独立。[7]
  • 偽造や不正な読み出しを目的とした不正行為に対応するための対抗措置(耐タンパー性)。[7]
  • 暗証番号の入力試行回数の制限。[7]
  • ISO/IEC15408認証の取得。[7]
  • レーザーエングレーブやマイクロ文字など、券面の偽変造を防止するための加工。[7]

利用[編集]

個人番号の証明書として[編集]

  • カードの裏面は、利用目的に沿った場合に、個人番号を利用できる者に直接提示、またはカードのコピーと顔写真付きの本人確認書類を併せて郵送することで、持ち主の個人番号を証明することができる。

無償の身分証明書として[編集]

  • カードのおもて面は、証明写真入りの身分証明書として法律上における効力を持ち、官民関係なく使用することができる[9]
    • しかし実際には、マイナンバーカードを身分証明書として認めない事業者が存在する。[10]
  • 取得に1万円以上の費用がかかる日本国旅券(パスポート)[11]や、取得に最低数千円(原動機付自転車免許や小型特殊自動車免許)の費用がかかり、運転免許試験場で試験を受け合格する必要がある運転免許証の代わりに、無料で取得できる身分証明書として利用できる。

オンライン手続のための証明書(電子証明書)として[編集]

  • ICチップに公的個人認証サービスにて利用される電子証明書が格納されるが、希望しない場合は個人番号カード切り替え申請時に格納しないよう任意で選択することもできる。
  • この公的個人認証サービスの電子証明書は、e-Taxなどの電子申請手続に必須となるものである。情報提供ネットワークシステムによる個人情報の提供履歴を確認するために、情報提供等記録開示システム(マイナポータル、2017年(平成29年)以降)にログインする際にも必須となる。
  • 上記の理由で、電子証明書(公的個人認証)を利用する際、個人番号を入力および使用することは一切ない。

マイナポイントとして (予定)[編集]

  • 個人番号カードを活用した消費活性化策(マイナポイント)は、一定額を前払い等した者に対して、個人番号カードを活用したポイントである「マイナポイント」を国で付与するもの。申し込み期間は2020年07月から2021年3月末まで。取得期間(マイナポイントを取得できる期間)は2020年09月から2021年3月末まで。

各種カードや手帳等として[編集]

  1. 2019年度より個人番号カードを活用した各種カードや手帳をデジタル化する計画が進んでいる(対象のカードなどは2〜5の通り)。
  2. 医療関係の分野では、健康保険証、薬剤情報、特定検診情報、患者の利便性向上、処方箋の電子化、お薬手帳、生活保護受給者の医療扶助の医療券。調剤券、介護保険被保険者証、健康診断の記録、母子健康手帳など。[12]
  3. 就労関係の分野では、ハローワークカード、ジョブ・カード、技能士台帳、安全衛生関係各種免許証、技能講習終了証明書、建設キャリアアップカードなど。[12]
  4. 各種証明書関係では、在留カード、教員免許状、大学の教員証、学生証、障害者手帳、e - Tax等、タスポカード、社員証等、運転免許経歴など。[12]
  5. 公共サービスでは、公共交通サービス、図書館カード、その他の地方公共団体発行カードなど。[12]

健康保険証として (予定)[編集]

  • 厚生労働省は、個人番号カードに健康保険証の機能を搭載する方針である[13]。早くて2017年(平成29年)7月からの予定だったが、個人情報漏洩の懸念から延期された。2021年3月から健康保険証として使える予定 読み取り機にカメラ付きの顔認証システムを組み込み、受診者本人が個人番号カードをかざして情報を読みとらせる。保険資格確認用のサーバーで照合するとともに、カードの顔写真で本人確認も行うことが計画されている。

国家公務員身分証として[編集]

  • 国家公務員が保有する個人番号カードのICチップの空き領域に、国家公務員身分証明書の情報が搭載されることになっている[1][14]。つまりこれを持っていないと、勤怠・入退館管理が出来ない。

市区町村独自サービスの利用者カードとして[編集]

カード等の有効期限[編集]

個人番号カード等の有効期限[編集]

マイナンバーカード等の有効期限
カードの有効期限 利用者証明用電子署名書 署名用電子証明書
20歳以上 10回目の誕生日 5回目の誕生日 5回目の誕生日
20歳未満~15歳以上 5回目の誕生日 5回目の誕生日 5回目の誕生日
15歳未満 5回目の誕生日 5回目の誕生日 ×
  • 20歳以上の方のマイナンバーカードの有効期間は、発行の日から10回目の誕生日まで、また2つの電子証明書の有効期間は、発行の日から5回目の誕生日までとされている。[7]
  • 20歳未満の方のマイナンバーカードの有効期間は、容姿の変化が大きいことから、顔写真を考慮して5回目の誕生日とされている。[7]
  • 署名用電子証明書は実印に相当することから、15歳未満の方は、原則として発行されない。[7]

個人番号カードの更新[編集]

  • 更新手続きはマイナンバーカードの有効期限と電子証明書の2種類ある。
  • 有効期限を迎える方に対し、有効期限の2~3ヶ月前を目途に有効期限通知書が送付される。
  • 更新料は無料である。

個人番号カードの電子証明書の有効期限が近づいた場合[編集]

  • 有効期限通知書との有効期限内のマイナンバーカード等の本人確認書類などを持って市区町村窓口で手続きをする。

個人番号カードの有効期限が近づいた場合[編集]

