宮國椋丞
この記事の項目名には以下のような表記揺れがあります。
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基本情報 | |
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国籍 |
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出身地 | 沖縄県糸満市(出生地は石川県金沢市) |
生年月日 | 1992年4月17日(28歳) |
身長 体重 |
186 cm 92 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2010年 ドラフト2位 |
初出場 | 2012年4月8日 |
最終出場 | 2020年10月5日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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宮國 椋丞(みやぐに りょうすけ、1992年4月17日 - )は、沖縄県糸満市出身(出生地は石川県金沢市)のプロ野球選手(投手)。右投右打。
「國」の字は旧字体であるが、メディアによって宮国椋丞の表記も見られる。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
石川県金沢市生まれ[1]。兄の影響で小学一年生で野球を始める。高嶺中学校時代は軟式野球部に所属。
糸満高校では沖縄県1年生大会決勝で興南高校に投げ勝ち、7年ぶりの優勝に貢献。2年春からエースとして活躍し、3年夏には県大会決勝に進むも島袋洋奨を擁する興南高校に敗れた[2]。
2010年10月28日のプロ野球ドラフト会議にて読売ジャイアンツから2位指名を受け入団した。背番号はかつて江川卓が使用していた「30」となった。
巨人時代[編集]
2011年はイースタン・リーグで4試合に登板し、19イニングを投げて自責点0だった[3]。シーズン後は宮崎秋季キャンプに参加し、川口和久投手総合コーチから高評価を得た[4]。
2012年は春季キャンプから一軍に帯同[5]。3月25日に行われたオークランド・アスレチックスとの親善試合では先発して5回9奪三振1失点で[6]、開幕ローテーション入り。4月8日の阪神タイガース戦で一軍公式戦初登板。先発して7回を1失点に抑え、巨人では槙原寛己以来29年ぶりとなる10代での初登板初勝利を挙げた[7][8]。5月1日の広島東洋カープ戦ではプロ初完投・初完封勝利を記録。高卒2年目での完封は巨人では桑田真澄以来となった[9]。しかし、5月16日のオリックス・バファローズ戦で右肩に違和感を覚え、翌日に登録抹消。二軍での調整を経て7月15日に一軍復帰。8月5日の横浜DeNAベイスターズ戦で3ヶ月ぶりの勝利を挙げると[10]、レギュラーシーズン終了まで先発ローテーションの一角を担った。ポストシーズンは2試合に登板し、中日ドラゴンズとのCSファイナルステージ第3戦に先発して5回3失点[11]。北海道日本ハムファイターズとの日本シリーズでは第4戦に先発し7回3安打無失点[12]。いずれも勝敗はつかなかった。アジアシリーズでは決勝のラミゴ戦に先発。6回1失点で勝利投手となった[13]。
2013年はWBCに出場したエース内海哲也の代役として開幕投手を務めた。20歳での開幕投手は1988年の桑田真澄以来だったが[14]、7回途中3失点で勝ち星はつかず。7月25日の広島戦で2回途中8失点でノックアウトされるなど[15]、シーズンを通じてスランプに陥り、このシーズンは三度の二軍降格を命じられた。10月3日に右下腿内側痛が判明し、ポストシーズンの出場が絶望的となった[16]。CSには出場せず、日本シリーズの40人枠からも外れた。
2014年は、オープン戦から不調が続き、開幕一軍から外れる。4月と8月に1度ずついずれも横浜DeNAベイスターズ戦に先発するも2試合とも4回持たずKOされ、二軍に降格した。10月6日、広島戦で先発し7回1失点と好投、前田健太に投げ勝ちチームの最終戦でようやく初白星を挙げた[17]。
2015年は、先発から中継ぎに転向し、新人の戸根千明と共に、主に点差の付いた試合やスコット・マシソン、山口鉄也に繋げる役割を果たし中継ぎの一角として活躍。39試合に登板した。
2016年も中継ぎとして34試合に登板し、4勝1敗6ホールドを挙げた。
2017年は開幕を二軍で迎え、4月11日に一軍に昇格。3年ぶりに先発に復帰したものの6月までに0勝7敗(1敗はリリーフでの敗北)、チームでは2005年の桑田真澄以来となる7連敗を喫した[18]。
2018年は中継ぎとして29試合に登板し、4ホールドだった。
2019年も全て中継ぎで28試合に登板、オフに背番号を58に変更した。
2020年は21試合登板(うち1試合先発)、0勝0敗、防御率5.33だった。10月5日の阪神戦に登板するも、右肩痛を訴え、右肩のコンディション不良で翌6日に登録抹消された[19]。その後、リハビリを重ねキャッチボールを再開していたが、11月11日に球団から、来季の構想外であることを告げられた[20]。
選手としての特徴[編集]
ワインドアップから長身を活かして投げるスリークォーターから繰り出すナチュラルに変化する最速150km/hのストレート[21][22][23][24]に加え、スライダー、スローカーブ、フォークボールが持ち球[25]。加えて2012年シーズン中にツーシームを習得した[26][27]。打たせて取る投球スタイル[28]。高校時代から肘のしなりや低めへの制球力に定評があり[29]、牽制、クイック、フィールディング[30]など、マウンドさばきも巧み[31]。首脳陣からの評価も高く[32]、将来のエース候補と期待されていた[33]。
