神戸新交通8000型電車

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神戸新交通8000型電車
2006年 ポートアイランド南駅(当時)
編成 6両編成12本(72両)
営業最高速度 ATC信号速度60 km/h
設計最高速度 80 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度 3.5 km/h/s(常用最大)
4.5 km/h/s(非常)
編成定員 274人
車両定員 先頭車45人
中間車46人
編成長 50,400 mm
全長 8,400 mm
全幅 2,796 mm
全高 3,190 mm
車体長 8,000 mm
車体幅 2,390 mm
車体高 3,190 mm
車体材質 アルミニウム合金
編成質量 63.0t
車両質量 10.5t
軌間 1,740 mm
電気方式 三相交流600V(鋼体複線式60Hz
主電動機 直流複巻整流子電動機
制御装置 可逆式サイリスタレオナード回生ブレーキ付制御
台車 独立懸架式ステアリング台車
保安装置 ATOATC・TD装置など
製造初年 1980年
製造メーカー 川崎重工業車両カンパニー

神戸新交通8000型電車(こうべしんこうつう8000がたでんしゃ)は、神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)に所属していた新交通システム車両である。

概要[編集]

1981年昭和56年)2月5日のポートライナー開業時から営業運行を開始した。

8000型の形式称号は、'80年代の新型車両であることに由来する。開業と同年に開催された神戸ポートアイランド博覧会の愛称が「ポートピア'81」であり、博覧会の交通手段となるこの車両の片側先頭車両が「81○○」となるようにあわせられた。

車両の製造元である川崎重工業が開発していたKCV (Kawasaki Computer Control Vehicle) をベースにしたため、浮沈式転轍器に対応した案内輪を車両の両サイドに設置している。このタイプに対応した新交通システムの車両は、8000型と2000型のみである。

第1編成は1980年4月に中埠頭車両基地へ搬入され[1]5月27日から試運転が開始された[2]。翌年の営業運行開始から28年以上にわたり活躍した。

構造[編集]

当形式が運用されるポートアイランド線では、運用によっては三宮駅に到着する度に車両の向きが変わるため、車両の向きは一定していない。

車体[編集]

外装はアルミ製で直線状の車体。塗装はクリーム色をベースカラーとし、コーポレートカラーであるグリーンのラインを巻いている。全面中央に折り畳みはしご付きの非常用貫通扉を配置。貫通扉を挟んで右側には愛称、左側には社名のロゴが入っている。側面中央に開口幅1,400mmの両開き乗降扉を1つずつ配置している。すべての扉は自動制御で戸閉を行うために戸挟検知機能および戸閉保安機能がついている。各車両の側面上部左端に換気口が1つずつある。側窓は、運転席横の窓ガラスを除いて内折れ式の窓ガラスで、上部3分の1が内側に開く。安全対策のため少ししか開かないようになっている[3]。運転席横の窓ガラスのみ横2枚構造で、先頭側が横に開くようになっている(通常は施錠され開かない)。

同時期に開業した大阪市交通局南港ポートタウン線(こちらも海浜部を走る)の100系車両は普通鋼製だったことが災いし、塩害により2001年平成13年)までに全て廃車となっており、車体の構造が明暗を分けた格好である。

主要機器[編集]

中間車のみ電動機を装備する 4M2T であり、車両制御装置はサイリスタレオナード制御。力行指令は電圧指令。台車は、独立懸架式のステアリング台車を採用。集電装置は、川崎重工製の3線バネ圧式が採用され、中間2車両を除いた4車両の付随台車にオレンジ色のアームを3つずつ搭載している。走行車輪・案内車輪ともにパンク防止の為にウレタン充填ゴムタイヤが採用された。なお、六甲アイランド線(六甲ライナー)用の1000型以降は中子式気体入りゴムタイヤに変更されている。通常は自動列車運転装置(ATO)と自動列車制御装置(ATC)により自動運転が行われている。

車内[編集]

車内幅は 2,145 mm 、車内高は 1,990 mm である。内装はアイボリーの内壁、うすい朱色のパターンの柄がある床が採用。座席は、ブルー系表地の5人掛けロングシートが設置されている。乗降ドア付近の天井にはつり革の代わりとなるパイプが、ロングシート付近にはつり革が設置されている。荷物棚はない代わりに、中間車両端部と先頭車両運転台横にあるモニタ装置収納箱上部を荷物置き場としている。黒の受話器型の通話装置と非常ボタンが各車両に設置されている。「オーバーロード検知装置」により、車両が運行できないほど大幅に定員超過するとブザーが鳴るとともに天井中央部の「定員超過」ランプが点灯するようになっていた。

先頭車両には運転席があり、普段は無人運転を行う路線で走行する車両なので乗務員室等は無く、誰でも運転席に座ることができる。ただし運転台は施錠されており開けることはできない。

バリアフリー対応[編集]