  • 有効期限通知書に記載されいているQRコードなどからマイナンバーカードの申請を行う。

住民基本台帳カードとの違い[編集]

大まかに言えば、個人番号カードは、顔写真入りの住民基本台帳カード「Bタイプ」に対して、個人番号の表示・記録を加えたものになる。住民基本台帳カードの場合、氏名のみが表示され、住所、生年月日、性別、顔写真を券面に表示しない「Aタイプ」が選べたが、個人番号カードには、そのようなタイプは存在しない。また証明写真の規格についても、日本国旅券と同じ基準とサイズが適用され、証明写真に使える写真基準も、旅券申請用の写真規格と同じ基準となり、申請出来る写真規格が厳格化された。

個人番号カードは、住民基本台帳カードと異なり、希望者に無料で交付される[1]日本国政府は、多くの市区町村が交付手数料を徴収したことが、住民基本台帳カードの普及を妨げた要因の一つと分析している[15]。そのため、個人番号カードの発行にかかる費用は、日本国政府の予算で手当てし、本人の金銭負担を無くした[15]

住民基本台帳カードの交付事務は、市区町村の自治事務であったのに対して、個人番号カードの交付事務は法定受託事務である[16]

また、全国の市町村・特別区が個人番号カードの作成業務を地方公共団体情報システム機構に委託する[17]。住民基本台帳カードは、市区町村によりデザインに違いがあったため、第三者による本物か偽物かを見分けるのが困難で、身分証明書としての信用度が今一つであったが、個人番号カードは、全国共通のデザインになった。

日本国籍の住民の場合、住民基本台帳カードの有効期間は一律、発行日から10年であった[18]。個人番号カードの有効期限は、20歳以上の場合、発行日からその後10回目の誕生日まで、19歳以下の場合、発行日からその後5回目の誕生日までとなる[19]

住民基本台帳カード・個人番号カード・通知カードの比較
  住民基本台帳カード 個人番号カード 通知カード
Aタイプ Bタイプ
交付開始 2003年(平成15年)8月
2015年(平成27年)12月交付終了)
2016年(平成28年)1月[2] 2015年(平成27年)10月5日[2]
保有者 希望者 通知カードの交付を受理したもの
交付方法 市区町村の窓口で本人確認・手交 住民票上の住所へ簡易書留で郵送
交付事務の区分 自治事務 法定受託事務
発行手数料 有料・無料(市区町村による) 当面は無料(紛失再発行は有料)[1]
有効期限(日本国籍の場合) 発行日から10年後 発行日から10回目(19歳以下は5回目)の誕生日 なし
材質 プラスチック 紙(透かし付き)
ICチップ あり なし
記録される情報 氏名 券面のみ 券面&IC 券面のみ
外国人の通名
住所 なし
生年月日
性別
個人番号 なし 券面&IC
カードの有効期限 券面&IC なし
顔写真 なし 券面&IC
住民票コード ICのみ
公的個人認証証明書
点字 券面(希望者のみ) SPコード


出典[編集]

  1. ^ a b c d e 個人番号カード(総務省、2015年9月24日閲覧)
  2. ^ a b c 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行期日を定める政令(平成27年政令第171号)(平成27年4月3日官報で公布)
  3. ^ 小田原市 | 個人番号カードについて 最終更新日:2015年10月27日
  4. ^ 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による通知カード及び個人番号カード並びに情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供等に関する省令」(平成26年総務省令第85号)第25条
  5. ^ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第19条
  6. ^ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第20条
  7. ^ a b c d e f g h i j k 総務省|マイナンバー制度とマイナンバーカード|マイナンバーカード” (日本語). 総務省. 2020年3月11日閲覧。
  8. ^ 総務省|マイナンバー制度とマイナンバーカード” (日本語). 総務省. 2020年3月10日閲覧。
  9. ^ マイナンバーの身分証明書としての取扱い 2016年4月22日、内閣府公式サイト、2018年8月14日閲覧。
  10. ^ マイナンバーカードの様式について(総務省|マイナンバー制度とマイナンバーカード)
  11. ^ パスポートの申請から受領まで(初めてパスポートを申請するとき等の例) 2018年7月27日更新、外務省公式サイト、2018年8月14日閲覧。
  12. ^ a b c d デジタル・ガバメント実行計画 | 政府CIOポータル”. cio.go.jp. 2020年3月11日閲覧。
  13. ^ 個人番号カード、保険証に/税管理、病院で使用も/マイナンバー制度(47NEWS、2015年1月20日)
  14. ^ NEC、中央省庁の国家公務員証に付与する身分証明機能を統一で管理する「共通発行管理システム」を提供 NEC、2016年6月9日
  15. ^ a b 個人番号カードを無料に マイナンバー制度、普及促す」(日経電子版、2015年1月8日)
  16. ^ 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」第63条
  17. ^ 篠原俊博(総務省自治行政局住民制度課長)「待ったなし番号制度 制度導入に向け今やるべきこと」(2013年10月)
  18. ^ 住民基本台帳法施行令第30条の16
  19. ^ 「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による通知カード及び個人番号カード並びに情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供等に関する省令」(平成26年総務省令第85号)第26条
  • 朝日新聞 (2019年11月29日). “公務員と家族、8.5万人調査 マイナンバーカード取得推進、県内でも/群馬県” (群馬全県・1地方 ed.). p. 23 
  • 総行福第23号 (2019-06-28), 地方公務員等のマイナンバーカードの一斉取得の推進について(依頼)朝刊 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]