神戸新交通ポートアイランド線

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神戸新交通 ポートアイランド線
ポートライナー三宮駅
ポートライナー三宮駅
概要
通称 ポートライナー
種別 案内軌条式鉄道新交通システム
起終点 起点
三宮駅(本線)
市民広場駅(支線)
終点
神戸空港駅(本線)
中公園駅(支線)
駅数 12駅
路線記号  P (下記3駅以外)
 PL (南公園駅・中埠頭駅・北埠頭駅)
運営
開業 1981年2月5日 (1981-02-05)
最終延伸 2006年2月2日
所有者 Kobe New Transit logo.png 神戸新交通
車両基地 中埠頭車両基地
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 8.2 km (5.1 mi) (三宮-神戸空港間)
2.6 km (1.6 mi) (市民広場-北埠頭-中公園間)
軌間 1,740 mm[* 1]
電化 三相交流 600 V・60 Hz
運行速度 70 km/h (43 mph)
路線図
PortLiner Map.png
駅・施設・接続路線
tSTRq
tSTRrf
三宮駅 地下鉄西神・山手線
←阪急:神戸高速線
tSTReq
神戸三宮駅 阪急神戸本線
STRq STRq
STRq
三ノ宮駅 JR西東海道本線JR神戸線
uSTRlg
0.0 P01 三宮駅
tSTRq tSTRq
umKRZt
神戸三宮駅 阪神本線
tSTRq
uSTR
三宮・花時計前駅
uSTR
地下鉄海岸線
uBHF
0.8 P02 貿易センター駅
uAKRZo
阪神高速3号神戸線
uSTRrg uSTRq uSTRrf
JR貨神戸臨港線
uemKRZo exBSTq
神戸港駅 -2003
WDOCKSm uBHF WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm
1.8 P03 ポートターミナル駅
WDOCKSm
WDOCKSm WDOCKSm
神戸ポートターミナル
WDOCKSm
WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm
ポートピア大橋
WDOCKSm
WDOCKSm
2.8
2.6
P04 中公園駅
WDOCKSm uABZlf uSTRr uSTRlg WDOCKSm
ポートアイランド(港島)
WDOCKSm uSTR uBHFrg WDOCKSm
-
1.7
PL09 北埠頭駅
WDOCKSm uBHF uSTR WDOCKSm
3.3
-
P05 みなとじま駅
WDOCKSm uSTR uBHFrg WDOCKSm
-
1.2
PL08 中埠頭駅
WDOCKSm uBHF uSTR WDOCKSm
3.8
0.0
P06 市民広場駅
WDOCKSm uABZlf uBHFlr uABZrf WDOCKSm
-
0.6
PL07 南公園駅
WDOCKSm uSTR uKDSTe WDOCKSm
車両基地
WDOCKSm uBHF WDOCKSm
4.6 P07 医療センター駅
WDOCKSm uSTRlf uBHFq
WDOCKSm
5.4 P08 京コンピュータ前駅
WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm
WDOCKSm
神戸スカイブリッジ
WDOCKSm WDOCKSm
WDOCKSm
神戸空港海上アクセスターミナル
WDOCKSm uKBHFl
WDOCKSm
8.2 P09 神戸空港駅 空港島
WDOCKSm FLUG WDOCKSm
神戸空港
WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm WDOCKSm

キロ程下段は市民広場から南公園経由のもの

ポートアイランド線(ポートアイランドせん)は、三宮駅から、ポートアイランドにある中公園駅市民広場駅を経てポートアイランド沖の神戸空港駅に至る路線と、市民広場駅から分岐して北埠頭駅を経て中公園駅に至る路線から構成されている、神戸新交通新交通システム路線である。全線が兵庫県神戸市中央区内を走行する。愛称はポートライナー

概要[編集]