人物[編集]
マウンドでは堂々とした投球を見せる一方で、インタビューや囲み取材は苦手とするなどシャイな一面がある[34]。以前は偏食家で野菜や果物はほとんど食べなかったが、球速アップを目指して2012年から食生活の改善に取り組んでいる[35][36]。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[編集]
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012 | 巨人 | 17 | 16 | 1 | 1 | 0 | 6 | 2 | 0 | 0 | .750 | 386 | 97.0 | 76 | 4 | 28 | 1 | 3 | 54 | 3 | 1 | 27 | 20 | 1.86 | 1.07 |
2013 | 17 | 17 | 0 | 0 | 0 | 6 | 7 | 0 | 0 | .462 | 401 | 87.2 | 113 | 8 | 35 | 0 | 2 | 50 | 2 | 0 | 52 | 48 | 4.93 | 1.69 | |
2014 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 64 | 14.0 | 22 | 3 | 3 | 0 | 1 | 6 | 2 | 0 | 11 | 10 | 6.43 | 1.79 | |
2015 | 39 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | 1 | 5 | .750 | 194 | 49.0 | 38 | 4 | 15 | 1 | 0 | 28 | 3 | 0 | 17 | 16 | 2.94 | 1.08 | |
2016 | 34 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 6 | .800 | 162 | 39.2 | 38 | 6 | 9 | 0 | 0 | 14 | 0 | 0 | 14 | 13 | 2.95 | 1.18 | |
2017 | 17 | 9 | 0 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0 | 1 | .125 | 246 | 57.0 | 64 | 5 | 18 | 0 | 0 | 41 | 0 | 1 | 32 | 30 | 4.74 | 1.44 | |
2018 | 29 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | ---- | 133 | 32.0 | 27 | 4 | 10 | 0 | 3 | 25 | 0 | 0 | 8 | 7 | 1.97 | 1.16 | |
2019 | 28 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | .000 | 122 | 29.2 | 26 | 2 | 9 | 0 | 1 | 21 | 1 | 0 | 16 | 13 | 3.94 | 1.21 | |
2020 | 21 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 109 | 25.1 | 27 | 5 | 8 | 1 | 0 | 22 | 1 | 0 | 15 | 15 | 5.33 | 1.38 | |
NPB:9年 | 205 | 46 | 1 | 1 | 0 | 21 | 21 | 1 | 19 | .500 | 1817 | 431.1 | 431 | 41 | 135 | 3 | 10 | 261 | 12 | 2 | 192 | 172 | 3.59 | 1.31 |
- 2020年度シーズン終了時
年度別守備成績[編集]
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2012 | 巨人 | 17 | 10 | 13 | 2 | 1 | .920 |
2013 | 17 | 2 | 20 | 0 | 1 | 1.000 | |
2014 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | |
2015 | 39 | 0 | 8 | 1 | 0 | .889 | |
2016 | 34 | 4 | 11 | 0 | 0 | 1.000 | |
2017 | 17 | 2 | 6 | 2 | 0 | .800 | |
2018 | 29 | 2 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
2019 | 28 | 0 | 4 | 1 | 0 | .800 | |
2020 | 21 | 1 | 4 | 0 | 1 | 1.000 | |
通算 | 205 | 21 | 70 | 7 | 3 | .929 |
- 2020年度シーズン終了時
背番号[編集]
- 30(2011年 - 2019年)
- 58(2020年)
記録[編集]
- 投手記録
- 初登板・初先発・初勝利:2012年4月8日、対阪神タイガース3回戦(阪神甲子園球場)、7回1失点4奪三振
- 初奪三振:同上、1回裏に柴田講平から空振り三振
- 初完投勝利・初完封勝利:2012年5月1日、対広島東洋カープ4回戦(東京ドーム)、3被安打・7奪三振
- 初セーブ:2015年10月3日、対横浜DeNAベイスターズ25回戦(横浜スタジアム)、8回裏1死に5番手で救援登板、完了、1回2/3を無失点
- 打撃記録
- 初安打・初打点:2012年5月1日、対広島東洋カープ4回戦(東京ドーム)、3回裏に篠田純平から中前適時打
