広島高速交通広島新交通1号線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
広島新交通1号線
アストラムライン(2004年12月)
アストラムライン(2004年12月)
概要
通称 アストラムライン
種別 案内軌条式鉄道新交通システム
起終点 起点:本通駅
終点:広域公園前駅
駅数 22駅
運営
開業 1994年8月20日 (1994-08-20)
所有者 広島高速交通
車両基地 長楽寺車庫
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 18.4 km (11.4 mi)
電化 直流750 V
路線図
Astramline map.png
駅・施設・接続路線
uSTR
広電宇品線
utKBHFa uBHF
0.0 本通駅 /右:本通電停
uBHFq utKRZ uABZqlr uBHFq
←広電:本線
utSTR
紙屋町東電停(左)・紙屋町西電停(右)
utBHF
0.3 県庁前駅
utBHF
1.4 城北駅
1.7 新白島駅
hSTRq
hSTRq
JR西山陽新幹線
STRq
JR新白島駅/←JR西:山陽本線
utSTRe
uhBHF
2.1 白島駅
uhWSTR
京橋川新こうへい橋
uhBHF
2.9 牛田駅ビッグウェーブ前)
uhBHF
4.0 不動院前駅比治山大学前)
WABZq+l uhWSTR
太田川
WASSER uhBHF
5.0 祇園新橋北駅
WASSER uhBHF
6.0 西原駅
WASSERl uhWSTR WASSER+r
古川
uhBHF WASSER
7.0 中筋駅
WASSERq uhWSTR WABZgr
古川
WASSER+l uhWSTR WASSERr
安川
WASSER uhBHF
7.8 古市駅
WBRÜCKEq umhKRZ
JR大町駅/←JR西:可部線
WASSER
HUB61
8.4 大町駅
WASSERl uhWSTR WASSER+r
uhBHF WASSER
9.6 毘沙門台駅
uhBHF WASSER
10.6 安東駅安田女子大学前)
uhBHF WASSER
11.4 上安駅動物公園口)
uhBHF WASSER
12.0 高取駅
uhBHF WASSER
12.7 長楽寺駅交通科学館前)
uhABZgl+l uhWSTRq uKDSTr
長楽寺車庫
uhBHF WASSER
13.9 伴駅広陵学園前)
uhWSTR WASSERr
安川
uhBHF
14.9 大原駅
uhWSTR WASSER+r
大塚川
uhBHF WASSER
16.0 伴中央駅
WASSER+l uhWSTR WASSERr
WASSERl uhWSTR WASSER+r
uhBHF WASSER
17.6 大塚駅市立大学口)
uhKBHFe WASSER
18.4 広域公園前駅修道大学前)

広島新交通1号線(ひろしましんこうつういちごうせん)は、広島県広島市中区本通駅から同市安佐南区広域公園前駅に至る広島高速交通新交通システム路線である。愛称はアストラムラインで、日本語の「明日」に英語の「トラム」(電車)という意味から付けられた。

概要[編集]

広島市中心部と広島市北西部(主に安佐南区)の住宅地とを結ぶ足として建設が進められた。広島市中心部から長楽寺駅までの区間が先に建設に着手されたが、安佐南区と佐伯区に跨がるニュータウン「広島西部丘陵都市」の一角に整備された広島広域公園を主会場とする広島アジア大会1994年10月)の開催決定を受け、その会場アクセス鉄道として長楽寺駅 - 広域公園駅間も着工された。1994年8月20日に本通駅 - 広域公園駅間 18.4km の全区間が同時開業した。現在は市中心部と住宅地とを結ぶ足としての機能のほか、広島広域公園内に建設されたエディオンスタジアム広島(広島ビッグアーチ)へのアクセス路線としての機能をも有する。

現在営業中の新交通システムの中では総延長日本一であり、また地下を走行するものは全国初[1]。本通駅から白島駅手前までの1.9km(全線の10.3%)が地下区間である[2][3]。このうち、本通駅 - 県庁前駅間の0.3km(全線の1.6%)が鉄道事業法に基づく鉄道区間であり、この区間のみ「地下鉄」と見なされ[4][5]、地下高速鉄道整備事業費補助制度を受けていた[6][7][5]。なお、案内軌条式鉄道による地下鉄は日本で札幌市営地下鉄とここだけで、側方案内軌条式を採用している地下鉄としては日本で唯一である。残る県庁前駅 - 広域公園前駅間の18.1km(全線の98.4%)は、地下線も高架線も含めて軌道法に基づく軌道区間である。

