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不就学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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不就学(ふしゅうがく)、非就学(ひしゅうがく)とは、学校に就学していないこと。通常は、学籍もない場合をさし、学籍はあるものの出席していない場合をさすことはあまりない。なお、「未就学」はどちらかといえば学齢未満の場合をさすニュアンスがある。広義の不登校に含まれる。

現在の日本では、主に日系ブラジル人を始めとする外国籍子供が就学年齢に達しているのに学校に通っていないことが問題となっている。

前提条件

日本義務教育制度は、学齢期の日本国籍者の義務教育諸学校(小学校中学校特別支援学校、中等教育学校)への自動的な就学を保障しているが、学齢超過者や、非日本国籍者は義務教育制度の対象外である。このため、本人や保護者が希望しなければ、就学がなされない。ただし、学齢超過者の就学希望については、多くの自治体で拒否されやすい傾向にあるが、学齢期の非日本国籍者の就学希望については、原則的に受け入れることとなっている。

しかし、自治体による温度差もあり、必ずしも受け入れに積極的ではない自治体も存在する。このことが、学齢期の非就学者の増加に影響している。

特徴

  • 彼らは日本語がわからないケースが多い。また日本語や母国語が分かっても日常会話程度で学校の授業について行けない場合がある(ダブル・リミテッド
  • 一日中自宅(マンション)の周りにいることが多い。さらに真夜中外で遊ぶケースもある。中には何年にもわたって学校に通っていないケースや引きこもり状態になるケースもあるという。また暇なため非行に走り犯罪を引き起こすこともあるという。
  • 彼らの親は共稼ぎの場合が多い。そのため子供だけで昼間ほったらかしにされてること多い。彼らの家族団らんは深夜行うこと多い(親の仕事終了後ということ)。彼らは親の休日、親と一緒に深夜に出掛ける場合(ショピングセンターなどに)がある。
  • 彼らは暮らしている自治体ブラジル学校などが開設した不就学児向けの日本語教室虹の架け橋教室・無料)に通っていることもある。
  • 彼らの親の多くは肉体労働者だという。

親の願い

不就学児の親は子供をできれば母国系の学校に通わせたいと思っている。だがそういった学校の授業料は一月3万から5万円するため親の稼ぎでは無理だという。さらに日本の学校では彼らの母国と教育のカリキュラムがあまりに違いすぎていつか母国に帰国したときのこと思うと駄目だという。また彼らは子供の教育について日本の子供たちと同じ待遇を地元自治体や日本政府に求めているという。

不就学児の中には工場などで働いている者がいる。そのうち一部は労働基準法の適法年齢に達しない者もいるという。

参考書籍

  • 佐久間孝正『外国人の子どもの不就学』勁草書房、2006年 ISBN 9784326298860

参考資料

関連項目