山本夜羽音

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山本 夜羽音(やまもと よはね、1966年7月11日[1] - )は、日本漫画家。本名、山本 洋一郎[2]北海道出身。主に成人向け漫画を描く。別に、「山本夜羽」と「玄田生」の名義を持つ。ペンネームの「よはね」は、カトリック教会洗礼名ヨハネ」からで、「玄田生」は「畜生」をもじったもの。妻は漫画家のほしのえみこ[3][4]。山本のtwitterによると「別居」[5]「元嫁」[6]との表現が出てくる。

自称、啓蒙エロマンガ家[7]。1990年代後半、「社会派エロマンガ家」[8]「極左エロマンガ家」として注目された[9]。代表作に「マルクスガール」(『ヤングチャンピオン』連載)など[7][9]

連絡網AMI[10]など表現の自由に関わる運動や「レイシストをしばき隊[11]「反レイシズム・知らせ隊」[12]など様々な社会運動に関わった[9]

経歴[編集]

  • 1966年、北海道浜益郡浜益村(現・石狩市浜益区)生まれ。父は小学校教員(北教組)でカトリック信者、母も同じく敬虔なカトリック[7]
  • 高校時代の一時期「MPD・平和と民主運動」に参加していた[13]
  • 高崎経済大学中退。保坂展人主催の「青生舎」に参加[7]、政治活動を展開。1985年に角川文庫から刊行された青生舎編『元気印大作戦』にマンガを寄稿している[14]
  • 1988年、泊原発試運転開始阻止闘争に参加し、北海道庁前で逮捕される[7][13]。札幌滞在中に鹿島拾市と知り合い、帰京後は反天皇制全国個人共闘・秋の嵐周辺の運動に参加する[15]
  • 1989年、秋の嵐が一時停滞していた時期に鹿島とグループ「馬の骨」を結成し、反原発・反管理教育・反天皇制などを訴えるライブやデモを主催、天安門事件に抗議する中国人留学生のデモに参加するなどの活動を行う[16][17][18]。「馬の骨」解散後の90年6月以降、秋の嵐メンバーとなる[19]
  • 1990年11月3日、天皇「即位の礼」反対闘争において、公務執行妨害容疑で逮捕・起訴。獄中100日[7][20]。東京拘置所で山本直樹のマンガ「BLUE」を読んで感銘を受け[13]、保釈後、同作品で有害コミック規制騒動の矢面に立たされていた山本直樹に弟子入りする[7][9]
  • セツ・モードセミナー夜間部修了。
  • 1993年に「玄田生」名義で漫画家としてデビュー[8]
  • 1994年から「山本夜羽」名義で一般マンガ誌に作品が掲載され始める[8]。作品に「文民少女隊の最期。」(PN:玄田生)、「いとこの結婚式」(PN:山本夜羽)など。
  • 1997年、ファシストを自称する知人・佐藤悟志が、新宿ロフトプラスワンブント活動家に襲撃される事件が起き、常連客有志として「ロフトプラスワン襲撃を許さない共同声明」の中心メンバーの一人となる[21][22]
  • 2004年から現筆名に。
  • 2008年10月、秋葉原で街頭演説中の麻生太郎首相に対し、「とっとと解散しる!!!」などと書かれたプラカードを掲げて抗議[9]。「“ホーム”アキバでも麻生首相離れ」と報道される[23]
  • 2011年から「おたぱっくQB(救援便)」と称する、被災地の子供に漫画・アニメ・ゲーム・おもちゃを贈るボランティア活動を行なっている[24]

作風[編集]

  • 発表された作品の大半は、ポルノ・アダルトジャンルである。
  • ヒロインの女性キャラは眼鏡をかけている事が多い(メガネフェチ)。一方、巨乳ロリータレイプは余り描きたがらない。
  • セックスシーンを描く際は、コンドームの装着を描写するこだわりがある[25]

作品[編集]