ポートピア大橋を渡るポートライナー
京コンピュータ前 - 神戸空港間

神戸港沖に建設された人工島「ポートアイランド」と神戸市の中心地三宮を一方通行の環状運転で結ぶ軌道系交通機関として建設され、1981年2月5日に日本初の実用的な新交通システムかつ世界初の自動無人運転方式として開業した[1]。その後、2006年2月16日神戸空港の開港に先立って、神戸空港駅まで同年2月2日に延伸・複線化し[2]、現在の路線の形となっている。

運転士を必要としない世界初の無人運転システム(開業当初は添乗員が乗務[3])であり、全駅に、日本で初めてのフルスクリーンタイプのホームドアの設置[4]や、最小曲線半径 30m[5]、56パーミルの急勾配[* 2]など、新交通システムの性能を最大限発揮した線形となっており、既存市街地では高層ビルや高速道路などを縫うように軌道が敷設されている。車両基地を除く全線が高架構造で、線路内に容易に立ち入りができないようになっており、開業以来無事故記録を更新し続けている。

ポートアイランド内に多数の企業や大学のキャンパスがあり、また神戸空港のアクセスルートであるため、朝のポートアイランド行きおよび夕方の三宮行きにおいて激しい混雑が見られ、混雑率は、2016年(平成28年)度には160%程度に上る見込みである。以前は重量制限のため駅を出発できないことがあったが、現在はそれが緩和されて改善されているものの、混雑は深刻化している。また、21時台から22時台にかけては神戸空港に到着便が集中するため、激しい混雑が見られる。島内の企業に勤めるOLなどは、朝夕のラッシュを避けるため、タクシーに乗り合わせる姿がよく見かけられる。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):10.8km
    • 三宮 - 神戸空港間 8.2km
    • 市民広場 - 北埠頭 - 中公園間 2.6km
  • 案内軌条:側方案内式
  • 軌間:1,740mm[* 1]
  • 駅数:12駅(起終点駅含む。市民広場駅・中公園駅は重複計上せず)
  • 複線区間:
    • 複線:三宮 - 神戸空港間
    • 単線:市民広場 - 北埠頭 - 中公園間
  • 電気方式:三相交流600V・60Hz
  • 閉塞方式車内信号式
  • 最高速度:70km/h
  • 車両基地:中埠頭車両基地

路線の免特許上は以下のように軌道法に基づく軌道区間と鉄道事業法に基づく鉄道区間(第一種鉄道事業)とが混在している。これは、その下を走る道が道路法に基づく道路であるか、それ以外の道(主として港湾法に基づく港湾道路)であるかの違いによるものである。新交通システムには、他にも軌道区間と鉄道区間が混在している路線がある。

  • 三宮 - ポートターミナル (1.8 km) - 軌道法
  • ポートターミナル - 中公園 (1.0 km) - 鉄道事業法
  • 中公園 - (市民広場) - 神戸空港 (5.4 km) - 軌道法
  • 市民広場 - 南公園 (0.6 km) - 軌道法
  • 南公園 - 中公園 (2.0 km) - 鉄道事業法

運行形態[編集]

三宮駅 - 神戸空港駅間の系統と、三宮駅から市民広場駅で分岐し、北埠頭駅を経て三宮駅に戻る環状運転系統が運転されている。

平日朝時間帯の三宮発は約2分間隔で運行されており、神戸空港行きと環状運転系統がほぼ交互に運行されている。日中時間帯は1時間あたり三宮駅 - 神戸空港駅間の系統が9本(5 - 8分間隔)、環状運転系統が6本(10分間隔)運行されており、三宮発基準では15本になる。夕方は神戸空港行きが12本、環状運転系統が8本運転されている。朝晩と始発・最終を中心に中埠頭駅南側にある車両基地への入出庫系統が三宮発市民広場経由中埠頭行きと中埠頭発中公園経由三宮行きで運転されている。土曜・休日は終日1時間あたり12本が運行されている。

三宮 - 神戸空港間の系統では、朝6時台・日中10 - 14時台および夜に貿易センター駅・ポートターミナル駅を通過する快速運転が行われており[* 3]、この区間を各駅停車は18分、快速は16分半で結んでいる。日中の快速は1時間あたり2本が運行されている。