本通駅 - 中筋駅間は国道54号、中筋駅 - 大原駅間は広島県道38号広島豊平線、大原駅 - 伴中央駅間は広島県道265号伴広島線、伴中央駅 - 広域公園前駅間は広島県道71号広島湯来線に沿って走る。

広島県内のみならず、中国地方で初めて自動改札機が導入された路線でもある。

路線データ[編集]

運行形態[編集]

本通 - 広域公園前間の列車を中心に、本通 - 長楽寺間の区間運転列車、平日朝には大町駅折り返し列車が運行されている。

2010年現在、日中は全区間10分間隔で、土曜・休日は長楽寺折り返しの設定があり、同駅以北 - 広域公園前の末端区間で20分間隔となる時間帯がある。

平日朝ラッシュ時は広域公園前→本通は6 - 8分間隔であるが、長楽寺からの出庫・折り返し便や大町での折り返し便の設定により、大町以南はピークで2 - 3分間隔も運転される。また、平日夕ラッシュ時は6 - 8分間隔で、下りはすべて広域公園前行、上りは一部に長楽寺からの出庫便が入る。

なお、運転士は上下列車とも長楽寺で交代が行われる。そのため、同駅では他の駅よりも停車時間が長く取られている。

また、サンフレッチェ広島のエディオンスタジアム広島での試合開催時には、試合開始と試合終了に合わせて臨時列車が運行される。

急行列車[編集]

1999年(平成11年)3月20日から本通 - 広域公園前間に日本の新交通システムとしては希少な急行列車が運転されていた。

2000年(平成12年)3月20日からは、一部列車が大町で緩急接続をするなど、利便性向上策も取られた。緩急接続は急行に先行して大町行普通列車を設定し、大町では一旦折り返し線へ車両を引き上げて急行を待避し、改めてホームへ据え付け大町始発普通列車として急行に続行して運転する形で行われた。だが、急行列車の運転はシステム規格上の最高速度が65km/hに抑えられていることから、速達性で不十分な面もあり、定着しなかった。

その後、運転取り扱いが煩雑となることや、広島高速4号線経由の都心直通バスなどとの競合による利用者減少もあり、2004年(平成16年)3月20日のダイヤ改正で廃止された。

なお、廃止直前の2004年時点では平日に1往復のみの運行であり、停車駅は本通・県庁前・大町・上安・長楽寺・大塚・広域公園前であった。

車両[編集]

  • 6000系 (1994年 - 現在、6両編成23本)
  • 1000系 (1999年 - 現在、6両編成1本)

車番の百の位は1両目 - 6両目を表す車両番号で、下2桁が編成番号を表す。たとえば6101は1番編成の1両目、6601は1番編成の6両目で、向きが違うだけの同一編成の車両である。1000系電車は6000系の続番となっており、現在1編成しか存在しないので編成番号は24番のみ存在する。

歴史[編集]

駅一覧[編集]

新白島駅のホームドア上にある下り路線案内図。新白島駅に色はついていない。

全線広島県広島市内に所在。城北駅 - 白島駅間の新白島駅は2015年(平成27年)3月14日に開業[10]。それ以外の駅はすべて路線開業時に開業した。

アストラムライン開業時からある駅には、起点の本通駅から桃色、橙色、黄色、黄緑色、緑色、水色、紫色、(以降繰り返し)の順番にステーションカラーが定められ[12]、公式サイトの路線図などもステーションカラーで色分けされていたが[13]、新白島駅のステーションカラーは特に発表されておらず、同駅の開業以降は公式サイトの路線図からステーションカラーが削除された[14]

駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
本通駅 - 0.0 広島電鉄宇品線本通電停 中区
県庁前駅 0.3 0.3 広島電鉄:本線・宇品線(紙屋町東電停・紙屋町西電停
城北駅 1.1 1.4  
新白島駅 0.3 1.7 西日本旅客鉄道山陽本線
白島駅 0.4 2.1  
牛田駅
ビッグウェーブ前)
0.8 2.9   東区
不動院前駅
比治山大学前)
1.1 4.0  
祇園新橋北駅 1.0 5.0   安佐南区
西原駅 1.0 6.0  
中筋駅 1.0 7.0  
古市駅 0.8 7.8  
大町駅 0.6 8.4 西日本旅客鉄道:可部線
毘沙門台駅 1.2 9.6  
安東駅
安田女子大学前)
1.0 10.6  
上安駅
動物公園口)
0.8 11.4  
高取駅 0.6 12.0  
長楽寺駅
交通科学館前)
0.7 12.7  
伴駅
広陵学園前)
1.2 13.9  
大原駅 1.0 14.9  
伴中央駅 1.1 16.0  
大塚駅
市立大学口)
1.6 17.6  
広域公園前駅
修道大学前)
0.8 18.4  

利用状況[編集]

以下の情報は、広島市統計書に基づいたデータである。アストラムラインでは「1年毎乗車総数」と「1年毎降車総数」の情報を公開している。1日平均乗車・降車人員データは、年度毎の乗車総数を365(閏年が関係する1995・1999・2003・2007年は366)で割った値を小数点2位を丸めて小数点1位の値にした物である。アストラムラインのデータは1000で丸めて提供されているので、1年毎ではプラスマイナス500の誤差があり、1日当たりでは1.4人程度の誤差が発生する。

年度 1日平均
乗車人員
1日平均
降車人員
1日平均
乗降車人員
1年毎
乗車総数
1年毎
降車総数
1年毎
乗降車総数
1995年(平成7年) 45,418.0 45,418.0 90,836.1 16,623,000 16,623,000 33,246,000
1996年(平成8年) 48,802.7 48,802.7 97,605.5 17,813,000 17,813,000 35,626,000
1997年(平成9年) 50,232.9 50,232.9 100,465.8 18,335,000 18,335,000 36,670,000
1998年(平成10年) 51,605.5 51,605.5 103,211.0 18,836,000 18,836,000 37,672,000
1999年(平成11年) 52,551.9 52,551.9 105,103.8 19,234,000 19,234,000 38,468,000
2000年(平成12年) 52,997.3 52,997.3 105,994.5 19,344,000 19,344,000 38,688,000
2001年(平成13年) 52,917.8 52,917.8 105,835.6 19,315,000 19,315,000 38,630,000
2002年(平成14年) 49,671.2 49,671.2 99,342.5 18,130,000 18,130,000 36,260,000
2003年(平成15年) 48,688.5 48,688.5 97,377.0 17,820,000 17,820,000 35,640,000
2004年(平成16年) 48,449.3 48,449.3 96,898.6 17,684,000 17,684,000 35,368,000
2005年(平成17年) 49,032.9 49,032.9 98,065.8 17,897,000 17,897,000 35,794,000
2006年(平成18年) 49,474.0 49,474.0 98,947.9 18,058,000 18,058,000 36,116,000
2007年(平成19年) 50,546.4 50,546.4 101,092.9 18,500,000 18,500,000 37,000,000
2008年(平成20年) 51,189.0 51,189.0 102,378.1 18,684,000 18,684,000 37,368,000
2009年(平成21年) 50,221.9 50,221.9 100,443.8 18,331,000 18,331,000 36,662,000
2010年(平成22年) 50,706.8 50,706.8 101,413.7 18,508,000 18,508,000 37,016,000

今後の計画[編集]

開業から20年が過ぎて車両の更新が課題であり、24編成で118億円の費用がかかる見込みである。

また、広島市の長期都市計画として、以前は伴地区からは沼田地区を経て草津もしくは井口地区方面(西部副都心・現在の広島商工センター周辺)へ至るルート(草津沼田道路を導入空間とする)が構想されていたが、西風新都の計画が具体化する中で西部副都心(商工センター)方面への接続と中心市街地(デルタ地区)への接続の利便性・開発促進効果の比較検討や導入空間の確保可能性などが研究されてきた。

