学習漫画

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学習漫画(がくしゅうまんが)とは、日本における漫画のジャンルの一つ。

概要[編集]

歴史テクノロジー経済など人々が学習する内容を文章表現ではなく漫画にすることで、読者が理解し易くしたものである。「漫」の字を現在小学校では学習しないため、実際の書籍では「学習まんが」と表記されることも多い。

児童生徒向けのもの(即ち児童書)が主であったが、近年は大人向けのもの(実用書)も増えている。

学習漫画は「学習する」という性質上、制作委員会などを結成して内容の構成や方向性を決め、架空の人物・組織が登場することなどはあってもその目的を損なう加筆・脚色は許されない。委員会には取り上げるテーマに精通した大学教授や知識人が監修をするケースがほとんどである。

新聞や小説など活字に溢れた文章を読まない、いわゆる「活字離れ」と呼ばれる現象が顕著になった現在、学習する内容をこれら学習漫画でまかなうケースが増えてきた。またそれらの世代に向けて、学校の教科書にも漫画が掲載された経緯もあり、これについては物議を醸した。[誰?]

脚色を加えつつも源氏物語原典を忠実に再現した大和和紀の『あさきゆめみし』、横山光輝の『三国志』といった一部の歴史漫画は非常に学術的価値が高いものとして認められるものもある。また、厳密には学習漫画(児童書)ではないが、漫画のストーリーに基づいた資格取得参考書住宅新報社の「マンガでわかる資格試験シリーズ」等)や大学受験参考書なども発刊されている。

代表的な学習漫画[編集]

単行本化されているもの。タイトル後に著者(作画担当者)名が無い作品は基本的に巻毎に異なる作家が担当(オムニバス形式)。

基本的に、学研は「学研まんが」、集英社は「学習漫画」、小学館は「学習まんが」、角川書店は「まんが学習」の商標を用いているが、登録商標ではない。

日本史[編集]

  • 学習まんが 少年少女 日本の歴史 (小学館 )1981 全21巻(初版は全20巻)
    • 監修:児玉幸多 作画:あおむら純
    • 80年代のまんが日本史ブームの発端となる。2016年時点でシリーズ累計1948万部以上を発行する[1]
  • マンガ日本の歴史中央公論新社中央公論社)1989
    • 作:石ノ森章太郎 (ハードカバー版:全48巻+現代篇全7巻=55巻、中公文庫版・石ノ森章太郎萬画大全集版:全55巻) 
    • それまでの学習漫画は子ども向けだったが、大人向けに日本の歴史を漫画で精巧に描き、シリーズ累計で800万部以上を売り上げ、80年代のまんが日本史ブームの集大成となった。
    • 各巻ごとに担当スタッフが明記されており、例を挙げると南北朝時代編の18・19巻では原案を村井章介・脚本を仲倉重郎 が手掛けている[2]。また40巻以降ではシュガー佐藤が作画協力をしている。
    • 発行順は縄文時代末期~明治時代初期編、旧石器・縄文時代編、明治中期~昭和時代の終わりまでを描いた「現代篇」となっている。
    • また石ノ森は本作終了後、同じ中央公論社が手掛けた『マンガ日本の古典』シリーズで『古事記』上巻を漫画化している(マンガ日本の古典1『古事記』 1996年)。
  • 学習まんが はじめての日本の歴史 (小学館 ) 2015 全15巻

世界史[編集]

中国史[編集]

人物伝[編集]

特定の人物を取り上げるシリーズ。

  • 伝記世界の偉人(中央公論社)1985
    • 監修:手塚治虫 全17巻
  • 学習まんが物語 人物日本の歴史(国際情報社)1985
    • 全15巻(45冊)+別巻1
  • 学習まんが物語 人物世界の歴史(国際情報社)1986
    • 全15巻(45冊)+別巻1
  • 学習漫画 日本の伝記(集英社)1987
    • 全18巻
  • 学習漫画 世界の伝記(集英社)1989
    • 全40巻+別巻1
  • 学習漫画 世界の伝記NEXT(集英社)2010-
    • 33巻
  • コミック版日本の歴史(ポプラ社) 2007-
  • コミック版世界の伝記(ポプラ社) 2011-
  • 漫画でよめる! シリーズ(講談社)2013-
  • 角川まんが学習シリーズ まんが人物伝(角川書店) 2017-

サイエンス的な内容をテーマとするもの[編集]

  • なぜなぜ理科学習漫画・全12巻(集英社刊)
    • 初版1963年で、1971年まで版を重ねたロングセラー。版ごとに細かく内容が改訂されており、例えば天体現象や宇宙開発を扱う第一巻『ひらけいく宇宙』では、1969年のアポロ計画による月面着陸成功を受けて、月旅行の内容をアポロ計画を取り入れた内容に改訂している。1972年頃に、別漫画作者で再刊されている。
  • まんがサイエンス
    • あさりよしとお著。学研教育出版(現・学研プラス)発行の雑誌『5年の科学』および『6年の科学』などで連載されていた科学学習漫画。第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品。
  • 理論社のまんがシリーズ
    • たかしよいち原作、吉川豊漫画、出版社は理論社。「まんが化石動物記」、「まんが世界ふしぎ物語」、「まんが世界なぞのなぞ」、「まんが人間の歴史」、「まんが生命のふしぎ物語」などがある。一部は新書サイズのフォア文庫で再発。
  • 科学ふしぎクエスト(学研プラス)
    • 上記サバイバルシリーズのヒットに影響を受けたと思われる学研の学習漫画。フルカラー作品。2015年創刊。

産業・職業を題材とするもの[編集]

  • 学習に役立つマンガの本 シリーズ(ポプラ社
    • 1991年から1992年に20巻刊行。
  • 学習漫画早わかり! シリーズ(集英社)
    • 1995年から1998年にかけて10巻刊行。

歴史以外の教科学習を内容とするもの[編集]

大人向けに一般教養的な内容をテーマとするもの[編集]

  • マンガ日本経済入門
    • 石ノ森章太郎著。日本経済について分かりやすく漫画化したもの。大人向けの学習漫画として話題を呼んだ。

古典作品を内容とするもの[編集]

性教育をテーマとするもの[編集]

  • まんがで読む・ひとびとの生と性(ポプラ社
  • 愛ってなんだろう(コミック版 語ろうよこころ・からだ・いのち 岩崎書店
    • 作画:木村郁代、著:北沢杏子、1989年刊行。中高生の自我と性教育を扱った「語ろうよこころ・からだ・いのち」シリーズの番外編として上下巻が刊行。2000年まで重版された。

学習雑誌[編集]

学習漫画を主体に構成する雑誌


アニメ[編集]

学習漫画を基にアニメ化した作品。

他の学習漫画のアニメ

海外の学習漫画のアニメ

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “御守しおり”付き『少年少女 日本の歴史』の限定セット<PR>、朝日新聞デジタル&M、2016年12月20日。
  2. ^ 『マンガ日本の歴史18 建武新政から室町幕府の成立へ』中公文庫 1997年。 
  3. ^ “岸本斉史、荒木飛呂彦らが偉人描く「学習まんが 日本の歴史」表紙イラスト公開”. コミックナタリー. (2016年7月6日). http://natalie.mu/comic/news/193537 2016年7月6日閲覧。 
  4. ^ 各巻における紹介役を差し替えたもの(博士→ドラえもん、少年→のび太ジャイアンスネ夫・少女→しずかなど)
  5. ^ 「マンガでわかる」というタイトルは大人向け学習漫画では一般的に使われるが、オーム社のホームページに従うこととする。

外部リンク[編集]