環状運転系統は、三宮駅を出発すると中公園駅→市民広場駅→北埠頭駅と回って中公園駅に戻り、複線北行き線を通って三宮駅に戻る。市民広場駅 - 北埠頭駅 - 中公園駅間は単線で一方向にしか列車は運転されていない。なお、旅客案内上は三宮 - 中公園間では北埠頭行き、みなとじま駅・市民広場駅では神戸空港からの三宮行きと区別するために、北埠頭経由三宮行きと案内されている。

北埠頭駅からみなとじま駅までのように、環状運転の向きと逆方向へと乗車する場合は中公園駅で乗り換えることとなる。ただし、2004年11月22日からしばらくの間は、中公園駅 - 市民広場駅間複線化工事により中公園駅でのラッチ内乗り換えができないためにポートターミナル駅での乗り換えとなっていた。

神戸学院大学神戸女子大学神戸女子短期大学兵庫医療大学神戸夙川学院大学といったポートアイランド内での大学の相次ぐ開校に伴い、2007年春のダイヤ改正から朝のラッシュ時には2分間隔での運行を実施し、また夕方ラッシュを15時からとするなどの対応がとられている。新型車両への統一や中央市民病院の移転に伴い、2011年7月1日からは、日中の三宮駅 - 神戸空港駅間を1時間あたり9本に増発したほか、夕方以降も21時台まで増発が行われた[6]

また、みなとこうべ海上花火大会開催時などは中公園駅などが大変激しく混雑するため、1分間隔での運転も実施されている。

原則として無人運転(自動運転)となっているが、有人運転(手動運転)列車の設定もある(平日ダイヤの三宮発13時13分・15分、14時13分・15分、15時13分・15分の6列車)[要出典]

車両[編集]

当路線の運行系統は、運行形態節で述べたように三宮 - 中公園 - 南公園 - 北埠頭 - 中公園 - 三宮の環状運転系統と、三宮 - 神戸空港の2つの系統があるが、前者の環状運転系統に入った場合は三宮駅に到着する度に車両の向きが変わる。また、三宮駅で折り返す際に、前者の系統と後者の系統が入れ替わることもあるため、どちらの系統の運用であっても車両の向きは一定していない。

車体側面には「KNT-○○○○」と車両番号が付けられており、車両番号の付与方法は、千の位で型式を、百の位で号車番号を、十ならびに一の位で編成番号を示す。

運用中の車両[編集]

  • 2000型
    • 神戸空港開港に伴う延伸をにらんで、2006年に実に25年ぶりとなる新車として3編成が運用を開始した。2008年3月下旬からは改良型も営業運転に就いている。

過去の車両[編集]

  • 8000型
    • 1981年の開業にあわせて導入された車両。製造から28年が経過し、絶えず海風にさらされるという特殊環境下で使用されていることから、去就が注目されていたが、2009年11月8日の運転を最後に全車両の2000型への置き換えを完了し、運用を終了した[7]
    • 2008年4月1日から5月6日までIKEAポートアイランドの開業を記念して8000型車両に全面ラッピングを施した「IKEA HOME FURNISHING LINER」が運行されていた。

歴史[編集]

開業までの経緯[編集]

1968年(昭和43年)、「ポートアイランド利用計画委員会」において「埋立地は港湾施設に止まらず、未来指向の海上都市構想を整備する」という構想が生まれ、その都市内交通手段として初めて新交通システムの導入が検討された。1970年(昭和45年)の「ポートアイランド基本設計委員会」では、専用軌道方式の輸送機関を導入することが具体的に示されることになる。その一方で運輸省建設省翌年、共同で「新交通システム開発調査委員会」を設置。都市交通への適応性、路線等の導入計画、経営分析等の概略検討が行われた。