1999年(平成11年)11月、広島市はアストラムラインの延伸計画を発表した。広域公園前駅からは東へJR西広島駅を経由してJR広島駅まで延伸する事とし、本通駅からも南へ延伸して広島大学跡地再開発地区まで延伸し“α型”の路線にするとしていた。整備については、同市の財務状況を見ながら3期に分けて順次整備していく予定としていた。そして、2003年には西風新都線の導入空間となる都市計画道路己斐中央線が都市計画決定された。なお、計画では広域公園前駅 - 西広島駅間を「西風新都線」、残りを東西線や南北線と呼称していた。

  • 2027年頃までに広域公園前駅 - 西広島駅間の6.2kmを「単線」で整備(“逆さUの字型”路線の完成)。アストラムライン新駅とJR西広島駅・広電西広島駅を橋上駅舎で接続する「西広島総合駅」の計画も進められている。ただし、西広島駅延伸には、新交通システムでは例のない急勾配があるという問題が浮き彫りになっている。
  • 西風新都線の完成後に、西広島駅 - 白神社前交差点間2.7km及び本通駅 - 白神社前交差点間0.5kmを整備(“Oの字型”の環状線型の路線)
  • 上記の路線の完成後に、白神社前交差点 - 広島大学跡地間0.9km及び白神社前交差点-JR広島駅間2.7kmを整備(この区間の計画は後に廃止)

しかし、2007年(平成19年)2月、広島市は「現状ではアストラムラインの延伸は非常に厳しい。」との見解を示した。また、1千億円以上もの費用がかかる上、特に整備までに長期間を要する東西線と南北線については、代替案として既存公共交通機関(LRTや路線バス)を活用していく方向となった。残る西風新都線については、開通までは同様に既存の公共交通機関を活用しつつ、広島市の「交通ビジョン推進プログラム」の更新に併せて事業化の時期を検討するとしている[15]

その後、2014年(平成26年)12月、広島市は、南北線と東西線の一部である白神社前交差点 - 広島大学跡地間0.9km及び白神社前交差点-JR広島駅間2.7kmの延伸計画の廃止を正式決定した[16]

参考資料

その他[編集]

  • 地上区間の広域公園前 - 古市間と中筋 - 白島間では駅の外観・構造がやや異なる。中筋 - 白島間ではホームの端に階段エスカレーターが設置されているのに対し、広域公園前 - 古市間ではホームの中間に階段とエスカレーターが設置されている(改札とホームが同じフロアにある毘沙門台駅を除く)。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ アストラムラインひとくちメモ”. 広島市. 2014年8月28日閲覧。
  2. ^ よくあるご質問 - 広島高速交通株式会社
  3. ^ その他の地下鉄 - 社団法人日本地下鉄協会
  4. ^ 地下鉄・空港アクセス鉄道等開業一覧 (PDF) - 国土交通省
  5. ^ a b 国土交通省監修『数字でみる鉄道2006』(財団法人運輸政策研究機構)による。
  6. ^ 地下高速鉄道整備事業費補助制度 - 国土交通省
  7. ^ 『鉄道助成ガイドブック』平成24年版 (PDF) 、鉄道建設・運輸施設整備支援機構、p.7
  8. ^ アストラムラインからのお知らせ 2014.2.27「平成26年3月15日(土)アストラムライン ダイヤ改正」”. 広島高速交通 (2014年2月27日). 2015年4月12日閲覧。
  9. ^ アストラムラインからのお知らせ 2014.7.1「この夏、アストラムラインは魅せます!」”. 広島高速交通 (2014年7月1日). 2014年8月28日閲覧。
  10. ^ a b 大西岳彦(2015年3月15日). “新白島駅:開業 JR山陽線とアストラムラインを連結−−中区”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  11. ^ アストラムラインからのお知らせ 2015.2.24「平成27年3月14日(土)アストラムライン ダイヤ改正」”. 広島高速交通 (2015年2月24日). 2015年4月12日閲覧。
  12. ^ 【アストラムライン開業20周年】トリビアクイズ20 - リビングひろしま.com
  13. ^ アストラムライン路線図 - ウェイバックマシン(2014年7月22日アーカイブ分)
  14. ^ アストラムライン路線図 - 広島高速交通株式会社
  15. ^ アストラムライン延伸計画の現在の状況について”. 広島市. 2013年6月18日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2012年9月8日閲覧。
  16. ^ アストラムライン東西線及び南北線の取扱いについて (PDF) - 広島市 2014年12月25日閲覧。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 各 広島市統計書

外部リンク[編集]