玄田生名義
山本夜羽名義
  • 『キックアウト・ラヴァーズ : 夜羽黙示録』講談社ヤンマガKCエグザクタ〉、1996年
  • 『ばちかぶり姫 : 夜羽黙示録』集英社ヤングジャンプ・コミックス〉、1997年
  • 『共犯妄想』ワニマガジン社〈ワニマガジンコミックス〉、1998年
  • 『J.P.S : Justice & Peace Spirits』ぶんか社〈ぶんか社コミックス〉、1998年
  • 『黒の福音書 山本夜羽初期作品集 上』海王社〈海王社コミックス〉、1998年
  • 『赤の黙示録 山本夜羽初期作品集 下』海王社〈海王社コミックス〉、1998年
  • 『エス/太陽はボクらの敵』実業之日本社マンサンコミックス〉、1999年
  • 『マルクスガール』秋田書店〈ヤングチャンピオンコミックス〉、全2巻
    • 第1巻、1999年
    • 第2巻、2000年
  • 『イン&ヤン・ドールズ』竹書房〈バンブー・コミックス〉、1999年
  • 『ORGAN BOX』ぶんか社〈ぶんか社コミックス〉、1999年
  • 『PUSSY TALKIN' : Justice & Peace Spirits』ぶんか社〈ぶんか社コミックス〉、2000年
  • 『7days 13hours』ぶんか社〈ぶんか社コミックス〉、2001年
  • 『新世紀無頼伝 侠子エクスプロージョン』集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、2001年
  • 『閃光のアーシュラ : ウタリア戦記』エニックスGFC〉、2002年
  • 『Winter Guarana』ぶんか社〈ぶんか社コミックス〉、2002年
山本夜羽音名義
  • 『ナイトフラッパー : 山本夜羽音式福音書』大都社〈ダイトコミックス〉、2004年
  • 『ラブ・スペクタクル : 山本夜羽音式性愛闘争試論』宙出版〈ミッシィコミックス〉、2005年
  • 『聖隷』富士美出版〈富士美コミックス〉、2005年
  • 『ナードボイルドR』蒼竜社〈プラザコミックス〉、2007年
  • 『渋谷少女リアル』松文館〈別冊エースファイブコミックス〉、2007年

関連人物[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 山本夜羽音 2013年7月10日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  2. ^ 山本夜羽音 2015年5月31日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  3. ^ 山本夜羽音 2010年10月7日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  4. ^ 山本夜羽音 2013年2月16日のツイート、2013年8月10日閲覧。
  5. ^ http://archive.is/zeFX7
  6. ^ http://archive.is/3MAmA
  7. ^ a b c d e f g 「非実在青少年」を規制する東京都条例改正案”. きんようブログ (2010年3月17日). 2016年8月10日閲覧。
  8. ^ a b c 『青いムーブメント』79頁。
  9. ^ a b c d e 昼間たかし (2014年11月15日). “伝説の“描かないマンガ家”は復活できるのか? 山本夜羽音がマンガ家復帰支援ファンドに登場”. おたぱる. 2016年8月10日閲覧。
  10. ^ 山本夜羽音 2014年9月6日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  11. ^ 野間易通 (2016年1月15日). “3.11後の叛乱 反原連・しばき隊・シールズ 第4回 国民なめんな”. 集英社新書WEBコラム. 2016年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月10日閲覧。
  12. ^ 山本夜羽音 2015年2月21日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  13. ^ a b c 山本夜羽音 (2003年11月12日). “衝動。”. 山本夜羽音のサイト「DOXA(独立左派日誌)」. 2016年8月10日閲覧。
  14. ^ 『青いムーブメント』77、242頁。
  15. ^ 『青いムーブメント』242-243頁。
  16. ^ 鹿島拾市. “「馬の骨」のころ・前編”. 山本夜羽音のサイト「DOXA(独立左派日誌)」2004年5月27日. 2016年8月10日閲覧。初出は『黒/La Nigreco』第2次第2号、2003年6月
  17. ^ 鹿島拾市. “「馬の骨」のころ・後編”. 山本夜羽音のサイト「DOXA(独立左派日誌)」2004年5月28日. 2016年8月10日閲覧。初出は『黒/La Nigreco』終刊号、2004年6月
  18. ^ 『青いムーブメント』243-254頁。
  19. ^ 『青いムーブメント』300頁。
  20. ^ 山本夜羽音 (2003年11月3日). “天皇がキライならタイホだとキミが言ったから11月3日はムショ記念日”. 山本夜羽音のサイト「DOXA(独立左派日誌)」. 2016年8月10日閲覧。
  21. ^ 大田リョウ、鹿島拾市、玄田生ほか (1997年10月10日). “釈明と謝罪を求める申し入れ”. ロフトプラスワン襲撃を許さない共同声明. 2016年8月10日閲覧。
  22. ^ いいだもも蔵田計成編著『検証内ゲバ Part2――21世紀社会運動の「解体的再生」の提言』社会批評社、2003年、246-257頁。
  23. ^ “ホーム”アキバでも麻生首相離れ”. 日刊スポーツ (2008年10月27日). 2016年8月10日閲覧。
  24. ^ おたぱっくQB(救援便)東日本大震災義捐企画
  25. ^ 山本夜羽音 2012年8月23日のツイート2016年8月12日閲覧。
  26. ^ 山本夜羽音 2015年9月22日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  27. ^ 山本夜羽音 2014年6月3日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  28. ^ 外山恒一 (2015年7月). “野間易通 徹底批判”. 2016年8月10日閲覧。
  29. ^ 外山恒一 2012年5月16日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  30. ^ 山本夜羽音 2015年6月2日のツイート、2016年8月10日閲覧。
  31. ^ 山本夜羽音 2016年8月4日のツイート、2016年8月10日閲覧。

参考文献[編集]

  • 外山恒一『青いムーブメント――まったく新しい80年代史』彩流社、2008年。

外部リンク[編集]