具体的な新交通システムの機種は、1974年(昭和49年)12月から1977年(昭和52年)2月までの間に開かれた「神戸市新交通システム機種選考委員会」で検討が行われた。選考委員会では、川崎重工業のKCV (Kawasaki Computer Control Vehicle)、神戸製鋼所のKRT (KOBELCO Rapid Transit)、三菱重工業のMAT、新潟鐵工所のNTSの4機種の側方案内方式システムで導入の検討が行われた。神戸市は地元企業を育成する立場から、川崎重工業・神戸製鋼所・三菱重工業の共同開発とし、新しく KNT (Kobe New Transit) として開発が進められた。車両の試作車は1000型として"川崎重工加古川実験線"で試運転が行われていた。

翌年度の道路整備予算において、新交通システムに対してのインフラ補助が導入されたものの、補助の対象事業者となるには公営あるいは公的出資率51%以上の第三セクターであることが求められているため、第三セクターである神戸新交通株式会社が設立。その後はポートアイランドとともに建設が進められ、1981年2月4日に竣工式、翌日の2月5日に、世界初の自動無人運転方式として三宮 - 南公園 - 中公園間が開業した。

開業と博覧会輸送[編集]

開業当初は目新しさから、三宮から乗車し島内をそのまま循環して三宮で下車する体験乗車組も多く見られた。開業と同年の3月20日から9月15日まで開催された神戸ポートアイランド博覧会(ポートピア'81)の会期中は、観客輸送が中心となった[1]。乗客数は当初の需要予測を大幅に上回り、新交通システムに対する利用者の不慣れもあいまって、万博の開催間もないころは、自動停止や出発不能などのトラブルが多発し、新交通システムに対しての批判も少なくなかった。しかし、その後は安定輸送で博覧会輸送を乗り切り、以後全国に新交通システムおよび無人運転システムが広まる先駆けとなった。万博終了後は、島民の移動の足や島内施設へのアクセス路線の一つとなっている。

震災の発生[編集]

落下した橋桁の復旧工事
(三宮 - 貿易センター間)
西へ傾斜した橋脚と駅舎
(貿易センター - ポートターミナル間)

1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)は、全線に大きな影響を与えた。

被害状況[編集]

路線上で走行していた車両は、地震発生直後に急停車し車両自体に大きな損傷はなかったものの、駅施設関係では、高架橋や柱に大きな被害を受け、橋桁が落下したり桁ずれなどが発生した箇所もあった。特に国道2号線直下の橋桁は宙ずりになっていたほか、新港第4突堤の橋脚が余震のたびに傾斜が進んでいる状況であった。ポートアイランド内でも、液状化現象による基礎の損壊や地盤の軟弱化が確認された。また、車両基地でも損傷を受けたほか、三宮駅ポートターミナル駅では駅舎が傾斜、特に大きな損傷が見られた。案内軌条や電気設備にも大きく損傷した箇所があり、復旧には相当な日数がかかるとされた。

市内のJR神戸線を初めとした私鉄各線が、当初見込みを大幅に短縮して復旧されていく中で、ポートアイランド線は、全線高架構造で高さ30mに及ぶところもあり、安全上仮支柱で仮復旧させることができないこと、仮復旧で営業を始めると本復旧が困難になること、落下等による橋桁の損傷が激しかったこと、在来鉄道に比べて集電装置が小さく、ミリ単位の高い精度が要求されること、全線が高架で幅員の狭い構造物であるため、同時並行作業が困難であったために、大幅な工期短縮が困難であった。さらに、液状化現象が発生した箇所に路線があったことや、新交通システムというこれまでにない構造の路線であったため、世界的にも前例がなく復旧策がはっきりしていなかった。できる限りの工期短縮のために、橋桁や走行路のうち従来コンクリート床版であった箇所を床版に変更したこと、案内軌条などを橋桁製作時に先行的に取り付けしたこと、応急的な補修で安全性が保てる箇所は応急処置のみを行い、開業後に夜間作業で交換したことなどを行い、工期短縮が図られた。