登場曲[編集]
- 「ハイサイ to di ウチナー -BUZZ UP MIX-」U-DOU & PLATY(2012年 - 2013年)
- 「Training Montage」Vince DiCola(2012年)
- 「島人ぬ宝」かりゆし58(2012年)
- 「Gangnam Style」PSY(2012年)
- 「全開の唄」かりゆし58(2013年)
- 「Time Of Your Life feat. Ne-Yo」Pitbull(2015年)
- 「Invincible Now feat. Nicki Minaj & Shawn Lewis」A-Roma(2016年)
- 「Blue Sky feat. Mary Jane Smith」Feenixpawl & Jason Forte(2017年 - 2018年)
- 「狼煙 ~Ready To Go~」FIRE BALL(2019年 - 2020年)
脚注[編集]
- ^ 『スポーツアルバム No.41 宮國椋丞』(ベースボール・マガジン社) 69頁。
- ^ プロ注目の糸満・宮国、悲願届かず デイリースポーツオンライン 2010年7月18日
- ^ 巨人宮国DeNA戦で1軍デビュー nikkansports.com 2011年12月11日
- ^ 巨人 期待の右腕 宮国に川口コーチ絶賛「彼が投手陣を助けてくれるかも」 スポニチアネックス 2011年11月10日
- ^ 原監督 新人王候補の2年目・宮国1軍スタートを決断 スポニチアネックス 2012年1月23日
- ^ 巨人宮国メジャー相手に圧巻奪三振ショー 日刊スポーツ 2012年3月26日
- ^ 巨人救った19歳・宮国 槙原以来29年ぶり10代初登板初勝利! スポーツニッポン 2012年4月8日
- ^ 槙原氏以来、宮国が巨人10代の初登板勝利 デイリースポーツオンライン 2012年4月8日
- ^ 宮国、桑田以来の高卒2年目プロ初完封!どエライ東京Dデビュー! スポーツ報知 2012年5月2日
- ^ 宮国様サマ~!戻ってきた夏男が久々3勝 nikkansports.com 2012年8月6日
- ^ 【巨人】宮国5回3失点KO/CS nikkansports.com 2012年10月19日
- ^ 【巨人】宮国堂々!7回3安打0封 nikkansports.com 2012年10月31日
- ^ 原巨人5冠!アジアも制覇/アジアS nikkansports.com 2012年11月12日
- ^ 20歳宮国、開幕投手へ 88年桑田以来 日刊スポーツ 2013年3月3日
- ^ 宮国最悪8失点KO2軍…恥ずかしい試合 日刊スポーツ 2013年7月26日
- ^ 宮国、CSも日本Sも絶望!右下腿内側痛で全治1か月以上 スポーツ報知 2013年10月4日
- ^ 巨人逆転勝ち、宮国が今季初勝利 広島は3位転落 日本経済新聞 2014年10月6日
- ^ 巨人宮国300万減「球団からもっとできるだろと」日刊スポーツ 2017年11月28日掲載
- ^ [https://hochi.news/amp/articles/20201005-OHT1T50216.html 【巨人】宮国椋丞投手、堀岡隼人投手が抹消へ 宮国は右肩のコンディション不良 2020年10月5日掲載
- ^ 来季の契約について巨人公式ホームページ 2020年11月11日掲載
- ^ 宮国「魔球」持ってた!予測不能な変化で開幕ローテ狙う! 2012年2月27日 スポーツ報知
- ^ 『2013 プロ野球オール写真選手名鑑』日本スポーツ企画出版社、2013年、9頁。ISBN 978-4-905411-11-6。
- ^ “宮国、自己最速150キロ!7回3失点2被弾も原監督「いい形で戻ってきた」”. スポーツ報知 (2013年6月28日). 2013年7月1日閲覧。
- ^ “宮国ヒヤリ3勝!阿部に怒られた 被弾後藤にど真ん中”. スポニチ Sponichi Annex (2012年8月6日). 2012年8月6日閲覧。
- ^ 【プロ野球】急成長右腕、巨人・宮國椋丞のローテーション入りはあるか? web Sportiva 2012年02月27日
- ^ 宮国「動く球」で幻惑投球 初東京ドームで初完封 スポニチアネックス 2012年5月2日
- ^ 【巨人】FA捕手!実松が宮国完封リード nikkansports.com 2012年5月1日
- ^ 宮国、1軍合格!課題3項目クリア、15日・中日戦で復帰へ スポーツ報知 2012年7月9日
- ^ ドラフト候補&監督直撃インタビュー 『野球小僧』10月号、白夜書房、雑誌18801-10、72-73項。
- ^ 巨人宮国、広い「捕」幅で最速バント処理 nikkansports.com 2013年2月5日
- ^ 巨人の宮國椋丞は本物なのか?若手投手が一軍入りする必要条件。 NumberWeb 2012年3月4日
- ^ 巨人・原監督、プロ初完封の宮國に「私自身も勉強するところがある」 スポーツナビ 2012年5月1日
- ^ 伝統の球団のイケメンエース候補 巨人の宮国椋丞投手 msn産経ニュース 2012年6月23日
- ^ 宮国年俸大幅アップも声小さく nikkansports.com 2012年11月29日
- ^ Close up 宮國椋丞(巨人) 二軍に2ヵ月落とされ球速10km/hアップ 2/3 現代ビジネス 2012年09月29日
- ^ 宮國椋丞(巨人) 二軍に2ヵ月落とされ球速10km/hアップ 3/3 現代ビジネス 2012年09月29日
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 個人年度別成績 宮國椋丞 - NPB.jp 日本野球機構
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