優先座席は背ずりに大型のピクトグラムが描かれており存在が明確になっている。扉が開閉する直前にドアブザーが鳴動するようになっている。また、交通バリアフリー法に基づいて製造された2000型にあわせて、8000型にも順次車椅子スペースを設置し、全乗降扉上には日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応した3色LED式の車内案内表示装置を設置。扉開予告表示灯がその両隣にある。

編成[編集]

車両番号の付与方法は、千の位で8000型を表す「8」を、百の位で号車番号を、十ならびに一の位で編成番号を示す。

形式[編集]

8100形 (Tc1)
制御車。
8200形 (M1)
中間電動車。
8300形 (M2)
中間電動車。
8400形 (M3)
中間電動車。
8500形 (M4)
中間電動車。
8600形 (Tc2)
制御車。

編成表[編集]

号車 1 2 3 4 5 6
型式 8100型 (Tc1) 8200型 (M1) 8300型 (M2) 8400型 (M3) 8500型 (M4) 8600型 (Tc2)
編成
番号
1 8101 8201 8301 8401 8501 8601
2 8102 8202 8302 8402 8502 8602
3 8103 8203 8303 8403 8503 8603
4 8104 8204 8304 8404 8504 8604
5 8105 8205 8305 8405 8505 8605
6 8106 8206 8306 8406 8506 8606
7 8107 8207 8307 8407 8507 8607
8 8108 8208 8308 8408 8508 8608
9 8109 8209 8309 8409 8509 8609
10 8110 8210 8310 8410 8510 8610
11 8111 8211 8311 8411 8511 8611
12 8112 8212 8312 8412 8512 8612

営業運転の終了[編集]

2006年(平成18年)に神戸空港開港にともなう輸送力増強用として新型車両2000型を導入した。この時点では本型式の代替はなされなかったが、開業当初から海浜部という特殊環境下で走り続けていることから、2008年(平成20年)度から3年間かけて全車両を2000型に取り替えることが決定した。

その後、塩害による機器の故障が頻発したことなどから、当初の予定より早く2009年(平成21年)11月8日に営業運転を終了することが発表された[4]。同年10月31日から11月7日までさよなら運転として三宮 - 神戸空港(もしくは中埠頭駅)間を臨時列車として運転[5][6]し、硬券記念乗車券も発売され、11月8日に最後の1編成である第06編成が三宮-神戸空港間を臨時列車として運転し、営業運転を終了した。

製造時期[編集]

8000型はすべての編成が1980年(昭和55年)に製造されており、そこからの増備は一切行われていない。すべて川崎重工業車両カンパニーで製造された。

その他[編集]

  • この車両の試作車は1000型と名乗っていた[7][8]
  • 2006年4月までに、全車両にガラス飛散防止フィルムが貼り付けされた。
  • 2008年2月に、第12編成を含む3編成が期間限定で神戸コレクションのラッピングが施された。
  • 2008年4月1日5月6日IKEAポートアイランド(現IKEA神戸)のオープン記念として第10編成がIKEAのラッピングが施された「IKEA HOME FURNISHING LINER」が運行された[9][10]。外装だけでなくソファー、ブラインド、床、壁などの内装もすべてIKEA仕様に施されていた。4月14日とGW期間を除く月・木は運休。

保存車[編集]

8000型のトップナンバーの先頭車であるKNT-8101と中間車のKNT-8201が、ポートライナー車両基地で静態保存されている。通常は非公開であるが、2014年11月9日に開催されたポートライナーフェスティバル2014で初めて公開された。

脚注[編集]

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  1. ^ 市民のグラフ こうべ No.101(昭和56年2月)ポートライナー
  2. ^ 『鉄道ジャーナル』平成11年7月号掲載、鉄道ジャーナル社
  3. ^ 神戸ポートライナー突撃レポート!~自動運転システムと安全対策の裏側~”. コラボ. 2015年6月13日閲覧。
  4. ^ 『さよなら8000型』イベントの開催について (PDF) 」 神戸新交通
  5. ^ 『さよなら8000型』さよなら運行時刻表 (PDF) 」 神戸新交通
  6. ^ この時に車内案内表示装置などは使用停止され、その部分にさよならイベントの案内が書かれたシールが貼られていた。
  7. ^ 1980年(昭和55年)わが国初の新交通 システム・神戸ポートライナーを完成 (PDF) 」 川崎重工 車両カンパニー
  8. ^ 前面の貫通扉に窓がなく、ライト周りも8000型と異なっていた。3両編成で、先頭車に当たる車両は1両(KNT-1101)しかなく、最後尾に当たる中間車には妻面窓が設けられていた。2014年11月現在、先頭車であるKNT-1101の車体が、川崎重工兵庫工場で倉庫として使われている。マックスバリュー長田南店の屋上駐車場などから、妻面と側面は見ることができるが、工場敷地内のため、一般は原則非公開となっているので前面を見ることはできない。
  9. ^ 『IKEA HOME FURNISHING LINER(IKEA ホームファニッシング・ライナー)』の運行決定! (PDF) 」 神戸新交通
  10. ^ IKEA風のポートライナー”. GIZMODO. 2015年6月13日閲覧。

関連項目[編集]

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