2月8日に記者発表した資料では、8月下旬を目途に、貿易センター駅 - 市民広場駅間と貿易センター駅 - (北埠頭駅) - 南公園駅間をそれぞれ1列車による単線往復運行による部分的な運転再開をするとし、三宮駅 - 貿易センター間の復旧は目処が立っておらず年末までかかるとされ、損壊の激しいポートターミナル駅の復旧も年末までかかるとされ、当面通過駅となる予定であった。

代替バス[編集]

1月24日より、神戸税関前から市民病院前駅(現:みなとじま駅)までの暫定代替バスが運行、震災直後は15 - 30分、2月5日より増便され10 - 20分間隔で運行されていた。震災の混乱により周辺道路は渋滞が慢性化し、神戸大橋を渡るのに1時間近くかかることもあった。2月20日からは、停車場が神戸税関前から三宮駅前へと変更され、さらなる増便により朝ラッシュ時最短5分間隔の運行と運行時間帯の延長がなされた。3月27日からは、三宮駅前バス停ではさらなる増便に対応できなかったことから、停車場を市役所前へと変更し、朝ラッシュ時最短3分間隔の運行がされた。なお、ポートアイランドまでのバスはこれとは他にK-CAT行きのリムジンバスや航路があった。代替バスは、全線復旧する前日である7月30日をもって廃止した。

運行再開[編集]

復旧工事を急ピッチで進めたことにより、予定よりも大幅に早い5月22日に、中公園駅 - (市民広場駅) - 北埠頭駅間 (2.7km) の部分開業が行われた。この区間は単線であるため、1列車の手動運転による単線往復運行となり、1日49本往復運行された。従来通りの方向(左回り)の場合は従来通りの速度で、逆方向(右回り)の場合は 30km/h 以下での走行となった。6月5日には、北埠頭駅 - 中公園間 (0.9km) の復旧工事が完了、当時存在していた中公園駅の引き上げ線を使用しポートアイランド内では従来通りの一方通行による手動運転を再開した。当初年末まで、その後も8月下旬まで復旧工事がかかるとされていた箇所を含めた三宮 - 中公園間 (2.8km) の復旧も周辺住民との合意で夜間工事が可能となり工期短縮され、当面通過駅とされていたポートターミナル駅も営業を再開し、7月31日に195日ぶりに全線が開通。9月11日には震災前のダイヤに戻され、全線が復旧した。

空港線延伸とその後[編集]

ポートアイランド沖に神戸空港が建設される構想の中で、空港アクセス路線としての延伸事業が開始された。神戸空港への延伸とともに、利便性の向上から中公園 - 市民広場間の複線化も行われるものであった。1998年(平成10年)10月に発表した当初の延伸計画では、既存駅3駅の複線化と、ポートアイランド第2期に2つ、神戸空港島の東側と西側の2つの新駅および車両基地を建設する予定で、総延伸距離は 6.7km であったほか、三宮駅の改築や車両の8両編成化による輸送力増強などが盛り込まれていた。全体構想としては新神戸駅までの延伸も構想として存在していた。2000年(平成12年)9月19日に神戸市が発表した「神戸新交通ポートアイランド線延伸事業について」で、工事を二分し、現在の神戸空港駅より先の、西側の駅と車両基地の事業は先延ばしされることとなり、延伸距離が 5.4km の現在の形となった。なおこれにより、当初1200億円であった事業費は590億円まで減額された。

2度の軌道切替工事による運休を得て、2006年(平成18年)2月2日、空港開業に先駆けて、既存の中公園 - 市民病院前(現:みなとじま) - 市民広場の複線部と、延伸区間である市民広場 - 神戸空港間が開業した。なお、同日より快速運転が開始。運賃制度も単一距離制から区間距離制へ移行された[* 4]

2005年12月4日、全駅で接近メロディ発車メロディを採用した。当初は4点チャイム・ベルであったが、西武秩父駅の発車メロディやJR京都駅の接近メロディを編曲したメロディなどへと変更した。多客時や扉開の延長時などではメロディを使わずベルを使うことがあるが、このときに鳴るベルは開業時の時よりも低い音になっている。また、駅の放送はこれまで三宮 - ポートターミナル間で北埠頭方面行きは中埠頭止まりをのぞいて「ポートアイランド方面ゆき」と案内され、中公園では「三宮(市民病院前経由)ゆき」、それ以外は「三宮ゆき」と案内されていたが、メロディに変更されると同時に三宮 - 中公園間は「北埠頭行き」に変更され、市民病院前(現:みなとじま)・市民広場の各駅は「北埠頭経由三宮行き」に変更された。

2011年7月1日神戸市立医療センター中央市民病院の移転ならびに独立行政法人理化学研究所次世代スーパーコンピュータ「京」施設等の進出に伴い、市民病院前、先端医療センター前、ポートアイランド南の各駅の駅名改称が行われた[8]。改称後の駅名は下表の通り。

旧駅名 改称後の駅名
市民病院前駅 みなとじま駅
先端医療センター前駅 医療センター駅
ポートアイランド南駅 京コンピュータ前駅

また、空港線延伸事業の際に考案されていた、新幹線との連携強化のための、三宮駅から新神戸駅への延伸構想(現在、両駅は神戸市営地下鉄山手線によって結ばれている)、三宮駅直前の急曲線が運転時分に大きく影響していることから、前述の延伸構想とも関連して同駅を移設する構想、また、神戸空港島に車両基地を新設し8両編成化する構想、神戸空港西側の旅客営業を行うための延伸構想などがあったが、どれも具体化されておらず、神戸新交通の財政悪化などにより、計画は白紙になった[9]。しかし近年になり、「神戸の都心の『未来の姿』検討委員会」や「三宮構想会議」などでこれらの構想は再浮上しつつある。

年表[編集]

  • 1977年昭和52年)
    • 6月17日:国へ地方鉄道事業免許と軌道事業特許の申請が行われる。
    • 12月7日:三宮 - ポートターミナル間・中公園 - 市民広場 - 南公園間の軌道事業に特許、ポートターミナル - 中公園間・南公園 - 中公園間の鉄道事業に免許[10]
  • 1978年(昭和53年)
  • 1979年(昭和54年)5月21日:三宮駅を含む市街地の路線の着工[5]
  • 1980年(昭和55年)
  • 1981年(昭和56年)2月5日:三宮 - 南公園 - 中公園間が開業[10]
  • 1995年平成7年)
  • 1997年(平成10年)12月 - ルミナリエ開催期間中に合わせてイルミネーションライナー「ルナ号」が運行されるようになる。
  • 2001年(平成13年)9月4日:中公園 - ポートアイランド2期北(仮称→現:医療センター)間の軌道事業に特許[10]
  • 2002年(平成14年)11月6日:ポートアイランド2期北 - 神戸空港間の軌道事業に特許[14][10]
  • 2004年(平成16年)
    • 11月20日21日:軌道切替工事に伴い終日運休、バスにて代替輸送。
    • 11月22日:中公園駅下りホーム、市民病院前駅(現:みなとじま駅)・市民広場駅ホーム切替。
  • 2005年(平成17年)
    • 9月8日:神戸空港まで試運転開始。
    • 9月10日11日:2回目の軌道切替工事に伴い終日運休、バスにて代替輸送。
  • 2006年(平成18年)2月2日:市民広場 - 神戸空港間が開業[10]、中公園 - 市民広場間が複線化、三宮 - 神戸空港間で快速運転開始。
  • 2011年(平成23年)7月1日:市民病院前駅をみなとじま駅に、先端医療センター前駅を医療センター駅に、ポートアイランド南駅を京コンピュータ前駅にそれぞれ駅名改称。

駅一覧[編集]

三宮 - みなとじま - 神戸空港
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 快速 接続路線 駅務
P01 三宮駅 - 0.0 阪急電鉄神戸本線神戸高速線(神戸三宮駅:HK-16)
阪神電気鉄道本線(神戸三宮駅:HS 32)
神戸市営地下鉄Subway KobeSeishin.svg 西神・山手線(三宮駅:S03)、Subway KobeKaigan.svg 海岸線三宮・花時計前駅:K01)
西日本旅客鉄道A 東海道本線JR神戸線)(三ノ宮駅
P02 貿易センター駅 0.8 0.8   ×
P03 ポートターミナル駅 1.0 1.8   ×
P04 中公園駅 1.0 2.8  
P05 みなとじま駅
(キャンパス前)
0.5 3.3  
P06 市民広場駅
コンベンションセンター
0.5 3.8 北埠頭方面(三宮方面からは直通あり)
P07 医療センター駅
市民病院前)
0.8 4.6  
P08 京コンピュータ前駅
神戸どうぶつ王国
0.8 5.4   ×
P09 神戸空港駅 2.8 8.2  
市民広場→中埠頭→中公園
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 駅務
P06 市民広場駅 - 0.0  
PL07 南公園駅
(IKEA前)
0.6 0.6  
PL08 中埠頭駅
(ジーベックホール前)
0.6 1.2  
PL09 北埠頭駅 0.5 1.7  
P04 中公園駅 0.9 2.6 三宮方面へは直通、神戸空港方面は乗り換え

※北埠頭方面は上表にて上から下方向のみの運転。下から上方向には乗車できない。

快速欄の記号
●:停車、|:通過
駅務欄の記号
○=終日有人
△=一部時間帯有人
▲=休日一部時間帯有人
×=無人(管制室あり)
  • 医療センター駅は神戸キメックセンタービル横に建設された。同駅開業以前は市民広場駅から10本のムービングウォークを乗り継いで行くしかなかった。

その他[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ a b 走行車軸の中心間。案内軌条間は2,430mm。
  2. ^ ポートターミナル駅南側のポートピア大橋との接続部。
  3. ^ 新交通システムの途中駅通過運転は、1999年 - 2004年に広島高速交通広島新交通1号線(アストラムライン)の急行列車で実施されていたことがある。
  4. ^ なお、移行される際に、ポートアイランド内の値上げに対する反対意見が多く見られたことから、ポートアイランド内は現行維持とし、事実上の値下げ区間も発生した

出典[編集]

  1. ^ a b 市民のグラフ こうべ No.101(昭和56年2月)ポートライナー”. 神戸市市長室広報課. 2015年7月3日閲覧。
  2. ^ 『鉄道ファン』通巻650号 p.118
  3. ^ 『鉄道ファン』通巻650号 p.115
  4. ^ 『鉄道ファン』通巻650号 p.117
  5. ^ a b c d e f 『鉄道ジャーナル』通巻393号
  6. ^ ポートライナーのダイヤ改正 (PDF) - 神戸新交通、2011年3月10日[リンク切れ]
  7. ^ 神戸の「ポートライナー」初代車両引退へ - YOMIURI ONLINE、2009年10月16日
  8. ^ ポートアイランド線の駅名変更について (PDF) - 神戸新交通、2010年10月28日。[リンク切れ]
  9. ^ 川島令三著 『日本三大都市 未完の鉄道路線』 p305
  10. ^ a b c d e 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』平成18年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会、p.207, 242
  11. ^ 中公園・北埠頭間運行計画 (PDF)”. 神戸大学附属図書館. p. 3 (1995年5月15日). 2015年7月3日閲覧。
  12. ^ 運行再開に係る連絡票 (PDF)”. 神戸大学附属図書館. p. 5 (1995年6月5日). 2015年7月3日閲覧。
  13. ^ 運行再開に係る連絡票 (PDF)”. 神戸大学附属図書館. p. 9 (1995年7月31日). 2015年7月3日閲覧。
  14. ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2002年11月」、『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年2月1日、 21頁。
  15. ^ 劇場版「ペルソナ3」公開記念一日乗車券の発売について - 神戸新交通、2013年10月25日閲覧

関連項目[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]